科研費 - 上川内 あづさ
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ショウジョウバエ音識別システムのトポロジー構造と情報処理ダイナミクスの包括解明
2013年 - 2015年
科学研究費補助金 若手研究(A)
上川内 あづさ
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ショウジョウバエ聴覚系を用いた新規短期記憶モデルの開発と応用
2013年 - 2015年
科学研究費補助金
上川内 あづさ
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From genes to circuits: the evolution of species-specific communication in Drosophila
2011年6月 - 2014年
Human Frontier Science Program Human Frontier Science Program その他
Joerg T. Albert
資金種別:競争的資金
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聴覚情報処理を担う機能モジュールの体系的な同定と解析 国際共著
研究課題/研究課題番号:23115717 2011年4月 - 2013年3月
新学術領域研究(研究領域提案型)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者
配分額:7020000円 ( 直接経費:5400000円 、 間接経費:1620000円 )
動物の脳は、感覚器によって受容された音がその個体にとって意味を持つか否かを瞬時に判別できる。しかし、どのような神経回路がどのような組み合わせで動作した結果、そのような判断を導いているのか、その神経機構は不明である。本研究課題では、動物の脳が音情報を認識する神経機構の解明を目指している。今年度は、前年度に確立したショウジョウバエの聴覚情報処理システムを解析する上で必要となる行動解析方法を利用して、野生型個体を用いた体系的な聴覚行動解析を行った。多様な人工音を作成してそれら刺激に対する応答行動を解析した結果、反応の閾値、刺激選択性、時間に伴う行動変化などを体系的に解明することができた。この結果は,今後、聴覚応答の選択性を担う責任遺伝子や責任回路を同定するための,必要不可欠な知見を提供すると期待できる。また、聴覚システムを構成する神経細胞群の解剖学的な同定解析も進めた。以前から使用している約4,000種類のGAL4エンハンサートラップ系統に加えて、今年度はさらに、脳画像データが公開されている7017種類のGAL4系統(アメリカ、Janelia farm由来)のスクリーニングを行い,解析に有用な系統群を同定した。これら系統群は,今後、聴覚神経回路の構成やその機能を調べて行く上で、重要なツールとなる。以上,本研究においてはショウジョウバエ聴覚系を体系的に解析するための基盤を構築するとともに、ショウジョウバエが示す聴覚行動の新規な特性を明らかにした。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
24年度が最終年度であるため、記入しない。 -
聴覚情報処理を担う機能モジュールの体系的な同定と解析
2011年 - 2012年
科学研究費補助金 その他
上川内あづさ
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ショウジョウバエ脳において聴覚情報処理を行う神経基盤の解明
2010年 - 2014年
科学技術振興機構(JST) さきがけ 若手研究(B)
上川内あづさ
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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ショウジョウバエ脳における高次聴覚神経回路の構造と機能の徹底解明 国際共著
研究課題/研究課題番号:21700360 2009年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究課題では、ショウジョウバエを実験モデルとして、有用な音情報を抽出して意味のある神経信号に変換する脳内過程の神経基盤解明を目的とした。研究期間内に、全3, 939種類にもおよぶ高次聴覚経路を標識するショウジョウバエ系統のスクリーニングを終えた。これにより得られた系統を用いた解析から、ショウジョウバエの脳における二次聴覚神経回路の精密な投射地図を作製した。さらにそれぞれの神経経路において情報が伝達される向きを推定した。この成果の意義は、一部の投射経路しか分かっていなかったショウジョウバエの二次聴覚神経回路について,その全貌を推定することが出来た点である。
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ショウジョウバエの聴覚行動を制御する神経回路基盤の解明 国際共著
研究課題/研究課題番号:21115515 2009年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:7800000円 ( 直接経費:6000000円 、 間接経費:1800000円 )
特定の二次聴覚神経の遮断を行った個体を用いた行動実験を行うため、まずは条件検討を行った。神経伝達を阻害する蛋白質であるShi^<ts1>、テタヌス毒素、内向き整流カリウムチャネルを時期特異的に二次聴覚神経AMMC-B1に発現させ、雌雄間の配偶行動が音により促進される効果を解析した。その結果、本行動実験においては、テタヌス毒素が最も効率的に阻害効果を示すことが判明した。よって今後の解析においては、テタヌス毒素を用いて神経伝達阻害を行う。また、ショウジョウバエの配偶行動を活性化するために重要な音要素を体系的に同定するため、求愛歌音の改変を行った。求愛歌を構成するパルスソングやサインソング、といった種に特徴的な音要素の波形、パルス波どうしの間隔の周期的な振動パターンを改変した人工音を作成した。野生型個体を用いて、これら人工音が雌雄の配偶行動を活性化する度合いを定量化した結果、パルス波どうしの適正な間隔が,雌雄の配偶行動活性化に必要であることが判明した。以上,本年度の成果により、特定の二次聴覚経路の遮断効果を行動レベルで解析するための基礎データを得ることができた。今後はこの知見を利用し、それぞれの二次聴覚神経が形成する神経経路で行われる処理様式や機能の解明に取り組む予定である。
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ショウジョウバエの高次聴覚神経細胞が形成する全回路構造の包括的解明
2009年 - 2010年
三菱財団 自然科学研究助成
上川内あづさ
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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ショウジョウバエ聴覚神経系の構造と機能の包括的な解明
研究課題/研究課題番号:08J02636 2008年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
上川内 あづさ
本年度は、ショウジョウバエが音・重力・風の情報を検知するための感覚神経と脳中枢を解析し、ショウジョウバエの「耳」にあたる触角の付け根にある数種類の感覚神経(ジョンストン器官神経)が、触角の小さな振動に強く反応する細胞と、一定の方向への持続的な変位(角度の変化)に強く反応する細胞とに分類できることを発見した。細胞特異的に神経毒素を発現させてそれぞれの細胞群の神経伝達を特異的に遮断した個体群の行動を解析したところ、前者を遮断すると音に対する応答行動が、後者を遮断すると重力に対する応答行動が、それぞれ特異的に失われた。さらに、音を検知する神経と重力を検知する神経は脳内の別々の中枢に分かれて投射しており、これらの中枢の神経回路は、人間の脳の聴覚や重力感覚の中枢の回路とそれぞれよく似た構造になっていることを発見した。また、ショウジョウバエは強い風が来ると身構えて飛ばされないようにする習性がある。強い風は重力と同じように、触角の傾きを変化させる。このような風検知も、重力と同じ脳中枢で処理されていることを見出した。ショウジョウバエと人間は進化の過程で6億年以上前に分かれた、別々の枝のそれぞれ先端に位置している。このように進化的に遠く離れたショウジョウバエと人間において音や重力の情報処理回路が似ていることは、特定の種類の情報を処理するために最適な方法を求めてそれぞれが独自に進化した結果、同じような構造に行き着いた収斂進化の可能性を示している。