2024/03/25 更新

写真a

ハナゾノ マコト
花薗 誠
HANAZONO, Makoto
所属
大学院経済学研究科 社会経済システム専攻 政策システム分析 教授
大学院担当
大学院経済学研究科
学部担当
経済学部 経済学科
職名
教授

学位 1

  1. Ph.D. ( 2003年8月   ペンシルバニア大学 ) 

研究キーワード 4

  1. 産業組織論

  2. 契約と組織の経済学

  3. ゲーム理論

  4. ミクロ経済学

研究分野 1

  1. 人文・社会 / 理論経済学  / 産業組織、ゲーム理論、契約理論

現在の研究課題とSDGs 2

  1. 消費者探索と産業組織

  2. 調達の経済学

経歴 3

  1. 名古屋大学 経済学研究科 准教授

    2007年4月

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    国名:日本国

  2. 名古屋大学 経済学研究科 講師

    2006年4月 - 2007年3月

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    国名:日本国

  3. 京都大学経済研究所・講師

    2003年5月 - 2006年3月

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    国名:日本国

学歴 4

  1. ペンシルバニア大学   経済学部

    1998年9月 - 2003年8月

  2. 慶應義塾大学   経済学研究科

    1996年4月 - 2000年3月

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    国名: 日本国

  3. 慶應義塾大学   経済学研究科

    1994年4月 - 1996年3月

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    国名: 日本国

  4. 慶應義塾大学   経済学部

    1990年4月 - 1994年3月

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    国名: 日本国

所属学協会 3

  1. 数理経済学会

  2. 行動経済学会

  3. 日本経済学会

 

論文 11

  1. Equity bargaining with common value 査読有り

    Hanazono, M; Watanabe, Y

    ECONOMIC THEORY   65 巻 ( 2 ) 頁: 251 - 292   2018年3月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1007/s00199-016-1004-1

    Web of Science

  2. Is a Big Entrant a Threat to Incumbents? The Role of Demand Substitutability in Competition Among the Big and the Small 査読有り

    Pan, LJ; Hanazono, M

    JOURNAL OF INDUSTRIAL ECONOMICS   66 巻 ( 1 ) 頁: 30 - 65   2018年3月

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  3. Endogenous Product Boundary 査読有り

    Takanori Adachi, Takeshi Ebina, Makoto Hanazono

    Manchester School   85 巻 ( 1 ) 頁: DOI: 10.1111/manc.12134   2017年1月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: DOI: 10.1111/manc.12134

  4. ENDOGENOUS PRODUCT BOUNDARY

    Adachi, T; Ebina, T; Hanazono, M

    MANCHESTER SCHOOL   85 巻 ( 1 ) 頁: 13 - 40   2017年1月

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  5. 抱き合わせ販売 招待有り

    花薗 誠

    一橋ビジネスレビュー   61 巻 ( 1 ) 頁: 36-50   2013年6月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語  

    DOI: 36-50

  6. 総合評価落札方式オークションの均衡入札―除算方式評価の場合―

    花薗 誠

    経済科学   57 巻 ( 4 ) 頁: 149-157   2010年3月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  7. *Dynamic Entry and Exit with Uncertain Cost Positions 査読有り

    Makoto Hanazono and Huanxing Yang

    International Journal of Industrial Organization   27 巻 ( 3 ) 頁: 474-487   2009年5月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    We study the dynamics of entry and exit based on firms' learning about their relative cost positions. Each firm's marginal cost of production is its own private information, thereby facing ex ante uncertainty about its cost position. The (inelastic) market demand can accommodate only a fraction of firms to operate, and thus only firms with relatively lower costs are viable in the long run. Some firms in the market will exit if excessive entry (or overshooting) occurs. We derive the unique symmetric sequential equilibrium. The equilibrium properties are consistent with empirical observations: (i) entry occurs gradually over time with lower cost firms entering earlier than higher cost firms, (ii) exiting firms are among the ones that entered later (indeed in the last period). Moreover, equilibrium overshooting probability is shown to always be positive and decreasing over time.

  8. *Mimicking the Winner Leads to War: An Evolutionary Analysis of Conflict and Cooperation 査読有り

    Makoto Hanazono

    Japanese Economic Review   58 巻 ( 3 ) 頁: 417-422   2007年9月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    This note applies an evolutionary analysis to Skaperdas's (1992) static model of conflict and cooperation, in which agents are faced with trade-offs between joint production and share competition. We adopt the stochastic evolution approach, and assume that each agent occasionally mimics the action of the winner of the stage. In contrast to Skaperdas's results that justify full- or partial-cooperation in productive activity, the long-run equilibrium must exhibit total conflict; nobody engages in production at all.

  9. *Collusion, Fluctuating Demand, and Price Rigidity 査読有り

    Makoto Hanazono and Huanxing Yang

    International Economic Review   48 巻 ( 2 ) 頁: 483-515   2007年5月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    We study a repeated Bertrand game in which an i.i.d. demand shock occurs in each period. Each firm receives a private signal about the demand shock at the beginning of each period. At the end of each period, all information but the private signals becomes public. We consider the optimal symmetric perfect public equilibrium (SPPE) mainly for patient firms. We show that price rigidity arises in the optimal SPPE if the accuracy of the private signals is low. We also study the implications of more firms, and firms' impatience on collusive pricing. These results contribute to our understanding of which industries, and under what conditions, should exhibit rigid prices.

  10. A Simple Holdup Model with Two-sided Investments: the Case of Common-Purpose Investments 査読有り

    Makoto Hanazono

    Problems and Perspectives in Management   4 巻 ( 2 ) 頁: 115-125   2006年

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    This paper theoretically studies a simple, discrete holdup model with two-sided investments, in which each party's investment enhances the value of transaction by improving a common factor (the buyer's valuation, in text). We investigate whether contractual remedies to the holdup problem are avialable by adopting noncontingent or option contracts. The main result of this paper is that an option contract can completely remedy the holdup problem in several cases, whereas noncontingent contracts can only partly remedy it. Remedies by option contracts are more likely as the relative improtance of the purely cooperative investent to the purely selfish investment becomes larger, and the cost of investment becomes smaller.

  11. 不完備契約の再交渉におけるコミットメント 査読有り

    花薗 誠

    三田学会雑誌   98 巻 ( 3 ) 頁: 79-90   2005年10月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    本稿は、不完備契約とホールドアップ問題に関する先駆的な研究であるHart-Moore(1988)における再交渉ゲームを再検討し、その構造に内在するコミットメントの問題を明らかにする。あわせて、Hart-Mooreの議論の複雑さがコミットメントの問題の回避のアプローチに起因するという点を指摘し、均衡の精緻化に基づくより扱いやすい問題の回避アプローチを提示する。

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書籍等出版物 2

  1. 産業組織とビジネスの経済学

    花薗 誠( 担当: 単著)

    有斐閣  2018年9月  ( ISBN:978-4641150591

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    記述言語:日本語 著書種別:教科書・概説・概論

  2. 数理経済学の源流と展開

    武藤功, 花薗誠( 担当: 共編者(共編著者))

    慶應義塾大学出版会  2015年9月  ( ISBN: 978-4-7664-2253-5

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    総ページ数:336   記述言語:日本語 著書種別:学術書

MISC 1

  1. 公共調達:制度設計とその経済学的な評価 招待有り

    花薗 誠  

    進化するビジネスの実証分析   頁: 131 - 139   2020年5月

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    記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア)  

科研費 12

  1. 持続可能性、品質維持、競争適正化のための公共調達制度設計

    研究課題/研究課題番号:23H00051  2023年4月 - 2028年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    花薗 誠, 川中 大士朗, 広瀬 要輔, 鈴木 彩子, 西村 健, 中林 純, 鶴岡 昌徳, 佐藤 進, 佐野 隆司, 安田 洋祐, 高橋 秀典

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:42250000円 ( 直接経費:32500000円 、 間接経費:9750000円 )

    経済性・品質確保・持続可能性の観点から、公共調達における適正な競争とはどのような状況か、また競争を適正化するためにどのような方法や制度設計が適切かについて、理論、実証、実験により総合的に研究する。調達における競争の向上は経済性(価格)には貢献するものの、過当な競争により品質低下や事業者の倒産等の問題が引き起こされると指摘されてきた。本研究では、競争制限が市場の機能不全を改善するか、という視点で競争が適正か否かを捉え、調達の諸問題や調達制度の機能を競争の適正化の観点から論ずる。本研究は、産業組織論、マーケットデザイン、実験経済学を駆使して研究を発展させ、調達における未解決の重要課題に取り組む。

  2. 多次元入札の研究基盤の構築

    研究課題/研究課題番号:21K18426  2021年7月 - 2024年3月

    科学研究費助成事業  挑戦的研究(萌芽)

    花薗 誠, 中林 純

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )

    本研究は多次元入札の研究基盤を理論的に整備するとともに、実証分析のための構造推定の方法を整備・開発することを目的とする。入札参加者に価格のみならず、事業者の属性や事業内容に関する提案といった価格以外の他の要素を入札させ、その総合評価によって落札者を決定する「多次元入札(multidimensional bidding)」は、公共調達の受注事業者選定や石油/ガス採掘権売却などで広く用いられている。結果として、入札制度設計に貢献することを目指す。
    多次元入札の一形態である総合評価方式入札における戦略的な意思決定問題に関して、入札者の属性が対称的でない環境でも、入札者の戦略的行動を純戦略単調ベイズナッシュ均衡として導出し部分的に特徴づけられることを発見し、理論的に証明した。落札者を決めるための総合評価値が、当該入札者による価格・品質の提案によってのみ確定するようなケース(すなわち各入札者の評価値の決定に際し、他の入札者の提案が影響しない場合)を考える。このような状況において、価格と品質を同時に提案する多次元入札のゲームを、それと同等な評価値を入札するゲームに変換し、そこにReny(2011)による非完備情報ゲームの純戦略単調ベイズナッシュ均衡の存在定理を適用可能であることを厳密に議論した。その際、単調性を論ずるために多次元の空間における順序構造を適切に構成するとともに、戦略空間をはじめ離散化しその極限をとるなどの工夫を行った。このようにして、非対称的な入札者による総合評価入札であっても、戦略的均衡状態が存在することを確かめた。また、そのようにして構成される均衡入札行動から導かれる各入札者の均衡評価値分布は、絶対連続性、および密度関数のほとんどいたるところの連続性を満たすことも示した。これらの特徴は入札行動を構造推定の手法を用いて実証研究をするにあたって不可欠なものであり、多次元入札の経済学的な分析基盤を拡充するものである。
    これらの結果は論文“Theory and Estimation for Scoring Auctions”に追加した。
    多次元入札に関する分析基盤の整備がいくつかの観点から進んではいるものの、分析の基礎的内容に関する確認や、確認すべきであったが気づいていなかった事項の発見があり、研究計画にあげた相互連関的な評価方法、評価ノイズの導入などの課題について進めることが難しかった。具体的には、非対称な入札者を分析の対象に加えることがあげられる。その分析上の取り扱いには対称的な入札者を扱う場合と比較して格段に議論が複雑になっており、厳密に議論するために時間がかかった。また、そのような事項を研究成果としてまとめていくにあたり、従来の対称的な入札者の場合における議論とどのような差があるのかを丁寧に説明する必要があった。
    今後も理論的および実証的観点からの分析基盤の整備を行っていく。やや遅れている研究計画を取り戻すために、質項目の相対評価、相互連関的な評価方法について重点的に研究を進めていく。また、質を考慮した総合評価方式入札モデルにおける均衡行動をシミュレートすることも重要であるので、均衡状態をプリミティブから構成する方法についてもできる限り検討する。具体的には、モデルの不動点であらわされる均衡状態を、計算によって求めるないしは近似するような、動学的な方法があるのかどうか、また条件ならばそれが得られるのか、複数の均衡であればそのうちどのようなものが選ばれるのかを検討する。

  3. 談合の理論・実証分析

    研究課題/研究課題番号:21H04402  2021年4月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    中林 純, 花薗 誠, 西脇 雅人

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    担当区分:研究分担者 

    1)各国政府の公表する入札データを収集してデータセットを構築し、談合を識別する新手法を提案する。2)統計的手法を用いて、繰り返しゲームの理論研究で示唆された談合の成立・維持・崩壊メカニズムの検証を行う。1)で提案する手法は、特定の企業が談合に関与しているかどうかの識別など、高い精度で談合をスクリーニングすることが可能となり、競争当局等が担う新たな実務分野を開拓することが期待される。2)については、その結果を繰り返しゲームの理論分析にフィードバックすることを通じて、理論研究の一層の発展に貢献するとともに、途上国を含めた各国政府が談合を抑止する入札制度を設計する際に応用されることが期待される。
    本年度は入札データを用いた分析を行うことについて、1)情報伝達と談合の関係のテーマについてデータによる裏付けを行う論文の投稿、編集作業を行った。2)観測可能性と談合の関係に関するテーマについて、実証結果に一致する理論的知見を探求した。実証分析に使用するデータ収集を引き続き進めた。セミナー及び学会発表を行い研究成果のフィードバックを得た。研究テーマである繰り返しゲームの各種知見への実証分析からのフィードバックについて検討を進めた。
    コロナ感染症による労働市場への影響により、人材雇用に遅延が生じ、研究補助者の確保が十分にできないことによる
    予定通り、残存するプロジェクト(観測可能性)について論文執筆に向けて研究を進める。データの収集を引き続き行う。データを用いて新たな論点を探求する。人材雇用の遅れによる研究遅延の回復の可能性を検討する。

  4. 市場支配力とマクロ経済:サーチ理論による産業組織、景気変動と格差の分析

    研究課題/研究課題番号:20H01476  2020年4月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    工藤 教孝, 花薗 誠, 宮本 弘暁, 田中 頌宇将, 尾山 大輔

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    担当区分:研究分担者 

    2010年のノーベル経済学賞の対象となった「サーチ理論」は、微小な粒子同士のランダムなぶつかり合いとして経済活動を再定義することで市場の「摩擦」をモデル化することに成功した。しかしながら、「微小な経済主体」という世界観は分析上の制約になることも多かった。本研究は、「企業規模」という概念をモデル化することを通じてサーチ理論を大きく発展させ、世界規模で進む市場構造の変質、特に近年報告されている市場支配力の上昇や労働分配率の下落などの現象を、産業組織、景気変動に伴う雇用調整、所得分布の視点から解明する。
    プロジェクト1:摩擦的市場における企業規模 本プロジェクトは、研究代表者が長年研究してきた「サーチ理論」を「産業組織論」に応用するという方法を採用し、産業組織論をサーチ理論を通じて再構築するプロジェクトである。研究分担者との共同研究の成果を「Priminence and Market Power: Asymmetric Oligopoly with Sequential Consumer Search」という論文にまとめ、現在国際ジャーナルにて2回目の書き換え要求に対応し終え、最終的な審査結果を待っている状態である。
    プロジェクト2:摩擦的市場と景気変動 研究代表者と研究分担者による共同研究の成果のひとつ「General Equilibrium Effects and Labor Market Fluctuations」では、景気変動における「所得効果」の役割について数量分析を行い、Economic Modellingという国際専門誌に掲載された。また、「Time Aggregation and Unemployment Volatility」では、労働市場統計の集計上のバイアスが景気変動を過小に計測してしまう可能性についてシミュレーションによって明らかにし、Economics Bulletinという国際専門誌に掲載が決まった。「Robots and Unemployment」では、技術進歩によって雇用が失われる可能性について理論分析と数量分析を行った。当該年度中に複数の専門誌にて審査を受け、まだ掲載は決まっていないものの、審査から得られたコメント等を元に、分析結果の中身を精査し、研究の新規性を打ち出すにはどうするか、新しい方向性を発見するに至った。
    プロジェクト1の研究成果である論文「Priminence and Market Power: Asymmetric Oligopoly with Sequential Consumer Search」が経済学分野で伝統のある学術誌の審査に残っており、2度の書き換え作業を経て、23年度中には掲載が決まると見込まれる。この研究成果を土台として次の研究に進むことが可能になる。プロジェクト2についてもすでに専門誌に2本掲載が決まっており、残りの研究期間を使って他の現在進行中の研究を完了させることができる見通しになったから。
    プロジェクト1「摩擦的市場における企業規模」については、引き続き花薗教授との共同研究を推進し、市場の摩擦と市場支配力の推移について分析を進め、ますます加速してゆく情報化社会の中で少数の企業が巨大化していくのか、それとも多数の企業による競争的な市場に向かっていくのかについて解明を進める計画である。プロジェクト2「摩擦的市場と景気変動」についても引き続き宮本教授と研究を進め、当該年度までに複数の方向で数理モデル構築とシミュレーションが進んでいる研究成果について、次年度中にそれぞれ論文にまとめていくことを目標としている。

  5. 日本酒産業の経済学的解明-サケノミクスの構築に向けて

    研究課題/研究課題番号:18K18575  2018年6月 - 2021年3月

    科学研究費助成事業  挑戦的研究(萌芽)

    阿部 顕三, 安達 貴教, 花薗 誠, 大湾 秀雄

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    担当区分:研究分担者 

    本研究では、日本酒の経済分析(サケノミクス)に関する萌芽的研究を行った。調査研究では、聞き取り調査によって、日本酒の生産者の効率化や輸出と差別化の関連に関する示唆を得た。実証研究では、小売データを用いて、季節的な消費行動の変化や他のアルコール飲料との代替性などについて示唆を得た。また、理論分析おいては、大企業と小企業が共存する経済モデルを応用し、日本酒に対する需要変化の影響を明らかにした。
    本研究は、これまで焦点の充てられてこなかった日本酒の経済分析(サケノミクス)に初めて着手した。日本酒産業は日本の伝統産業の一つであり、独特な生産方式、企業(酒蔵)組織、産業組織の特徴を明らかにし、それらの特徴を捉えた経済分析を行う点で重要な意義がある。また、日本酒産業の発展に寄与する政策の立案にも示唆を与えるものである。

  6. 契約と組織の先端的経済分析

    研究課題/研究課題番号:18H03640  2018年4月 - 2023年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    伊藤 秀史, 室岡 健志, 水野 敬三, 石田 潤一郎, 石黒 真吾, 花薗 誠, 大湾 秀雄, 大洞 公平, 三浦 慎太郎, 石原 章史, 小佐野 広, 神戸 伸輔, 中泉 拓也

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    担当区分:研究分担者 

    1.本研究は契約理論と組織の経済分析の最先端分野で活躍する研究者が参加する定期的な国内ワークショップと,毎年定期的に開催する国際コンファレンスを軸として,国際水準の国内研究拠点とネットワークを維持しつつ,新たな国際的ネットワークを発展させ,国内外に研究成果を発信し国際的プレゼンスを高める,という目的を達成するために,研究代表者,研究分担者等が,契約理論と組織の経済分析に関する各自の研究を定期的に定例ワークショップで発表し参加研究者の報告,意見,批判を参考にして研究を改善し,最終的な研究成果をまとめていくスタイルをとる.
    2.新型コロナウイルス感染症の影響で,研究実施計画の以下の内容が2021年度,2022年度と続けて中止・延期・オンライン開催となった:WBS Workshop on Contract Theory and Organizational Economics,通称CTWE),国内サマー・コンファレンス(8月),第7回Workshop on Relational Contracts(7月),第14回East Asian Contract Theory Conference(12月),一部国内外学会等への参加・研究報告.
    3.月例の Contract Theory Workshop (CTW,契約理論ワークショップ)は,2021年度はCTWZ(Contract Theory Workshop on Zoom)として4-11月,1-3月の11回オンラインで開催した.
    4.2022年度は5月より対面開催をハイブリッドで再開し,5-7,10,11,1,2月の7回はハイブリッドで,4,6月の2回はオンラインで開催した.
    5.延期されていたCTW25周年記念コンファレンスを,海外から報告者を1名招聘して3月に対面開催した.
    6.対面開催が再開された国内外の学会,国内外の大学の研究セミナーに研究代表者および一部の研究分担者が参加し,研究報告を行った.
    1.定例のワークショップの一部,国内サマー・コンファレンス,大部分の国際交流およびコンファレンスがいずれも新型コロナウイルス感染症の影響で中止となり,一部で関連する研究会がオンラインで開催されたものの,政府の水際対策および大学機関のサポートの欠如により国際交流のための対面コミュニケーションの機会を失われた影響が大きかった.
    2.そのような環境下でも研究代表者,研究分担者,研究協力者が研究成果を国内外学会・セミナーで発表するとともに,国際学術雑誌に投稿し採択・掲載された.
    今後も契約と組織の経済学分野を代表する研究組織として,新型コロナウイルス感染症の影響で生じた遅れを取り戻すために,国際的に活躍する国内外の研究者を積極的に招聘し,研究報告をしてもらうとともに,研究代表者,研究分担者,研究協力者が研究成果を国内外の学会等で発表を行い,学術雑誌に研究成果を掲載して,海外の研究者と定期的な交流の機会を探索する.

  7. 品質評価とモニタリングの不完備性が調達入札に与える影響

    研究課題/研究課題番号:17KK0067  2018年 - 2022年

    科学研究費助成事業  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)

    花薗 誠

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:11050000円 ( 直接経費:8500000円 、 間接経費:2550000円 )

    調達入札において、モニタリングの不備と破産の可能性が認められると、業績評価を用いて事業者の努力インセンティブを高めようとすることが、入札段階での逆選択を招くことを理論的に示した。インセンティブの強度を高めると、落札する事業者はデフォルトを起こしやすく、費用効率も低下する。この研究に加えて、調達入札理論と実証分析の基盤を拡張し、一般の総合評価ルール、多次元の費用構造・タイプ構造の下で入札者がどのように戦略的意思決定を行うのか、また、データからどのようにモデルのパラメータを推計可能かを論じるための構造、条件を明らかにした。
    本研究の社会的意義は、調達入札の制度設計に関する重要な示唆、改善の方向性を与えたことにある。具体的には、事後的な業績評価やそのインセンティブ設計がもたらす問題点・トレードオフ(強いインセンティブが逆選択を招く)を明らかにしたことである。学術的意義としては、本研究により拡張された調達入札のゲーム理論的な基盤整備により、今後の理論的研究の発展や構造推定を通じた実証研究の促進が期待されることを挙げられる。

  8. 区分的線形である非線形価格に関する研究

    研究課題/研究課題番号:15K03363  2015年4月 - 2019年3月

    渡部 真弘

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    担当区分:研究分担者 

    本研究の目的は、プリンシパル・エージェント問題において、運用上のコストが高いと思われる最適契約を十分に代替するような屈折点を伴う区分的線形契約の可能性を模索することであった。私的情報の分布の歪みや、反実仮想(counterfactual thinking)や曖昧な情報(epsilon-contamination)といった経済主体の心理的側面が、最適契約と簡素な契約に与える影響について考察した。例えば、インセンティブ契約に関しては、屈折点を伴う簡素な報酬制度を適切に設定すれば、労働者の私的情報の分布の歪みの程度に関わらず、最適契約のパフォーマンスを十分に近似することが可能であることが確認された。
    本研究では、公共料金や携帯電話料金に用いられているような区分的線形契約 (ブロック料金制) や労働者に対するインセンティブ契約に関する経済学的根拠を模索した。企業が直面している消費者や労働者の属性の分布の不均一性や、反実仮想 (counterfactual thinking) や曖昧な情報 (epsilon-contamination) といった経済主体の心理的側面を考慮する状況において、理論上の非線形的な最適契約とは形状が異なるが、最適契約を十分に代替するような簡素な区分的線形契約の可能性について考察した。

  9. 調達の経済分析:理論と応用

    研究課題/研究課題番号:15H03346  2015年4月 - 2019年3月

    花薗 誠

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:14430000円 ( 直接経費:11100000円 、 間接経費:3330000円 )

    第一に、公共調達の入札や契約に関する分析の基礎を拡充し、入札者の行動原則や望ましい制度設計についての理解を深める事に貢献した。具体的には、一般的な総合評価のもとでの入札行動のモデル化、品質が多次元である場合の最適な評価ルールの設定方法、および大規模な入札データから談合などの入札行動を探知する方法の確立などである。
    第二に、調達のデザインがどのような効果を持つのかに関連するいくつかの知見をえた。具体的には、調達における財の抱合せの効果の実証的な解明、および複数の財の調達を同時または逐次に入札する場合の入札者のインセンティブの理論的な解明である。
    本研究の学術的な意義として、調達の経済学の理論的・実証的基礎がより強固にされたことから今後の調達の経済学的な分析が深められ、加速することを挙げることができる。また、社会的意義としては、公共調達や電力調達において、用いられる方法(評価ルールや調達デザイン)の差異が、調達される財の価格や質にどのような影響を与えるのか、あるいはどのような方法を用いればより望ましい結果に導くことができるかという、現実社会において極めて重要な問題に対して示唆を与えられる点を挙げることができる。

  10. スコアリングオークションの基礎的課題

    研究課題/研究課題番号:15K13005  2015年4月 - 2018年3月

    花薗 誠

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:3120000円 ( 直接経費:2400000円 、 間接経費:720000円 )

    スコアリングオークション(総合評価方式入札)の理論モデルを構築し、以下のような汎用性の高い結果を得た。第一に、事前には対称的な入札者によるオークションについて、私的情報が多次元である場合のゲームの均衡が存在するための条件を導いた。その条件とは、入札者の固定費用に影響する私的情報と可変費用に影響する私的情報が別々の次元に属しているというものである。第二に、入札者の私的情報が一次元であるケースでの、予定価格や品質の上限、下限等の制約が課される場合について分析を行い、成果を得た。特に、不等式で表される制約が同時に等号を満たすことがなければ、制約がない場合と変わらない分析が可能であることを導いた。

  11. 契約と組織の経済学

    研究課題/研究課題番号:25245031  2013年4月 - 2018年3月

    伊藤 秀史

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    担当区分:研究分担者 

    以下のワークショップ,コンファレンス,学会報告等を通じて,2016年ノーベル経済学賞受賞対象となった契約理論と組織の経済学分野で,複数大学にまたがる国際水準の研究拠点を形成する成果をあげてきた.(1) 合計40回,16名の海外からの研究者による研究報告を含む定期的ワークショップCTW (2) 各年度8月上旬のサマー・コンファレンス (3) 各年度12月に開催され,台湾から香港,アジア・太平洋に拡大しつつある国際共同コンファレンス (4) 12名の海外からの研究者による研究報告を含む東京地区でのワークショップCTWE (5) 47件の国内外学会等での研究報告・研究交流および31本の学術論文.

  12. 長期的関係下のインセンティブ契約

    2008年

    科学研究費補助金  若手研究(B),課題番号:20730131

    花薗 誠

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    担当区分:研究代表者 

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担当経験のある科目 (本学) 6

  1. 経済数学B

    2012

  2. ミクロ経済学II

    2012

  3. 上級価格理論I

    2012

  4. Game Theory

    2011

  5. ミクロ経済学II

    2011

  6. 経済数学B

    2011

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