科研費 - 上川内 あづさ
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Decoding acoustic communication in mosquitoes: from distortion products to vector control
2021年10月 - 2024年9月
Human Frontier Science Program Research Grant
担当区分:研究代表者
Mosquitoes transmit diseases which affect billions of people worldwide every year. Novel mosquito control tools are urgently needed to help combat the seemingly unstoppable spread of these diseases.
The strong attraction of male mosquitoes to the sound of flying females has proven an inviting target for new methods of mosquito control. However, interventions targeting hearing have largely proven ineffective in field trials. Only by understanding mosquito audition at multiple levels can we decode their communication systems and thus develop effective hearing-based interventions.
This project therefore focuses on revealing the key mechanisms underlying mosquito hearing in two major mosquito species with distinct mating behaviors (Aedes aegypti and Anopheles gambiae). This includes functional imaging and neuroanatomical investigations of the mosquito ear, building to electrophysiological tests of mosquito auditory responses to increasingly complex stimuli.
This will inform – and be informed by - novel mathematical models of mosquito hearing at both individual and group levels. Acoustic stimuli, refined by electrophysiological, behavioral and mathematical experimentation, will finally be tested in the field to judge their effectiveness in real world conditions.
This project will improve our neuroscientific knowledge of one of the most unique hearing organs in the animal kingdom, and also lay the groundwork for using sound and bioacoustical interventions to manipulate mosquito behavior. -
生命・物質・文化を統合するマテリアマインド進化モデルの構築(遺伝子と文化班)
研究課題/研究課題番号:24H02200 2024年4月 - 2029年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
山本 真也, 入來 篤史, 岡 瑞起, 石井 敬子, 大坪 庸介, 上川内 あづさ, 入來 篤史, 岡 瑞起, 石井 敬子, 大坪 庸介, 上川内 あづさ
担当区分:研究分担者
ヒト特有の文明創出について、生物学的基盤を理論と実証研究を通して解明する。これまでの文明研究は歴史学的視点からの分析が中心だったが、本研究では進化論的視点を新たに導入する。文明創出メカニズムの解明に向け、新しい進化理論の提案・ヒトの心の働きについての進化心理学的理解・非ヒト動物との比較を通したヒト特性の生物学的解明という3つの方法論を融合させてアプローチする。身体を介した心と環境の相互作用およびそこで誕生する文化・文明の意義を明らかにすることで新しい人間観を提示しようとする本領域において、本研究は、新しい理論的枠組みを提供するとともに、進化という長期的視点から「ヒトらしさ」の解明に貢献する。
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ハエ歌識別学習を用いた「興奮性:抑制性バランス」の制御機構の解明
研究課題/研究課題番号:23H04228 2023年4月 - 2025年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者
配分額:12480000円 ( 直接経費:9600000円 、 間接経費:2880000円 )
ヒトは幼児期に周囲の会話を聞いて、その言語固有の特徴音を識別する能力を発達させる。この発達が起こる「臨界期」では、受けた経験に依存して神経回路機能が調節される。この過程で、感覚情報を処理する神経回路への興奮性入力と抑制性入力のバランス(E:I balance)が重要とされているが、その調節機構の全体像は不明である。これまでに私たちは、臨界期研究の新規モデル系として「ショウジョウバエの歌識別学習パラダイム」を確立した。そこで本提案では、ハエの歌識別学習の成立機構の解明に、E:I balanceに着目して挑む。さらにその成果を、脊椎動物とも共通する分子・神経機構の理解につなげる。
幼児は周囲の会話を聞くことで、その言語固有の特徴音を識別する能力が発達する。これら音声認識学習は「臨界期」と呼ばれる特定の時期に顕著であり、成熟後は、学習を担う神経回路の可塑性は低下する。しかし近年、成熟動物で臨界期を再開できる可能性が示されてきた。これは、臨界期での可塑性を担う神経機構が、臨界期の人為的な再開誘導の標的になりうることを意味しているが、それら機構の理解はいまだに限定的である。
近年我々は、音声認識学習のメカニズム研究を進めるモデルとして、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の歌識別学習パラダイムを確立した。ショウジョウバエは「求愛歌」と呼ばれる種に固有な羽音を用いて求愛する。この求愛歌は近縁種間で異なるリズムを持ち、異種間交配を避ける一要因となる。本研究では、このキイロショウジョウバエモデルを用いて、歌識別学習の神経回路機構の解明を目指した。
これまでに私たちは、ドーパミン阻害剤やアゴニストの投与が、歌識別学習に影響を与えることを見出した。当該年度ではこれを受けた解析を進め、ショウジョウバエの交尾意思決定にかかわると考えられているニューロン集団におけるドーパミン受容体の発現が、正常な歌識別学習に必要であることを見出した。また、同定したニューロン集団と神経接続する、求愛受け入れを担う神経回路およびそれを構成するニューロンを、ショウジョウバエの全脳コネクトームデータベースの探索により同定した。以上の成果により、歌識別学習におけるドーパミンシグナルの必要性を示し、それが機能する神経回路モデルを提案した。
本研究課題は、キイロショウジョウバエの歌識別学習の成立機構を、「オクトパミンからGABAへのシグナル」と「ステロイドホルモンとドーパミンの協調作用」の作用機序を軸にして解明することを目的としている。これまでの解析からドーパミンの寄与は示唆されたが、関与する受容体はステロイド受容体共役型以外にも存在する可能性が示された。複数種のドーパミン受容体による異なる性質の制御が存在する可能性がある。またオクトパミンの関与については、関与する受容体の候補を見つけつつある段階である。これらの解析を続けることで、オクトパミンやドーパミンがどのように歌識別学習を制御するのか、そのメカニズムに迫れると期待できる。また、ドーパミンが作用するタイミングの決定を目指したが、熱遺伝学を用いた方法ではうまく絞込みができなかった。その要因は、熱による行動異常が生じたためと考えられる。他の方法に切り替えて実験を進めることで、目的が達成できると考えている。以上の成果により、本研究課題は概ね順調に進展していると評価できる。
年度に引き続き、音声認識学習のメカニズム研究を進めるモデルとして、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の歌識別学習パラダイムを利用する。これまでに得た知見を活かしてドーパミンが作用するタイミングの決定を行うため、オーキシンを用いた化学遺伝学を用いた方法の確立を目指す。これまでに関与が示唆されている複数種のドーパミン受容体やオクトパミン受容体の発現を時期特異的に交尾意思決定にかかわるニューロン集団で抑制し、生育段階のどのタイミングでのそれぞれのシグナルがどのように歌識別学習の成立に関わるかを決定する。また、ドーパミンシグナルの由来を同定するため、歌識別学習に必要なドーパミンニューロンの同定も行う。近年公開された、ショウジョウバエの全脳コネクトームデータベースの探索により候補となるニューロン群を同定し、RNAi法によりそれぞれのドーパミン産生を抑制した際の行動表現型を解析する。この解析を体系的に進めることで、責任ドーパミンニューロンを同定する。以上の一連の解析から、臨界期での可塑性を担う神経機構の一端を、ショウジョウバエを用いた研究から明らかにすることを目指す。 -
研究課題/研究課題番号:21H05689 2021年9月 - 2023年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A) 学術変革領域研究(A)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者
配分額:7800000円 ( 直接経費:6000000円 、 間接経費:1800000円 )
幼児は周囲の会話を聞くことで、その言語固有の特徴音を識別する能力が発達する。これら音声認識学習は「臨界期」と呼ばれる特定の時期に顕著であり、成熟後は、学習を担う神経回路の可塑性は低下する。しかし近年、成熟動物で臨界期を再開できる可能性が示されてきた。これは、臨界期での可塑性を担う神経機構が、臨界期の人為的な再開誘導の標的になりうることを意味しているが、それら機構の理解はいまだに限定的である。
近年我々は、音声認識学習のメカニズム研究を進めるモデルとして、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の歌識別学習パラダイムを確立した。ショウジョウバエは「求愛歌」と呼ばれる種に固有な羽音を用いて求愛する。この求愛歌は近縁種間で異なるリズムを持ち、異種間交配を避ける一要因となる。本研究では、このキイロショウジョウバエモデルを用いて、歌識別学習の神経回路機構の解明を目指す。
当該年度では、キイロショウジョウバエの脳における主要な神経修飾物質であるドーパミンとセロトニンに着目した。まずは受容体側から神経機構に迫るため、4種類のドーパミン受容体(Dop1R1, Dop1R2, Dop2R, DopEcR)、5種類のセロトニン受容体(5-HT1A, 5-HT1B, 5-HT2A, 5-HT2B, 5-HT7)の発現をRNAi法で個別に抑制し、歌識別学習への影響を定量評価する、という実験系を構築した。解析した受容体遺伝子の中で、少なくとも1種類の遺伝子が、発現抑制により歌識別学習が変化する、という結果がこれまでに得られている。 -
ヒトスジシマカの聴覚コミュニケーションを制御する概日リズムの機構解明 国際共著
研究課題/研究課題番号:20F20386 2020年11月 - 2023年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
上川内 あづさ, SU MATTHEW, SU MATTHEW
担当区分:研究代表者
配分額:2300000円 ( 直接経費:2300000円 )
蚊は吸血することで感染症を媒介し、多くの人を死に至らしめる。蚊の吸血は、交尾後のメスが産卵のための栄養源を得る行動である。よって、蚊の被害を防ぐ方策の一つとして、配偶行動への介入が考えられる。本研究では、世界各地でデング熱やジカ熱を媒介するヤブ蚊類2種(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)を対象に、聴覚を介した配偶行動の原理とその神経基盤を理解し、繁殖制御への新たな道を探ることを目的とする。
前年度までに、研究室内でオスの聴覚を介した配偶行動を解析できる実験系を立ち上げた。そこで当該年度では、様々な温度域において音源への接近飛行行動を測定した。18度から28度までの温度域で行動を解析できる実験系を整備して順次測定を行い、温度と接近飛行行動との関係性を見出すことに成功した。
上記の解析結果から、聴覚器の感度が、温度変化に対応している可能性が提案された。そこで、蚊の聴覚器の振動を計測することが可能なレーザードップラー振動計を用いて、様々な温度域における聴覚器振動の特性を解析した。その結果、温度変化による接近飛行行動の変化と良い相関を示す、聴覚器振動の温度に依存した特性変化を検出した。
さらに、脳から聴覚器への遠心性神経投射による制御の可能性を追求した。オスとメスの聴覚器からRNAを抽出し、遠心性神経投射に関わる可能性がある神経修飾物質の受容体の、聴覚器での発現を解析した。その結果、複数の受容体遺伝子が聴覚器で発現することを見出した。 -
歌識別能力の発達を担う神経機構の解明 国際共著
研究課題/研究課題番号:20H03355 2020年4月 - 2023年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者
配分額:17680000円 ( 直接経費:13600000円 、 間接経費:4080000円 )
幼児は、成長初期に母語に曝されることで、その言語が持つ音の特徴を識別する能力を発達させる。このような言語発達のメカニズムを理解するための新たなモデル系として、私たちは近年、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の歌識別学習パラダイムを確立した。このパラダイムは、キイロショウジョウバエが求愛行動時に発する求愛歌を聞き分ける能力が、経験により上昇する、という現象に基づいて私たちが構築した実験系である。
本研究では、Intersection 法を用いた責任GABAニューロン候補の絞り込みを進めている。今年度は主に、メスの配偶行動制御に関わる細胞群の中に、責任GABAニューロンが含まれるかを解析した。昨年度に作成した、配偶行動を制御する細胞群の性分化に関わる遺伝子と、GABA合成酵素であるGad1をコードする遺伝子の両方を発現する細胞のみを標識できるキイロショウジョウバエ Split-Gal4系統(Gal4転写因子の再構成を利用する分子遺伝学的な方法)を用いて、さらなる絞り込みを行った。この Split-Gal4系統は、脳では少数のニューロンのみが、胸腹部神経節では腹部先端の神経節のニューロン群が標識されるため、さらに脳のみで遺伝子を発現させるためのFLP系統を組み合わせた。この系統を用いて、Gad1遺伝子の発現を特定の細胞群のみで抑制した個体を作成し、歌識別学習能力を検定した。その結果、脳の少数のニューロンが、キイロショウジョウバエが示す歌識別学習の責任ニューロンであることを示唆した。 -
研究課題/研究課題番号:20H04997 2020年4月 - 2022年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者
配分額:7540000円 ( 直接経費:5800000円 、 間接経費:1740000円 )
本研究では、多くの動物が示す歌識別学習のメカニズムを理解するため、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)をモデルとした解析を進めた。キイロショウジョウバエの歌識別学習とは、幼少期(羽化直後の若い成虫)に「種に固有な求愛歌」を聞いた経験を持つことにより、成熟後の歌識別の精度が劇的に向上する、という現象である。この歌識別学習を成立させる分子機構に迫るため、哺乳類から昆虫までで広く保存されている記憶分子であるカルシウム依存性アデニル酸シクラーゼ(AC)に着目し、ニューロンの種類ごとにその発現を抑制することを試みた。
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前年度までの解析により、アセチルコリン作動性、グルタミン酸作動性、GABA作動性の3種類のニューロン集団のうち、ニューロン数が比較的少ないグルタミン酸作動性ニューロンとGABA作動性ニューロンでそれぞれ、RNAi法によりAC遺伝子の発現を抑制することで、歌識別学習が変化する傾向を確認している。当該年度はこの解析をさらに進めた。その結果、グルタミン酸作動性ニューロンとGABA作動性ニューロンでの、発現抑制した際の学習表現型を確認した。さらにこの2種類のニューロンでのAC遺伝子の発現を抑制では、異なるタイプの学習変化が検出されることを見出した。このことは、異なる神経伝達物質を放出する複数のニューロンが、多層的にキイロショウジョウバエの歌識別学習を制御している可能性を示している。
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以上の解析により、歌識別学習を成立させる分子機構の一端が解明された。 -
求愛中のショウジョウバエを用いた追跡ナビゲーションを制御する神経機構の解明 国際共著
研究課題/研究課題番号:19H04933 2019年4月 - 2021年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者
配分額:9750000円 ( 直接経費:7500000円 、 間接経費:2250000円 )
ナビゲーション中の動物は、さまざまな情報を手掛かりにして移動方向を調整し、ターゲットに到達する。その間、脳はどのようにして、多様な感覚情報を統合して移動戦略を決定し、ナビゲーション行動を制御するのだろうか? 本研究では、ショウジョウバエのオスが複数の感覚情報を手掛かりに求愛相手に向かう追跡行動をナビゲーション行動のモデルとして、この謎に挑むことを目的とした。
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当該年度では、異なるモダリティの感覚情報がそれぞれどの行動要素を誘発するか、感覚刺激の組み合わせによってどのような行動が誘発されるか、の解析を進めた。本研究のために開発した、単一オス個体の求愛追跡行動を定量できる、球状トレッドミルを用いた行動計測系を用いて、視覚刺激(前方で左右に動く、求愛行動対象のメス)に加えて、求愛歌やフェロモンを組み合わせて与えた際の、オスの追跡行動を計測した。ついで、得られた行動データを、機械学習を用いた時系列データ分析法などで解析し、それぞれの感覚刺激に応じた追跡行動が、どのような特徴量を持つ行動要素の組み合わせで生じるかを決定した。求愛歌やフェロモンのどちらかだけを組み合わせた場合と両方を与えた場合での、行動要素の差を解析することで、異なる感覚刺激の組み合わせと、それにより誘発される行動要素との相関関係を調査した。
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さらに、求愛追跡行動を担う司令中枢ニューロンの作用機序の手がかりを得るため、司令中枢ニューロンを光遺伝学を用いて活性化した際の、求愛追跡行動を解析した。これにより、この司令中枢ニューロンの活性化操作により誘発される行動要素を絞り込んだ。さらに、より自然な状態下での求愛追跡行動を調べるため、自由行動が可能な複数のオスとメスを入れた観察用の容器を用いて、個体ごとの移動トラッキングおよび行動様式のアノテーションを行なった。 -
研究課題/研究課題番号:18H05069 2018年4月 - 2020年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者
配分額:7930000円 ( 直接経費:6100000円 、 間接経費:1830000円 )
幼児は成長初期に母語に曝されることで、その言語が持つ音の特徴を識別する能力を獲得する。言語発達のメカニズムを理解するためのモデルとして用いられるキンカチョウなどの鳴禽類においても、幼少期の歌を聴く、という経験がその後の歌識別に必要である。このような言語や歌の識別能力が発達するためのメカニズムを理解するため、本研究では、分子・神経回路研究の手法が発達したキイロショウジョウバエを新たな「歌識別学習モデル」として用いることで、これらの機構の解明に取り組んだ。
まず、キイロショウジョウバエが示す歌識別学習において、脊椎動物と同様に、(1)音経験が有効な「臨界期」と呼ばれる期間があるのか、(2)獲得した歌識別能力は生涯に渡って保持されるのか、という課題項目の解明を進め、結果を得ることができた。これにより、キイロショウジョウバエが固有に持つ歌識別学習の特性が明らかになった。
また、キイロショウジョウバエの歌識別学習に関わる責任因子の同定も進めた。責任ニューロンとしてGABAニューロンが機能する、という以前の発見を基にして、intersection法によりGABAニューロンを脳と胸腹部神経節のどちらかに細胞体を持つか、を指標に分類した。さらに、脳のGABAニューロンを4種類の部分集団に分類した。次に、これらの部分集団を選択的に遺伝子操作可能なショウジョウバエ系統を作成した。また、歌識別学習の分子機構として記憶の制御に関わるcAMP情報伝達系に着目した解析を進めた。cAMP情報伝達系を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現を特定の細胞群で抑制するキイロショウジョウバエ系統を作成し、行動解析を行った。 -
研究課題/研究課題番号:17K19450 2017年6月 - 2021年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
上川内 あづさ, 河野 崇, 河野 崇
担当区分:研究代表者
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
多くの動物は、自身への脅威となる外敵の接近時や、同種他個体である配偶者候補やその競合相手とかわすコミュニケーションの際などに、音を用いて周囲の状況を知覚し、それにより、自身の生存や生殖につなげる。本研究は、このような音の認識の最初の段階である、音の高さの弁別を担うメカニズムに着目する。特に、聴感覚細胞の「電気的チューニング」の分子機構を、キイロショウジョウバエをモデルにして解明することを目的とする。
前年度までに、ショウジョウバエにおいてBKチャネルをコードするslowpoke遺伝子に着目し、聴感覚細胞の「電気的チューニング」への関連を調べてきた。その結果、slowpoke自体の聴覚行動への影響は確認できなかったが、その関連因子において、聴覚行動発現への関与を検出できた。しかしその検証実験の過程で、現状で利用している聴覚行動実験系の感度が低い、という問題点が明らかになった。そこで今年度は、これまで利用していたオス個体を用いた行動実験系に加えて、最近確立した、メス個体を用いた聴覚行動実験系も用いた解析に着手した。未交尾のメスに対して人工音を与えた際の、オス受け入れ活性の上昇率を解析する、という方法を検討し、メス個体を用いた聴覚行動実験系の最適条件を決定した。
また、聴感覚細胞の解剖学的特性を把握するため、ショウジョウバエ聴覚器を構成する、機能的に異なる5種類の感覚細胞の組み合わせパターンを調査した。その結果、異なる機能特性を持つ2種類の感覚細胞がペアになって、聴覚器内部の感覚子に格納されていることが判明した。 -
ショウジョウバエに新たに出現した他種フェロモン認識機構の進化的起源
研究課題/研究課題番号:17K19425 2017年6月 - 2019年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
石川 由希, 上川内 あづさ
動物は、同種と選択的に交配し、他種との交配を避ける。この行動的な生殖隔離のしくみがどのように進化するのかを理解するために、私はフェロモンによって生殖隔離するショウジョウバエを用いた。このハエは他種のフェロモンにより求愛を低下させることがわかっている。そこで、本研究ではまずスクリーニングによりこのフェロモンによる求愛抑制をおこなう感覚ニューロンを特定した。さらにその形態や数、また下流に接続するニューロンを比較した結果、感覚ニューロンと下流ニューロンとの神経接続の獲得が、この他種フェロモンによる生殖隔離を成立させたことが示唆された。
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種に固有な音認識を担う神経回路基盤の解明 国際共著
研究課題/研究課題番号:16H04655 2016年4月 - 2020年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者
配分額:16120000円 ( 直接経費:12400000円 、 間接経費:3720000円 )
ヒトを含めた多くの動物が、コミュニケーション手段として音を利用するが、その情報処理を担う神経機構の全体像は解明されていない。本研究は、ショウジョウバエの聴覚系を実験モデルとして、「種に固有の音を認識してその意味を理解する」といった高度な聴覚情報処理が、どのような特性を持つ神経細胞のどのような組み合わせで達成されるのか、その神経回路機構を理解することを目的とした。研究の結果、求愛歌情報処理の中心的役割を担う二次聴覚神経細胞であるAMMC-B1ニューロンのパルス間隔選択的な応答は、GABAによる抑制性入力を主体とするフィードフォワード性の抑制性経路により形成されることが示された。
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ショウジョウバエ求愛行動をモデルにした馴化調節を担う神経機構の解明
研究課題/研究課題番号:16K18362 2016年4月 - 2018年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
森本 菜央, 上川内 あづさ, 小坂田 文隆
動物は無益・無害な刺激に長時間、暴露されると、刺激への反応を低下させる。これが馴化(慣れ)である。しかし、刺激が有益・有害である場合、動物は繰り返される刺激に応答し続けなければならない。このような、刺激への価値判断に応じて、馴化レベルが調節される神経メカニズムはほとんど未解明であった。本研究ではショウジョウバエの求愛行動において申請者が独自に確立した系をモデルとし、価値判断システムにより馴化レベルが調節される神経細胞群の一部を同定することに成功した。
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種特異的な聴覚情報の脳内表現と性行動発現の脳神経機構の解明 国際共著
研究課題/研究課題番号:15K07147 2015年4月 - 2018年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
石元 広志, 上川内 あづさ, 山田 大智, 上川内 あづさ, 山田 大智
担当区分:連携研究者
配偶行動においてメスはオスの求愛に応じて交尾拒否か受容かの判断をする。本研究は、これまで不明であったメスの交尾判断を担う脳神経回路(交尾判断回路)を新規に同定した。この交尾判断回路を分子遺伝学的に詳細解析して神経接続様式、神経伝達物質、受容体分子を明らかにし、神経回路を構成する2種類の神経細胞群が交尾行動の拒否と受容を制御することを機能的に明らかにした。さらに交尾判断回路は入力シグナルに対して遅延出力を生み出すフィードフォワード構造を示していた。この事は、メスの性的モチベーションの高まりにオスの求愛アプローチが一定時間必要である実際の観察事実によく合致していた。
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同種か異種かを識別する種間認識システムの進化を司る神経分子基盤
研究課題/研究課題番号:26870264 2014年4月 - 2017年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
石川 由希, 上川内 あづさ
配偶者選好性の種特異性は、生物多様性の維持や促進に大きな役割を果たしている。しかしどのような神経回路の変化が、このような配偶者選択性の進化や分化を実現するのかは全くわかっていなかった。申請者はこの謎を解明するために、ショウジョウバエのフェロモン選好性と求愛選好性に着目し、その種間差をもたらす神経回路の違いを探索した。本研究の結果、フェロモン選好性や求愛歌選好性に関与すると考えられる神経回路の違いを見出すことが出来た。この結果は、動物行動学において大きな謎であった同種に対する配偶者選好性がいかにして獲得されるのかという問いに対して、単一ニューロンレベルで応える大きな成果であった。
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ショウジョウバエ聴覚馴化システムをモデルとした記憶ダイナミズムの共通原理の解明 国際共著
研究課題/研究課題番号:25115007 2013年6月 - 2018年3月
新学術領域研究(研究領域提案型)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者
配分額:90480000円 ( 直接経費:69600000円 、 間接経費:20880000円 )
私たちはショウジョウバエをモデルとして、求愛歌の情報がどのように受け手の脳内に「記憶」として経時的に蓄積され、最終的な適応的行動発現を促すのか、という課題に挑んだ。まずは、求愛歌情報を処理する神経回路構造を理解するため、一次聴覚中枢に投射する神経細胞群を網羅的に同定し、投射様式を解明した。次に、求愛歌の聞き分け機構として、リズム選別を担う「フィードフォワードループ」と呼ばれる様式の神経回路を同定した。さらに、幼少期の聴覚経験がGABAを介して歌識別能力と性行動を成熟させることを見出した。以上、本研究により、求愛歌の情報処理と記憶を担う神経回路機構の新たな側面を発見した。
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研究課題/研究課題番号:25115001 2013年6月 - 2018年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
齊藤 実, 佐藤 守俊, 多羽田 哲也, 久恒 辰博, 飯野 雄一, 吉原 良浩, 上川内 あづさ, 石原 健, 井ノ口 馨, 松尾 直毅, 佐藤 守俊, 多羽田 哲也, 久恒 辰博, 飯野 雄一, 吉原 良浩, 上川内 あづさ, 石原 健, 井ノ口 馨, 松尾 直毅
担当区分:連携研究者
本領域では、記憶に焦点を当て、無脊椎動物、脊椎動物モデルの特長を生かすことで記憶情報の流動性と記憶機構の内的・外的状況に応じた変化を生み出す共通原理を明らかにしてきた。総括班では毎年班会議などで班員間の情報交換を行い、各種ワークショップ、国際シンポジウム、若手シンポジウムなどを企画・開催した。結果として無脊椎動物が脊椎動物に共通した、例えば記憶情報のコーディング様式、モノアミン作動性神経の役割や作用機序、記憶回路構築などについて得られた数多くの知見を、成果の発信性が高い雑誌、神経科学の主要雑誌に発表した。
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ショウジョウバエ聴覚系を用いた新規短期記憶モデルの開発と応用 国際共著
研究課題/研究課題番号:25640010 2013年4月 - 2016年3月
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
ショウジョウバエの聴覚行動実験を大規模に進めるため、画像解析を利用して行動結果を自動で解析できるソフトウェアChaINを開発し、公開した。これを利用して、異なる音への応答行動を定量化した結果、連続音と断続音との切り替わり時に、行動変化が瞬時に起こることがわかった。この瞬時の行動切り替えは、短期記憶の変異体として知られるアデニル酸シクラーゼ欠損個体でも観察された。よって、音の違いを判別する神経機構はアデニル酸シクラーゼに依存しないことが示された。以上、本研究により、音の差を識別する神経機構を解析する優れた実験モデルとして、ショウジョウバエ聴覚系を用いた短期記憶モデルを新たに確立することができた。
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ショウジョウバエ音識別システムのトポロジー構造と情報処理ダイナミクスの包括解明 国際共著
研究課題/研究課題番号:25710001 2013年4月 - 2016年3月
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者
配分額:26260000円 ( 直接経費:20200000円 、 間接経費:6060000円 )
本研究課題では、音情報の識別を担う神経回路機構を理解する目的で、本申請者が独自に実験モデルとして基盤整備を行ったショウジョウバエ聴覚系を用いた研究を発展させ、脳において同種交信音の識別を担うことが予想される脳内部の聴覚神経回路の同定と機能解明を行った。その結果、世界で初めて、情報の流れる向き情報も加味した、ショウジョウバエ二次聴覚神経回路地図を構築することができた。この結果は、動物一般の聴覚システムの理解を進める上で、基礎的な知見を提供しており、聴覚情報処理研究に多大なインパクトをもたらした。
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ショウジョウバエ聴覚馴化システムをモデルとした記憶ダイナミズムの共通原理の解明
2013年 - 2017年
科学研究費補助金 その他
上川内 あづさ
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ショウジョウバエ音識別システムのトポロジー構造と情報処理ダイナミクスの包括解明
2013年 - 2015年
科学研究費補助金 若手研究(A)
上川内 あづさ
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ショウジョウバエ聴覚系を用いた新規短期記憶モデルの開発と応用
2013年 - 2015年
科学研究費補助金
上川内 あづさ
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From genes to circuits: the evolution of species-specific communication in Drosophila
2011年6月 - 2014年
Human Frontier Science Program Human Frontier Science Program その他
Joerg T. Albert
資金種別:競争的資金
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聴覚情報処理を担う機能モジュールの体系的な同定と解析 国際共著
研究課題/研究課題番号:23115717 2011年4月 - 2013年3月
新学術領域研究(研究領域提案型)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者
配分額:7020000円 ( 直接経費:5400000円 、 間接経費:1620000円 )
動物の脳は、感覚器によって受容された音がその個体にとって意味を持つか否かを瞬時に判別できる。しかし、どのような神経回路がどのような組み合わせで動作した結果、そのような判断を導いているのか、その神経機構は不明である。本研究課題では、動物の脳が音情報を認識する神経機構の解明を目指している。今年度は、前年度に確立したショウジョウバエの聴覚情報処理システムを解析する上で必要となる行動解析方法を利用して、野生型個体を用いた体系的な聴覚行動解析を行った。多様な人工音を作成してそれら刺激に対する応答行動を解析した結果、反応の閾値、刺激選択性、時間に伴う行動変化などを体系的に解明することができた。この結果は,今後、聴覚応答の選択性を担う責任遺伝子や責任回路を同定するための,必要不可欠な知見を提供すると期待できる。また、聴覚システムを構成する神経細胞群の解剖学的な同定解析も進めた。以前から使用している約4,000種類のGAL4エンハンサートラップ系統に加えて、今年度はさらに、脳画像データが公開されている7017種類のGAL4系統(アメリカ、Janelia farm由来)のスクリーニングを行い,解析に有用な系統群を同定した。これら系統群は,今後、聴覚神経回路の構成やその機能を調べて行く上で、重要なツールとなる。以上,本研究においてはショウジョウバエ聴覚系を体系的に解析するための基盤を構築するとともに、ショウジョウバエが示す聴覚行動の新規な特性を明らかにした。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
24年度が最終年度であるため、記入しない。 -
聴覚情報処理を担う機能モジュールの体系的な同定と解析
2011年 - 2012年
科学研究費補助金 その他
上川内あづさ
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ショウジョウバエ脳において聴覚情報処理を行う神経基盤の解明
2010年 - 2014年
科学技術振興機構(JST) さきがけ 若手研究(B)
上川内あづさ
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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ショウジョウバエ脳における高次聴覚神経回路の構造と機能の徹底解明 国際共著
研究課題/研究課題番号:21700360 2009年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究課題では、ショウジョウバエを実験モデルとして、有用な音情報を抽出して意味のある神経信号に変換する脳内過程の神経基盤解明を目的とした。研究期間内に、全3, 939種類にもおよぶ高次聴覚経路を標識するショウジョウバエ系統のスクリーニングを終えた。これにより得られた系統を用いた解析から、ショウジョウバエの脳における二次聴覚神経回路の精密な投射地図を作製した。さらにそれぞれの神経経路において情報が伝達される向きを推定した。この成果の意義は、一部の投射経路しか分かっていなかったショウジョウバエの二次聴覚神経回路について,その全貌を推定することが出来た点である。
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ショウジョウバエの聴覚行動を制御する神経回路基盤の解明 国際共著
研究課題/研究課題番号:21115515 2009年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
上川内 あづさ
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:7800000円 ( 直接経費:6000000円 、 間接経費:1800000円 )
特定の二次聴覚神経の遮断を行った個体を用いた行動実験を行うため、まずは条件検討を行った。神経伝達を阻害する蛋白質であるShi^<ts1>、テタヌス毒素、内向き整流カリウムチャネルを時期特異的に二次聴覚神経AMMC-B1に発現させ、雌雄間の配偶行動が音により促進される効果を解析した。その結果、本行動実験においては、テタヌス毒素が最も効率的に阻害効果を示すことが判明した。よって今後の解析においては、テタヌス毒素を用いて神経伝達阻害を行う。また、ショウジョウバエの配偶行動を活性化するために重要な音要素を体系的に同定するため、求愛歌音の改変を行った。求愛歌を構成するパルスソングやサインソング、といった種に特徴的な音要素の波形、パルス波どうしの間隔の周期的な振動パターンを改変した人工音を作成した。野生型個体を用いて、これら人工音が雌雄の配偶行動を活性化する度合いを定量化した結果、パルス波どうしの適正な間隔が,雌雄の配偶行動活性化に必要であることが判明した。以上,本年度の成果により、特定の二次聴覚経路の遮断効果を行動レベルで解析するための基礎データを得ることができた。今後はこの知見を利用し、それぞれの二次聴覚神経が形成する神経経路で行われる処理様式や機能の解明に取り組む予定である。
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ショウジョウバエの高次聴覚神経細胞が形成する全回路構造の包括的解明
2009年 - 2010年
三菱財団 自然科学研究助成
上川内あづさ
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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ショウジョウバエ聴覚神経系の構造と機能の包括的な解明
研究課題/研究課題番号:08J02636 2008年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
上川内 あづさ
本年度は、ショウジョウバエが音・重力・風の情報を検知するための感覚神経と脳中枢を解析し、ショウジョウバエの「耳」にあたる触角の付け根にある数種類の感覚神経(ジョンストン器官神経)が、触角の小さな振動に強く反応する細胞と、一定の方向への持続的な変位(角度の変化)に強く反応する細胞とに分類できることを発見した。細胞特異的に神経毒素を発現させてそれぞれの細胞群の神経伝達を特異的に遮断した個体群の行動を解析したところ、前者を遮断すると音に対する応答行動が、後者を遮断すると重力に対する応答行動が、それぞれ特異的に失われた。さらに、音を検知する神経と重力を検知する神経は脳内の別々の中枢に分かれて投射しており、これらの中枢の神経回路は、人間の脳の聴覚や重力感覚の中枢の回路とそれぞれよく似た構造になっていることを発見した。また、ショウジョウバエは強い風が来ると身構えて飛ばされないようにする習性がある。強い風は重力と同じように、触角の傾きを変化させる。このような風検知も、重力と同じ脳中枢で処理されていることを見出した。ショウジョウバエと人間は進化の過程で6億年以上前に分かれた、別々の枝のそれぞれ先端に位置している。このように進化的に遠く離れたショウジョウバエと人間において音や重力の情報処理回路が似ていることは、特定の種類の情報を処理するために最適な方法を求めてそれぞれが独自に進化した結果、同じような構造に行き着いた収斂進化の可能性を示している。