科研費 - 荻 朋男
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ゲノム不安定性疾患群を中心とした希少難治性疾患の次世代マルチオミクス診断拠点構築
2017年4月 - 2020年3月
科学研究費補助金 その他
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DNA二本鎖切断修復機構に関与する機能未知の小頭症新規責任因子の分子機能解析
研究課題/研究課題番号:17H01877 2017年4月 - 2020年3月
中沢 由華
担当区分:研究分担者
我々は、DNA修復機構の障害により発症する遺伝性疾患のうち、共通する病態の1つである小頭症に着目して既存症例の解析を行った結果、いくつかの疾患原因遺伝子変異の同定に至った。疾患モデルマウスを作製して解析を行っても、期待された表現型を示さないことが多いため、DNA損傷負荷をかけるために2重変異マウスを作製して解析を進めた。この結果、小頭症や神経変性を発症するメカニズムとして、DNA損傷により転写が阻害される事が原因であるとの新たな知見を得た。RNAポリメラーゼはDNA損傷箇所で停止するとユビキチン化修飾を受けるが、これが障害されることで、コケイン症候群やその関連疾患を発症すると考えられた。
DNA 損傷応答・DNA 修復機構の先天的な異常により、ゲノムが不安定化することで発症する様々な遺伝性疾患が知られている。これらの疾患では小頭症を示す症例が多く、鑑別診断が重要である。今回、収集した症例のゲノム解析などから、いくつかのDNA修復機構に新規の疾患原因変異を同定した。モデルマウスの解析から、コケイン症候群などで観察される小頭症と神経変性を説明可能な転写と共役したDNA修復機構の分子メカニズムの詳細が明らかにされた。 -
DNA修復・損傷応答機構の異常により発症するゲノム不安定性疾患の分子病態解明研究
研究課題/研究課題番号:17H00783 2017年4月 - 2020年3月
荻 朋男
担当区分:研究代表者
配分額:42770000円 ( 直接経費:32900000円 、 間接経費:9870000円 )
DNA修復・損傷応答システムの異常により発症し、ゲノムの不安定化を伴う様々なヒト疾患が知られている。疾患原因不明のゲノム不安定性疾患症例を収集し、次世代ゲノム解析・精密質量分析・高精度DNA修復活性の測定を組み合わせた次世代マルチオミクス解析システムを用いて、疾患原因の特定を試みた。新規の遺伝子異常を同定した症例について、分子生物学的・細胞生物学的解析および疾患モデルマウスを用いた解析により、疾患発症メカニズムの解明を進めた。これらの結果、DNA修復機構の1つである転写と共役したヌクレオチド除去修復機構 (TC-NER)の開始反応の詳細を明らかにした。
ゲノム不安定性疾患群とは、DNA修復・損傷応答システムの先天異常により発症する疾患の総称であり、多数の疾患が含まれ、また各々の病態が類似することから臨床診断に難渋することも多い。オミクス解析により、ゲノム不安定性疾患の発症メカニズムを遺伝子・分子レベルで詳細に理解することは、難病患者の確定診断技術の開発や疾患緩和薬/治療薬開発へ寄与するとともに、ゲノムの安定維持機構の作動原理の理解を通して、がんや老化といった人類が直面している医学上の未解決課題に挑戦する上で欠かすことのできない基礎科学知識の蓄積に貢献することが可能である。 -
小頭症を発症する遺伝性疾患の鑑別診断技術開発
研究課題/研究課題番号:16K15526 2016年4月 - 2018年3月
荻 朋男
担当区分:研究代表者
配分額:3510000円 ( 直接経費:2700000円 、 間接経費:810000円 )
遺伝性小頭症には、DNA損傷応答・DNA修復システム (DDR)の異常により発症しているケースが見られる。DDRの異常により発症する疾患には先天性小頭症を含み多くの種類が知られているが、それぞれの疾患に症状のオーバーラップが見られること、また個々の疾患が非常にまれであることから、鑑別診断が難しく、長期間診断不能となるケースも多い。我々は、DNA修復活性を精密に評価する技術と次世代ゲノム解析 (全エキソーム解析、全ゲノム解析)を併用することで、遺伝性小頭症の鑑別診断技術の開発を目指した。
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小頭症を発症する遺伝性疾患の鑑別診断技術開発
2016年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 研究成果公開促進費 (研究成果公開発表)
荻 朋男
担当区分:研究代表者
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小頭症を発症する遺伝性疾患の鑑別診断技術開発
2016年4月 - 2017年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
荻 朋男
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:2080000円 ( 直接経費:1600000円 、 間接経費:480000円 )
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DNA修復と中心体複製異常を指標にしたBRCAの分子内発癌抑制責任部位の特定
研究課題/研究課題番号:15K06833 2015年4月 - 2019年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
竹中 克也, 荻 朋男
担当区分:研究分担者
乳癌原因遺伝子BRCA2は二重鎖切断DNAの相同組換え修復に関与するとともに,中心体複製制御にも役割を果たしている。中心体数の異常は癌化過程に特徴的な染色体の異常分配や多核形成を引き起こす。超巨大分子であるBRCA2と他分子の相互作用が中心体数を正確に制御し発癌を抑制している可能性を検証した。非常に多くの顕微鏡像から高精度に中心体数を計数する必要があったため,画像認識技術を用いた自動計数系を開発し人力では困難な検体数の解析を可能にした。
比較的小型で発現量も多い分子については多種多様な生化学・細胞生物学的手法によって解析が進んできたが,BRCAのような発現量の少ない超巨大分子については実験手法の制約により分子機構が臨床応用可能なレベルにまで解明されていない。そのため画期的な解析手法の導入と独創的な定量法の開発により,これまで解析が回避されてきた超巨大分子についても効率良く高精度なスクリーニングを可能にした。治療につながる開発標的を見出す標準の確立により癌診断・治療に強く波及し得ることから国民の要請に応えられる。 -
ゲノム不安定性を誘発する先天性稀少疾患と小児がんコホートの分子遺伝疫学調査
2015年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
担当区分:研究代表者
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ゲノム不安定性を誘発する先天性稀少疾患と小児がんコホートの分子遺伝疫学調査
2015年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 その他
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ゲノム不安定性を誘発する先天性稀少疾患と小児がんコホートの分子遺伝疫学調査
研究課題/研究課題番号:15H02654 2015年4月 - 2018年3月
荻 朋男
担当区分:研究代表者
配分額:42900000円 ( 直接経費:33000000円 、 間接経費:9900000円 )
遺伝情報を担うDNAは様々な要因により損傷を受けており、ゲノムを安定的に維持・伝達するためには「DNA損傷応答・修復システム」が必須である。このシステムが破綻するとゲノムの不安定化を引き起こし、発がんや老化の原因となると考えられる。本研究では、ゲノム不安定性を示すヒト遺伝性疾患を世界的に収集し、疾患原因変異の決定と病態の集約を実施した。これらの結果をもとに、疾患原因変異と病態の相関データベースを構築した。また、疾患原因未同定の症例解析を進めることで、ゲノムの安定化に寄与する新規遺伝子の同定やシステムの解明に取り組み、いくつかの新規疾患責任遺伝子変異を同定した。
ゲノム不安定性疾患群は、多種類の遺伝性疾患が含まれるが、それぞれ病態がオーバーラップすることも多く、診断に難渋するケースも少なくない。また、個々の疾患は非常に希少であり、疾患に関する情報が少ないことも大きな問題である。本研究で、希少疾患の原因 (遺伝子変異)と病態の相関について検討し、成果を論文報告したことで、今後の診断へも貢献してゆくと期待される。また、「ゲノム不安定性」は、がん発症と悪性化の主因の一つであると考えられ、「ゲノムを安定に維持する種々の分子メカニズム」を詳細に理解することは、がんそのものの理解にも大きく寄与すると期待され、重要な研究分野である。 -
転写共役ヌクレオチド除去修復因子の生化学的解析
研究課題/研究課題番号:15K00541 2015年4月 - 2018年3月
唐田 清伸
担当区分:研究分担者
RNAの転写と共役して働く転写共役型ヌクレオチド除去修復(TC-NER)におけるCSA・CSB・UVSSAといったTC-NER特異的因子の詳細な働きは未だ不明である。そこで、DNA損傷を部位特異的に導入したDNAテンプレートを作製して、in vitro TC-NERアッセイ系を再構築して生化学的にTC-NER特異的因子の機能解明することを目指した。また、UVSSA の機能解明の手がかりとするために、結晶構造解析を目的としたUVSSAタンパク質の精製を行なった。
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チェルノブイリ小児甲状腺がんにおけるDNA修復関連遺伝子群の分子遺伝疫学研究
研究課題/研究課題番号:26293142 2014年4月 - 2019年3月
光武 範吏
担当区分:研究分担者
チェルノブイリ原発事故後、放射線被ばく後に発症した小児甲状腺癌症例56例のゲノムDNA、同地域に住み被ばくしたが発癌していないコントロール55例のゲノムDNAを用い、次世代シークエンシングにより変異データを取得した。発癌に関連するいくつかの候補遺伝子が見つかってきたが、さらなる検証が必要である。DNA修復関連遺伝子群には明らかな変異の集積は確認できなかった。非常に貴重な試料の網羅的ゲノム解析データを得ることが出来、今後の継続した研究についての基盤を確立することが出来た。
チェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺癌は、放射線被ばくによって発癌したということが非常に明確な貴重な症例である。この地域では多くの人が被ばくしたが、限られたごく一部の人のみが癌を発症した。この癌発症に関連する遺伝的な背景(個人の体質)を明らかにすることがこの研究の目的であった。明確な原因となる遺伝子を発見することは出来なかったが、これらの非常に貴重なサンプルについて多数の網羅的ゲノムデータを取得することが出来、今後の研究基盤として大いに役立つものと考える。 -
転写共役ヌクレオチド除去修復開始反応のin vitro再構成
2014年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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転写共役ヌクレオチド除去修復開始反応のin vitro再構成
2014年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 その他
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転写共役ヌクレオチド除去修復開始反応のin vitro再構成
研究課題/研究課題番号:26291005 2014年4月 - 2018年3月
荻 朋男
担当区分:研究代表者
配分額:16640000円 ( 直接経費:12800000円 、 間接経費:3840000円 )
転写共役ヌクレオチド除去修復機構 (TC-NER)は、紫外線などによって生じたDNA損傷を修復するメカニズムの1つである。TC-NERの開始反応は未だ不明な点が多いことから、そのメカニズムの解明に取り組んだ。特に、機能未知のUVSSAとRNA ポリメラーゼ (RNA pol IIo)の関係に着目し、TC-NERの開始段階で観察されるRNA pol IIoのユビキチン化修飾反応とUVSSAの機能について、詳細な解析を実施した結果、TC-NER活性に必須かつUVSSA依存的に起こるRNA pol IIoのユビキチン化サイトを複数同定した。
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非ヒストンタンパク質のアセチル化修飾を介したゲノム障害応答の制御機構解明
研究課題/研究課題番号:26281026 2014年4月 - 2018年3月
安田 武嗣
担当区分:研究分担者
我々は、試験管内でp300とCBPによってアセチル化される複数の非ヒストンタンパク質を発見した。これらの中で、ヒトの相同組換え(HR)に関わるRAD52は、DNA二重鎖切断(DSB)部位で、p300/CBPによりアセチル化された。RAD52の13箇所のアセチル化部位を同定した。アセチル化されないRAD52は、最初はDSB部位に集まるが、途中でDSB部位から離れた。また、RAD52がアセチル化されないと、RAD51がDSB部位から途中で解離し、HRが阻害された。さらに、RAD52のアセチル化がATMシグナルとリンクしていた。このように、RAD52のアセチル化がHRに重要であることを示した。
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資金種別:競争的資金
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資金種別:競争的資金