科研費 - 土川 覚
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円周状溝形成による丸のこの熱的安定化
2000年7月 - 2001年1月
科学研究費補助金 基盤研究(C)(2)(一般)
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
科研費
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近赤外分光法による樹種判別の自動化
2000年5月
委任経理金
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ウォッシュボード防止帯のこの開発
研究課題/研究課題番号:12556026 2000年 - 2001年
木村 志郎
担当区分:研究分担者
帯のこ挽材において、のこ歯通過周波数が帯のこ固有振動数より数Hz高い運転条件のとき、のこ歯の切削軌跡にずれによる切削抵抗横分力が自発的に起こる。帯のこは自励振動(再生びびり)が誘起され、挽材面に凹凸状のウォッシュボードが形成され、問題となっている。自励振動は周期現象であるため、その原因周波数となるのこ歯が等間隔に配列されていると、自励振動は、効率高く発生する。
そこで、本研究では、のこ歯を不等間隔にすることによりウォッシュボードを防止することを発案した。のこ歯ピッチ17,18,19,20,21mm(最小-最大差4mm)および15,16,17,18,19,20,21,22,23,24mm(最小-最大差9mm)を乱数表によりランダムに配列したランダム帯のこ1およびランダム帯のこ2を試作した。のこ車直径410mmの木工用帯のこ盤を用いて、のこ車回転数150〜350rpmの範囲で挽材実験を行い、帯のこの変位および挽材面性状の観察から、自励振動の有無を調べた。等間隔帯のこは曲げ振動モード、ねじり振動モードともに自励振動が起こるのに対して、ランダム帯のこ1は曲げ振動モードの振動は抑制され、ランダム帯のこ2は曲げ振動モード、ねじり振動モードともに完全に振動が抑制され、ウォッシュボード発生は完全に防止できた。自励振動の抑制効果を数値的評価を試みた。のこ歯の振動1周期間で、横分力と振動方向が同方向は正(振動成長)、逆方向は負(振動消滅)とし、全のこ歯で総和を指標値とした。ランダム帯のこ2はどの振動モードも指標値は負になり、自励振動抑制ランダムピッチ帯のこであった。 -
研究課題/研究課題番号:12660149 2000年 - 2001年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
横地 秀行, 土川 覚, 木村 志郎, 土川 覚, 木村 志郎, 土川 覚, 木村 志郎, 土川 覚, 木村 志郎
担当区分:研究分担者
残留内部応力を有する天然生物材料である木材を丸のこで縦挽きする際に、残留内部応力が解放され、鋸断直後フリーとなった部位がのこ歯でない台金面に強く接触することがある。摩擦熱により台金の不均一温度分布に基づく圧縮熱応力が生まれ、丸のこの剛生が低下し切削不能になることがある。極端な場合、丸のこ座屈、破損、労働災害を招く。
そこで、本研究では、挽材中に木材が台金に接触しても摩擦熱が生まれない新しい丸のこをデザインした。台金面に円周状に複数の溝を形成させた丸のこを試作した。溝形状は頂角90°の3角形断面として、溝深さ0〜1mmと変化させることにより、接触幅を2〜0.2mmとした。溝深さ0mm、接触幅2mmは溝なしの通常の丸のこである。熱的安定性はモデル的に調べた。溝成形台金丸のこを3000rpmで回転させた。2分力ロードセルを介して50×50mm断面のプナ木口面を丸のこ半径100mmから150mmの位置に10Nの荷重で押付けた。摩擦力、サーモグラフィによる丸のこ半径方向温度分布および非接触変位計、FFTスペクトルアナライザによる固有振動数変化を調べた。結果、溝のない通常丸のこに比べ、溝成形台金丸のこは半分以下の温度上昇に抑えられた。溝深さを大きいほど、木材と丸のこ面の接触面積が小さく、摩擦熱抑制効果は高く、熱的に安定であった。反面、剛生を決定する台金の厚みが小さくなり、固有振動数は低下してしまった。摩擦熱抑制効果と固有振動数変化より、溝深さ0.6〜0.8mm、接触幅0.6〜0.4mmが適正溝条件と考えられた。 -
研究課題/研究課題番号:11460078 1999年 - 2000年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
木村 志郎, 横地 秀行, 棚橋 光彦, 平嶋 義彦, 土川 覚, 佐々木 康壽, 横地 秀行, 棚橋 光彦, 平嶋 義彦, 土川 覚, 佐々木 康壽, 横地 秀行, 棚橋 光彦, 平嶋 義彦, 土川 覚, 佐々木 康壽, 横地 秀行, 棚橋 光彦, 平嶋 義彦, 土川 覚, 佐々木 康壽
担当区分:研究分担者
木材の弾塑性的性質、形状記憶性を生かし、ほぞの圧縮セット、回復性を用いたしまりばめ仕口について検討した。圧縮セットほぞをほぞ穴に挿入し、熱、水分により圧縮セットを回復した直後の高含水率状態のしまりばめ仕口は、圧縮変形の回復力と細胞の膨潤力によって、非常に強固で高い引抜き強度3kNを示した。しかし、しまりばめ仕口が乾燥し気乾状態になると、回復力が消滅し、細胞が収縮し、完全なすきまばめ状態になり、試みは失敗となった。
そこで、圧縮・回復法の利点を生かし、深さ方向に大きさが変化する形状制御型の変則しまりばめ仕口に研究対象を変更した。深さ方向に傾斜をもたせた蟻形ほぞと段差のあるT型ほぞのしまりばめ仕口を作成し、引抜き強度を調べた。ここでは、仕口接合時に圧縮セットを熱、水分による回復操作を施してから、完全に乾燥し、気乾状態にさせた。その結果、ほぞ深さ50mm、ほぞ短辺30mm、長辺80mm程度の寸法の変則しまりばめ仕口で、T型ほぞでは引抜き強度5kN、ほぞ深さ方向に傾斜角7°の蟻形ほぞで引抜き強度2kNの結果を得た。これらの引抜き強度値はある程度高いものと思われ、この変則しまりばめ方法の可能性が伺えた。 -
近赤外分光法による果実の非破壊計測
1998年
国際共同研究
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組織構造を保持した生物材料の真実光路長測定
1997年11月
委任経理金
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高出力近赤外レーザ光を用いた非破壊計測による木材内部の物理的・化学的構成の把握
1996年7月 - 1997年1月
科学研究費助成事業 奨励研究(A)
資金種別:競争的資金
科研費
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高出力近赤外レーザー光を用いた非破壊計測による木材内部の物理的・化学的構造の把握
研究課題/研究課題番号:08760162 1996年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A)
土川 覚
担当区分:研究代表者
配分額:1000000円 ( 直接経費:1000000円 )
本研究では、木材の非破壊計測用のプローブとして、近赤外レーザ光を実際面で活用できるようにするために、水の吸収波長(970nm)に近接した980nmおよび水の吸収とは直接関係しない830nmの発信波長をもつ高出力近赤外レーザ光コリメータユニットを構成し、材内のさまざまな情報を定量的に把握して、この方式の基礎資料を充足した。得られた結果を列挙する。
1.繊維飽和点以下で調湿されたいろいろな厚さの試料を対象として上記の実験を行った。その結果、水が木部実質に吸着すると細胞内こう表面での光の反射・散乱が抑制される事実が確認された。この現象と水に対する光の吸収特性を考慮することにより、試料厚さおよび照射波長によって特徴的に変動する透過光出力の動向をはじめて正しく理解することができる。
2.上記2波長(830nm、および980nm)の透過光出力実測値を説明変量として重回帰分析を行った結果、いずれの試料厚さにおいても予測精度の高い含水率検量線を作成することができた。
3.飽水状態の試料を室内に自然放置し、所定の時間間隔で透過光出力を測定した。細胞内こう部に自由水が存在すると、照射波長の水に対する吸収特性に関係なく、細胞内こう表面での光の反射・散乱が極端に抑制されることを見いだした。
4.透過光の検出位置をいろいろ変更して計測した結果、近赤外レーザ光は細胞内こうの長軸方向に伝播する傾向が強いことを確認した。
5.割れおよびヤニすじをもつモデル試料を測定し、これを検出できる条件について検討した。 -
近赤外分光法による木材の繊維走行ならびに含水率のインプロセス計測
1995年7月 - 1996年1月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)(1)(一般)
資金種別:競争的資金
科研費
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近赤外分光法による木材の繊維走行ならびに含水率のインプロセス計測
研究課題/研究課題番号:06454093 1994年 - 1995年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 一般研究(B)
堤 成晃, 土川 覚, 林 和男, 土川 覚, 林 和男, 土川 覚, 林 和男, 土川 覚, 林 和男
担当区分:研究分担者
本研究は、木材の機械加工システムにおいてその加工条件を刻々管制しようとする場合にとくに重要な情報とみなされている含水率と繊維走行を対象とし、これらを迅速に精度良く検出する方法として近赤外分光法に着目して、系統的な実験と解析によって本法実施のための基礎資料を充足しようとするものである。
1.近赤外レーザ光発振装置ならびにセンサを用いて、次の条件下での木材試料の計測を行い、諸検討を加えた。
(1)含水率を系統的に変更して透過光を計測し、含水率が高いほど透過光出力が大きいことを見いだした。単純に考えれば現象は逆に現れるようにも予想されるが、本研究における検討の結果、これは自由水が多く保有されるほど細胞内腔表面の光の反射率が低下して透過光が大きくなるためであることが明らかにされた。これによって、内部の含水率を近赤外レーザ光によって高い精度で計測する途が拓らかれた。
(2)近赤外光照射面に対する繊維走行を系統的に変更して透過光を計測し、繊維の試料表面に対するもぐり角によって透過光出力が変化するようすを確認した。また、同一試料に対して試料表面へのレーザ光の入射角を変化させた場合に、もぐり角に応じた特徴的な変化モードが現れることも見いだした。
(3)試料の厚さを変更した実験を行い、いろいろな含水率や繊維走行に関する計測可能深さを確認した。これによって、さらに高出力のレーザ光を光源とする装置の設計に関する資料を得た。
2.計測データの計算機処理に関する検討を行い、説明変量として選択した波長の適否を計測精度の観点から判定するための基準を明らかにするとともに、説明変量が吸収スペクトルの2次微分値の場合にもっとも予測精度が高くなることなどを明らかにした。