2024/04/02 更新

写真a

タカハシ ヒロカズ
髙橋 宏和
TAKAHASHI Hirokazu
所属
大学院生命農学研究科 植物生産科学専攻 植物生産科学 准教授
大学院担当
大学院生命農学研究科
学部担当
農学部 資源生物科学科
職名
准教授

学位 1

  1. 博士(農学) ( 2011年3月   東京大学 ) 

研究キーワード 4

  1. ダイズ

  2. 耐湿性

  3. 乾燥耐性

  4. 根系形態

研究分野 2

  1. ライフサイエンス / 植物分子、生理科学  / 植物生理学 植物分子生物学 植物分子遺伝学

  2. 環境・農学 / 遺伝育種科学  / 植物分子遺伝学 遺伝学 

現在の研究課題とSDGs 1

  1. 作物の耐湿性に関する研究

経歴 3

  1. 名古屋大学   大学院生命農学研究科 植物生産科学専攻 植物生産科学   准教授

    2018年4月 - 現在

  2. 名古屋大学   大学院生命農学研究科   助教

    2015年4月 - 2020年1月

  3. 名古屋大学   大学院生命農学研究科   任期付正職員

    2011年4月 - 2015年3月

学歴 3

  1. 東京大学   農学生命科学研究科   生産・環境生物学専攻

    2008年4月 - 2011年3月

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    国名: 日本国

  2. 東京大学   農学生命科学研究科   生産・環境生物学専攻

    2006年4月 - 2008年3月

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    国名: 日本国

  3. 日本大学   生物資源学部   応用生物科学科

    2002年4月 - 2006年3月

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    国名: 日本国

所属学協会 2

  1. 日本育種学会

  2. 日本植物生理学会

委員歴 5

  1. 資源生物科学科実験実習委員   委員,副実習委員長  

    2020年4月 - 現在   

  2. 資源生物科学科担任   担任  

    2019年4月 - 現在   

  3. 就職委員会   委員  

    2018年4月 - 現在   

  4. 学科運営委員会   委員  

    2016年4月 - 2018年3月   

  5. 情報処理委員会   委員  

    2016年4月 - 2018年3月   

受賞 2

  1. 日本育種学会優秀発表賞

    2011年   日本育種学会   湛水条件下でダイズの胚軸において形成される二次通気組織の解析.

    柳川麻子, 髙橋宏和, 平賀勧, 島村聡, 中園幹生

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    受賞区分:国内学会・会議・シンポジウム等の賞  受賞国:日本国

  2. PCP論文賞

    2011年   日本植物生理学会   Nod factor/nitrate-induced CLE genes that drive HAR1-mediated systemic regulation of nodulation.

    atoru Okamoto, Erika Ohnishi, Shusei Sato, Hirokazu Takahashi, Mikio Nakazono, Satoshi Tabata, Masayoshi Kawaguchi.

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    受賞区分:国内学会・会議・シンポジウム等の賞  受賞国:日本国

 

論文 65

  1. Ethylene promotes submergence-induced expression of OsABA8ox1, a gene that encodes ABA 8'-hydroxylase in rice. 査読有り 国際共著

    Saika H, Okamoto M, Miyoshi K, Kushiro T, Shinoda S, Jikumaru Y, Fujimoto M, Arikawa T, Takahashi H, Ando M, Arimura S, Miyao A, Hirochika H, Kamiya Y, Tsutsumi N, Nambara E, Nakazono M

    Plant & cell physiology   48 巻 ( 2 ) 頁: 287-98   2007年2月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1093/pcp/pcm003

    PubMed

  2. Drought induction of Arabidopsis 9-cis-epoxycarotenoid dioxygenase occurs in vascular parenchyma cells. 査読有り

    Endo A, Sawada Y, Takahashi H, Okamoto M, Ikegami K, Koiwai H, Seo M, Toyomasu T, Mitsuhashi W, Shinozaki K, Nakazono M, Kamiya Y, Koshiba T, Nambara E

    Plant physiology   147 巻 ( 4 ) 頁: 1984-93   2008年8月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1104/pp.108.116632

    PubMed

  3. Separated transcriptomes of male gametophyte and tapetum in rice: validity of a laser microdissection (LM) microarray. 査読有り

    Suwabe K, Suzuki G, Takahashi H, Shiono K, Endo M, Yano K, Fujita M, Masuko H, Saito H, Fujioka T, Kaneko F, Kazama T, Mizuta Y, Kawagishi-Kobayashi M, Tsutsumi N, Kurata N, Nakazono M, Watanabe M

    Plant & cell physiology   49 巻 ( 10 ) 頁: 1407-16   2008年10月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1093/pcp/pcn124

    PubMed

  4. Various spatiotemporal expression profiles of anther-expressed genes in rice. 査読有り

    Hobo T, Suwabe K, Aya K, Suzuki G, Yano K, Ishimizu T, Fujita M, Kikuchi S, Hamada K, Miyano M, Fujioka T, Kaneko F, Kazama T, Mizuta Y, Takahashi H, Shiono K, Nakazono M, Tsutsumi N, Nagamura Y, Kurata N, Watanabe M, Matsuoka M

    Plant & cell physiology   49 巻 ( 10 ) 頁: 1417-28   2008年10月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1093/pcp/pcn128

    PubMed

  5. Nod factor/nitrate-induced CLE genes that drive HAR1-mediated systemic regulation of nodulation. 査読有り

    Okamoto S, Ohnishi E, Sato S, Takahashi H, Nakazono M, Tabata S, Kawaguchi M

    Plant & cell physiology   50 巻 ( 1 ) 頁: 67-77   2009年1月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1093/pcp/pcn194

    PubMed

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書籍等出版物 4

  1. 植物学の百科事典 査読有り

    髙橋宏和,中園幹生( 担当: 分担執筆 ,  範囲: 低酸素)

    日本植物学会 編 丸善出版  2016年6月  ( ISBN:4621300385

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    総ページ数:802   担当ページ:436-437   記述言語:日本語 著書種別:事典・辞書

  2. 植物学の百科事典 査読有り

    髙橋宏和,中園幹生( 担当: 分担執筆 ,  範囲: 細胞間隙)

    日本植物学会 編 丸善出版  2016年6月  ( ISBN:4621300385

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    総ページ数:802   担当ページ:534-535   記述言語:日本語 著書種別:事典・辞書

  3. Plant Cell Monographs: Low-Oxygen Stress in Plants. 査読有り 国際共著

    Hirokazu Takahashi, Takaki Yamauchi, Timothy David Colmer, Mikio Nakazono( 担当: 分担執筆)

    Springer  2014年1月  ( ISBN:3709112532

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    総ページ数:437   担当ページ:247-265   記述言語:英語 著書種別:学術書

  4. 発芽生物学 種子発芽の生理・生態・分子機構.

    髙橋宏和, 中園幹生( 担当: 分担執筆 ,  範囲: コラム3 イネ実生の嫌気応答 ー冠水下で伸びる謎に迫る. )

    種生物学会 編 文一総合出版  2009年3月 

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    総ページ数:440   担当ページ:101-104   記述言語:日本語 著書種別:学術書

MISC 2

  1. 植物凍結切片からの遺伝子発現解析 招待有り

    髙橋宏和, 中園幹生, 西澤直子  

    Leica application note Ⅷ   2010年

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    担当区分:筆頭著者  

  2. パラフィン包埋標本(植物組織)からのRNAの抽出 -「マイクロウェーブ法」によるパラフィン標本作製- 招待有り

    髙橋宏和, 中園幹生, 西澤直子, 稲田のりこ.  

    Leica application note Ⅳ   2008年

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語  

講演・口頭発表等 30

  1. ダイズの二次通気組織形成に関与する制御因子の探索

    馬場唯菜、竹林裕美子、小嶋美紀子、髙橋実鈴、Nhung Ta, Kim、佐藤 豊、榊原 均、中園幹生、高橋 宏和

    日本育種学会第139回講演会  2021年3月  日本育種学会

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    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:オンライン大会   国名:日本国  

  2. 日本のトマト生産がオランダに追いつくため必要なこと 招待有り

    髙橋宏和

    東郷農場講演会  2018年7月  東郷町

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    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:東郷町役場   国名:日本国  

  3. トマトの物質輸送特性を成立させるマイクロアーキテクチャ 招待有り

    髙橋宏和,中園 幹生

    平成30年度秋季大会  2018年9月  園芸学会

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    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:鹿児島大学   国名:日本国  

  4. 鳥取砂丘圃場を利用したダイズの根系フェノタイピング

    成瀬敏也、Bui Khuynh、高橋宏和、平野 恒、戸田悠介、大森良弘、津田麻衣、辻本 壽、山崎裕司、澤田有司、平井優美、藤原 徹、岩田洋佳、Christophe Pradal、松岡 信、中園幹生

    日本育種学会第138回講演会  2020年10月  日本育種学会

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    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:オンライン大会   国名:日本国  

  5. Laser Microdissectionを利用した組織特異的なマイクロアレイ解析 招待有り

    髙橋宏和

    ワークショップ『Agilentマイクロアレイ基盤の整備とマイクロアレイ実験の展望』  2012年3月  岡山大学

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    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:岡山大学   国名:日本国  

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共同研究・競争的資金等の研究課題 1

  1. ダイズの耐湿性に関与する二次通気組織形成機構の解明とその育種利用に関する研究

    研究課題番号:20K05969  2020年4月 - 2023年3月

    高橋 宏和

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )

科研費 9

  1. ダイズの耐湿性に関わるトリテルペノイドの機能解明とその育種利用に関する基盤研究

    研究課題/研究課題番号:23H02182  2023年4月 - 2026年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    高橋 宏和, 関 光, 藤 佑志郎

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )

    ダイズのLupeol synthase1(GmLUS1) 遺伝子が,二次通気組織におけるトリテルペノイドの蓄積に関与し,結果として二次通気組織の酸素輸送能の維持に貢献していることを明らかにしている.しかし,トリテルペノイドは配糖体を含めると非常に多様な化合物で構成されることから,二次通気組織で機能する化合物の実態は不明なままである.そこで本研究課題では,二次通気組織に蓄積するトリテルペノイドを同定し,その局在や機能を明らかにする.また,多数のダイズ品種や異なる植物種の二次通気組織におけるトリテルペノイドを解析することで,トリテルペノイドが耐湿性獲得のために普遍的に重要であることを検証する.

  2. 過湿ストレス下の炭素動態と養水分吸収能を指標としたダイズ根系形態と機能のモデル化

    研究課題/研究課題番号:22KK0084  2022年10月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

    高橋 宏和, 野田 祐作, 杉浦 大輔

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:20020000円 ( 直接経費:15400000円 、 間接経費:4620000円 )

    日本においてダイズの耐湿性の向上は,未だ解決されていない長年の課題である.過湿ストレス下において植物の根は真っ先にその影響を受ける器官であることから,耐湿性向上には過湿ストレスに適応できる根系を育種する必要がある.そこで,植物の根が過湿ストレス後の根系形成過程を、これまでのような形態的な特徴だけではなく,①植物体内の生理応答、②根系の再構築,③根系機能の回復の3段階に分けて解析を行い,ダイズの過湿ストレスに対する根系形成を理解する.さらにこれらの情報を利用して,CIRADにおける海外共同研究者と連携して過湿ストレスに対するダイズの根系形成モデルを構築することで,根型育種における問題解決に挑む.
    令和2年度の日本におけるダイズは飼料用も含めるとわずか6%程度となっている.ダイズの生産性が向上しない要因の一つに過湿ストレスが挙げられる.日本においてダイズの耐湿性の向上は,未だ解決されていない長年の課題である.植物の根は,養水分の吸収を担う重要な器官であるとともに,湿害,旱害,塩害,貧栄養などの環境ストレスに真っ先に晒される器官であることから,作物はこのようなストレスに適応するために根系の再構築を行う.そのため,植物が環境ストレス耐性を獲得するためには,根系の改良が重要であり,第二の緑の革命は根型育種において起こると期待されている.そのため,耐湿性向上においても過湿ストレスに適応できる根系を育種する必要がある.そのためには,過湿ストレスに対する根系形成を理解し,根系形成モデル構築し,根型育種のための明確なストラテジーの確立が必要不可欠である.申請者らは,これまでに過湿ストレス下において,根系形態の変化よりもはるかに早く炭素動態を変化させていることを明らかにした.そこで本申請課題では,植物の根が過湿ストレス後の根系形成過程を、これまでのような形態的な特徴だけではなく,①植物体内の生理応答、②根系の再構築,③根系機能の回復の3段階に分けて解析を行い,ダイズの過湿ストレスに対する根系形成を理解する.さらにこれらの情報を利用して,CIRADにおける海外共同研究者と連携して過湿ストレスに対するダイズの根系形成モデルの構築することで,根型育種における問題解決に挑む.
    過湿ストレス,根系形態,炭素動態,水利用効率についてその関連性が明確になりつつあるが,昨年度の電気代高騰により,高崎量子応用研究所におけるポジトロンイメージングが実施できていない.しかし,2023年度においては,解析を行う目処が立っている.また,新型コロナウイルスの影響でCIRADの設備が十分に稼働しておらず,2022年度は栽培実験が行えなかった.しかしこちらも,先方との調整により2023年度は栽培実験が行える時期を確保した。
    2022年度は新型コロナウイルスの影響でCIRADの設備が十分に稼働しておらず,栽培試験を行うことができなかった.しかし,CIRADの共同研究者との調整により2023年度に使用するダイズ系統数を増やし解析を行うこととなった.これにり,9月から1ヶ月間複数のダイズ品種における過湿ストレス下の炭素動態や水利用効率,根系形態を評価する.また,日本における解析においても,引き続き,ダイズにおいて,過湿ストレス,根系形態,炭素動態,水利用効率についてその関連性についての解析を行う.特に,炭素動態は過湿ストレス後30分以内に変化し,過湿ストレス下では炭素輸送が阻害されることが明らかとなり,さらに,ストレス後18時間ごろにこの阻害が一部解除されることが明らかとなった.このことは,本研究課題における過湿ストレス後の根系形成過程には①植物体内の生理応答、②根系の再構築,③根系機能の回復の3段階があるという仮説を支持するものであった.そこで,2023年度は,リアルタイムイメージングを用いてさらに炭素動態を詳細に調査することで,この仮説に関する知見を確かなものにしていく.また,得られた根系形態,炭素動態の情報を用いて根系形成モデルの構築を試験する.

  3. 酸性硫酸塩土壌地帯の直播イネ育種に向けた出芽期の鉄過剰耐性機構の解析

    研究課題/研究課題番号:22H02322  2022年4月 - 2026年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    加藤 洋一郎, 塩野 克宏, 高橋 宏和

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    担当区分:研究分担者 

    酸性硫酸塩土壌は世界中の沿岸部低湿地に拡がり、熱帯アジア・アフリカで1200万ha以上存在する。イネ収量は低く、苗は頻繁に致死レベルの鉄過剰障害を受ける。本研究では、鉄過剰ストレス条件下の直播イネの出芽安定や幼苗の初期成長安定化を目指して、鉄過剰耐性に関する生理的・遺伝的メカニズムを明らかにする。特に嫌気条件下のイネ根圏の酸素動態と根の嫌気応答、これらと鉄過剰耐性の関係に注目して解析を進める。
    本研究では、鉄過剰ストレス条件下の直播イネの出芽安定や幼苗の初期成長安定化を目指し、鉄過剰耐性に関する生理的・遺伝的メカニズムの解明を目指す。とりわけ、嫌気条件下のイネ根圏の酸素動態と根の嫌気応答、これらと鉄過剰耐性の関係に注目して解析を進める。まず始めに、水耕栽培における鉄過剰耐性の評価指標として新たに鉄過剰応答指数を考案し、品種間差異の評価を進めた。その結果、インドネシアの標準品種Ciherang(当該国作付面積第2位)や熱帯アジアで広く標準品種として用いられてきたIR64は鉄過剰状態に極めて弱いこと(感受性)、一方で、Dadahupや密陽23号、台中65号が鉄過剰状態に対して耐性が高いことが示唆された。鉄過剰耐性イネの遺伝解析・戻し交雑由来の有望系統作出について、同時並行で交雑系統を作成中であったCiherang、Dadahup、Milyang23についてNGSによりゲノムをx25でシークエンスし、リファレンスである日本晴ゲノムにマッピングを行なった。また、イネ根の嫌気適応性と鉄過剰耐性の関係に関する解析については、苗立ち時期にみられる複数本の根の酸素動態を計測するため、今年度は、2次元酸素オプトード装置によるイメージング領域の拡大を目指した。その結果、観察条件の最適化により、計測面積を2倍(14×6 cm)まで拡大することに成功した。あわせて、鉄プラークのイメージング装置の開発を進め、イネ苗立ち時期の根において鉄プラークの可視化計測に成功した。
    イネ系統の生理生態解析、鉄過剰耐性イネの遺伝解析・有望系統の準備、イネ根の嫌気適応性の解析にいずれについても、設定した計画に沿う形で順調に進んでいる。
    今年度は、Ciherang、Dadahup、Milyang23について(日本晴ゲノムに)マッピングを行なった結果に基づいて、鉄過剰耐性関連形質に関する量的形質遺伝子座解析から候補領域内の多型について抽出を行う。時間に余裕があれば、さらに突っ込んで候補領域内の多型に着目してDNAマーカーの設計を行なっていく予定である。同時並行で鉄過剰感受性品種Ciherangと鉄過剰耐性品種Milyang23について、鉄過剰への感受性の違いを説明する重要形質、特に根の酸素漏出バリア形成などとの関連に着目して探索していく。また、水耕栽培における鉄過剰耐性について、引き続き多様な品種・系統の評価を進め、既に明らかにした有望品種以外に耐性を持つ供試材料の探索を継続する。一方で、イネ根の嫌気適応性と鉄過剰耐性の関係に関する解析については、スキャナーで取得した根域のRGB画像から根、鉄プラーク、鉄濃度の高い根圏、背景を分別して計測できる方法の確立を目指す。同時に、2次元オプトード装置の改良を重ねて、根圏の鉄濃度の定量法の確立を目指す。

  4. 排水毛として機能するイネ小毛の細胞内微細構造とその制御機構の解明

    研究課題/研究課題番号:22H02323  2022年4月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    大井 崇生, 小林 英和, 高橋 宏和

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    担当区分:研究分担者 

    イネ表皮に存在する小型の毛状突起(小毛)からの排水という現象に着目し、その機能形態と制御機構を解明する。活発に排水を行う籾表面の小毛と、不活性な葉表面の小毛について連続切片-電子顕微鏡法によって細胞内全体の微細構造を三次元再構築して3D観察し、各構造の出現頻度や体積等を定量比較する。また、細胞活性に影響するとされる核内倍加の程度をフローサイトメーター等で調査するとともに、小毛細胞をレーザーマイクロダイセクションで切り出してトランスクリプトーム解析を行い、排水機能に関わる遺伝子群を同定する。本研究は、気孔を介さない未知の排水機構を解明するもので、イネの高温障害対策等にも繋がると期待される。
    本研究では、イネ表皮上の小毛について排水器官としての機能形態とその制御機構を解明することを目的とする。
    まず、供試イネ品種‘日本晴’を栽培し、籾、葉鞘、葉身の着目部位ごとに、小毛の解析を行うための組織観察の予備調査を行い、特に小毛を構成する細胞の核内倍加状態を比較検証する条件を確立した。併せて、塩分を含み蒸発しにくい排水を行う小毛を持つ耐塩性イネ科牧草ローズグラスについても葉組織の核内倍加の調査を行い、小毛を構成する基部細胞、頂部細胞はともに核内倍加していることを明らかにした。また、C4光合成植物であるローズグラスは発達した葉緑体を備えた大型の維管束鞘細胞を有しており、これらについても核内倍加していることを明らかにした。これらの成果を日本作物学会にて報告し、現在、国際学術誌へ投稿準備中である(担当:小林)。
    同上の供試植物、部位、時期ごとの小毛の細胞内微細構造の網羅的解析を目指し、迅速簡便な3D解析法の確立を目指した。小型で操作も容易な卓上走査型電顕(卓上SEM)を導入し、ミクロトームで作製した薄切片を透過型電子顕微鏡(TEM)ではなく、数百枚単位の切片を載せることができるスライドガラスに回収してSEMで撮影する一連の条件を精査し、連続切片から組織・細胞構造を三次元再構築する手法を確立した。本手法を用いて、葉組織内に普遍的に存在する葉肉細胞および維管束鞘細胞の細胞内微細構造の3D解析に成功し、日本作物学会にて発表し、現在、国際学術誌へ投稿準備中である(担当:大井)。次に、葉組織内に散在する小毛についても3D解析を行うべく、切片作製法を洗練中である。
    研究室の統廃合に伴う人員整理のため十分なエフォートを確保できない状況が続いているため、小毛の3D形態解析については大幅に遅れている(代表者・大井)。
    なお、核内倍加に関する調査については順調に進んでおり、成果の一部を論文発表する準備まで整っている(分担者・小林)。
    小毛の3D形態解析について、進捗の遅れを取り戻すため、消耗品等の経費の節約し、研究補助者を雇用して写真撮影およびデータ解析の効率化を図る(代表者・大井)。
    <BR>
    核内倍加に関しては引き続き調査を進め、順次成果報告も行っていく(分担者・小林)。
    <BR>
    トランスクリプトーム解析については、引き続きレーザーマイクロダイゼクションによるサンプリンングの条件検討を行い、その後の遺伝子発現解析に必要なデータベースを整理を進める(分担者・高橋)。

  5. ダイズ根皮層組織におけるプログラム細胞死の生体機能

    研究課題/研究課題番号:18H02189  2018年4月 - 2021年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    望月 俊宏, 安彦 友美, 高橋 宏和

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    担当区分:研究分担者 

    ダイズ耐湿性品種育成の指針を得るため、嫌気耐性品種‘伊豫大豆’と嫌気感受性品種‘タチナガハ’、およびNIL-9-4-5(遺伝的背景がタチナガハで、伊豫大豆由来の嫌気耐性遺伝子領域を持つ系統)を供試し、嫌気条件下における根の伸長と通気組織形成について調査した。
    その結果、伊豫大豆とNIL-9-4-5は嫌気条件下おいても根の伸長はほとんど抑制されなかったのに対して、タチナガハは有意に抑制され、通気組織は伊豫大豆とNIL-9-4-5においてのみ形成が促進されたことから、この遺伝子領域は嫌気条件下における根の伸長と通気組織形成の両者を制御していることが強く示唆された。
    ダイズ栽培における出芽期(幼苗期)の湿害は苗立ちの不良とその後の生育抑制を伴うため、ダイズ生産の大きな阻害要因となっており、耐湿性ダイズの作出が強く望まれているが、現在までに実現していない。本研究では、耐湿性ダイズ品種の備えるべき特徴を、嫌気条件下における根の伸長と通気組織形成の二つの観点から明らかにするとともに、その関係性ならびに遺伝的背景についても検討した。得られた結果は、ダイズのみならず他の畑作物における耐湿性研究にも、また、育種現場にも大きく貢献するものである。

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担当経験のある科目 (本学) 10

  1. 遺伝学

    2021

  2. 資源生物科学実験実習2

    2021

  3. 資源生物科学実験実習1

    2021

  4. 基礎セミナーA

    2021

  5. 生物学実験

    2021

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