KAKENHI (Grants-in-Aid for Scientific Research) -
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腸機能評価から排便支援ケアにつなぐ腸電位シグナルの構造化と予測モデルの作成〔代表〕
Grant number:24K02722 2024.4 - 2028.3
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
本田 育美, 中山 晋介, 吉田 和枝, 榎本 喜彦, 前川 厚子, 伊藤 康宏, 松原 早希
Authorship:Principal investigator
Grant amount:\18460000 ( Direct Cost: \14200000 、 Indirect Cost:\4260000 )
本研究は、超高齢社会のわが国の重要課題の1つである“排泄ケア”の変革につながる“排泄支援システム”の構築を目指し、可視化された「腸の運動リズム」から大腸蠕動運動の機能評価とともに排便予測指標となるモデルを導くことである。
軽量小型腸電位計での計測とともに自律神経活動の評価を取り入れ、排便を誘起する生活活動の刺激による腸の活動変化の様相をもとに大腸の活動電位パターンを構造化し、さらに排便兆候につながる大腸の活動電位の予測モデル作成に取り組む。 -
スマートナーシングシステムに導入する排便予測指標となる腸電位パターンの探索〔代表〕
Grant number:22K19687 2022.6 - 2025.3
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
本田 育美, 中山 晋介, 吉田 和枝, 前川 厚子
Authorship:Principal investigator
Grant amount:\6370000 ( Direct Cost: \4900000 、 Indirect Cost:\1470000 )
本研究は、超高齢社会のわが国の重要課題の1つである“排泄ケア”の変革につながる“排泄支援システム”の構築を目指し、「腸の活動電位」の可視化と排便予測となる信号の弁別化に取り組む。
軽量小型腸電位計を用いて、超音波画像解析装置(エコー)での糞便状態の評価とともに、就寝時から連続測定することで排便に向けた大腸運動の推移を示し、さらに生活活動刺激による腸の活動変化から排便兆候となる電位パターンを探る。 -
足ケアが高齢者の歩行・姿勢制御機能にもたらす効果の構造化〔代表〕
Grant number:17H04429 2017.4 - 2021.3
科学研究費補助金 基盤研究(B)
本田 育美
Authorship:Principal investigator Grant type:Competitive
Grant amount:\16900000 ( Direct Cost: \13000000 、 Indirect Cost:\3900000 )
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The effect of support program using color message on prevention of frailty.
Grant number:15K15791 2015.4 - 2018.3
Grant-in-Aid for Scientific Research
Honda Ikumi
Authorship:Principal investigator Grant type:Competitive
Grant amount:\3640000 ( Direct Cost: \2800000 、 Indirect Cost:\840000 )
The purpose of this study was to evaluate a health support program using color message on prevention of frailty for elderly. The subjects were 75 years or older living in an urban community. We conducted a health program on healthy life (physical activity, nutrition intake, social exchanges) for the elderly in community activities. As a result of program participants after 12 months, more than half of them were had weight loss. Furthermore, an abdominal girth, a nutrition intake and physical activity amount were decreased, degree of life fatigue were increased. As a program for the prevention of Frailty for the elderly, it is important to support health life and it was a future task.
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姿勢制御に対する足趾ケア効果の多角的解析と戦略的看護介入の確立 〔代表〕
2014.4 - 2017.3
科学研究費補助金 基盤研究(B)
Authorship:Principal investigator
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高齢者の姿勢制御に関わる足趾機能の改善にむけた足ケア法の検証 〔代表〕
2011.4 - 2014.3
科学研究費補助金 基盤研究(C)
Authorship:Principal investigator
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高齢者の起立・歩行機能と姿勢制御機能に及ぼす足趾ケア効果の検証 〔代表〕
2008.4 - 2011.3
科学研究費補助金 基盤研究(C)
Authorship:Principal investigator
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下肢の血液還流および起立・歩行機能を改善させる爪切り法に関する実証的研究 〔代表〕
2006.4 - 2008.3
科学研究費補助金 基盤研究(C)
Authorship:Principal investigator
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超音波画像解析を活用したオーダーメイドな看護介入のための新たな動脈硬化指標の開発
Grant number:23H03194 2023.4 - 2028.3
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
中山 奈津紀, 今井 國治, 玉腰 浩司, 本田 育美, 大島 千佳, 江尻 晴美, 森脇 佳美, 丹羽 史織, 荒川 尚子
Authorship:Coinvestigator(s)
動脈硬化を抑制し改善させることは、後遺症を惹起しうる脳卒中や心筋梗塞等の循環器疾患の発症抑制につながり喫緊の課題である。本研究の最終目標は、個人差のある動脈硬化を惹起する生活習慣を特定し、個人に適した生活習慣の改善を行う、つまりオーダーメイドな看護介入を構築することである。具体的には、①頸動脈エコーの画像を解析し動脈硬化のテクスチャ(均一性・線維化・石灰化・脂質量・線維性被膜厚・表面形状・狭窄率等)を定量的に評価し、②テクスチャの差異を惹起した生活習慣(運動・睡眠・食事)、ストレス(自律神経活動)を特定する。③6か月後のテクスチャの差異と各生活習慣の詳細な変化を定量化する。
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Grant number:23H02813 2023.4 - 2027.3
Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
Authorship:Coinvestigator(s)
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パーキンソン病患者の排便状況を整えるために「睡眠の質」が果たす役割の探究
Grant number:23K10390 2023.4 - 2026.3
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
土井 智子, 本田 育美, 菅沼 信彦, 玉置 美春
Authorship:Coinvestigator(s)
パーキンソン病患者の便秘は、予期せぬ全身症状の増悪を招くことがある。そのため、排便状況を整えることは、全身状態を整えることに繋がり、慢性疾患を抱えながらも自立した生活を送るための一助になると言える。そこで、パーキンソン病患者に対して介入が可能である排便管理方法の確立を目指し、基本的な生活習慣である睡眠に注目した。本研究では、在宅パーキンソン病患者の排便状況と夜間の睡眠状況を調査し、パーキンソン病患者の排便状況を整えるために睡眠の質が果たす役割について検討する。
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Grant number:23K10218 2023.4 - 2026.3
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
西澤 和義, 本田 育美
Authorship:Coinvestigator(s)
日本では,嚥下障害をもつ高齢者の増加が見込まれ,看護師には嚥下障害の正確な臨床判断が求められる.臨床判断には,嚥下障害を示す症状・徴候,すなわち診断指標が必要である.しかし,看護師が嚥下障害を臨床判断するための診断指標の検証は十分されていない.そのため,嚥下障害の専門家でない一般看護師でも,正確な嚥下障害の臨床判断を導くことができる診断指標の開発が必要である.
本研究では,研究者がこれまで検証してきた診断指標を,一般看護師が観察でき,かつ嚥下障害を正確に予測できる診断指標に発展させることを目的とする.
本研究結果により,一般看護師も患者の嚥下障害を正確に臨床判断し,早期に介入できることにつながる. -
社会的養育を担う里親の種別や養育指向性の違いによる自己認識と役割意識
Grant number:22K18557 2022.6 - 2025.3
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
宮崎 つた子, 中北 裕子, 西山 修平, 上杉 佑也, 本田 育美, 前田 貴彦, 小池 はるか
Authorship:Coinvestigator(s)
本研究は,里親の自己認識と役割意識から,里親の種別や里親養育の指向性の違いで直面している課題を明らかにするために,研究課題①【里親の自己認識と役割意識】,研究課題②【里親養育の問題と里親へのサポート】,③【里親の種別(養育型と養子型)】,④【志向性別(里親養育の志向性の3類型)】,⑤【地域里親会の支援課題】,を明らかにして子育て支援策を探求する.これらは,里親会,施設や行政などのサポートネットワークが活性化され,里親が地域社会や関係機関の支援を受けながら連携して,社会的養育を実現する支援に繋がると考える.
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医療的ケアが昼夜必要な在宅療養児の養育者の生活に即した地域包括支援システムの構築
Grant number:22H00929 2022.4 - 2027.3
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
宮崎 つた子, 本田 育美, 岩本 彰太郎, 小池 はるか, 長友 薫輝, 影山 隆之, 菊池 紀彦, 上杉 佑也, 西山 修平, 中北 裕子, 前田 貴彦
Authorship:Coinvestigator(s)
本研究の概要は,①医療的ケアが昼夜必要な在宅療養児の養育者の睡眠や食事、ストレスなどの生活実態調査と②育児を超えたケアラーを担っている状況での様々な思いを明らかにする量的および質的調査を実施する.そして,③小児在宅に関わる地域の医療・福祉・教育の地域の課題を多角的に評価し,養育者の生活を地域という「面」で機能して支える地域包括支援システムの構築を目指して5年計画で行う研究である.
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Grant number:22K10837 2022.4 - 2026.3
Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
Authorship:Coinvestigator(s)
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直腸がん患者の低位前方切除後症候群の回復への多職種協働支援プログラム構築
Grant number:22K10914 2022.4 - 2026.3
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
吉田 和枝, 榎本 喜彦, 問山 裕二, 前川 厚子, 本田 育美, 伊藤 康宏, 吉川 尚美, 柴田 英治
Authorship:Coinvestigator(s)
直腸がんの診断を受け、低位前方切除術が予定/実施された患者で研究の同意が得られた人を対象とし、低位前方切除後症候群(LARS)を手術前入院直後から患者中心型多職種協働支援プログラムを開始し、食事と食生活、排便、排尿、セクシュアリティ、肛門部スキンケア、IAD予防教育、おむつの選択、腸電位計と腹部エコーを用いた腸電位の把握、QOL調査、治療の内容、社会復帰状況を確認するために3年間10回の経時的データを多層ベースライン法で分析を行い、LARSによる心身機能回復を検証する。
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Grant number:21H03231 2021.4 - 2025.3
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
竹原 君江, 常深 祐一郎, 峰松 健夫, 野口 博史, 本田 育美
Authorship:Coinvestigator(s)
足白癬は、糖尿病足潰瘍、高齢者の転倒のリスク要因である。これらは足切断や寝たきりにつながるため、足白癬の予防、スクリーニング、適切な治療の援助を含めたトータルケアが必要である。それには患者のセルフケア支援システムが不可欠である。そこで、本研究の目的を1)deep learningを活用した足の拭き残しの自動可視化技術の開発、2)deep learning による自動視診技術と生物学的手法による白癬菌検出シートによる白癬菌検出法の開発、3)deep learning を活用した治療サポート技術の開発の3点とした。これらの成果により患者のセルフケア能力が向上することを目指す。
足白癬は、白癬菌が皮膚角層に侵入し、進行すると亀裂や浸軟、爪白癬への移行による爪の肥厚・変形を引き起こす真菌感染症である。日本における足白癬の保有率は約20%と推定されているcommon diseaseである。しかし、糖尿病患者では足潰瘍のリスク要因であるとして足白癬の治療・ケアが強く推奨されている。また、足白癬が蜂窩織炎のリスクファクターであることや、高齢者では足爪白癬が転倒の要因であることが報告されている。したがって、足白癬を早期に発見し治療につなげる必要があるが、自覚症状に乏しく見逃されていることが少なくないため、効果的なスクリーニング方法が必要である。
足白癬は視診での診断が難しいことが報告されている。また、これまでの白癬の診断方法は、顕微鏡で白癬菌要素を確認する直接鏡検法や培養法など、足白癬が疑われる所見のある部位から角質を採取する必要があり訓練が必要であった。そこで、患者自身が可能な白癬菌のスクリーニング法の開発が必要と考えた。方法としては、ケラチナーゼ活性に着目しskin blottingの手法を応用した足白癬検出技術を選択し検討を進めた。
令和3年度は、まず、皮膚中のケラチナーゼ活性の可視化に向けた基礎的検討を行った。具体的には、スライド培養した白癬菌のケラチナーゼをメンブレンに転写し、転写されたケラチナーゼの活性が可視化されるかを、スライドにコーティングした蛍光標識ケラチンと反応させ、蛍光顕微鏡で観察することによって確認した。次に、メンブレンに転写されたケラチナーゼの酵素阻害剤に対する反応を調べ、ケラチナーゼの種類を確認した。最後に、この可視化技術の基準関連妥当性を検証した。すなわち、人の足部鱗屑を用い、直接鏡検と白癬可視化技術による白癬の判定との一致度を確認した。その結果、一致度は86%と高いことが確認できた。
令和3年度はskin blotting法による足白癬スクリーニング技術開発の他、足白癬予防ケアとしての足の清拭に着目し、機械学習による拭き残し自動検出技術の開発にも着手する予定であった。しかし、コロナの影響と共同研究者の異動により調査と技術開発の進行に遅れが生じた。その一方で足白癬スクリーニング技術開発は実験が順調に進み、令和4年度分まで進むことができた。以上より、全体的に見るとおおむね順調に進展していると判断した。
令和4年度は、以下のように進める予定である。
足白癬スクリーニング技術開発については、人から採取した角質を用いた基準関連妥当性の検証を、対象病院や病棟を増やすことによって目標数を確保することを目指す。
機械学習による拭き残しの自動検出技術の開発については、共同研究者とのミーティングを再開し自動検出技術の開発を進めると共に実装化も進め、本来令和4-5年度で進める予定だった教育効果検証調査がすぐに開始できるところまで準備する。 -
ポータブル腸電位計を用いた透析患者の腸蠕動の可視化と排便予測指標の探究
Grant number:21H03278 2021.4 - 2025.3
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
前川 厚子, 松原 宏紀, 中井 滋, 本田 育美, 吉田 和枝, 稲熊 大城, 神谷 幸宏
Authorship:Coinvestigator(s)
研究の概要:独自に開発したポータブル腸電位計を利用して便秘の主訴がある血液透析患者の腸蠕動を経時的にモニタリングし、安全・快適な排便マネジメントにつながるように腸管機能の客観的評価法と排便予測指標を開発する。
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透析を受けている患者には排便異常が多発することが知られているが、多施設共同による調査の実態は明らかにされていない。そこで、郵便質問紙調査により便秘の要因を透析治療、生活習慣、薬剤の影響、排便習慣など複合的な側面から検討する。さらに腸電位波形から腸蠕動運動パターンを解析し、デジタル可視化データとする。
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この研究を通じて透析医療と慢性腎不全患者の生活の質向上に役立てたい。
2021年度の初年度研究は「愛知県下維持血液透析患者の日常生活と排便状況の調査」を藤田医科大学の稲熊大城教授と中井滋教授の協力を得て愛知腎臓財団ならびに愛知県透析医会との共同研究として実施した。
日本では透析を受けている患者数は33万人以上と報告され、新たに毎年3万5000人以上が透析治療を開始している(2021年)。透析患者の高齢化が進み、2017年末の透析患者の平均年齢は68歳を上回っている(日本透析医学会)。透析患者の日常生活困難感は加齢に伴う認知機能やADLの低下、心臓病等の合併症や排便機能の低下があげられる。
これまで、愛知県下の慢性維持透析患者における日常生活の現状ならびに排便機能状況に関する調査は実施されていないため、現状把握する目的で本研究を実施した。
研究方法は医療機関に保管されている患者の既存情報を収集して診療情報データベースを構築し、統合データとして解析するものである。調査項目は①性別、②年齢、③透析導入時年齢、④居住環境(家族同居・独居・施設入所・入院・その他)、⑤主たる通院手段
⑥治療方法(施設血液透析・腹膜透析・血液透析と腹膜透析の併用・在宅血液透析・その他、⑦糖尿病合併の有無、⑥糖尿病関連自己注射の有無、⑦要介護度、⑧排便状況(止瀉薬、整腸薬などの服用状況)で構成した。
3月31日までの中間集計では愛知県下の透析医療機関約160施設から14,434件の回答を得た。性別では男性が65%、年齢は平均69.6(幅0~101)歳で透析歴平均は8.2年であった。排便状況では、年齢と透析歴の長さに相関して薬物治療Dozeが多くなり、下痢と便秘の繰り返しが生活の不便さに直結していた。本調査は2022年7月を締め切りとしており約70%の回収率であるが、愛知県透析医療機関の全患者を調査対象とするもので、最終締め切り後にビッグデータ解析を行い、発表する。
当該年度の計画は藤田医科大学稲熊教授と中井教授、愛知腎臓財団の協力を得て、県下の透析医療実施機関で透析を受けている全患者を対象にした生活と排便機能の実態調査として進めている。2022年3月末の時点で約7割の医療機関からの回答を得ているが、残り3割の医療機関に対して7月末までに回答を求めている。
そのために、最終集計、分析、公表は今年度になる見通しである。
医療機関ではCovid-19の影響で、バスキュラーアクセスハイリスクの透析患者と直接関わることを制限している。そのため、個別対面インタビューと腸電位測定などが計画しにくいが、透析を専門とする看護師への聞き取り調査を行っている。
2022年度は、2つの研究を並行する。
1)2021年度愛知県の透析患者における生活と排便の状況を解析し、論文にまとめる予定である。現在は約14300件のデータであるが、残り30%の施設からの回収を待っている。
2)実際に透析医療機関において透析を実施中の患者に対する排便状況をインタビューし、承諾が得られた場合には透析中の腸蠕動をモニタリングする計画である。一般状態と排便リズム、腸電位測定に協力してくださる被験者のリクルートは分担研究協力者の機縁法で進める。さらに、可能ならば透析日以外の腸電位を計測するようにしていく。被験者数はCovid-19の制約もあるために10名を予定している。 -
リンパ浮腫の早期発見のための基礎研究ー体表面の微量生体ガスに着目してー
Grant number:20K10684 2020.4 - 2024.3
科学研究費補助金 基盤研究(C)
中西 啓介
Authorship:Coinvestigator(s)
私たちの体の表面からわずかに出ている生体ガスは体内の様子を映しており、糖尿病の健康管理などに役立てられはじめていますが、リンパ浮腫には使われていません。リンパ浮腫はがんなどの手術によって、腕や足に浮腫(むくみ)を生じるものです。生体ガス測定は,検査に痛みはなく、短い時間で検査を終えられる利点があります。この研究の進め方は、まず動物研究でリンパに関係する生体ガスを幅広く調べ、その後に患者さんを集めて行う研究でリンパ浮腫に特徴的な生体ガスをわり出します。2020年4月現在において、新型コロナウィルスが世界的に猛威をふるっており、患者さんに協力を得ておこなう研究は安全を第一に展開していきます。
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活動耐性に関する熟練看護師の臨床判断と看護ケアの様相の解明
Grant number:19K10715 2019.4 - 2023.3
科学研究費補助金 基盤研究(C)
曽田 陽子
Authorship:Coinvestigator(s)
今日、肺がんや肺炎、COPD等の呼吸器系障害をもつ患者は多く、今後も増加が懸念される。このような酸素摂取(oxygenation)に障害がある患者の自立した生活を支援しQOL向上に貢献するには、「患者の活動耐性を的確にアセスメントし、それに応じた効果的な看護ケアを決定し実施する」看護師の臨床判断と看護実践力が重要となる。本研究では、呼吸器疾患患者の看護に熟練した看護師の臨床判断とケア実践の様相に焦点をあて、参加観察とインタビューによりその現象の詳細を解釈することで、活動耐性の判断とケア実践に不可欠な能力を解明する。
本研究は科研費助成で実施した「看護アセスメント能力の向上をめざす育成プログラムの構築とその評価」(H23-25)、「適切な看護介入のための看護アセスメント能力強化プログラムの策定と評価」(H26-30)において課題となった、患者の【活動を行うための心理的・身体的活力〔活動耐性〕】に関する看護師の臨床判断の向上に寄与するものである。今日、肺がんや肺炎、COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)等の呼吸器系障害をもつ患者は多く、今後も増加が懸念される。このような酸素摂取(oxygenation)に障害がある患者の自立した生活を支援しQOL向上に貢献するには、「患者の活動耐性を的確にアセスメントし、それに応じた効果的な看護ケアを決定し実施する」看護師の臨床判断と看護実践力が重要となる。本研究では、呼吸器疾患患者の看護に熟練した看護師の臨床判断とケア実践の様相に焦点をあて、参加観察とインタビューによりその現象の詳細を解釈することで、活動耐性の判断とケア実践に不可欠な能力を解明することを目的とする。
4年計画で実施する本研究において、初年度である2019年度は、3名の慢性呼吸器疾患看護認定看護師を対象に実施した参加観察とインタビュー結果を繰り返し熟読し、患者と対峙する熟練看護師の内面世界を現象学的に解釈し言語化することに取り組んだ。解釈にあたっては、研究者間でディスカッションを重ねることで、柔軟かつ多角的に解釈することに努めた。また、現象学や看護師の熟練性、臨床推論や臨床判断に関する書籍や文献を活用した。さらに、現象学の研究会や学会に参加して現象学的解釈力の向上をめざした。解釈とその検討は、現在継続中である。
研究参加に同意が得られた慢性呼吸器疾患看護認定看護師経験3年のA氏(参加観察・インタビュー時間約480分、逐語録総文字数27,365文字)、6年のB氏(約720分、10,641文字)、2年のC氏(約720分、27,880文字)のデータ解釈を、研究者間でのディスカッションを行いながら進めている。
データ収集を終えた3人の慢性呼吸器疾患看護認定看護師の臨床判断とケアの様相について、さらに解釈を進め、研究成果の公表を順次進めていく。あわせて、新型コロナウイルス感染症の流行を見据えつつ、研究に協力いただける新たな対象者のリクルートを進めていく。