2025/01/24 更新

写真a

カンベ ミキ
神戸 未来
KANBE Miki
所属
医学部附属病院 形成外科 病院助教
職名
病院助教

学位 2

  1. 医学博士 ( 2023年4月   名古屋大学 ) 

  2. 学士(医学) ( 2008年3月   名古屋大学 ) 

研究分野 1

  1. ライフサイエンス / 形成外科学  / 乳房再建

 

論文 5

  1. Reconstructive surgery of difficult urethrocutaneous fistula following gender-affirming surgery

    Matsuo, K; Kanbe, M; Sakamoto, F; Kamei, Y; Akamatsu, S

    IJU CASE REPORTS   7 巻 ( 6 ) 頁: 427 - 430   2024年11月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.1002/iju5.12762

    Web of Science

    PubMed

  2. Exclusive expression of KANK4 promotes myofibroblast mobility in keloid tissues

    Oishi, M; Shinjo, K; Takanari, K; Muraoka, A; Suzuki, MM; Kanbe, M; Higuchi, S; Ebisawa, K; Hashikawa, K; Kamei, Y; Kondo, Y

    SCIENTIFIC REPORTS   14 巻 ( 1 ) 頁: 8725   2024年4月

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  3. Development of a Novel Scar Screening System with Machine Learning

    Ito, H; Nakamura, Y; Takanari, K; Oishi, M; Matsuo, K; Kanbe, M; Uchibori, T; Ebisawa, K; Kamei, Y

    PLASTIC AND RECONSTRUCTIVE SURGERY   150 巻 ( 2 ) 頁: 465E - 472E   2022年8月

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  4. Establishment of in-hospital clinical network for patients with neurofibromatosis type 1 in Nagoya University Hospital

    Nishida, Y; Ikuta, K; Natsume, A; Ishihara, N; Morikawa, M; Kidokoro, H; Muramatsu, Y; Nonobe, N; Ishizuka, K; Takeichi, T; Kanbe, M; Mizuno, S; Imagama, S; Ozaki, N

    SCIENTIFIC REPORTS   11 巻 ( 1 ) 頁: 11933   2021年6月

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  5. Repair of temporal branch of the facial nerve with novel polyglycolic acid-collagen tube: a case report of two cases

    Nakamura, Y; Takanari, K; Ebisawa, K; Kanbe, M; Nakamura, R; Kamei, Y

    NAGOYA JOURNAL OF MEDICAL SCIENCE   82 巻 ( 1 ) 頁: 123 - 128   2020年2月

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科研費 9

  1. 被膜拘縮を抑制するペプチドコーティング乳房インプラントの開発

    研究課題/研究課題番号:22K09857  2022年4月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    神戸 未来, 大石 真由美, 高成 啓介, 亀井 譲, 蟹江 慧, 橋川 和信, 蛯沢 克己, 樋口 慎一

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )

    乳癌術後の乳房再建術に用いられるシリコンブレストインプラント(以下SBI)には、表面が凹凸のテクスチャード型SBIと、表面滑らかなスムース型SBIがある。テクスチャード型SBIはブレストインプラント関連未分化大細胞性リンパ腫の発症リスクがあり、一方でスムース型SBIは被膜拘縮や破損のリスクがある。本研究ではSBIを機能性ペプチドで加工して、それぞれの問題を予防できるSBIの新規開発を目指している。
    乳房再建用エキスパンダーまたはSBIから周囲被膜組織を採取し、コラゲナーゼを用いて酵素処理後に抽出した細胞群から、蛍光活性化セルソーティング(FACS)でlineageマーカーいずれも陰性かつPDGFRA陽性の細胞群を線維芽細胞として分画し、この細胞群から、筋線維芽細胞へ分化していないCD248low線維芽細胞のみを単離し、培養中に筋線維芽細胞へ分化しないよう、ROCK阻害剤(Y-27632)を添加しながら継代培養して線維芽細胞を作成した。
    この線維芽細胞について、細胞接着ペプチドとして知られている RGD配列をDOPAを用いて修飾し(以下RGD pep)、シリコン材料への接着と線維芽細胞の増殖性を調査した。細胞非接着性wellプレートにRGD pepコーティングによりコラーゲンコーティングと同様の線維芽細胞接着性、増殖性を確認後した。さらに凹凸面シリコンシェル及び平滑面シリコンシェルにRGD pep、コラーゲンでコーティングを行い、コーティングなしのシリコンシェルをコントールとして平滑面及び凹凸面シリコンシェル上での線維芽細胞の接着性と増殖を調査した。3条件共に平滑面より凹凸面の方が線維芽細胞の接着性を認めたが、平滑面RGD pepコーティングが他の条件の平滑面よりも高い細胞接着性を認めた。また他の平滑面シリコンシェルの条件に比べ、高い細胞増殖性を確認された。
    これらの結果を踏まえ、動物実験を行い、テクスチャード型インプラントに見立てた凹凸面シリコンシェル片をPBS、Collagen、Collagen + Tyrosinase、RGDpepで修飾し、ラット背部肉様膜下にそれぞれのを挿入4週後のインプラントの移動と回転を評価し、RGD pep修飾群で最も少ない傾向を得た。
    またこれらのインプラント挿入部に形成された被膜組織について組織学的な解析を行った。
    シリコン表面をコーティングする機能性ペプチドの選択とそれによる、凹凸面・平滑面それぞれのシリコン表面への修飾、またシリコン上での線維芽細胞の接着及び増殖を確認する実験系ができた。最も細胞接着性が強い凹凸面シリコンシェルにRGD pep及び比較郡としてコラーゲンによるコーティングを行い、ラットの背部筋層下に移植してその移動と回転を評価した。4週間時点においてRGD pep修飾群で位置移動や回転が少ない傾向を得た。
    またラットにおいて挿入したシリコン周囲に発生した被膜組織を得られるため組織学的検討を行ったが、今後サンプル数を増やし実験の再現性を確認の上で移植するシリコンの条件や留置期間を変えて調査を進めているが、これと並行して、医療用インプラントへのペプチド修飾方法を検討しているが、現在のコーティング方法であると立体的なインプラントへの修飾が難しいという難点が生じている。
    動物数を増やすとともに、シリコンシェルを平滑面にして同様に各種コーティングを行って同様に追跡し、シリコンシェル片の移動性や回転性をさらに調査する予定である。
    またシリコンシェル挿入後に生成された被膜を摘出して組織学的評価を行ったが、今後サンプル数を増やし実験の再現性を確認し、移植するシリコンの条件や留置期間を変えて調査を進めていく。
    これと並行して、医療用インプラントへのペプチド修飾を前提とした方法を検証を進めていく。

  2. 神経線維腫症1型の特性から解明するScarless Wound Healing

    研究課題/研究課題番号:21K09763  2021年4月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    大石 真由美, 新城 恵子, 高成 啓介, 橋川 和信, 蛯沢 克己, 神戸 未来, 樋口 慎一, 山本 周平, 亀井 譲

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    担当区分:研究分担者 

    本研究の目的は神経線維腫症1型(NF-1)の創傷治癒から瘢痕抑制のメカニズムを解明し、scarless wound healingを可能とする新規治療薬を開発することである。NF-1では手術後の瘢痕が目立ちにくく、肥厚性瘢痕やケロイドを生じにくいことが経験的に知られているが、NF-1の創傷治癒過程における過剰な瘢痕形成を抑制するメカニズムは明らかではない。現在行われている瘢痕治療の効果は限定的であり、手術や外傷後に傷あとが残ることは不可避であったが、NF-1に特有な創傷治癒メカニズムを再現することで、scarless wound healingの実現を試みる。
    本研究の目的は、NF-1における創傷治癒と瘢痕抑制のメカニズムを解明し、scarless wound healingを実現する新規治療薬を開発することである。
    昨年度までの実験では、正常な皮膚線維芽細胞に対するTGFβ-1の刺激によって筋線維芽細胞マーカーであるαSMA・TAGLNやⅠ型コラーゲンを構成するCOL1A2の発現上昇が確認された。しかし、NF-1患者由来の線維芽細胞では長期継代培養が安定して成功しなかったため当初の計画通りに研究を遂行することが困難であった。
    そこで、過剰な瘢痕を形成するケロイドの原因となる分子メカニズムを解明することが、scarless wound healingにも応用可能であると考え、研究の焦点をケロイドに変更した。
    まず、ケロイドおよび未熟瘢痕に対して免疫組織化学的染色を行い、筋線維芽細胞の分布を調べた。次に、ケロイドおよび未熟瘢痕の組織中で筋線維芽細胞が豊富な領域からトランスクリプトーム解析を行い、発現変動遺伝子を同定した。ケロイド特異的遺伝子として同定されたKANK4を線維芽細胞に過剰発現させ、細胞遊走アッセイを実施したところ、線維芽細胞の移動が促進された。
    これらの実験結果から、ケロイド組織では、高い移動能を示すKANK4陽性の筋線維芽細胞が元の創傷を越えて移動することでケロイド病変の拡大に寄与していると考えられた。KANK4はケロイド治療の新規ターゲットであると同時に、scarless wound healingの治療標的となる可能性が示唆された。
    当初予定していた研究計画に変更があったものの、その後の進捗は順調といえる。
    モデル動物の創傷内で筋線維芽細胞の分化抑制実験を行い、scarless wound healingに有用であるかどうかを検証する。

  3. 深層学習を利用した血流波形解析による微小血管吻合部の開存度の判別システムの開発

    研究課題/研究課題番号:20K09844  2020年4月 - 2023年3月

    中村 優

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    担当区分:研究分担者 

    遠隔部に生きたまま組織を移植する技術である遊離皮弁移植術において重要なことは1~3mmという非常に細い血管を吻合することにある。吻合そのものに加え、術後の血管の開存の判断にも熟練を要し、難渋することが少なくない。本研究の目的は、血管吻合後の血流の波形を、近年注目されている技術である深層学習を利用して解析を行い、開存度の判定を行うモニタリングシステムを開発することである。これにより、血管閉塞の早期発見および閉塞傾向の解析を行うことで開存度そのものの向上を目指す。

  4. 大気圧プラズマのケロイド・肥厚性瘢痕に与える影響に関する基礎的研究

    研究課題/研究課題番号:19K10025  2019年4月 - 2024年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    亀井 譲, 田中 宏昌, 蛯沢 克己, 神戸 未来, 高成 啓介

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    担当区分:研究分担者 

    ケロイドや肥厚性瘢痕は、拘縮・疼痛や醜状など患者の負担は大きく、また治療難渋する症例も少なくなく、新たな治療法の開発が期待されている。近年、大気圧プラズマ研究の進歩により、細胞増殖・分化などに対する様々な影響が報告され始めた。その中で、筋線維芽細胞への分化やその増殖を、大気圧プラズマが制御できないか、という着想に至った。本研究では、①大気圧プラズマのラジカル分布パターン解析、②大気圧プラズマの皮膚創傷治癒関連細胞に与える影響の解析、③ケロイド・肥厚性瘢痕動物モデルで、大気圧プラズマによる発症・進展予防や治療の効果検討を行い、大気圧プラズマによるケロイド・肥厚性瘢痕に与える影響について検討する。
    昨年までと同様、細胞レベルでのプラズマ活性化乳酸リンゲル液の肥厚性瘢痕・ケロイドに対する影響を調べるため、ケロイド・肥厚性瘢痕組織において重要な挙動を示す線維芽細胞に引き続き焦点を当てた。市販のヒト正常真皮由来およびケロイド由来線維芽細胞の比較では、両細胞とも処理用のプラズマ活性化乳酸リンゲル液を希釈するに従い増殖が亢進し、1/32倍以下の濃度では一定となる結果を得ていた。Covid-19の影響が重なる期間でもあり、現状得られたサンプルでは、両群間に統計劇的有意差は認めるには至っていない。もう少し多くのドナーで検証が必要と考えている。
    昨年度までに難渋していたケロイド・肥厚性瘢痕動物モデルの作成をに関しては、本年度もさまざまなモデルを試行錯誤したが、正常皮膚ですら3ヶ月正着を維持する事ができなかった。そのため、ケロイド・肥厚性瘢痕の移植はできない状態である。
    プラズマ活性化乳酸リンゲル液の生体に与える影響を検討するため、複数の倍率で希釈したプラズマ活性化乳酸リンゲル液を正常皮膚へ塗布し、解析を行った。皮膚所見では、原液から1000倍希釈液まで発赤やびらんなどの皮膚障害を認めなかった。塗布部の皮膚HE染色標本においても、マクロの所見と同様に炎症性細胞浸潤を認めなかった。また、各マウスの脾蔵・肝臓・腎臓を採取し、HE染色標本を作製したところ、各濃度での異常所見を認めなかった。さらに各マウスの採血を行い、血清を分離してサンプルを冷凍保存した。研究チームの医ミーティングで、プラズマ活性化リンゲル液暴露による反応として、酸化ストレスプロファイルの変化を解析すべきとの意見がでてきた。
    本研究で最も重要な正常線維芽細胞とケロイド・肥厚性由来線維芽細胞(または筋線維芽細胞)間で、プラズマ活性化乳酸リンゲル液暴露による細胞増殖の有意差が出ていない。また、プラズマ活性化乳酸リンゲル液暴露を行う動物モデルの作成では壁に当たっているため。
    プラズマ活性化乳酸リンゲル液暴露の条件として、濃度だけでなく、暴露時間に関しても複数の条件で試行を行い、条件の至適化を行う。
    動物モデルに関しては、今まで通り難渋する事が予想されるが、諸家らの報告をさらに施行する予定である。

  5. エピジェネティクス機構制御によるケロイド・肥厚性瘢痕に対する新規治療法の開発

    研究課題/研究課題番号:19K10006  2019年4月 - 2023年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    高成 啓介, 中村 優, 亀井 譲, 蛯沢 克己, 新城 恵子, 内堀 貴文, 大石 真由美, 神戸 未来

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    担当区分:研究分担者 

    ケロイドは外的刺激などにより組織の繊維が増殖性に反応し、異常瘢痕を形成するもので、疼痛・掻痒・瘢痕拘縮といった症状に悩まされる。罹患者は国内で年間10万人といわれている。ケロイドは周囲の組織へ進展し、切除しても再発を繰り返すため難治であり、現在の治療はステロイドの外用や局所注射、切除と放射線治療などが行われているが、これらは基本的には対症療法であり、その原因の解明および病因に沿った治療が望まれている。本研究では、ケロイドにおけるエピジェネティクス機構の一端を解明し、エピジェネティクス治療薬によるケロイドの治療が可能であるかを検証することを目的とする。
    本研究では、ケロイドにおけるエピジェネティクス機構の一端を解明し、エピジェネティクス治療薬によるケロイドの治療が可能であるかを検証することを目的とする。初年度、2年度ではケロイド特異的な遺伝子のスクリーニング及び同定を行った。その後ケロイド特異的な発現変動遺伝子に対し定量PCRを行い、Gene1(仮称)のケロイド組織中でmRNA発現量上昇を確認した。また、免疫染色においてもGene1タンパクは正常瘢痕よりもケロイド組織中で高く発現していた。組み換えプラスミドを用いたGene1強制発現HEK293T細胞は細胞移動能が低下し、さらにsiRNAを用いてGene1発現を阻害すると細胞移動能は回復した。
    今回の研究でケロイド特異的に発現する遺伝子(Gene1)が同定され、in vitro で細胞の移動能に関係する遺伝子であることが確認できた。今回の知見は2つの点で学術的及び社会的意義があると考えられる。
    1. 詳細が完全に解明されていないケロイドの病態と細胞移動能の関係性が示唆された。今後この部分に着目した研究を行うことで病態解明に貢献できる可能性がある。
    2. 今回ケロイド特異的遺伝子(Gene1)の特定及びその働きについて知見が得られた。この遺伝子を用いた治療につながる可能性がある。

  6. 2光子励起顕微鏡を用いたケロイド内膠原線維のライブイメージングとその解析

    研究課題/研究課題番号:16K11361  2016年4月 - 2020年3月

    高成 啓介

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    担当区分:研究分担者 

    ヒトケロイド・肥厚性瘢痕・正常瘢痕、正常皮膚サンプルを合計24検体採取し、二光子顕微鏡によるコラーゲン繊維の観察を行った。得られた画像について繊維配向の解析を行ったところ、ケロイドは正常組織に比べて配向性の分散が少ないこと、配向性やその分散が体の部位によって異なること、これらは力学的刺激の影響を受ける可能性があることなどが示された。これらの結果はケロイドに対する部位特異的な表現形や力学的刺激による変化など、臨床で経験する現象の一端を示していると考えられた。
    今回の研究により、ケロイドの様々な表現型が存在することがコラーゲン繊維の配向性や偏りに関係している可能性が示唆された。これはケロイドに対する力学的刺激に対する反応である可能性があると考えられる。今回の研究ははケロイドの治療についての一つの足がかりになり、社会へ還元できる可能性があると考えられた。

  7. 活性化大網培養上清を用いた難治性創傷治癒に与える影響に関する基礎的研究

    研究課題/研究課題番号:16K11362  2016年4月 - 2020年3月

    亀井 譲

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    担当区分:研究分担者 

    大網組織は異物に反応すると、肥厚して生理活性物質を数倍分泌(活性化大網)し、創傷治癒に関与することが報告されている。そこで本研究では、活性化大網培養上清を利用して、新たな放射線潰瘍・骨髄炎・糖尿暴政潰瘍・神経損傷の治療法開発を試みた。放射線潰瘍及び骨随炎モデルを安定して作成する事ができず、活性化大網培養上清の影響を検討することができなかった。糖尿病性潰瘍モデルでは、活性化大網培養上清投与群では創閉鎖までの日数は変わらなかったが、早期での創閉鎖を促進していた。座骨神経欠損モデルでは、歩行解析で各群間に有意差を認めなかった。
    現在糖尿病を強く疑われる人と可能性を否定できない人は、約2210万人と推計され、成人の約2割に当たると報告されている。また糖尿病患者のうち25%が足部潰瘍を発症するとされており、医学的にも、また医療経済的にも糖尿病性潰瘍が大きな問題である事は明らかである。
    本研究の結果、活性化大網培養上清は、糖尿病性潰瘍の初期の創傷治癒を促進する事を示した。活性化大網培養上清中の因子を解析して製剤化することにより、多くの糖尿病性潰瘍の治療に使用できる可能性があり、それにより医療経済的にもインパクトのある研究成果であると考える。

  8. 薬剤誘発リンパ管-静脈吻合によるリンパ浮腫に対する新しい治療法の開発

    研究課題/研究課題番号:16K15748  2016年4月 - 2020年3月

    中村 優

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    担当区分:研究分担者 

    リンパ浮腫は手術や外傷により浮腫が起こる疾患で、浮腫以外にも痛みやかゆみを生じ、進行すると不可逆性になるなど様々な問題が生じる。現在のところ臨床的には理学療法および手術療法(リンパ管静脈吻合など)が行われているが、根治は困難である。
    われわれは、個体発生時の静脈角においてリンパ管と静脈が合流することに着目した。静脈角形成時の静脈角周囲において発現しているVEGF-C及びTGFΒ阻害薬を局所投与し、その治療効果について検討したところ、治療群それぞれで浮腫の改善傾向を認めたが、有意差は得られなかった。
    リンパ浮腫は現在のところ臨床的には理学療法および手術療法リンパ管静脈吻合などが行われているが、現在のところ根治は困難であり、有効な治療を模索している状態である。われわれは局所に胎生期にリンパ管-静脈吻合がなされる際に発現する因子であるVEGF-C及びTGFΒ阻害薬を薬剤を投与することでリンパ浮腫の状態の改善の傾向があることを確認した。これは、局所注射によりリンパ浮腫が治療出来る可能性を示唆するものであった。

  9. iPS細胞由来エクソソームの皮膚創傷治癒に与える影響に関する基礎的研究

    研究課題/研究課題番号:15K15652  2015年4月 - 2019年3月

    神戸 未来

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:3510000円 ( 直接経費:2700000円 、 間接経費:810000円 )

    ヒトiPS細胞の培養上清からエクソソームを分離・回収(iPS-Exo)した。スクラッチアッセイを行ったところ、iPS-Exo群は培地エクソソーム(M-Exo)群と比較し皮膚線維芽細胞の遊走能を有意に亢進したが、増殖能では増殖傾向を示すものの、有意差を認めなかった。糖尿病性潰瘍モデルを用い、iPS-Exo、M-Exo、PBSをそれぞれ創傷内に局所投与した。術後7及び10日後、iPS-Exo群では他の2群と比較し、創面積が優位に小さかった。また、術後7日後のiPS-Exo群の血管密度も、他の2群と比較し、統計学的に優位に高い値を示した。
    iPS細胞は胚組織を使用しない万能細胞として注目を集めているものの、奇形種形成の懸念があり、広く臨床応用するには懸念が残っている。近年、幹細胞培養上清の有用性がさまざまな疾患モデルで報告され、その治癒メカニズムの一因として、RNAやタンパク質を輸送する微小胞「エクソソーム」の関与が指摘されている。本研究の結果、iPS細胞由来エクソソームが糖尿病性潰瘍の治癒を促進する事が示された。これにより、罹患数の多い糖尿病性潰瘍に対する新たな治療法開発の可能性が示唆され、社会的にも意義があると考える。

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