科研費 - 吉岡 博文
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食害昆虫によって誘導される植物免疫シグナルの細胞間移行に関する分子基盤
2020年7月 - 2023年3月
科学研究費補助金 挑戦的研究 (萌芽)
吉岡博文
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
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活性酸素の受容体による柔軟な植物免疫誘導機構の分子基盤
2020年4月 - 2024年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
吉岡博文
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:16070000円 ( 直接経費:11900000円 、 間接経費:4170000円 )
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食害昆虫に由来する植物免疫誘導物質の同定と免疫機構の解明
2018年4月 - 2020年3月
科学研究費補助金 挑戦的研究 (萌芽)
吉岡博文
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
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MAPキナーゼセンサーによる植物免疫シグナルの可視化
2017年4月 - 2021年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
吉岡博文
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
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葉緑体で発生する活性酸素シグナルの調節機構
2017年4月 - 2019年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究
吉岡博文
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:15690000円 ( 直接経費:12300000円 、 間接経費:3390000円 )
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NADPHオキシダーゼ活性の時空間的定量法の確立
2015年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究
吉岡博文
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:13000000円 ( 直接経費:10000000円 、 間接経費:3000000円 )
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MAPキナーゼの基質WRKY型転写因子による植物免疫機構の解明
2014年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
吉岡博文
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:15990000円 ( 直接経費:12300000円 、 間接経費:3690000円 )
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NADPHオキシダーゼ活性の可視化による植物免疫機構の解明
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
吉岡博文
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
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植物免疫に関わるMAPキナーゼによる活性酸素の生産制御機構
2011年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究
吉岡博文
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
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毒素とリシター:病原菌に由来する細胞死誘導因子の機能と病理学的役割の比較研究
2011年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
児玉基一朗
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:3900000円 ( 直接経費:3000000円 、 間接経費:900000円 )
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病害応答を制御する葉緑体シグナルの解明
2010年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
椎名 隆
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:650000円 ( 直接経費:500000円 、 間接経費:150000円 )
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植物表層における病原糸状菌の分子パターン認識機構とシグナルネットワークの解明
2009年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
久保康之
担当区分:その他
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毒素vsエリシター:病原菌に由来する細胞死誘導因子の機能と進化に関する比較研 究
2008年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
児玉基一朗
担当区分:研究分担者
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植物の感染防御応答に関わる葉緑体カルシウムシグナル伝達ネットワーク
2008年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金
中平洋一
担当区分:研究分担者
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植物免疫を統御する転写因子の分子機構解明と耐病性化への応用
2007年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
吉岡博文
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:44850000円 ( 直接経費:34500000円 、 間接経費:10350000円 )
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植物の感染防御応答におけるNOと活性酸素種の協奏的作用機構の解明
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)(一般)
川北一人
担当区分:研究分担者
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フザリウム病原菌の2種の転写制御因子によって制御される病原性遺伝子群の網羅的同定
2003年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
柘植尚志
担当区分:研究分担者
科研費
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植物のオキシダティブバーストと生体防御ネットワークの分子生理学的解明と応用
2002年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金 基盤研究(S)
道家紀志
担当区分:研究分担者
科研費
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ファイトアレキシン合成系遺伝子のプロモーター解析
2000年4月 - 2002年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
吉岡博文
担当区分:研究代表者
科研費
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ファイトアレキシン合成系遺伝子の構造と機能の解析
1998年4月 - 2000年3月
科学研究費補助金 奨励研究(A)
吉岡博文
担当区分:研究代表者
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感染植物のオキシダティブバーストの分子機構と局部・全身的感染防御応答の統御機能
1999年4月 - 2002年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
道家紀志
担当区分:研究分担者
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植物の新たな感染防御応答因子の探索とその機能解析
2000年4月 - 2003年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
川北一人
担当区分:研究分担者
科研費
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生物資源由来物質による植物免疫の誘導とその病害防除への応用試験
1998年4月 - 2000年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)(2)(展開)
担当区分:研究分担者
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植物の感染防御応答へのシグナル機能をもつオキシダティブバーストの分子生理機構
1997年4月 - 1999年12月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
道家紀志
担当区分:研究分担者
科研費
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植物のストレス応答における新規な全身的シグナル伝達系の解析
1997年4月 - 1999年3月
科学研究費補助金 萌芽的研究・
道家紀志
担当区分:研究分担者
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ジャガイモ塊茎組織におけるファイトアレキシン合成系酵素の活性化制御機構
1993年4月 - 1994年3月
科学研究費補助金 奨励研究(A)
吉岡博文
担当区分:研究代表者
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ジャガイモ塊茎組織におけるファイトアレキシン合成系遺伝子の発現制御
1992年4月 - 1993年3月
科学研究費補助金 奨励研究(A)
吉岡博文
担当区分:研究代表者
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食害昆虫によって誘導される植物免疫シグナルの細胞間移行に関する分子基盤
研究課題/研究課題番号:20K21310 2020年7月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
吉岡 博文, 近藤 竜彦
担当区分:研究代表者
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
MAPKバイオセンサーを開発し、MAPKの活性化動向を観察した結果、ニジュウヤホシテントウの加害は植物免疫シグナルを細胞間で移行させ、集団協調的な生体防御機構を誘導することを明らかにした。本研究では、MAPK活性の拡散を阻害する植物病原菌エフェクターをスクリーニングすることで、細胞間ネットワークに関わる中核植物因子を同定する。咀嚼昆虫と植物間における新たなシグナルネットワークの発掘を可能にする先駆的モデルを提示し、病害虫抵抗性付与の戦略を構築すると共に、未踏の研究領域の開拓を目指す。
ニジュウヤホシテントウの食害による隣接細胞への時空間的MAPKの活性化を、傷害処理とHAMPの同時処理によって模倣することができた。このシステムを用いることで、隣接細胞のMAPKの活性化を抑制するジャガイモ疫病菌エフェクターを探索することが可能になる。エフェクターと細胞質局在型MAPKセンサーを発現させたベンサミアナ葉にHAMPおよび傷害処理した。MAPKセンサーを用いた対照区では、処理部から周辺の細胞へFRET蛍光の拡散が確認された。一方、各種エフェクターを導入した場合、5つのエフェクターを発現させた区においてFRET蛍光の拡散が抑制された。
MAPKバイオセンサーを開発し、MAPKの活性化動向を観察した結果、ニジュウヤホシテントウの加害は植物免疫シグナルを細胞間で移行させ、集団協調的な生体防御機構を誘導することを明らかにした。本研究では、MAPK活性の拡散を阻害する植物病原菌エフェクターをスクリーニングすることで、細胞間ネットワークに関わる中核植物因子を同定する。咀嚼昆虫と植物間における新たなシグナルネットワークの発掘を可能にする先駆的モデルを提示し、病害虫抵抗性付与の戦略を構築すると共に、未踏の研究領域の開拓を目指す。 -
ナノ粒子を用いた農薬送達システムによる革新的植物免疫プライミング技術の開発
2020年5月 - 2023年3月
生物系特定産業技術研究支援センター イノベーション創出強化研究推進事業
吉岡博文
資金種別:競争的資金
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研究課題/研究課題番号:20H02984 2020年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:18070000円 ( 直接経費:13900000円 、 間接経費:4170000円 )
植物免疫応答では、原形質膜に存在するNADPHオキシダーゼによって2相性のROSバーストが誘導される。ROSバーストは第一では弱く、第二ではより激しく起こり、免疫細胞死に重要な役割を果たす。ROSはそのセンサータンパク質を酸化することによって構造を変化させ、様々な細胞応答を引き起こすと考えられている。しかし、植物免疫応答に関与するROSセンサーについては未開拓である。本研究では、植物免疫応答の鍵を握るROSセンサータンパク質を網羅的に探索し、機能を明らかにすることでROSによる免疫統御機構を明らかにすることを目的とする。
本研究の目的は、植物免疫応答の鍵を握るROSセンサータンパク質を網羅的に探索し、機能を調べることによってROSによる免疫統御機構を明らかにすることである。ROSは、世界中で防御応答のマーカーとして観察されているが、その作用機構について説明することができない。ROSであるH2O2は、そのセンサータンパク質のシステインのチオール基 (-SH) を酸化し (-SOH;スルフェン酸)、分子内または分子間でジスルフィド結合を形成する。あるいは、スルフェン酸が還元型グルタチオン (GSH) と反応してS-グルタチオン化 (-S-SG) することによってROSセンサータンパク質の構造を変化させ、様々な細胞応答を引き起こすことが知られている。
これまでに、PTIおよびETIにおいてスルフェニル化されると予想される多くのタンパク質を得ることができた。これらの中で、カルシウムチャネルと予想される候補タンパク質を大腸菌で発現させ、リコンビナントタンパク質を得た。リコンビナントタンパク質を過酸化水素によって酸化させ、スルフェン酸と特異的に結合するdimedoneを加えた後、抗システイン-dimedone抗体を用いてウエスタン解析した。その結果、候補タンパク質がin vitroでスルフェニル化されることを確認した。本年度は、さらに、標的システインをアラニンに置換した変異リコンビナントタンパク質は、スルフェニル化されないことを確認した。
ベンサミアナタバコ葉において候補遺伝子を抑制し、病原菌に対する影響を調べた。その結果、ジャガイモ疫病菌および灰色かび病菌が著しく感染するようになった。さらに、ベンサミアナタバコ葉に発現させ、病害シグナルを与えた後に免疫沈降することで標的タンパク質を回収し、in vivoでスルフェニル化されることを確かめた。しかし、現時点ではLCMS/MS解析の結果は得られていない。
ROSは、植物免疫応答を局部的、全身的あるいはPTIおよびETIにおいて重要なシグナル分子であると認識され、世界中で防御応答のマーカーとして観察されているが、その作用機構について説明することができない。ROSであるH2O2は、そのセンサータンパク質のシステインのチオール基 (-SH) を酸化し (-SOH;スルフェン酸)、分子内または分子間でジスルフィド結合 (-S-S-) を形成する。あるいは、スルフェン酸が還元型グルタチオン (GSH) と反応してS-グルタチオン化 (-S-SG) することによってROSセンサータンパク質の構造を変化させ、様々な細胞応答を引き起こすことが知られている。
これまでに、YAP1を用いてROSセンサーを網羅的に探索し、PTIおよびETIにおいてスルフェニル化されると予想される多くのタンパク質を得ることができた。これらの中で、カルシウムチャネルと予想される候補タンパク質を大腸菌で発現させ、リコンビナントタンパク質を得た。リコンビナントタンパク質を過酸化水素によって酸化させ、スルフェン酸と特異的に結合するdimedoneを加えた後、抗システイン-dimedone抗体を用いてウエスタン解析した。その結果、候補タンパク質がin vitroでスルフェニル化されることを確認した。
本年度は、ベンサミアナタバコ葉において候補遺伝子を抑制し、病原菌に対する影響を調べた。その結果、ジャガイモ疫病菌および灰色かび病菌が著しく感染することが確かめられた。さらに、候補遺伝子を抑制したベンサミアナタバコにおいて、スルフェニル化されるシステインを置換した変異候補遺伝子では、灰色かび病菌に対する抵抗性を相補することができなかった。この結果は、標的システインが抵抗性発現において重要な役割を果たすことを示している。以上のように、おおむね予定通り研究が進展した。
これまでに、カルシウムチャネルと予想される候補遺伝子のコンビナントタンパク質を過酸化水素によって酸化させ、スルフェン酸と特異的に結合するdimedoneを加えた後、抗システイン-dimedone抗体を用いてウエスタン解析した。その結果、候補タンパク質がin vitroでスルフェニル化されることを確認した。さらに、得られたROSセンサーのスルフェニル化の機能を解析する目的で、dimedoneより強くスルフェニル化されたシステインと結合するBTD (benzothiazine-based probe) で化学ラベルし、コンビナントタンパク質が過酸化水素によって酸化されることを確認した。また、ベンサミアナタバコ葉に候補遺伝子を発現させ、病害シグナルを与えた後に免疫沈降することで標的タンパク質を回収し、in vivoでスルフェニル化されることを確かめた。しかし、現時点ではLCMS/MS解析の結果は得られていない。
本年度は、dimedoneに比べて100倍以上スルフェニル化されたシステインとの反応性が高いBTDを用いてin vivoにおける候補タンパク質のスルフェニル化を調べる。タグを付加した候補遺伝子をベンサミアナタバコ葉で発現させ、病害シグナルを与えた後に免疫沈降することで標的タンパク質を回収し、in vivoでスルフェニル化されることを確かめる予定である。 -
バイオセンサーを用いた植物免疫賦与剤のスクリーニング
2019年6月 - 2020年5月
住友化学株式会社 企業からの受託研究
資金種別:競争的資金
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研究課題/研究課題番号:18K19210 2018年6月 - 2020年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
吉岡 博文, 近藤 竜彦
担当区分:研究代表者
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
本研究課題では、ニジュウヤホシテントウ由来のHAMP (herbivore-associated molecular pattern)を精製し、その構造を決定することを第一の目的とする。テントウの吐き戻し液成分の中にROS生産を誘導する物質が存在することを見出した。大量のニジュウヤホシテントウの吐き戻し液から、各種カラムを用いてROS誘導活性画分を精製・収集した。精製した活性成分をLC-MS/MS解析した結果、分子量1,000以下の化合物であり、この精製画分でベンサミアナタバコ葉を処理すると、ROS生産およびMAPK活性を一過的に誘導することが示された。
咀嚼昆虫が抵抗性誘導物質を生産する例が報告され、HAMPs (herbivore-associated molecular patterns) と呼ばれるようになってきた。しかし、咀嚼昆虫に対する植物免疫機能の実態は依然としてよくわかっていない。テントウの吐き戻し液成分の中にペルオキシダーゼを活性化する物質が存在することを見出した。本研究課題では、ニジュウヤホシテントウ由来のHAMPを精製し、その構造を決定することを第一の目的とする。本研究の成果によって、咀嚼昆虫と植物間における新たなシグナルネットワークの発掘を可能にする先駆的モデルを提示するとともに、病害虫抵抗性付与の戦略を構築する。 -
研究課題/研究課題番号:17H03772 2017年4月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
植物免疫には、PTI (Pattern-triggered immunity)とETI (Effector-triggered immunity) による2段階の免疫応答が存在する。いずれもMAPキナーゼが重要な役割を果たしている。申請者は、時空間的に細胞・組織レベルでMAPキナーゼ活性動向をモニターするバイオセンサーの開発に着手した。本研究では、集団協調的な生体防御機構の実態を理解することを目的とし、病原菌の感染に応答したMAPキナーゼ活性を可視化することによって、PTIおよびETIにおける新たなシグナルネットワークの発掘を可能にする先駆的モデル系を提示する。
生きた細胞でのMAPキナーゼ活性の時空間的観察は、従来の生化学的手法では不可能であったが、バイオセンサーを用いることにより、集団協調的な植物免疫シグナル伝達をライヴイメージングすることが可能となる。本研究で得られる成果は、MAPキナーゼによる基礎抵抗性や免疫細胞死の制御機構を提供するのみでなく、新たな植物免疫誘導剤の開発に貢献するものである。 -
研究課題/研究課題番号:17H05526 2017年4月 - 2019年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:14690000円 ( 直接経費:11300000円 、 間接経費:3390000円 )
植物の免疫応答では、葉緑体における活性酸素種 (ROS) の生成が誘導されることが知られている。光化学系II (PSII) では一重項酸素が、PSIではO2-が生成される。レトログレードシグナルとしてO2-から派生したH2O2が葉緑体から核へ直接送り込まれる可能性が示されている。葉緑体のH2O2は、葉緑体または核でROSセンサー分子に受容されると予想される。本研究では、葉緑体のROSを介したシグナル伝達機構の解明を目指し、免疫応答、PTI (pattern-triggered immunity) および細胞死を伴うETI (effector-triggered immunity) におけるROSセンサー分子の役割を調べた。
ROSを介した主なシグナル伝達は、センサー分子のシステイン残基がH2O2と反応してスルフェン酸を形成し、スルフェン酸が修飾を受けることでシグナルが誘導される。スルフェン酸と反応してシグナル伝達を阻害するYAP1を葉緑体に発現させたところ、INF1誘導による細胞死が抑制された。ベンサミアナタバコにPTIとETIをそれぞれ誘導し、クロロフィル蛍光とガス交換速度の測定により光合成活性測定を行った。ETIを誘導するRpi-blb2/AVRblb2は、PSI に連動するCO2固定活性を顕著に抑制した。一方で、PTIを誘導するflg22はCO2固定に影響を与えなかった。さらに、PTIとETIは共にPSII活性に影響を与えなかった。以上の結果から、ETIにおけるCO2固定阻害に起因した過剰なNADPHが、葉緑体でのROS生成に寄与しているものと考えられた。
以上より、葉緑体のROSシグナルは、細胞死を誘導する因子に関連した複雑なネットワークを形成しているものと思われた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。 -
研究課題/研究課題番号:15H01398 2015年4月 - 2017年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:13000000円 ( 直接経費:10000000円 、 間接経費:3000000円 )
ベンサミアナタバコ (Nicotiana benthamiana) においては、NbRBOHBが病害応答性CDPKやRLCKによってリン酸化され、ROS生産を誘導する。本年度は、2種の蛍光タンパク質 (YFP、CFP)、NbRBOHB由来のリン酸化配列を用いて、CDPKまたはRLCKによるリン酸化によって生ずる構造の変化に伴って蛍光共鳴エネルギー移動 (Foster Resonance Energy Transfer: FRET) が起こる2つのセンサーの基本構造を構築し、FRET効率の最適化を図った。
FRETシステムは、センサーのリン酸化時と非リン酸化時で異なる波長の蛍光として観察されるため、CDPKまたはRLCKの活性化を生細胞で蛍光として観察できる。2遺伝子発現型バイナリーベクターをベースとして、作製したセンサーとエフェクターをそれぞれ35Sプロモーターの下流に挿入した。エフェクターには、病害応答性CDPKの恒常活性型変異体 (NbCDPK5VK) および非活性型変異体 (NbCDPK5VK-KM) を用いた。これらバイナリーベクターを、アグロインフィルタレーション法によってベンサミアナタバコに導入して発現させ、葉組織から粗抽出液を調製し、マルチプレートリーダーを用いてFRET蛍光 (YFP/CFP) の強度を評価した。しかし、現在までに良好なFRET蛍光は得られていない。そこで、NbRBOHB遺伝子の転写を制御するWRKY8転写因子を同定し、この転写因子を活性化するMAPKの活性化を可視化することを可能にしたMAPKバイオセンサーの開発に成功した。このセンサーをベンサミアナタバコに一過的に導入して発現させた結果、病原菌の感染シグナルに応答したFRET蛍光が観察された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
28年度が最終年度であるため、記入しない。 -
プラントアクチベーター候補剤の病害虫抵抗性試験と作用機構の解明
2014年11月 - 2019年2月
農林水産省 SIP戦略的イノベーション創造プログラム
資金種別:競争的資金
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MAPキナーゼの基質WRKY型転写因子による植物免疫機構の解明
研究課題/研究課題番号:26292023 2014年4月 - 2017年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:13650000円 ( 直接経費:10500000円 、 間接経費:3150000円 )
一部のWRKY型転写因子は、MAPKによってリン酸化されることで植物免疫を始動する。植物免疫に関与するMAPKが多くの光合成関連遺伝子や二酸化炭素の固定を司る遺伝子を抑制することを見出した。この阻害は、ベンサミアナタバコ葉の表皮細胞において葉緑体での活性酸素種 (ROS) 生産を引き起こす。ジャガイモ疫病菌のエフェクターがレセプターで認識されると、WRKYに依存した表皮細胞における葉緑体ROSバーストが誘導され、表皮細胞への病原菌侵入に対する抵抗性が賦与された。これらの結果は、MAPK-WRKY系路がベンサミアナタバコ葉の表皮細胞において病原菌の侵入阻害を誘導することを示唆している。
植物が病原菌を認識して生体防御機構を始動すると、細胞死を伴った激しい免疫応答が誘導される。この誘導過程には、主にMAPキナーゼであるSIPKが関与する。しかし、その作用機構はほとんど明らかになっていない。本研究では、SIPKの基質であるWRKY型転写因子の下流遺伝子を網羅的に探索・比較することによって、植物免疫応答の制御機構を明らかにすることを目的とする。成果として、MAPK-WRKY系路がベンサミアナタバコ葉の表皮細胞において病原菌の侵入阻害を誘導することを明らかにした。 -
イネのウンカ・ヨコバイ類抵抗性遺伝子の単離と抵抗性発現機構の解明
2013年6月 - 2015年2月
農林水産省 農林水産省委託プロジェクト
資金種別:競争的資金
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研究課題/研究課題番号:25660293 2013年4月 - 2015年3月
科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
急激な活性酸素種 (ROS) は、植物免疫応答に重要はシグナルとして機能する。植物のNADPHオキシダーゼであるRBOHのN末端側が、カルシウム依存性プロテインキナ-ゼ (CDPK) により直接リン酸化されて活性化される。本研究では、RBOHのリン酸化動態を可視化するバイオセンサーを作製し、病原菌が感染した細胞でRBOH活性を時空間的に観察することを目的とした。本センサーは、リン酸化に応答して蛍光共鳴エネルギー移動 (FRET) が起こるように設計されている。センサー構造の最適化を試みたが、FRETに基づく十分な蛍光強度が得られなかった。
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毒素とエリシター:病原菌に由来する細胞死誘導因子の機能と病理学的役割の比較研究
研究課題/研究課題番号:23380025 2011年4月 - 2014年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
児玉 基一朗, 吉岡 博文, 上中 弘典
担当区分:研究分担者
植物と病原体間における相互作用の場で、病原菌由来の毒素は病原性因子として、一方、エリシターは非病原性因子として機能している。両者は植物細胞死の誘導因子という共通の作用を示すが、その病理学的意義・役割は全く逆である。本研究では、宿主特異的毒素およびエリシターを用いた比較研究を通して、necrotrophic病原菌の感染過程においては、両者により誘導される細胞死が菌の感染を有利に導き、毒素/エリシターともに病原性因子として機能することを明らかにした。また、両者により誘導される植物細胞における細胞死カスケードにおいては、その過程が同一ではない可能性を示した。
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研究課題/研究課題番号:23117707 2011年4月 - 2013年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
植物は病原菌の攻撃に応答して急激な活性酸素種の生成を引き起こす。この反応はROSバーストと呼ばれ、植物の抵抗反応や過敏感細胞死において重要な役割を果たす。ROSバーストは、主に細胞膜に存在するNADPHオキシダーゼであるRBOHに依存して引き起こされる。ジャガイモ葉組織においては、StRBOHCがジャガイモ葉組織での病害応答に関与することが示されている。葉組織におけるROSバーストに至るまでのシグナル伝達経路の解明は、植物の防御応答システムを明らかにする上で重要である。本研究では、StRBOHCのベンサミアナタバコにおけるオルソログであるNbRBOHBの転写誘導機構を探ることにより、MAPキナーゼカスケード (MEK2-SIPK) がROSバーストを制御する機構を明らかにすることを目的とする。
平成24年度は、NbRBOHBプロモーターのMEK2-SIPKに応答するシス配列に結合する転写因子を決定した。これまでに、StRBOHCおよび NbRBOHBプロモーターの転写因子としてW-box配列を含む推定シス配列の11 bp (11W) を同定した。そこで、MAPKの基質として得られているWRKY型転写因子のNbRBOHBプロモーター活性に及ぼす影響について調べた。酵母ワンハイブリッド解析によって、これら基質の中で11Wと結合する4つのWRKY型転写因子が得られた。さらに、11Wを3タンデムに連結した配列を35Sの最小プロモーターに結合したキメラプロモーターは、11Wと結合したWRKY型転写因子により誘導された。これらWRKY遺伝子をノックダウンすると、エリシター誘導によるNbRBOHBの転写が抑制された。以上の結果より、MAPKの基質である複数のWRKY型転写因子は、11Wに結合することでStRBOHCおよび NbRBOHBプロモーターを活性化するものと思われた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
24年度が最終年度であるため、記入しない。 -
研究課題/研究課題番号:22370022 2010年 - 2012年
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
椎名 隆, 吉岡 博文
担当区分:研究分担者
植物の免疫応答では、サリチル酸が局所的および全身的な免疫応答を制御し、活性酸素種や一酸化窒素が重要な細胞内シグナル分子として働く。これらの免疫シグナル分子の合成には葉緑体が深く関わっている。しかし、植物免疫応答における葉緑体の役割は、これまでほとんど注目されていなかった。本研究では、植物免疫応答における葉緑体の役割を検証し、葉緑体Ca2+結合タンパク質CAS を介した新しい葉緑体免疫シグナルを発見した。
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改良型虫害抵抗性遺伝子の導入による耐虫性イネの創出
2009年7月 - 2010年3月
独立行政法人科学技術振興機構 JSTイノベーションプラザ東海 独立行政法人科学技術振興機構 JSTイノベーションプラザ東海
資金種別:競争的資金
シーズ発掘試験
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植物表層における病原糸状菌の分子パターン認識機構とシグナルネットワークの解明
研究課題/研究課題番号:21380031 2009年 - 2011年
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
久保 康之, 森 正之, 西内 巧, 古賀 博則, 吉岡 博文
担当区分:連携研究者
本研究では、病原糸状菌の感染に対する植物の基本的抵抗性の実体解明を目的として、植物の病害応答性の強度に関連する炭疸病菌、およびいもち病菌の分子パターン変異株(ssd1株)を用い、病原菌の表層構造の変化と植物細胞表層における防御応答に関する認識とシグナル伝達に関する研究を進めた。とくに、イネ-いもち病菌系、シロイヌナズナ-炭疸病菌系における、ゲノム科学的アプローチにより分子パターン認識の下流で進行するシグナルネットワークに関する研究を進め、耐病性に重要な転写因子の同定とイネいもち病菌に対する耐病性を示すトランスジェニック植物を作出した。
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イネのウンカ・ヨコバイ抵抗性遺伝子群の単離と利用
2008年4月 - 2013年3月
農林水産省 新農業展開ゲノムプロジェクト
資金種別:競争的資金
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植物の感染防御応答に関わる葉緑体カルシウムシグナル伝達ネットワーク
研究課題/研究課題番号:20200060 2008年 - 2010年
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究課題提案型)
中平 洋一, 湯川 泰, 椎名 隆, 吉岡 博文, 杉浦 昌弘, 戸澤 譲, 朽津 和之
担当区分:連携研究者
葉緑体は、植物の感染防御応答で重要な役割を果たしている可能性が指摘されていたが、その分子機構についてはほとんどわかっていなかった。本研究では、この未解明の領域の研究に取り組み、その全体像を描き出すことに成功した。(1)まず、細胞外の病原体に由来するPAMPシグナルが葉緑体へ伝達される機構を解明した。PAMPシグナルが、まず細胞質Ca^<2+>濃度の速い一過的上昇を引き起こし、引き続きそのシグナルが葉緑体に伝達され、葉緑体Ca^<2+>シグナルを生じる。葉緑体Ca^<2+>シグナルの発生には、葉緑体チラコイド膜タンパク質であるCASが関与しており、チラコイド膜からのCa^<2+>放出が関係している可能性が示唆される。(2)さらにCASは、PAMPが誘導する基本免疫応答のPTIおよび病原体エフェクター分子を特異的に認識することで発動するETIの両者に必要な因子であることがわかった。PTIはサリチル酸(SA)依存経路を介して制御されており、CASがSA誘導に必須の因子であることを明らかにした。(3)植物の防御応答遺伝子群の発現には葉緑体に由来する色素体シグナルが必要であることを解明した。また、その実体として、一重項酸素シグナルが原いている可能性を示した。また、CASが一重項酸素シグナリングに関与している可能性も示唆された 今後、今回発見した葉緑体依存の感染防御応答機構の分子機構を詳細に研究していくことで、新しい植物防御システムの開発につながる可能性がある。
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毒素vsエリシター:病原菌に由来する細胞死誘導因子の機能と進化に関する比較研究
研究課題/研究課題番号:20380028 2008年 - 2010年
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
児玉 基一朗, 吉岡 博文
担当区分:研究分担者
植物-病原体相互作用の場において、菌の生産する毒素は病原性因子として、一方、エリシターは非病原性因子として機能する。両者は植物細胞死(プログラム細胞死)の誘導因子という共通の作用を示すが、その病理学的意義は正反対である。本研究では、宿主特異的AAL毒素およびINF1エリシターを用いて、necrotrophic病原菌Aiternaria alternataの感染過程においては、毒素/エリシターの区別なく誘導される細胞死が菌の感染を有利に導き、両者ともに病原性因子として機能することを明らかにした。
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植物免疫シグナル分子を利用した高精度耐病性植物の創生
2007年7月 - 2012年3月
独・農業・食品産業技術総合研究機構 生研センター「新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業」
資金種別:競争的資金
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イネ虫害抵抗性遺伝子の作用機構に関する研究
2007年4月 - 2008年3月
農林水産省 グリーンテクノ計画
資金種別:競争的資金
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研究課題/研究課題番号:19208004 2007年 - 2010年
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
吉岡 博文, 川北 一人
担当区分:研究代表者
配分額:44850000円 ( 直接経費:34500000円 、 間接経費:10350000円 )
MAPキナーゼカスケードは、植物免疫に重要な働きを果たす。しかし、防御応答に関わるMAPキナーゼの下流シグナル伝達は明らかになっていない。本研究では、ベンサミアナタバコのWRKY型転写因子がSIPK、NTF4およびWIPKの基質であることを見いだした。WRKY8のリン酸化は、DNAへの結合活性を増加させた。MAPキナーゼに依存したWRKY8のリン酸化は、下流の遺伝子を活性化させることにより防御応答に重要な役割を果たすことが明らかになった。
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植物の感染防御応答におけるNOと活性酸素種の協奏的作用機構の解明
研究課題/研究課題番号:18380032 2006年 - 2008年
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
川北 一人, 竹本 大吾, 園田 雅俊, 吉岡 博文
担当区分:研究分担者
病原体の感染に対する植物の防御応答において、細胞死を伴った一連の抵抗反応が誘導される。活性酸素と一酸化窒素(NO)は抵抗反応の誘導・増幅シグナルとして機能していると考えられ、植物体内でのそれらの生成系の解析を行った。また、スーパーオキシド(O2-)とNOとの反応物であるパーオキシナイトライト(ONOO-)が細胞死を誘導し、植物の基礎抵抗性に関与している可能性を示した。さらに細胞死を誘導するセラミド関連化合物を特定し、抵抗反応誘導機構の解明における有用性を示唆した。
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フザリウム病原菌の2種の転写制御因子によって制御される病原性遺伝子群の網羅的同定
研究課題/研究課題番号:15208005 2003年 - 2006年
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
柘植 尚志, 吉岡 博文
担当区分:研究分担者
メロンつる割病菌(Fusarium oxysporum f.sp.melonis)の植物感染と胞子形成にそれぞれ不可欠な2種の転写制御因子について、以下の研究を実施した。
1.植物感染に不可欠な転写制御因子Fow2およびFow3によって制御される遺伝子の同定
野生株に比べfow2変異株またはfow3変異株で発現レベルが低下した遺伝子を含むcDNAサブトラクションライブラリーを作製した。これらライブラリーから、それぞれの変異株で発現レベルが顕著に低下したクローンを選抜し、Fow2が正に制御する6遺伝子を同定した。これら遺伝子について、遺伝子破壊によって病原性における機能を解析し、病原性に関与するVRF2-1を同定した。また、FOW2をコードするBACクローンの構造と機能を解析し、VRF2-1がFOW2と連鎖して存在すること、このクローンにはVRF2-1以外にもFow2によって制御される遺伝子が存在することを見出した。また、データベース相同性解析、PCR解析などによって、FOW2相同遺伝子が子のう菌または不完全子のう菌に広く分布することを見出し、植物病原菌に共通な病原性制御遺伝子であることを示唆した。さらに、fow2変異株の前接種がメロンつる割病の発病を顕著に抑止すること、すなわち本変異株が生物防除活性を有することを見出した。
2.胞子形成に不可欠な転写制御因子Ren1およびFoStuAによって制御される遺伝子の同定
病原性の重要な要素のひとつである胞子形成に不可欠な2つの転写制御因子(Ren1およびFoStuA)を同定した。さらに、胞子形成時のEST解析によって同定した496個の遺伝子について野生株、ren1変異株およびfostuA変異株における発現レベルをリアルタイムRT-PCR法によって比較し、Ren1が制御する35遺伝子、FoStuAが制御する3遺伝子を同定した。 -
植物のオキシダテイブバーストと生体防御ネットワークの分子生理学的解明と応用
研究課題/研究課題番号:14104004 2002年 - 2005年
科学研究費助成事業 基盤研究(S)
道家 紀志, 川北 一人, 吉岡 博文
担当区分:研究分担者
ジャガイモ疫病菌の感染に対するオキシダティブバースト(OXB)と防御応答ネットワークに関して次のことを解明した。1)感染防御応答の過程で即応答型の第1相のOXBと誘導応答型の第2相のOXBが発生し、それぞれが活性酸素生成NADPH酸化酵素のRbohAおよびRbohBに依存し、防御応答の発現誘導に決定的な役割を果たす。2)前者はCa^<2+>流入およびCDPKにより活性化し、後者はMAPKカスケードの制御下で発現し、生成したRbohBは第1相のOXBの発生と連動して活性化するリン酸化酵素により活性化される。3)MAPKKのMEKをアミノ酸置換により常時活性型にしたMEK^<DD>を一過的に発現すると、MAPKのSIPKおよびWIPKの活性化、RbohBの発現・誘導、OXBの発生およびHR型の防御応答が誘導される。4)活性化したMPK1は宿主のタンパク質(PPS1〜8)をリン酸化し、その中のPPS3がRbohBおよびファイトアレキシン代謝系酵素の遺伝子(HMGRやPVS)の発現を誘導する。5)親和性レースの感染でもMAPKカスケードの活性化、RbohB、HMGRやPVSなどが発現し、PVS3プロモーター結合GUS遺伝子の形質転換ジャガイモは感染特異的にGUSを誘導する。6)第1相のOXBと共にNOが生成され防御応答に重要な役割を果たす。7)NO生成は誘導発現する硝酸還元酵素(NR)と他の未知NO生成系に依存する。8)局部的OXBは組織内部にCa^<2+>流入を伴う連鎖的細胞興奮を誘導し、これが伝達した組織表面で再びOXBが発生し、全身的獲得抵抗性(SAR)誘導の引き金となる。9)PVS3プロモーター結合MEK^<DD>で形質転換したジャガイモは、親和性疫病菌レースや夏疫病菌の感染に対してOXBを伴うHR型の防御応答を示し耐病性化する。
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研究課題/研究課題番号:12460022 2000年 - 2002年
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
川北 一人, 吉岡 博文, 道家 紀志
担当区分:研究分担者
病原菌の感染に対する植物の防御応答において、新規な抵抗性関連因子を見いだし、これら因子の防御応答における機能を解明することを本研究の目的とした。
ジャガイモ植物あるいはタバコ植物とジヤガイモ疫病菌菌体壁成分エリシターの系を確立し、防御応答時に特異的に発現が誘導される遺伝子のスクリーニングを行った。得られたクローンには、1)タバコ葉を用いたデイファレンシャルハイブリダイゼーション法により、SAR8.2、グリシンリッチタンパク質、エクステンシン、アシルトランスフェラーゼの各遺伝子、2)ジヤガイモ塊茎を用いたサブトラクション法により、感染特異的(PR)タンパク質、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ、アミノシクロプロパンカルボン酸オキシダーゼの各遺伝子や傷害誘導性遺伝子、3)ジャガイモ塊茎を用いたディファレンシャルハイブリダイゼーション法により、チラミンヒドロキシシンナモイルトランスフェラーゼ、グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼの各遺伝子や防御関連遺伝子がそれぞれ含まれていた。
また、タバコ葉を用いたディファレンシャルディスプレイ法により単離した新規遺伝子の機能解析を行った。1種は新たなエリシター応答性シトクロムP450遺伝子であり、CYP82E1と名付けたこの遺伝子は、菌侵入時の障壁物質やファイトアレキシンの合成に関わる新規な二次代謝系酵素遺伝子である可能性が高い。他の1種はエリシター誘導性のレセプター様タンパク質をコードしており、トマトの抵抗性遺伝子であるCf遺伝子群と高い相同性を示し、EILP(Elicitor-Inducible LRR Protein)遺伝子と名付けた。EILP過剰発現タバコ植物において、各種エリシターに対する応答性および病原菌に対する抵抗性が上昇したという結果は、EILPは感染応答時に二次的に情報シグナルを増幅することにより応答性を高めるレセプター様タンパク質であることを示した。 -
研究課題/研究課題番号:12660043 2000年 - 2001年
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:3400000円 ( 直接経費:3400000円 )
ジャガイモ組織に疫病菌が感染を試みると、オキシダティブバーストなど多岐に渡る防御応答が誘導される。ジャガイモ塊茎組織では、ファイトアレキシンであるリシチン蓄積が防御反応の主役を演じている。リシチンはイソプレノイド合成系で生産され、セスキテルペンシクラーゼが鍵酵素であると考えられている。エリシターで誘導したcDNAライブラリーからセスキテルペンシクラーゼを単離したところ、ジャガイモのセスキテルペンシクラーゼは、PVS(potato vetitispiradine synthase)であることが示された。さらに、ジャガイモゲノムライブラリーをスクリーニングしたところ、PVSは多重遺伝子族(PVS1〜PVS4)を形成していることが明らかになった。ジャガイモ葉組織においては、これらPVS遺伝子メンバーの中でPVS3のみがジャガイモ疫病菌の非親和性および親和性レース接種により顕著に誘導されることユニークな遺伝子であることがこれまでの研究で判明している。
本遺伝子の発現制御機構を探る目的で、PVS3ゲノムクローンの塩基配列を決定し、さらに推定プロモーター領域の下流にルシフェラーゼ遺伝子を連結したベクターを構築してプロモーター活性を調べた。エレクトロポレーションによりベクターを導入したジャガイモ培養細胞プロトプラストをジャガイモ疫病菌菌体壁成分エリシターで処理したところ、ルシフェラーゼ活性の増加が認められた。この結果は、本領域内にエリシター応答に関与するシスエレメントが存在することが示すものである。本結果は、このプロモーターを利用することにより、ジャガイモ疫病菌に耐性を示すジャガイモ植物の作出に有用であることを示した。 -
感染植物のオキシダティブバーストの分子機構と局部・全身的感染防御応答の統御機能
研究課題/研究課題番号:11306004 1999年 - 2001年
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
道家 紀志, 吉岡 博文, 川北 一人
担当区分:研究分担者
植物の感染防御応答の初期始動シグナルであるオキシダティブバースト(OXB)系の分子的実態とその制御機構の解明とOXBの制御下で局部的および全身的に発現する防御遺伝子とそれらの二次元的変動を総合的に解明する3カ年計画を実施し、次の成果を挙げた。1)感染・エリシターに対する細胞応答のOXB系うぃ担う酵素系として推定されるNADPH酸化酵素のサブヨニットであるgp91phoxホモログの2種のcDNAをクローニングし、それらはNADPH結合、6箇所の膜貫通、2箇所のca^<2+>結合ドメインをもつなど構造を推定し、その一つは常時発現、他は感染応答性であるという遺伝子の発現様相を明らかにした。2)OXB系の活性化は、インタクトな状態の細胞ではOXB応答機能はなく、傷や感染刺激で速やかに活性化され、その状態の細胞ではca^<2+>チャネル、カルモジュリン、ca^<2+>依存タンパク質リン酸化酵素が関与することを薬理学的に明らかにした。3)エリシター処理などでOXBを誘導し、その下流において発現が誘導される遺伝子をディファレンシャルディスプレー法およびサブストラクション法で各種の誘導性遺伝子をクローニングした。4)OXB関連タンパク質(SrtbohAとB)、NADPH生産に関わるG-6-P脱水素酵素遺伝子の断片をPVXベクターに組み込みタバコに接種しジーンサイレンシングを実施し、非親和性疫病菌に対する抵抗性が打破されることを示し、OXBの防御応答における決定的な役割を確認した。5)局部的OXBの誘導は局部的防御代謝を活性化するばかりでなく、全身的獲得抵抗性誘導の引き金となり、Ca^<2+>インフラクスを起こし細胞の興奮様反応を連鎖的に進行させる情報が伝わり、その興奮が離れた組織でのOXB能をもつ活性化状態の組織に到達するとそこで再びOXBが起こり、それがSARの誘導の引き金となっていることを示唆した。
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生物資源由来物質による植物免疫の誘導とその病害防除への応用試験
研究課題/研究課題番号:10556010 1998年 - 2000年
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
道家 紀志, 吉岡 博文, 川北 一人
担当区分:研究分担者
植物には、感染や異物に応答し、その場のみならず、全身に情報が伝達され全身的獲得抵抗性誘導(SAR)がかかり、耐病性(植物免疫)が得られる。感染・異物の認識過程で発生する急速な活性酸素生成(オキシダティブバースト:OXB)が離れた組織にもOXBを発生させる現象(全身的おXB)の発見と、これがSARの誘導契機となることから、この原理と特質を調査し、植物免疫誘導因子の検索方法を確立し、それを植物免疫誘導による病害防除へ応用することを目指し、次の成果を得た。1.植物のSARを誘導することで知られている菌体エリシターと数種の既知誘導剤の処理が、全身的OXBを誘導することを明らかにし、その応答が全身的獲得抵抗性につながることを示した。2.全身的OXBを誘導シグナルの発信には、OXB応答能をもつ活性化組織細胞への刺激とそれを持たない組織細胞を刺激する2種あることをみいだし、エリシターや過酸化水素は前者を、サリチル酸や既知誘導剤が後者の組織を刺激することを明らかにした。3.全身シグナルの伝達過程には、OXB応答能を持たない組織細胞でカルシウムインフラクスの連鎖反応や表面pHの上昇変動が起こることが判明した。4.局部および全身的OXBの発生する場で固有に誘導される代謝酵素の遺伝子を探索し、それぞれ性質を解析し、マーカとしての可能性を調べた。5.これら原理を調べるために開発した組織を用いて、全身的OXB誘導活性をもつ因子の簡便な検索システムをマニュアル化した。6.このマニュアルを用いて既知誘導化合物とともに16科26種の植物組織からの水溶性および脂溶性画分を検定した結果、数種の科の抽出画分に、既知誘導剤と同様かそれ以上に活性があることを確認し、同時に疫病に対する獲得抵抗性を誘導する活性を確認した。7.以上総合して、植物の生体成分の全身的免疫の信号発信に機能する成分の応用により、植物免疫を誘導し、耐病性強化が図れる可能性を示した。
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研究課題/研究課題番号:10760028 1998年 - 1999年
科学研究費助成事業 奨励研究(A)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:2000000円 ( 直接経費:2000000円 )
本研究は、ジャガイモのファイトアレキシン合成の鍵酵素である3-Hydroxy-3-methylglutary1 CoA reductase (HMGR)遺伝子の推定プロモーター領域について検討したものである。
病原菌接種およびエリシター処理により誘導されるHMG2およびHMG3遺伝子を単離して塩基配列を決定したところ、両ゲノムクローンとも3つのイントロンに分断される構造であった。これらの転写開始点を調べると、両者において翻訳開始コドンからおよそ60〜70塩基上流に複数の転写開始点が認められた。推定プロモーター領域の全長をルシフェラーゼ発現ベクターに組み込み、エレクトロポレーション法でジャガイモ塊茎プロトプラストに導入してプロモーター活性を調べた。HMG2の推定プロモーターでは、HWC処理区においてルシフェラーゼ活性の増加が認められた。デリーションクローンを構築してプロモーター活性を調べた結果、alternative oxidaseのプロモーター領域に見い出されたHFS boxおよびエリシター誘導性の防御遺伝子であるフェニルアラニンアンモニア・リアーゼのシスエレメントであるBox Aの関与が示唆された。
同様にHMG3の推定プロモーター活性を調べた結果、エリシター誘導性の防御遺伝子であるカルコン合成酵素のプロモーター領域に見い出されたmyb配列およびフェニルアラニンアンモニア・リアーゼのシスエレメントであるBox Pの関与が浮かび上がってきた。また、デリーションの位置を考慮すると、約300bpの繰り返し配列の一ユニットではHWC誘電能を発揮し、この配列が繰り返されると、逆に抑制効果をもたらすことが考えられる。さらに、この繰り返し配列は、プロモーター活性を全体的に上昇させる機能を有するものと思われた。 -
研究課題/研究課題番号:09876092 1997年 - 1998年
科学研究費助成事業 萌芽的研究
道家 紀志, 吉岡 博文
担当区分:研究分担者
微生物の感染、異物の侵入、傷害刺激などを一部に受けた植物個体は、直接刺激を受けた組織のみならず全身的に、代謝変動と物質生産を速やかに起こす。刺激を受けた直後の組織では、その場で活性酸素生成反応(オキシダティブバースト:OXB)を急速に高めるが、この局部的なOXB誘導が全身的なOXBをも誘導する現象を見出した。これは、植物のストレス応答における新規な全身的シグナル伝達現象の存在を示唆した。本研究では、ジャガイモ塊茎組織およびその複葉ならびにタバコ植物の葉および個体を用い、局部的OXB誘導物質(菌体エリシター)の局部的刺激処理により、全身的OXBの発生を2種の活性酸素生成測定方法(ルミノールを介した化学発光測定および組織外シトクロムCのSOD感受性還元活性の測定)を開発・解析し、次の成果を得た。1.切断ジャガイモ組織表面へのエリシター処理で、切断後3時間以内は応答がないが、それ以後徐々にOXB応答が現れ、その二次元的発生の可視化・定量を可能にした。2.ジャガイモ塊茎の下端と上端を切断した加齢スライスで、下端断面へのエリシター処理で局部的OXBを誘導すると、数分のラグタイムを経て、上端切断面にOXBが発生した。3.加齢した縦切断塊茎スライスの側壁の一部をエリシター刺激すると、切断面上に、処理部付近から放射状に刻々とOXBが展開した。4.局部的OXBを担うO_2^-生成NADPH酸化酵素系を各種の阻害剤(Ca^<2+>キレート、Ca^<2+>チャネルブロッカ一など)およびカタラーゼやラジカルスカベンジャーの共存下の誘導刺激では、全身的OXBの誘導はなかった、過酸化水素が二次的刺激と判明した。5.全身的OXBの発生基盤は、O_2^-生成NADPH酸化酵素に依存するものと推察された。6.サリチル酸が全身シグナルと考えられているタバコ植物で、一部葉へのエリシター処理が、同一葉の中のみならず、葉柄を経て茎に、茎から他の葉に、サリチル酸関与以前の早さで、OXBを誘導した。7.これらの新現象から、局部的OXBと全身的OXBの発生をつなぐ全身的シグナルシステムの存在を提唱した。
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植物の感染防御応答へのシグナル機能をもつオキシダティブバーストの分子生理機構
研究課題/研究課題番号:09460027 1997年 - 1998年
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
道家 紀志, 吉岡 博文, 川北 一人
担当区分:研究分担者
植物組織は病原菌の感染やエリシターに対して誘導性の防御応答を示すが、この始動時に急速に活性酸素生成反応(オキシダティブバースト:OXB)が起こる。この反応系は、Ca^<2+>、カルモジュリン、タンパク質リン酸化酵素などの情報伝達システム系の制御を受けて活性化される、原形質膜に存在するNADPH酸化酵素の一種であると提案されている。本研究では、このOXB酵素系、その活性化とシグナル伝達およびOXB系と応答遺伝子の発現に関する解析をし、次のことを明らかにした。 1. ジャガイモ塊茎スライスにおける切断後のOXB応答性の経時的活性化。 2. 局部的OXBの全身的OXB誘導現象。 3. ジャガイモ塊茎原形質膜画分におけるO_2生成NADPH酸化酵素の反応速度論的性質。 4. O_2生成NADPH酸化酵素の活性化阻害剤。 5. 原形質膜から活性を維持したO_2生成NADPH酸化酵素の可溶化。 6. 可溶化画分の未変性ポリアクリルアミド電気泳動(PAGE)によるゲル内活性測定法の開発と、数本の活性バンドの検出。 7. ヒト好中球のO_2生成NADPH酸化酵素の構成因子であるgp91^<phox>相同性cDNAのジャガイモからのクローニングと、イネおよびアラピドブシスのgp91^<phox>遺伝子との高い相同性。 8. ジャガイモ塊茎可溶性タンパク質電気泳動画分にヒト好中球のNADPH酸化酵素構成成分のp67^<phox>の抗体との陽性反応。 9. カルシウムイオン阻害剤のOXB誘導阻害と防御関連遺伝子の発現の抑制関連。 10. OXBによる脂質過酸化反応の誘導との関連におけるホスホリパーゼA_2の活性化とその活性化におけるGTP結合タンパク質の関与。 11. OXB誘導に伴う細胞質凝集におけるアクチンの関与とアクチン結合タンパク質の分離・同定。 12. OXBとファイトアレキシン合成関連酵素遺伝発現との関連性の有無と、特定酵素に対する発現制御の可能性。 13. O_2生成NADPH酸化酵素を構成する複合タンパク質のタンパク質と遺伝子の両面からさらなる研究の必要性。
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ジャガイモ塊茎組織におけるファイトアレキシン合成系酵素の活性化制御機構
研究課題/研究課題番号:05760044 1993年
科学研究費助成事業 奨励研究(A)
吉岡 博文
担当区分:研究代表者
配分額:900000円 ( 直接経費:900000円 )
ジャガイモ疫病では、宿主のジャガイモ品種と疫病菌のレースとの間で寄生性が厳密に分かれている。ジャガイモ塊茎組織では、ファイトアレキシンであるリシチンの蓄積が抵抗反応の主役を演じている。ジャガイモ塊茎に疫病菌の親和性・非親和性レースを接種し、リシチン合成の鍵酵素である3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoAリダクターゼ(HMGR)活性を経時的に調べたところ、本酵素活性は後者において顕著に増加した。全RNAを抽出してノーザン解析すると、構成的な蓄積に加え一過的なHMGR mRNAの蓄積増高がみられたが、両菌接種区において顕著な差は認められなかった。さらに、本酵素の活性化は新たなタンパク質の合成を伴うことを考え併せると、HMGRは転写以降から翻訳に至る過程で制御されるものと推定された。この可能性を探るために両菌を接種した塊茎組織から経時的に調製した粗酵素液中のHMGRタンパク質の量的変動を調べることを目的とし、HMGR cDNAよりタンパク質を合成して抗体の作製を試みた。しかしながら、十分な力価を有した抗体を得ることができなかった。そこで、本研究では本菌を接種した塊茎ディスクから経時的にポリソームRNAを調製し、HMGR mRNA量を調べた。その結果、ポリソームを形成したHMGR mRNA量の変動は酵素活性動向と相関し、そのレベルは非親和性菌接種区で顕著に高かった。さらに、12.5〜50%のショ糖密度勾配遠心により接種3時間後の塊茎ディスクからポリソームを分画してHMGR mRNAの分布を調べた。非親和性菌接種区に比べ、親和性菌接種区においてはラージポリゾーム画分でのmRNA量が少ないことが明らかとなった。接種6時間後になると、この傾向はさらに顕著になった。これらの結果より、HMGR活性の特異的経時変化はmRNAがポリソームを形成する過程(翻訳開始過程)で制御される可能性が伺われた。
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ジャガイモ塊茎組織におけるファイトアレキシン合成系遺伝子の発現制御
1992年4月 - 1993年3月
科学研究費助成事業 奨励研究(A)
吉岡博文
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:900000円 ( 直接経費:900000円 )