2024/10/08 更新

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ヨコヤマ カナ
横山 佳奈
YOKOYAMA Kana
所属
心の発達支援研究実践センター こころと社会のつながり分野 特任助教
大学院担当
大学院教育発達科学研究科
職名
特任助教

学位 1

  1. 修士(臨床心理学) ( 2018年3月   名古屋大学 ) 

研究分野 1

  1. 人文・社会 / 臨床心理学

所属学協会 3

  1. 日本心理臨床学会

  2. 日本小児精神神経学会

  3. 日本発達心理学会

 

論文 4

  1. 統合保育におけるASD児の対人関係の広がりと行動の変化についての検討 第2報―他児との関係性の形成過程に着目して― 査読有り

    横山 佳奈, 永田 雅子

    小児の精神と神経   64 巻 ( 2 ) 頁: 179 - 189   2024年7月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:一般社団法人 日本小児精神神経学会  

    本研究では,統合保育場面における自閉スペクトラム症(以下ASD)児と他児との関係性の形成過程と,それを成立させるために保育士が果たす役割を質的に検討することを目的とした.4歳の知的障害を伴うASD児を対象に観察を行い,エピソードを抽出し分析を行ったところ,ASD児と他児との関わりは,“教える-教えられる”のような一方向的な関係から,他児が遊びを通しASD児のイメージを共有しようと試みる関わりへと変化していたことが示された.また,ASD児と他児との関わり場面における保育士の介入は,【双方に具体的な関わり方を教示】する介入から,【子ども同士の関わりを見守りつつ,必要に応じて手助け】をするような介入へと変容し,その後,【遊び場面における子ども同士の関わりを仲介】するような介入へと変化しており,それに伴ってASD児と他児は【遊びのテーマを共有】できるようになっていたことが示された.また,ASD児と他児との関わりと,保育士の介入の変化は相互に影響し合っており,ASD児,他児,保育士の三者関係全体が変化しながら関わりが継続している可能性が示唆された.

    DOI: 10.24782/jsppn.64.2_179

    CiNii Research

  2. 発達障害の早期発見・早期支援に関する研究の動向と今後の課題

    横山佳奈

    名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要   69 巻   頁: 11 - 20   2023年3月

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    担当区分:筆頭著者  

    DOI: 10.18999/nupsych.69.1.2

  3. 統合保育におけるASD児の対人関係の広がりと行動の変 化についての検討 第1報 査読有り

    横山佳奈・永田雅子

    小児の精神と神経   60 巻 ( 1 ) 頁: 59 - 66   2020年4月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.24782/jsppn.60.1_59

  4. 自閉スペクトラム症児への早期介入における現状と展望

    横山佳奈・吉田翔子・永田雅子

    名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要   66 巻   頁: 7 - 16   2020年1月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)  

書籍等出版物 3

  1. 学び・育ち・支えの心理学―これらかの教育と社会のために―

    中谷素之・平石賢二・高井次郎( 範囲: トピックス 発達障害への早期支援)

    名古屋大学出版会  2024年2月 

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    担当ページ:254-255  

  2. 心の専門家養成講座④ 心理支援の理論と方法

    狐塚貴博・田附絋平(編)( 担当: 分担執筆 ,  範囲: 第Ⅱ部第3章.遊戯療法)

    ナカニシヤ出版  2022年10月  ( ISBN:9784779516917

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    総ページ数:208   担当ページ:63-86  

  3. モンゴル国における知能検査の開発ー子どもに寄り添った発達支援を目指して―

    永田雅子・野邑健二・名古屋大学心の発達支援研究実践センター(編)( 担当: 分担執筆 ,  範囲: 第2章第2節-2.知能検査の種類と特徴,3.田中ビネー知能検査の特徴と発達支援における有用性 第3章第2節.事例を通して学ぶ検査の活用の実際)

    明石書店  2022年3月  ( ISBN:978-4-7503-5383-8

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    総ページ数:177   担当ページ:72-79,156-159  

科研費 2

  1. 5歳児健診から始める学習障害児への早期発見・支援

    研究課題/研究課題番号:23H00987  2023年4月 - 2028年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    野邑 健二, 佐野 美沙子, 福元 理英, 永田 雅子, 廣嶌忍, 横山 佳奈, 五十嵐 剛

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    担当区分:研究分担者 

    5歳児健診の場を利用した発達性読み書き障害児の早期発見と、発見された要支援児への苦手に合わせた総合的な学習支援カリキュラムによる、就学前の学習障害児支援システムの構築を目的とする。
    年中児に行われる5歳児健診の場で読み書き障害ハイリスク児を発見し、年長時に支援を行う。支援の結果を評価するために小学1年生時点(7月、12月)に書字に関する評価を行う。
    このような「発見→支援→評価」の流れによる調査を行うにあたって、その前に、「音韻認識」「視知覚認知」「手先の巧緻性」の3領域の観点で実施できる発見のための検査ツール、支援カリキュラム、評価方法を開発する。

  2. 保育者の間主観的かかわりがASD児の社会性の発達に与える影響についての検討

    研究課題/研究課題番号:22K02768  2022年4月 - 2025年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

    横山 佳奈

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:1170000円 ( 直接経費:900000円 、 間接経費:270000円 )

    本研究では,自閉スペクトラム症児(ASD児)が保育者や同年代他児と共に過ごす場である保育場面に着目し,保育者がASD児の気持ちを把握し,かつ把握していることを明確に言葉で表現するような間主観的なかかわりによって,ASD児と保育者または他児との情緒的な対人交流の場が生まれる過程や,それに伴うASD児の社会性の発達的変化・変容について,保育場面での観察を通して明らかにすることを目的とする。間主観的な意識体験に苦手さをもつASD児に対しての保育者の介入や他児との関係形成について質的に検討を行うことで,日常場面で行える支援の可能性を検討していく。
    本研究は,自閉スペクトラム症児(ASD児)と周囲との自然なかかわりが生じやすいと考えられる統合保育場面において,保育者がASD児の気持ちを間主観的に把握していることを明確に表現するような,ASD児の気持ちに言及する表現に着目し,ASD児の社会性の発達的変化・変容に,保育者の間主観的介入が与える影響について明らかにすることを目的とした3年計画の研究である。そのために,保育現場における保育者のASD児への介入と,ASD児と保育者または同年代他児とのかかわり場面について長期的な観察調査を行い,映像データを元に分析を行う。研究初年度となる今年度は,改めて国内外の先行研究をレビューしたうえで,対象児のアセスメントを行い,保育現場での観察調査により映像データを収集した。当初の計画において,保育現場にて観察調査を開始する予定であった時期は,新型コロナウイルス感染症の影響により,保育現場において感染拡大が起こっていた時期であった。そのため,現場の負担が大きかったことや,部外者である研究実施者が観察のために保育現場に入ることによって感染拡大のリスクを高めてしまう可能性をふまえ,観察開始時期を変更した。現在は,保育園での自由遊び場面または設定保育場面において,ASD児と保育者または同年代他児とのかかわり場面の観察を継続的に行うとともに,収集した映像データの整理および分析検討を進めている。その結果,保育者からの間主観的介入は,ASD児と他児との葛藤場面を仲介したり,ASD児に対して望ましい行動を教示したりする場面で多くみられることがうかがえた。今後は,対象児の観察を継続し,保育現場におけるASD児に対しての保育者の間主観的介入が行われる場面の詳細や介入の種類,それに伴うASD児の社会性の発達的変化・変容についての分析を進め,保育実践の検討へとつなげる予定である。
    本研究は,保育現場における幼児と保育者の観察調査を主な研究方法としている。
    当初の計画では,2022年度の夏から保育現場にて観察調査を開始する予定であった。しかし,新型コロナウイルス感染症の影響により,その時期に保育現場において感染拡大が起こっていたため,現場の負担が大きかったことや,部外者である研究実施者が観察のために保育現場に入ることによって感染拡大のリスクを高めてしまう可能性をふまえ,観察開始時期を後ろ倒しし,2022年度の冬より観察を開始した。そのために,観察のデータ収集が遅れており,研究の進捗状況としてはやや遅れている。
    今後は,保育現場における保育者のASD児への間主観的な介入と,ASD児と保育者または同年代他児とのかかわり場面についての長期的な観察調査を継続し,映像データを元に分析を行う。保育現場におけるASD児に対しての保育者の間主観的介入が行われる場面の詳細や介入の種類,それに伴うASD児の社会性の発達的変化についての分析を進めていく。また,観察の映像データをもとに,保育者へのインタビューを実施し,保育者がASD児または同年代他児に対してどのような意図で介入を行っていたのかについて問う。以上のデータから,保育現場における保育者の間主観的介入がASD児の社会性の発達的変化・変容に対してもたらす影響について明らかにし,研究成果として報告するとともに,協力園とも共有し保育実践への検討へとつなげていくことを予定している。