2024/10/11 更新

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ツチヤ ユウイチロウ
土屋 雄一朗
TSUCHIYA Yuichiro
所属
トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任教授
大学院担当
大学院理学研究科
職名
特任教授

学位 1

  1. 博士(農学) ( 2002年3月   北海道大学 ) 

研究キーワード 4

  1. ケミカルバイオロジー

  2. ストリゴラクトン

  3. 寄生植物

  4. 植物ホルモン

研究分野 1

  1. ライフサイエンス / 植物分子、生理科学  / 植物ホルモン

現在の研究課題とSDGs 1

  1. 寄生植物ストライガの発芽に関する研究

経歴 3

  1. 名古屋大学   トランスフォーマティブ生命分子研究所   特任教授

    2021年4月 - 現在

  2. 名古屋大学   トランスフォーマティブ生命分子研究所   特任准教授   特任准教授

    2015年12月 - 2021年3月

  3. 名古屋大学   トランスフォーマティブ生命分子研究所/理学研究科   研究員

    2013年5月 - 2015年11月

学歴 3

  1. 北海道大学   農学研究科   応用生命科学専攻

    1999年4月 - 2002年3月

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    国名: 日本国

  2. 北海道大学   農学研究科   応用生命科学専攻

    1997年4月 - 1999年3月

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    国名: 日本国

  3. 北海道大学   農学部   応用生命科学科

    1993年4月 - 1997年3月

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    国名: 日本国

 

論文 7

  1. Gibberellins Promote Seed Conditioning by Up-Regulating Strigolactone Receptors in the Parasitic Plant Striga hermonthica

    Yap, JX; Tsuchiya, Y

    PLANT AND CELL PHYSIOLOGY   64 巻 ( 9 ) 頁: 1021 - 1033   2023年9月

  2. Enantioselective Synthesis of Polycyclic γ-Lactams with Multiple Chiral Carbon Centers via Ni(0)-Catalyzed Asymmetric Carbonylative Cycloadditions without Stirring

    Ashida, K; Hoshimoto, Y; Tohnai, N; Scott, DE; Ohashi, M; Imaizumi, H; Tsuchiya, Y; Ogoshi, S

    JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY   142 巻 ( 3 ) 頁: 1594 - 1602   2020年1月

  3. Unravel strigolactone signaling and controlling parasitic plant behaviors

    Tsuchiya, Y

    ABSTRACTS OF PAPERS OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY   257 巻   2019年3月

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  4. A femtomolar-range suicide germination stimulant for the parasitic plant <i>Striga hermonthica</i>

    Uraguchi, D; Kuwata, K; Hijikata, Y; Yamaguchi, R; Imaizumi, H; Sathiyanarayanan, AM; Rakers, C; Mori, N; Akiyama, K; Irle, S; McCourt, P; Kinoshita, T; Ooi, T; Tsuchiya, Y

    SCIENCE   362 巻 ( 6420 ) 頁: 1301 - +   2018年12月

  5. Small Molecule Toolbox for Strigolactone Biology

    Tsuchiya, Y

    PLANT AND CELL PHYSIOLOGY   59 巻 ( 8 ) 頁: 1511 - 1519   2018年8月

  6. The dynamics of strigolactone perception in <i>Striga hermonthica</i>: a working hypothesis

    Tsuchiya, Y; Yoshimura, M; Hagihara, S

    JOURNAL OF EXPERIMENTAL BOTANY   69 巻 ( 9 ) 頁: 2281 - 2290   2018年4月

  7. Discovery of Shoot Branching Regulator Targeting Strigolactone Receptor DWARF14

    Yoshimura, M; Sato, A; Kuwata, K; Inukai, Y; Kinoshita, T; Itami, K; Tsuchiya, Y; Hagihara, S

    ACS CENTRAL SCIENCE   4 巻 ( 2 ) 頁: 230 - 234   2018年2月

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書籍等出版物 1

  1. Assessing Seed Germination Response of Parasitic Plant Striga hermonthica with Small-Molecule Probes

    Yap J.X., Tsuchiya Y.

    Methods in Molecular Biology  2024年 

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    Seed germination of a parasitic plant Striga hermonthica is elicited by strigolactones which are exuded from roots of host plants. Here, we describe a high-throughput germination assay and a method for visualizing in vivo strigolactone receptor functions with a fluorogenic probe.

    DOI: 10.1007/978-1-0716-3965-8_5

    Scopus

MISC 1

  1. 寄生植物ストライガのストリゴラクトン受容体タンパク質 招待有り 査読有り

    吉村 柾彦, 土屋 雄一朗, 佐藤 良勝, 伊丹 健一郎, 木下 俊則, 萩原 伸也  

    Plant Morphology29 巻 ( 1 ) 頁: 33 - 37   2017年

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    記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)  

    DOI: 10.5685/plmorphol.29.33

    J-GLOBAL

科研費 7

  1. 寄生植物ストライガの宿主種の拡張を担う分子生態機構の解明

    研究課題/研究課題番号:24KK0118  2024年9月 - 2028年3月

    科学研究費助成事業  国際共同研究加速基金(海外連携研究)

    土屋 雄一朗

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:20800000円 ( 直接経費:16000000円 、 間接経費:4800000円 )

  2. 比較ケミカルゲノミクスによる寄生植物の新奇発生プロセスの立証

    研究課題/研究課題番号:21H04775  2021年4月 - 2026年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    土屋 雄一朗

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:42120000円 ( 直接経費:32400000円 、 間接経費:9720000円 )

    寄生植物は、植物形態の基本的な枠組みを逸脱することなく、動物のように従属栄養として生きる能力を独自に進化させた高等植物であるが、実験室での生育が困難なことから、多くの発生プロセスにおいて不明な点が多数残されている。本研究では、独自に収集した寄生植物コレクションを用い、生物種を問わずに機能レベルでの解析を可能とする低分子プローブを活用することで、寄生植物が発芽して寄生に至るプロセスの解明を目指す。アフリカの穀物生産に甚大な被害を引き起こす寄生植物であるストライガの新たな防除法の開発につながると期待される。
    寄生植物は、植物形態の基本的な枠組みを逸脱することなく、動物のように従属栄養として生きる能力を独自に進化させた高等植物であるが、実験室での生育が困難なことから、多くの発生プロセスにおいて不明な点が多数残されている。本研究では、独自に収集した宿主依存度の異なる寄生植物コレクションを用い、生物種を問わずに機能レベルでの解析を可能とする低分子プローブを活用することで、寄生植物が宿主の根に向かって伸張する「化学屈性」と呼ばれる未だ実態の明らかとなっていない能力の存在を立証することを目的とした。これを達成するため、モデル寄生植物としてハマウツボ科の半寄生植物であるセイヨウヒキヨモギを設定し、宿主であるヨモギへの誘因反応に関する基本的な遺伝経路の解析に取り組んでおり、ヨモギが放出する複数のシグナル分子を介した根の屈曲反応の遺伝経路の概要を明らかとした。下流で働くことが想定されるオーキシンの動きを可視化するために蛍光オーキシンを用いた顕微鏡解析を行い、オーキシン輸送阻害剤による誘因阻害作用と併せ、オーキシンの極性輸送が誘因反応に関わっていることを明らかとした。また、未だ同定されていない誘因因子の同定に向け、ヨモギからの抽出物を用いた誘因アッセイの確立とHPLCを用いた活性成分の精製にも取り組んだ。本研究より、寄生植物が宿主植物の根に向かって生育する未解明の生命現象の一端が明らかとなり、アフリカで猛威を振るう寄生植物であるストライガの新たな防除法の確立に向け一歩前進した。
    当初5年かけて行う予定で計画していたモデル寄生植物の設定、ストリゴラクトンの機能の解明、遺伝回路の基本的な枠組み、蛍光オーキシンを用いた解析等を終え、オプションと想定していた未知のシグナル分子の構造決定に向けた研究へと進めることができた点で、想定以上に進展したと考えている。
    当初の計画にあったケミカルトランスクリプトーム解析、および揮発性の誘因因子の構造決定に向けた研究を進める。構造決定を行うために、宿主の抽出物を用い、感度が高く安定したバイオアッセイと組み合わせて分析化学的手法を用いて活性成分を精製する必要がある。バイオアッセイに関しては、スプリットシャーレを用いて水溶性の分子を遮断しつつ揮発性因子の反応を観察するin vitroでのアッセイ系の立ち上げに成功した。一方、揮発性成分の抽出には手こずっており、酢酸エチルやDMSOの祖抽出物には誘因成分が含まれないことが明らかとなった。これは、減圧濃縮の際に揮発性成分を失っていることが原因と考えられる。そこで、ジエチルエーテルやアセトン等、揮発性の異なる有機溶媒を用いた抽出法を検討する。また、揮発性成分であることを踏まえ、固相マイクロ抽出(SPME-GC-MS法)による同定も検討する。培地に含む栄養成分等、ヨモギの生育条件と誘因因子の生産の関係性を検討し、よく生産する条件と、逆に生産しない条件の揮発性分子のプロファイルをGC-MSで比較することで、生産する条件のみに含まれるピークを検出する。その分子量より構造を予測し、候補の精製
    化合物の誘因活性を検討する。

  3. モデル系統を用いた菌類におけるストリゴラクトン応答機構の解明

    研究課題/研究課題番号:20K20569  2020年7月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  挑戦的研究(開拓)

    土屋 雄一朗, 加藤 直樹

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:26000000円 ( 直接経費:20000000円 、 間接経費:6000000円 )

    大地に根を張り、大気中に葉を展開する植物は、全ての生命を支えるエネルギー源を光合成によって創出するだけではなく、環境を感知し、その情報を根を通して地下のエコシステムへ環流させることによって地球の生態系を支えている。植物が根から土中に放出するストリゴラクトンは、植物ホルモン、菌根菌との共生、寄生植物の宿主認識という3つのプロセスに関わるシグナル分子であるが、進化的に大きく離れた植物と菌類が同一のシグナル分子を認識する機構については不明な点が多く残されている。本研究では、遺伝学解析が可能な菌類におけるモデル系を新たに探索し、突然変異株の分離を通してストリゴラクトンシグナル伝達機構の解明を目指す。
    大地に根を張り、大気中に葉を展開する植物は、環境を感知し、その情報を根を通して地下のエコシステムへと環流させることによって地上と地下の生物圏を繋ぐことで地球の生態系を支えている。植物が生産するストリゴラクトンは、植物ホルモン、共生、寄生という3つのプロセスに関わり、環境/植物/土壌微生物の相互作用を橋渡しする多機能なシグナル分子であるが、植物と寄生植物、あるいは進化的に大きく離れた菌類が、いかにして同一のシグナル分子を認識する機構を獲得したかについては不明な点が多く残されている。本研究では、遺伝解析が可能な菌類のモデル系を新たに探索し、得られた知見を菌根菌へと翻訳することによって、これまで遺伝的コンポーネントが一つも同定されていない菌根菌におけるストリゴラクトンシグナル伝達機構の解明を目指す。モデル菌株の選別を菌株ライブラリーより、人工ストリゴラクトンであるGR24に応答する菌株を見出し、その詳細な表現型解析を行った。当初は、菌糸細胞の屈曲伸長に着目してタイムラプスムービーから定量的なパラメーターを獲得しようと試みたが、野生の菌を扱っていることもあり、安定して統計的に優位な差を見出すことは困難であり様々な条件検討を行ったが、優位な差が見られる培養条件を設定できた。リン酸応答との関与を調べるために、酵母等で知られている既知のコンポーネントのホモログ遺伝子をモデル糸状菌より同定し、ストリゴラクトン応答をRT-PCRにより解析した。また、天然物化学の手法で菌類におけるストリゴラクトン様シグナル分子の探索も進めた。
    本研究は、未だ遺伝的コンポーネントが一つも見つかっていない菌根菌におけるストリゴラクトンシグナル伝達を、モデルとなる糸状菌を用いて解明を目指す極めて挑戦的なものである。さらに、モデル菌株の探索から始める、文字通り一から研究領域を立ち上げるものでもあり、多くの困難が当初から想定されていた。この様な状況の中、モデル糸状菌の同定、安定したアッセイ系を確立し、ストリゴラクトンが幅広い菌類に作用しうることを初めて示すことに成功した。全体を通し、困難が予想された項目が解決しつつある点で、期待通り進展したと判断した。
    ストリゴラクトンは、植物がリン酸栄養の欠乏に瀕した際に救援シグナルとして土中に放出するシグナル分子であり、それを受け取るのは、植物のリン酸栄養の吸収を助ける菌根菌であるといった構図が考えられてきたが、菌側のストリゴラクトン応答にも菌のリン酸応答が関わっている点は生物学的に興味深いと考えられた。そこで、既知のリン酸応答とストリゴラクトン応答の関係性を、ノックアウト株やリン酸応答性の遺伝子発現等での解析をすすめる。また、トランスクリプトーム解析よりストリゴラクトン応答性遺伝子を同定し、そのプロモーターでGFPを発現する菌株の作成、およびそれを用いたストリゴラクトン非感受性変異株の道程を試みる。さらに、菌側で作っているストリゴラクトン様シグナル分子の同定に向け、大量培養を行い、天然仏化学の手法による構造決定にも取り組む。

  4. 根寄生雑草ストライガが引き起こすアフリカ食糧問題の解決に向けた国際共同研究

    研究課題/研究課題番号:19KK0152  2019年10月 - 2024年3月

    科学研究費助成事業  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

    槇原 大悟, 土屋 雄一朗, 菊田 真由実

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    担当区分:研究分担者 

    アフリカの穀物生産に甚大な被害をもたらしている根寄生雑草ストライガは宿主植物の根から分泌されるストリゴラクトン(SL)に応答して発芽する。ストライガの種子を人工SLにより宿主不在下で強制的に発芽させて枯死させる自殺発芽が有望な防除方法として提唱されてきた。申請者らは、安価に合成でき、環境負荷が極めて低く、極めて高活性な人工SL(SPL7)の開発に最近成功した。本研究では、ケニアの栽培環境におけるSPL7の自殺発芽剤としての有効性の検証、ストライガの薬剤耐性獲得に係わる遺伝的メカニズムの解明、防除技術普及のための社会経済的条件の探求に取り組み、SPL7を利用したストライガ防除技術の確立を目指す。
    2022年度は、ケニア農畜産業研究機構キボス支所において、ストライガ種子のSPL7による刺激発芽試験を96穴プレート、250mL容器および5Lポットを用いて行った。その結果、500nMのSPL7溶液を土壌1L当たり400~1000mL施用することで安定的に刺激発芽が起こることが確認された。また、SPL7の濃度を5uMまで高めると、発芽率は低下することが明らかになった。SPL7による自殺発芽効果は、深さ5~10㎝の土壌中で安定していた。一方、深さ2cmの浅い土壌において発芽率が低下した原因として、土壌の乾燥による種子のコンディショニング不良が考えられた。圃場試験においては、500nMのSPL7溶液を1平米当たり約11L施用することにより、深さ2~5㎝の土壌中でストライガ種子の自殺発芽を誘導できることが確認された。
    2022年7月に実施した聞き取り調査においては、ストライガ生息域の農家の多くがストライガによる被害を認識しており、防除対策を講じたいと考えているにも関わらず、適切な防除法に関する知識が不足していることが確認された。ストライガ採集地の位置情報を解析した結果、これまでにストライガが確認されていなかった地域にもストライガが侵入し、汚染地域が拡大していることが明らかになった。また、ビクトリア湖沿岸地域ではこれまで生息が確認されていなかったストライガ・アジアティカ(S. asiatica)を初めて発見した。
    これまでに採集したストライガのゲノム配列を次世代シーケンサーで解読し、de novoトランスクリプトーム解析を進めた。2022年度のフィールド調査では、FTAカードを利用し、新たに83地点からストライガのDNAを採集した。また、83地点の農家圃場から土壌を採集し、土壌中のストライガ種子密度を調査した。
    ケニア国内での移動制限は解除されたため、2022年7月に、農家に対する聞き取り調査、FTAカードによるストライガDNAの採集、農家圃場からの土壌サンプリングを行った。また、ケニア農畜産業研究機構キボス支所の圃場での栽培試験も再開した。しかし、2020年度からのコロナ禍による研究の遅れを取り戻すことは困難な状況である。2022年度も、大半の期間、ケニアにおける新型コロナウイルスの「感染症危険情報」のカテゴリーがレベル3(渡航中止勧告)であったため、ケニアへの出張は行わなかった。
    2023年度は、新型コロナウイルスによるケニアへの渡航制限は解除されたため、ストライガの出現が最も多くなる7月頃にケニアに渡航し、現地の共同研究者と共同でフィールド調査を実施する。ストライガDNAと土壌サンプルの収集を進めるとともに、農家に対する聞き取り調査を行う。また、これまでにFTAカードに収集したストライガのDNAから多型検出を進める予定である。ケニア農畜産業研究機構キボス支所における圃場試験およびポット試験を行い、SPL7のストライガ自殺発芽剤としての効果を圃場レベルで実証し、SPL7処理技術を確立する。

  5. 寄生植物ストライガにおけるストリゴラクトンシグナル伝達機構の解明

    研究課題/研究課題番号:18H02459  2018年4月 - 2021年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    土屋 雄一朗

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )

    ハマウツボ科の寄生植物であるストライガ(Striga hermonthica)は、トウモロコシやソルガムといった穀物に寄生し枯死させることが知られており、アフリカの食糧生産に甚大な被害を与えることが知られている。土中で休眠する種子は、宿主植物が近くで生育を始めるとその根から放出されるストリゴラクトン(SL)を感知して発芽することが知られており、本研究では化学遺伝学の手法で新たなシグナル伝達因子の同定を目指した。発芽抑制、発芽上限突破の2種のスクリーニングより有望な化合物が得られ、標的タンパク質の同定とその生化学的な機構の解明を行なった。
    ストライガをはじめとした寄生植物特有に見られる受容体のコピー数の増加の生物学的な意義が見出せていない現状において、本研究より受容体間に機能的な相互作用が存在することが示唆された。すなわち、土中に存在するSLの種類により発芽するか否かが決定されることを示唆しており、ストライガが寄生する宿主の種類をSLのブレンドを認識することで起こしていると考えられた。また、受容体ネットワークを制御することで発芽を抑制できることより、この原理を踏襲した発芽抑制剤の開発が可能となり、自殺発芽とは異なるアプローチでストライガの寄生を抑える方法へと発展することが期待される。

  6. 寄生植物ストライガの撲滅に向けたケミカルジェネティクス研究

    研究課題/研究課題番号:15KT0031  2015年7月 - 2018年3月

    土屋 雄一朗

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:18070000円 ( 直接経費:13900000円 、 間接経費:4170000円 )

    本研究では、アフリカで深刻な食糧問題を引き起こす寄生植物ストライガ(Striga hermonthica)を撲滅を目指して、自殺発芽によって土中の種子を自殺発芽に追い込むストリゴラクトン様人工化合物の開発を行った。低分子化合物スクリーニングより発見した人工化合物骨格に、ストリゴラクトンの活性部位を融合したハイブリット分子(コードネーム:SAMR690)を開発した。当該化合物は、フェムトモーラーレベルでストライガの発芽を刺激する非常に高活性な化合物であるとともに、菌根菌や作物への影響が最小限に抑えられたため、実用レベルでの効果が期待される。

  7. 寄生植物ストライガにおけるストリゴラクトンシグナル伝達機構の分子進化に関する研究

    研究課題/研究課題番号:15K07102  2015年4月 - 2018年3月

    土屋 雄一朗

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:5070000円 ( 直接経費:3900000円 、 間接経費:1170000円 )

    植物ホルモンであるストリゴラクトンは、寄生植物であるストライガの発芽を刺激するホストファクターである一方、宿主植物内では枝分かれの制御等様々な発生生理に関わる。本研究では、シロイヌナズナでのHYPOSENSITIVE TO LIGHT/KARRIKIN INSENSITIVE2(HTL/KAI2)を介したSL応答と、ストライガの発芽を刺激する機構の関連性を、光シグナル伝達のと相互作用の観点から探った。低分子化合物プローブを用いたアプローチより、シロイヌナズナとストライガではともに、HTL/KAI2を介した経路でSLシグナルを伝えることを明らかとした。

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