2024/09/26 更新

写真a

モトス メミ
本巣 芽美
MOTOSU Memi
所属
大学院環境学研究科 社会環境学専攻 環境政策論 特任准教授
職名
特任准教授
連絡先
メールアドレス

学位 3

  1. 博士(学際情報学) ( 2013年3月   東京大学 ) 

  2. 修士(学際情報学) ( 2009年3月   東京大学 ) 

  3. 学士(外国研究) ( 2004年3月   上智大学 ) 

研究キーワード 5

  1. 科学技術コミュニケーション

  2. 海面利用調整

  3. 合意形成

  4. 社会的受容

  5. 風力発電

学歴 2

  1. 東京大学   学際情報学府   学際情報学

    2007年4月 - 2013年3月

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    国名: 日本国

  2. 上智大学   外国語学部   ドイツ語学科

    2000年4月 - 2004年3月

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    国名: 日本国

所属学協会 5

  1. 環境社会学会

  2. 科学技術社会論学会

  3. 日本シミュレーション&ゲーミング学会

  4. 環境共生学会

  5. 日本風力エネルギー学会   理事

委員歴 9

  1. 国際エネルギー機関風力技術協力プログラム・風力発電の計画と市民参加の社会科学   国際委員  

    2024年8月 - 現在   

  2. 宮城県   宮城県環境審議会再生可能エネルギー等・省エネルギー促進部会委員  

    2024年4月 - 現在   

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    団体区分:自治体

  3. 環境省   脱炭素先行地域評価委員会専門委員  

    2023年5月 - 現在   

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    団体区分:政府

  4. 犬山市   環境審議会委員  

    2022年7月 - 現在   

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    団体区分:自治体

  5. 熊本県   地域共生型陸上風力立地ゾーニング協議会委員  

    2022年6月 - 2024年5月   

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    団体区分:自治体

  6. あいちゼロカーボン推進協議会   人材育成ワーキンググループ委員  

    2021年8月 - 2022年9月   

  7. 犬山市   総合計画審議会委員  

    2021年5月 - 2022年9月   

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    団体区分:自治体

  8. 愛知学長懇話会   SDGs企画委員  

    2019年5月 - 2022年9月   

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    団体区分:学協会

  9. 国際エネルギー機関風力技術協力プログラム・風力発電プロジェクトの社会的受容性   国内委員  

    2009年 - 2024年7月   

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受賞 3

  1. 2016年度日本シミュレーション&ゲーミング学会優秀賞受賞

    2016年11月   日本シミュレーション&ゲーミング学会優秀  

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    受賞国:日本国

  2. WWEC 2016 Tokyo Presentation Award 受賞

    2016年11月   WWEC  

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    受賞区分:国際学会・会議・シンポジウム等の賞  受賞国:日本国

  3. 2010年度日本シミュレーション&ゲーミング学会奨励賞

    2010年6月   日本シミュレーション&ゲーミング学会  

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    受賞区分:国内学会・会議・シンポジウム等の賞  受賞国:日本国

 

論文 9

  1. 風力発電所による近隣住民への影響に関する社会調査 査読有り

    本巣芽美・丸山康司

    日本風力エネルギー学会論文集   44 巻 ( 4 ) 頁: 39 - 46   2020年

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: https://doi.org/10.11333/jwearonbun.44.4_39

  2. 再生可能エネルギー大規模導入に向けた住民との合意形成と社会的受容 招待有り

    本巣芽美

    環境情報科学   52 巻 ( 3 ) 頁: 10 - 14   2023年

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: https://doi.org/10.11492/eis.52.3_10

  3. 伊勢湾口・渥美外海における小型機船底びき網漁業を中心とした漁業調整 査読有り

    本巣芽美

    社会技術研究論文集   14 巻   頁: 123-133   2017年6月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  4. Local acceptance by people with unvoiced opinions living close to a wind farm: A case study from Japan 査読有り

    Motosu, M., and Maruyama, Y.

    Energy Policy   ( 91 ) 頁: 362–370   2016年

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  5. 説得における役割演技の効果:日独における説得納得ゲームによる実践的検討 査読有り

    杉浦淳吉・本巣芽美

    説得交渉学研究   5 巻   頁: 15 - 28   2013年

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    担当区分:最終著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  6. 風力発電の社会的受容 査読有り

    本巣芽美・丸山康司・飯田誠・荒川忠一

    環境社会学研究   18 巻   頁: 190 - 198   2012年

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  7. 風力発電技術の社会受容性-科学コミュニケーションの限界を踏まえた方策- 査読有り

    丸山康司・本巣芽美

    年報 科学・技術・社会   20 巻   頁: 37 - 55   2011年

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    担当区分:最終著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  8. 説得納得ゲームを用いた風力発電の科学技術コミュニケーション-風力発電による便益と問題点の双方の理解をめざして- 査読有り

    本巣芽美・杉浦淳吉・荒川忠一

    シミュレーション&ゲーミング   21 巻 ( 2 ) 頁: 105 - 114   2011年

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  9. 市街地における小型風車の社会的受容-説得納得ゲームによる検討- 査読有り

    本巣芽美・杉浦淳吉・加藤太一・古賀誉章・荒川忠一

    シミュレーション&ゲーミング   19 巻 ( 2 ) 頁: 135 - 144   2009年

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

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書籍等出版物 7

  1. シリーズ環境社会学講座2 地域社会はエネルギーとどう向き合ってきたのか

    茅野恒秀・青木聡子(編)( 担当: 共著 ,  範囲: 地域社会から見た風力発電事業の課題と社会的受容―地域と風力発電の共生に向けて)

    新泉社  2023年7月  ( ISBN:978-4-7877-2302-4

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    総ページ数:304   担当ページ:218-234   記述言語:日本語 著書種別:学術書

  2. 環境社会学事典

    環境社会学会(編)( 担当: 共著 ,  範囲: 再生可能エネルギー開発の社会的受容性)

    丸善出版  2023年3月  ( ISBN:978-4-621-30754-0

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    総ページ数:742   担当ページ:532-533   記述言語:日本語 著書種別:事典・辞書

  3. 環境社会学事典

    環境社会学会(編)( 担当: 共著 ,  範囲: 洋上風力発電と産業・地域)

    丸善出版  2023年3月  ( ISBN:978-4-621-30754-0

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    総ページ数:742   担当ページ:548   記述言語:日本語 著書種別:事典・辞書

  4. カーボンニュートラルへの化学工学

    化学工学会(編)( 担当: 共著 ,  範囲: 再生可能エネルギー施設の導入における社会的摩擦と社会的受容)

    丸善出版  2023年1月  ( ISBN:978-4-621-30772-4

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    総ページ数:256   担当ページ:210-218   記述言語:日本語 著書種別:学術書

  5. どうすればエネルギー転換はうまくいくのか

    丸山康司・西城戸誠(編)( 担当: 単著 ,  範囲: 風力発電所の立地をめぐる問題と住民の認識)

    新泉社  2022年3月  ( ISBN:978-4-7877-2120-4

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    総ページ数:392   担当ページ:48-63   記述言語:日本語 著書種別:学術書

  6. 風力発電の社会的受容

    本巣芽美( 担当: 単著)

    ナカニシヤ出版  2016年3月  ( ISBN:9784779510359

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    総ページ数:288   記述言語:日本語 著書種別:学術書

  7. 再生可能エネルギーのリスクとガバナンス―社会を持続していくための実践

    丸山康司, 西城戸誠, 本巣芽美( 担当: 共編者(共編著者))

    ミネルヴァ書房  2015年10月  ( ISBN:9784623073733

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    総ページ数:2288   記述言語:日本語 著書種別:一般書・啓蒙書

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MISC 2

  1. 社会に受け入れられる風力発電事業を目指して

    本巣芽美・長倉のり子  

    日本風力エネルギー学会誌45 巻 ( 3 ) 頁: 377 - 378   2021年

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)  

    DOI: https://doi.org/10.11333/jwea.45.3_377

  2. 持続型社会を支える風車の新しい姿

    荒川忠一・井上智弘・本巣芽美  

    ターボ機械協会誌36 巻 ( 7 ) 頁: 425 - 429   2008年

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    担当区分:最終著者   記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)  

講演・口頭発表等 2

  1. Added value of offshore wind farms: Ideas of elementary school students 国際会議

    Memi MOTOSU

    15th World Wind Energy Conference and Exhibition 2016 

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    開催年月日: 2016年10月 - 2016年11月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:The University of Tokyo   国名:日本国  

  2. 英国と新潟県村上市の洋上風力発電事業における地域協調策

    本巣芽美

    第19回日本環境共生学会学術大会 

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    開催年月日: 2016年9月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

科研費 5

  1. 「市民社会アプローチ」によるエネルギー転換に関する実証的研究

    研究課題/研究課題番号:23K20647  2021年4月 - 2026年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    西城戸 誠, 丸山 康司, 本巣 芽美, 山下 英俊, 黒田 暁, 福永 真弓, 山本 信次, 廣本 由香

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    担当区分:研究分担者 

    本研究の目的は、太陽光発電・風力発電/洋上風力発電・薪/バイオマス・地熱発電などの再生可能エネルギーによるエネルギー転換/移行を、ST論の分析枠組みを援用し、中範囲理論的な視角を用いつつ、制度変革プロセスの実証分析を行う。それによってどのようにしたらエネルギー転換が可能になるのか、その要因を抽出することである。
    また、この分析を通してST論の理論的・分析視角の再検討を行う。具体的にはある規範を前提とした社会変動にどのような社会学的介入や可能であり、社会学的想像力が必要なのか、社会学者としてどのようなポジショナリティを設定するべきかといった議論を展開する。
    本研究の目的は「エネルギー転換(移行)がなされるためにはどのようにすればよいのか」というサステイナビリティトランジッション論(ST論)におけるエネルギー転換研究の中心的な問いに対して、ST論で相対的に看過されている「市民社会ガバナンスアプローチ」から実証分析を行い、エネルギー転換の要件を考察することである。また、ST論の理論枠組みの再検討を行うとともに、中範囲理論的な志向性をもって制度変革過程の実証研究を積み重ねるという社会変動研究に接続させ、規範の脱構築に終始し対案提示が不得手な社会学に、ある規範を前提とした社会変動にどのような社会学的な介入が可能かという、新たな社会変動研究の可能性を模索するというものである。
    本年は研究2年目も、新型コロナウィルスの感染拡大により、現地調査を円滑に行うことができない可能性があったが、年度の後半から徐々に調査研究を再開させることができた。特に福島県喜多方市の太陽光発電への調査研究はアクションリサーチ的な関与が可能となった。また、従前から調査していた、庄内地方(山形県、秋田県)の太陽光発電、長崎県五島市の洋上風力発電への調査を行い、コロナ禍で中断してた調査を再開することができた。また、岩手県各地のバイオマス発電については、新規の現地調査を行うことができた。
    また、研究メンバーによる対面とオンラインを組み合わせた研究会も複数回実施した。その結果、順応的な環境ガバナンス(adaptive environmental govanance)をキーワードとした再生可能エネルギーによるエネルギー転換について実証的、理論的な研究成果を英文で発表することができた。ST論に関連して、リスク論と環境社会学、コロナ後の連帯社会に関する理論研究も進展させた。
    新型コロナウィルス感染拡大が年度後半から一段落し、研究メンバーによる対面とオンラインを組み合わせた研究会の開催、年度の後半から徐々に現地調査をスタートさせることもできた。特に福島県喜多方市の太陽光発電、庄内地方(山形県、秋田県)の太陽光発電、長崎県五島市の洋上風力発電、岩手県各地のバイオマス発電の現地調査を行うことができた。また、研究成果としての論文、英語書籍も上梓することができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
    次年度は新型コロナウィルスの影響がこれまでよりは小さいと判断しており、研究計画通りに地域調査を実施することにしたい。また、当初の研究計画では、次年度は再生可能エネルギー事業に対する全国基礎自治体への調査票調査を実施する予定であった。しかしながら、これまでの調査による分析から自治体への調査票調査よりも、再生可能エネルギー事業開発への促進、誘導策など自治体政策として新規性がある事例調査を行った方がよいと判断された。現時点では、岩手県久慈市、岡山県西粟倉村などへの調査を行う。また、エネルギー転換に不可欠な企業の動向を把握するために、太陽光発電を中心とした企業への調査票調査を行う。

  2. 洋上風力発電事業における地域への便益の還元に関する研究

    研究課題/研究課題番号:21K17932  2021年4月 - 2024年3月

    科学研究費助成事業  若手研究

    本巣 芽美

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:1950000円 ( 直接経費:1500000円 、 間接経費:450000円 )

    本研究では洋上風力発電事業を対象とし、主にワークショップと聞き取り調査から、地域住民の暮らしと結びついた地域便益のメニューを考案するとともに、地域便益が実現可能な条件を明らかにする。本研究の特徴は、第一に受苦受益の不均衡問題について、発電所の所有関係ではなく便益の還元そのものに注目する点、第二に従来の地域便益が漁業協調や産業集積による地域経済効果に偏重してきたのに対し、本研究では地域住民の生活に結びついた便益に着目する点、第三に地域便益を実現できる条件を明らかにする点、第四に風力発電の研究が技術開発やエネルギー政策を中心としてきたのに対し、本研究では社会的受容の課題に取り組んでいる点である。
    本研究の目的は、再生可能エネルギー事業における受苦受益の不均衡問題を、地域への便益の還元から解決を図り、地域に資する再生可能エネルギー事業のあり方を考案することである。本研究では洋上風力発電事業を研究対象とし、2022年度は2021年度に続き文献による研究資料の収集と事業関係者への聞き取り調査に加え、海外事例調査を中心に行った。
    文献調査では、新聞記事や会議議事録などから地域便益に対する地域住民の反応について調査した。また、洋上風力発電に関する市民グループのSNSにおいて、どのような問題認識があるのかも補完的に調査した。加えて、地域住民や漁業関係者に対して聞き取り調査を行い、経済的な地域便益に対する賛否の意見や、地域便益のメニューの決定方法についてなど、計画段階でのプロセス全般について調査した。
    海外事例調査では、ドイツのAgora Energiewende、BNE、Mediators、DGRVなどを訪問し、ドイツでの洋上風力発電事業における論点、再生可能エネルギー全般におけるメディエーターの役割、合意形成手法、利益分配、環境共生型のプロジェクトなどについて調査した。調査の結果、ドイツでは単なる配分的正義の是正を目的とした便益の還元ではなく、営農型や環境共生型といった地域の課題解決につながるような事業のあり方が進められていることがわかった。また、地域との合意形成においては、メディエーターやコミュニケーターが重要な役割を担っており、膠着状態を変化させる工夫やステークホルダーとの対話の工夫などについて聞き取りをした。
    これらの調査結果の一部は、日本風力エネルギー学会での座談会や学会誌の特集号にて報告した。
    2022年度の前半は、新型コロナウィルスの影響により2021年度に続き調査の出張を控えたことから、当初の計画より聞き取り調査の進捗が遅れた。しかし、2022年度の後半からは、オンラインによる聞き取り調査やドイツでの事例調査を実施でき、主に次の2点について調査を進めることができた。第1に、地域便益に関する住民の認識である。日本の洋上風力発電事業では、基金を通して地元への経済的な便益の還元が定着しつつある。しかし、その還元率が変わったことで地元からさまざまな意見が出るようになり、受容性を左右する一因となっている。基金の使用用途や地元経済の維持の観点から、基金について検討を加えることが重要である点が示唆された。また、浮体式のプロジェクトが実施されている五島市では、特に漁業者に対する支援が実施されており、それが地域からの受容性を高めていることが改めて確認された。今後は、漁業者以外の地元住民に対する便益についてさらに調査を進めることが重要である。第2に、自然共生型や生物多様性型といった地域環境の保全に関する事業とその認証についてである。ドイツでは再エネ事業の認証が一部の地域で進められおり、本年度の調査ではその仕組みと導入事例について調査することができた。以上より、今年度の進捗状況を「(3)やや遅れている」と評価した。
    2023年度は本研究の最終年度であるため、データの収集が不十分な点については早期に調査を実施する。特に漁業者以外のステークホルダーに対する便益や、便益に対する地元での賛否の意見について調査する。また、2023年度は研究の取りまとめを行うとともに、セミナーや学会での研究報告を積極的に行う。2023年度前半には風力発電の社会的受容に関する国際セミナーを計画しており、本研究の成果の一部を報告する。さらに、セミナーにて海外での洋上風力発電事業をめぐるステークホルダーの認識や、海外での便益の還元手法について情報収集し、日本での応用を検討する。洋上風力発電の導入が拡大しているドイツでは、漁業に関する課題よりもむしろ海洋生物への影響や不発弾の撤去などが重要な課題となっており、日本とは異なる問題群がある。また、ドイツでは視認できないほど沖合に洋上風力発電所が建設される例が多く日本の状況とは異なるため、日独比較しつつ日本でも応用可能な点を整理し、本研究に反映する。

  3. 再生可能エネルギー事業開発にかかわるアクティビズムと合意形成に関する比較研究

    研究課題/研究課題番号:18H00933  2018年4月 - 2021年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    西城戸 誠, 丸山 康司, 本巣 芽美, 宮内 泰介, 山下 英俊, 福永 真弓, 山本 信次

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    担当区分:研究分担者 

    本研究は日本国内外における再生可能エネルギーを推進するアクティビズムと反対するアクティビズムの事例研究と、日本における再生可能エネルギーに対するコンフリクトを把握するための自治体調査を行った。これらの分析から、再生可能エネルギーの持続可能な開発に向けた「現場に即した規範や倫理」による合意形成のロジックを提示し、地域に資する再生可能エネルギーへ向けた「よりよい現実的な選択肢」を提示した。
    その実現のための理念的な方向性は「固有性の尊重」と「多様な社会的文脈やステークホルダーの利害関心と接合するための試行錯誤」、さらにその試行錯誤の結果生み出される再文脈化である。
    第一に最近の社会的課題となっている再生可能エネルギー事業による地域のコンフリクトの実態を把握できた。第二に再生可能エネルギーの持続可能な開発に向けた「現場に即した規範や倫理」による合意形成のロジックとして、固有性の尊重と、多様な社会的文脈やステークホルダーの利害関心と接合するための試行錯誤、その結果生み出される再文脈化の重要性を指摘し、その社会実装の具体的な事例を指摘した。例えば地域の利益に供する基金の設立、環境共生型の再生可能エネルギー事業の実施、地域の紛争を回避するような仕組み、地域の文脈を読み解き、潜在的なステークホルダーを掘り起こして戦略的に媒介する「メディエーター」の存在などである。

  4. エネルギー技術の多元性と多義性を踏まえたガバナンス方法の研究

    研究課題/研究課題番号:17H00828  2017年4月 - 2021年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    丸山 康司, 西城戸 誠, 三上 直之, 角 一典, 本巣 芽美, 宮内 泰介, 藏田 伸雄, 山下 英俊, 茅野 恒秀, 森岡 正博, 山本 信次

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    担当区分:研究分担者 

    エネルギー技術と社会の関係について多様な主体の福利に適う条件を明らかにすることを目的として、実証研究、社会理論、社会実験の研究グループを構成して進められた。約30報の論文や研究報告が発表された。実証研究では広義の利害関係を調査し、狭義の経済効果だけではなく、将来世代を含む多様な主体への便益が社会受容性に影響することを明らかにした。社会理論では、認知的不正義の問題などを検討し、社会紛争化しやすい要因について考察を進めた。社会実験では、ゾーニングに関するアクションリサーチを実施し、熟議的手法による政策課題の抽出などを試行し、ガバナンスの手法がステークホルダからの信頼に寄与することが明らかになった。
    再生可能エネルギーの導入に伴う社会的影響について幅広く把握し、将来世代を含む多様な主体への便益が社会受容性を向上させる方向に影響していることを明らかにした。一方、社会紛争化しやすい要因の一つとして認知的不正義の問題に注目し、問題が広く共有されないことに伴う先鋭化などを明らかにした。また土地利用に伴う歴史的経緯など、環境史との関連も含めて扱うべき問題の所在も明らかになった。
    これらを踏まえて風力発電の適地抽出のアクションリサーチを実施した。市民調査や熟議的手法を試行し、実際の政策形成過程に反映させると同時にた。こうしたガバナンスの手法がステークホルダーからの信頼に寄与することを明らかにした。

  5. 洋上風力発電の導入に向けた漁業関係者との合意形成に関する研究

    研究課題/研究課題番号:16H06855  2016年8月 - 2019年3月

    科学研究費助成事業  研究活動スタート支援

    本巣 芽美

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:1040000円 ( 直接経費:800000円 、 間接経費:240000円 )

    本研究では、国内の漁業調整が行われた事例を調査し、漁業関係者との合意形成手法を明らかにした。その上で、洋上風力発電事業における漁業関係者との合意形成に活かしうる知見を得た。具体的には、合意形成における対立する項目ごとの平等化、漁業法に基づく合法的な意思決定手続き機関の活用、第三者機関による仲介などである。最後に、今後の新たな課題として、海洋空間計画における政策的要素などを指摘した。
    本研究の特色は、洋上風力発電という現代的な課題を過去の歴史的な漁業調整の事例を踏まえて解決策を探る点である。特に漁業者との協調に関する学術的な知見は少ないため、合意形成の研究を深める上で学術的意義がある。
    また、本研究成果は洋上風力発電を対象にしているが、部分的な修正を加えれば、他の海洋再生可能エネルギー事業へも転用可能であるため、社会的な波及効果がある。加えて、本研究テーマはSDGsに関連しており、持続可能なエネルギーの確保の観点から社会的意義がある。