科研費 - 吉岡 博文
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感染植物のオキシダティブバーストの分子機構と局部・全身的感染防御応答の統御機能
1999年4月 - 2002年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
道家紀志
担当区分:研究分担者
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植物の新たな感染防御応答因子の探索とその機能解析
2000年4月 - 2003年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
川北一人
担当区分:研究分担者
科研費
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生物資源由来物質による植物免疫の誘導とその病害防除への応用試験
1998年4月 - 2000年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)(2)(展開)
担当区分:研究分担者
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植物の感染防御応答へのシグナル機能をもつオキシダティブバーストの分子生理機構
1997年4月 - 1999年12月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
道家紀志
担当区分:研究分担者
科研費
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植物のストレス応答における新規な全身的シグナル伝達系の解析
1997年4月 - 1999年3月
科学研究費補助金 萌芽的研究・
道家紀志
担当区分:研究分担者
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ジャガイモ塊茎組織におけるファイトアレキシン合成系酵素の活性化制御機構
1993年4月 - 1994年3月
科学研究費補助金 奨励研究(A)
吉岡博文
担当区分:研究代表者
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ジャガイモ塊茎組織におけるファイトアレキシン合成系遺伝子の発現制御
1992年4月 - 1993年3月
科学研究費補助金 奨励研究(A)
吉岡博文
担当区分:研究代表者
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食害昆虫によって誘導される植物免疫シグナルの細胞間移行に関する分子基盤
研究課題/研究課題番号:20K21310 2020年7月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
吉岡 博文, 近藤 竜彦
担当区分:研究代表者
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
MAPKバイオセンサーを開発し、MAPKの活性化動向を観察した結果、ニジュウヤホシテントウの加害は植物免疫シグナルを細胞間で移行させ、集団協調的な生体防御機構を誘導することを明らかにした。本研究では、MAPK活性の拡散を阻害する植物病原菌エフェクターをスクリーニングすることで、細胞間ネットワークに関わる中核植物因子を同定する。咀嚼昆虫と植物間における新たなシグナルネットワークの発掘を可能にする先駆的モデルを提示し、病害虫抵抗性付与の戦略を構築すると共に、未踏の研究領域の開拓を目指す。
ニジュウヤホシテントウの食害による隣接細胞への時空間的MAPKの活性化を、傷害処理とHAMPの同時処理によって模倣することができた。このシステムを用いることで、隣接細胞のMAPKの活性化を抑制するジャガイモ疫病菌エフェクターを探索することが可能になる。エフェクターと細胞質局在型MAPKセンサーを発現させたベンサミアナ葉にHAMPおよび傷害処理した。MAPKセンサーを用いた対照区では、処理部から周辺の細胞へFRET蛍光の拡散が確認された。一方、各種エフェクターを導入した場合、5つのエフェクターを発現させた区においてFRET蛍光の拡散が抑制された。
MAPKバイオセンサーを開発し、MAPKの活性化動向を観察した結果、ニジュウヤホシテントウの加害は植物免疫シグナルを細胞間で移行させ、集団協調的な生体防御機構を誘導することを明らかにした。本研究では、MAPK活性の拡散を阻害する植物病原菌エフェクターをスクリーニングすることで、細胞間ネットワークに関わる中核植物因子を同定する。咀嚼昆虫と植物間における新たなシグナルネットワークの発掘を可能にする先駆的モデルを提示し、病害虫抵抗性付与の戦略を構築すると共に、未踏の研究領域の開拓を目指す。 -
ナノ粒子を用いた農薬送達システムによる革新的植物免疫プライミング技術の開発
2020年5月 - 2023年3月
生物系特定産業技術研究支援センター イノベーション創出強化研究推進事業
吉岡博文
資金種別:競争的資金
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研究課題/研究課題番号:20H02984 2020年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:18070000円 ( 直接経費:13900000円 、 間接経費:4170000円 )
植物免疫応答では、原形質膜に存在するNADPHオキシダーゼによって2相性のROSバーストが誘導される。ROSバーストは第一では弱く、第二ではより激しく起こり、免疫細胞死に重要な役割を果たす。ROSはそのセンサータンパク質を酸化することによって構造を変化させ、様々な細胞応答を引き起こすと考えられている。しかし、植物免疫応答に関与するROSセンサーについては未開拓である。本研究では、植物免疫応答の鍵を握るROSセンサータンパク質を網羅的に探索し、機能を明らかにすることでROSによる免疫統御機構を明らかにすることを目的とする。
本研究の目的は、植物免疫応答の鍵を握るROSセンサータンパク質を網羅的に探索し、機能を調べることによってROSによる免疫統御機構を明らかにすることである。ROSは、世界中で防御応答のマーカーとして観察されているが、その作用機構について説明することができない。ROSであるH2O2は、そのセンサータンパク質のシステインのチオール基 (-SH) を酸化し (-SOH;スルフェン酸)、分子内または分子間でジスルフィド結合を形成する。あるいは、スルフェン酸が還元型グルタチオン (GSH) と反応してS-グルタチオン化 (-S-SG) することによってROSセンサータンパク質の構造を変化させ、様々な細胞応答を引き起こすことが知られている。
これまでに、PTIおよびETIにおいてスルフェニル化されると予想される多くのタンパク質を得ることができた。これらの中で、カルシウムチャネルと予想される候補タンパク質を大腸菌で発現させ、リコンビナントタンパク質を得た。リコンビナントタンパク質を過酸化水素によって酸化させ、スルフェン酸と特異的に結合するdimedoneを加えた後、抗システイン-dimedone抗体を用いてウエスタン解析した。その結果、候補タンパク質がin vitroでスルフェニル化されることを確認した。本年度は、さらに、標的システインをアラニンに置換した変異リコンビナントタンパク質は、スルフェニル化されないことを確認した。
ベンサミアナタバコ葉において候補遺伝子を抑制し、病原菌に対する影響を調べた。その結果、ジャガイモ疫病菌および灰色かび病菌が著しく感染するようになった。さらに、ベンサミアナタバコ葉に発現させ、病害シグナルを与えた後に免疫沈降することで標的タンパク質を回収し、in vivoでスルフェニル化されることを確かめた。しかし、現時点ではLCMS/MS解析の結果は得られていない。
ROSは、植物免疫応答を局部的、全身的あるいはPTIおよびETIにおいて重要なシグナル分子であると認識され、世界中で防御応答のマーカーとして観察されているが、その作用機構について説明することができない。ROSであるH2O2は、そのセンサータンパク質のシステインのチオール基 (-SH) を酸化し (-SOH;スルフェン酸)、分子内または分子間でジスルフィド結合 (-S-S-) を形成する。あるいは、スルフェン酸が還元型グルタチオン (GSH) と反応してS-グルタチオン化 (-S-SG) することによってROSセンサータンパク質の構造を変化させ、様々な細胞応答を引き起こすことが知られている。
これまでに、YAP1を用いてROSセンサーを網羅的に探索し、PTIおよびETIにおいてスルフェニル化されると予想される多くのタンパク質を得ることができた。これらの中で、カルシウムチャネルと予想される候補タンパク質を大腸菌で発現させ、リコンビナントタンパク質を得た。リコンビナントタンパク質を過酸化水素によって酸化させ、スルフェン酸と特異的に結合するdimedoneを加えた後、抗システイン-dimedone抗体を用いてウエスタン解析した。その結果、候補タンパク質がin vitroでスルフェニル化されることを確認した。
本年度は、ベンサミアナタバコ葉において候補遺伝子を抑制し、病原菌に対する影響を調べた。その結果、ジャガイモ疫病菌および灰色かび病菌が著しく感染することが確かめられた。さらに、候補遺伝子を抑制したベンサミアナタバコにおいて、スルフェニル化されるシステインを置換した変異候補遺伝子では、灰色かび病菌に対する抵抗性を相補することができなかった。この結果は、標的システインが抵抗性発現において重要な役割を果たすことを示している。以上のように、おおむね予定通り研究が進展した。
これまでに、カルシウムチャネルと予想される候補遺伝子のコンビナントタンパク質を過酸化水素によって酸化させ、スルフェン酸と特異的に結合するdimedoneを加えた後、抗システイン-dimedone抗体を用いてウエスタン解析した。その結果、候補タンパク質がin vitroでスルフェニル化されることを確認した。さらに、得られたROSセンサーのスルフェニル化の機能を解析する目的で、dimedoneより強くスルフェニル化されたシステインと結合するBTD (benzothiazine-based probe) で化学ラベルし、コンビナントタンパク質が過酸化水素によって酸化されることを確認した。また、ベンサミアナタバコ葉に候補遺伝子を発現させ、病害シグナルを与えた後に免疫沈降することで標的タンパク質を回収し、in vivoでスルフェニル化されることを確かめた。しかし、現時点ではLCMS/MS解析の結果は得られていない。
本年度は、dimedoneに比べて100倍以上スルフェニル化されたシステインとの反応性が高いBTDを用いてin vivoにおける候補タンパク質のスルフェニル化を調べる。タグを付加した候補遺伝子をベンサミアナタバコ葉で発現させ、病害シグナルを与えた後に免疫沈降することで標的タンパク質を回収し、in vivoでスルフェニル化されることを確かめる予定である。 -
バイオセンサーを用いた植物免疫賦与剤のスクリーニング
2019年6月 - 2020年5月
住友化学株式会社 企業からの受託研究
資金種別:競争的資金
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研究課題/研究課題番号:18K19210 2018年6月 - 2020年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
吉岡 博文, 近藤 竜彦
担当区分:研究代表者
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
本研究課題では、ニジュウヤホシテントウ由来のHAMP (herbivore-associated molecular pattern)を精製し、その構造を決定することを第一の目的とする。テントウの吐き戻し液成分の中にROS生産を誘導する物質が存在することを見出した。大量のニジュウヤホシテントウの吐き戻し液から、各種カラムを用いてROS誘導活性画分を精製・収集した。精製した活性成分をLC-MS/MS解析した結果、分子量1,000以下の化合物であり、この精製画分でベンサミアナタバコ葉を処理すると、ROS生産およびMAPK活性を一過的に誘導することが示された。
咀嚼昆虫が抵抗性誘導物質を生産する例が報告され、HAMPs (herbivore-associated molecular patterns) と呼ばれるようになってきた。しかし、咀嚼昆虫に対する植物免疫機能の実態は依然としてよくわかっていない。テントウの吐き戻し液成分の中にペルオキシダーゼを活性化する物質が存在することを見出した。本研究課題では、ニジュウヤホシテントウ由来のHAMPを精製し、その構造を決定することを第一の目的とする。本研究の成果によって、咀嚼昆虫と植物間における新たなシグナルネットワークの発掘を可能にする先駆的モデルを提示するとともに、病害虫抵抗性付与の戦略を構築する。 -
研究課題/研究課題番号:17H03772 2017年4月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
植物免疫には、PTI (Pattern-triggered immunity)とETI (Effector-triggered immunity) による2段階の免疫応答が存在する。いずれもMAPキナーゼが重要な役割を果たしている。申請者は、時空間的に細胞・組織レベルでMAPキナーゼ活性動向をモニターするバイオセンサーの開発に着手した。本研究では、集団協調的な生体防御機構の実態を理解することを目的とし、病原菌の感染に応答したMAPキナーゼ活性を可視化することによって、PTIおよびETIにおける新たなシグナルネットワークの発掘を可能にする先駆的モデル系を提示する。
生きた細胞でのMAPキナーゼ活性の時空間的観察は、従来の生化学的手法では不可能であったが、バイオセンサーを用いることにより、集団協調的な植物免疫シグナル伝達をライヴイメージングすることが可能となる。本研究で得られる成果は、MAPキナーゼによる基礎抵抗性や免疫細胞死の制御機構を提供するのみでなく、新たな植物免疫誘導剤の開発に貢献するものである。 -
研究課題/研究課題番号:17H05526 2017年4月 - 2019年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:14690000円 ( 直接経費:11300000円 、 間接経費:3390000円 )
植物の免疫応答では、葉緑体における活性酸素種 (ROS) の生成が誘導されることが知られている。光化学系II (PSII) では一重項酸素が、PSIではO2-が生成される。レトログレードシグナルとしてO2-から派生したH2O2が葉緑体から核へ直接送り込まれる可能性が示されている。葉緑体のH2O2は、葉緑体または核でROSセンサー分子に受容されると予想される。本研究では、葉緑体のROSを介したシグナル伝達機構の解明を目指し、免疫応答、PTI (pattern-triggered immunity) および細胞死を伴うETI (effector-triggered immunity) におけるROSセンサー分子の役割を調べた。
ROSを介した主なシグナル伝達は、センサー分子のシステイン残基がH2O2と反応してスルフェン酸を形成し、スルフェン酸が修飾を受けることでシグナルが誘導される。スルフェン酸と反応してシグナル伝達を阻害するYAP1を葉緑体に発現させたところ、INF1誘導による細胞死が抑制された。ベンサミアナタバコにPTIとETIをそれぞれ誘導し、クロロフィル蛍光とガス交換速度の測定により光合成活性測定を行った。ETIを誘導するRpi-blb2/AVRblb2は、PSI に連動するCO2固定活性を顕著に抑制した。一方で、PTIを誘導するflg22はCO2固定に影響を与えなかった。さらに、PTIとETIは共にPSII活性に影響を与えなかった。以上の結果から、ETIにおけるCO2固定阻害に起因した過剰なNADPHが、葉緑体でのROS生成に寄与しているものと考えられた。
以上より、葉緑体のROSシグナルは、細胞死を誘導する因子に関連した複雑なネットワークを形成しているものと思われた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。 -
研究課題/研究課題番号:15H01398 2015年4月 - 2017年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:13000000円 ( 直接経費:10000000円 、 間接経費:3000000円 )
ベンサミアナタバコ (Nicotiana benthamiana) においては、NbRBOHBが病害応答性CDPKやRLCKによってリン酸化され、ROS生産を誘導する。本年度は、2種の蛍光タンパク質 (YFP、CFP)、NbRBOHB由来のリン酸化配列を用いて、CDPKまたはRLCKによるリン酸化によって生ずる構造の変化に伴って蛍光共鳴エネルギー移動 (Foster Resonance Energy Transfer: FRET) が起こる2つのセンサーの基本構造を構築し、FRET効率の最適化を図った。
FRETシステムは、センサーのリン酸化時と非リン酸化時で異なる波長の蛍光として観察されるため、CDPKまたはRLCKの活性化を生細胞で蛍光として観察できる。2遺伝子発現型バイナリーベクターをベースとして、作製したセンサーとエフェクターをそれぞれ35Sプロモーターの下流に挿入した。エフェクターには、病害応答性CDPKの恒常活性型変異体 (NbCDPK5VK) および非活性型変異体 (NbCDPK5VK-KM) を用いた。これらバイナリーベクターを、アグロインフィルタレーション法によってベンサミアナタバコに導入して発現させ、葉組織から粗抽出液を調製し、マルチプレートリーダーを用いてFRET蛍光 (YFP/CFP) の強度を評価した。しかし、現在までに良好なFRET蛍光は得られていない。そこで、NbRBOHB遺伝子の転写を制御するWRKY8転写因子を同定し、この転写因子を活性化するMAPKの活性化を可視化することを可能にしたMAPKバイオセンサーの開発に成功した。このセンサーをベンサミアナタバコに一過的に導入して発現させた結果、病原菌の感染シグナルに応答したFRET蛍光が観察された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
28年度が最終年度であるため、記入しない。 -
プラントアクチベーター候補剤の病害虫抵抗性試験と作用機構の解明
2014年11月 - 2019年2月
農林水産省 SIP戦略的イノベーション創造プログラム
資金種別:競争的資金
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MAPキナーゼの基質WRKY型転写因子による植物免疫機構の解明
研究課題/研究課題番号:26292023 2014年4月 - 2017年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:13650000円 ( 直接経費:10500000円 、 間接経費:3150000円 )
一部のWRKY型転写因子は、MAPKによってリン酸化されることで植物免疫を始動する。植物免疫に関与するMAPKが多くの光合成関連遺伝子や二酸化炭素の固定を司る遺伝子を抑制することを見出した。この阻害は、ベンサミアナタバコ葉の表皮細胞において葉緑体での活性酸素種 (ROS) 生産を引き起こす。ジャガイモ疫病菌のエフェクターがレセプターで認識されると、WRKYに依存した表皮細胞における葉緑体ROSバーストが誘導され、表皮細胞への病原菌侵入に対する抵抗性が賦与された。これらの結果は、MAPK-WRKY系路がベンサミアナタバコ葉の表皮細胞において病原菌の侵入阻害を誘導することを示唆している。
植物が病原菌を認識して生体防御機構を始動すると、細胞死を伴った激しい免疫応答が誘導される。この誘導過程には、主にMAPキナーゼであるSIPKが関与する。しかし、その作用機構はほとんど明らかになっていない。本研究では、SIPKの基質であるWRKY型転写因子の下流遺伝子を網羅的に探索・比較することによって、植物免疫応答の制御機構を明らかにすることを目的とする。成果として、MAPK-WRKY系路がベンサミアナタバコ葉の表皮細胞において病原菌の侵入阻害を誘導することを明らかにした。 -
イネのウンカ・ヨコバイ類抵抗性遺伝子の単離と抵抗性発現機構の解明
2013年6月 - 2015年2月
農林水産省 農林水産省委託プロジェクト
資金種別:競争的資金
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研究課題/研究課題番号:25660293 2013年4月 - 2015年3月
科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
急激な活性酸素種 (ROS) は、植物免疫応答に重要はシグナルとして機能する。植物のNADPHオキシダーゼであるRBOHのN末端側が、カルシウム依存性プロテインキナ-ゼ (CDPK) により直接リン酸化されて活性化される。本研究では、RBOHのリン酸化動態を可視化するバイオセンサーを作製し、病原菌が感染した細胞でRBOH活性を時空間的に観察することを目的とした。本センサーは、リン酸化に応答して蛍光共鳴エネルギー移動 (FRET) が起こるように設計されている。センサー構造の最適化を試みたが、FRETに基づく十分な蛍光強度が得られなかった。
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毒素とエリシター:病原菌に由来する細胞死誘導因子の機能と病理学的役割の比較研究
研究課題/研究課題番号:23380025 2011年4月 - 2014年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
児玉 基一朗, 吉岡 博文, 上中 弘典
担当区分:研究分担者
植物と病原体間における相互作用の場で、病原菌由来の毒素は病原性因子として、一方、エリシターは非病原性因子として機能している。両者は植物細胞死の誘導因子という共通の作用を示すが、その病理学的意義・役割は全く逆である。本研究では、宿主特異的毒素およびエリシターを用いた比較研究を通して、necrotrophic病原菌の感染過程においては、両者により誘導される細胞死が菌の感染を有利に導き、毒素/エリシターともに病原性因子として機能することを明らかにした。また、両者により誘導される植物細胞における細胞死カスケードにおいては、その過程が同一ではない可能性を示した。