2025/05/08 更新

写真a

ミズノ コウジ
水野 幸治
MIZUNO, Koji
所属
大学院工学研究科 機械システム工学専攻 機械知能学 教授
大学院担当
大学院工学研究科
学部担当
工学部 機械・航空宇宙工学科
職名
教授
連絡先
メールアドレス

学位 3

  1. 博士(工学) ( 1999年9月   名古屋大学 ) 

  2. 工学修士 ( 1988年3月   東京大学 ) 

  3. 工学士 ( 1986年3月   東京大学 ) 

研究キーワード 3

  1. 衝突安全

  2. ドライバ応答

  3. インパクトバイオメカニクス

研究分野 3

  1. その他 / その他  / 機械力学・制御

  2. その他 / その他  / 機械材料・材料力学

  3. その他 / その他  / 自動車工学

現在の研究課題とSDGs 5

  1. 自動車衝突時の乗員保護

  2. 交通弱者の保護

  3. 高齢者の転倒時の大腿骨近位部骨折の防止に関する研究

  4. 小児の交通外傷

  5. 緊急時のドライバ応答に関する研究

経歴 1

  1. 名古屋大学   グリーンモビリティ連携研究センター   兼任教員

    2011年4月 - 現在

学歴 3

  1. 名古屋大学   工学研究科

    1997年4月 - 1999年9月

      詳細を見る

    国名: 日本国

  2. 東京大学   工学系研究科

    1986年4月 - 1988年3月

      詳細を見る

    国名: 日本国

  3. 東京大学   工学部   精密機械工学科

    1982年4月 - 1986年3月

      詳細を見る

    国名: 日本国

所属学協会 6

  1. Society of Automotive Engineers   Fellow

  2. 機械学会

  3. 自動車技術会   フェロー会員

  4. 日本転倒予防学会   代議員

    2021年

  5. 日本交通科学学会   理事

▼全件表示

委員歴 23

  1. Traffic Injury Prevention   Associate Editor  

    2024年10月 - 現在   

      詳細を見る

    団体区分:学協会

  2. 内閣府中央交通安全対策会議   専門委員  

    2020年4月 - 2021年3月   

  3. 国土交通省交通政策審議会   臨時委員  

    2020年10月 - 2021年5月   

      詳細を見る

    団体区分:政府

  4. 国土交通省 自動車アセスメント評価検討委員会   座長  

    2003年4月 - 現在   

      詳細を見る

    団体区分:政府

  5. 国土交通省幼児専用車ワーキンググループ   座長  

    2023年4月 - 現在   

▼全件表示

受賞 14

  1. 文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)

    2025年4月   衝突における多様な体型及び姿勢の後席乗員保護に関する研究

    水野幸治,趙 雨晴,田中良彦

  2. US Government Special Award of Appreciation

    2023年4月   US Department of Transport  

    Koji Mizuno

     詳細を見る

    受賞区分:国際学会・会議・シンポジウム等の賞 

  3. Society of Automotive Engineers (SAE) Fellow

    2020年12月  

     詳細を見る

    受賞国:アメリカ合衆国

  4. 自動車技術会論文賞

    2024年5月   自動車技術会  

     詳細を見る

    受賞区分:学会誌・学術雑誌による顕彰  受賞国:日本国

  5. 日本機械学会東海支部特別功労賞

    2021年3月   日本機械学会東海支部  

    水野幸治

▼全件表示

 

論文 141

  1. Analysis method for factors influencing pelvis rotation of Hybrid III and THOR dummies during frontal impact 査読有り

    Azuma, T; Zhao, YQ; Mizuno, K; Nagasaka, K; Suzuki, T; Masuda, I

    TRAFFIC INJURY PREVENTION     2025年3月

     詳細を見る

    担当区分:最終著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1080/15389588.2025.2473538

    Web of Science

    PubMed

  2. 車対車前面衝突における車両減速度に対する車体構造部材の寄与度の検討 査読有り

    太田 京伽, 趙 雨晴, 水野 幸治, 長坂 圭

    自動車技術会論文集   56 巻 ( 1 ) 頁: 71 - 76   2025年1月

     詳細を見る

    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: https://doi.org/10.11351/jsaeronbun.56.71

  3. Experimental and finite element analysis of rear impacts on bicycles with child seats 査読有り

    Terashima, T; Miyata, R; Mizuno, K

    JOURNAL OF SAFETY RESEARCH   91 巻   頁: 437 - 446   2024年12月

     詳細を見る

    担当区分:最終著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1016/j.jsr.2024.10.008

    Web of Science

    PubMed

  4. 自動車衝突時における歩行者の傷害低減に有効なブレーキ減速度波形の検討 査読有り 国際共著

    竹田陸人,趙 雨晴,水野幸治,若林亜星,川瀨麻実,細川俊夫,韓 勇

    自動車技術会論文集   55 巻 ( 6 ) 頁: 1271 - 1277   2024年11月

     詳細を見る

    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: https://doi.org/10.11351/jsaeronbun.55.1271

  5. Optimal braking profile to minimize pedestrian ground injury risk during car-to-pedestrian collisions 査読有り

    TRAFFIC INJURY PREVENTION   25 巻   頁: S230 - S232   2024年11月

     詳細を見る

    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    Web of Science

▼全件表示

書籍等出版物 10

  1. 転倒予防白書2023

    水野幸治( 担当: 分担執筆 ,  範囲: 第4章 7. ヒッププロテクタの力学性能評価システムの開発)

    日本医事新報社  2023年3月 

     詳細を見る

    総ページ数:596   記述言語:日本語

  2. 交通外傷―メカニズムから診療まで―

    一杉正仁,西山慶 編( 担当: 共著 ,  範囲: 第6章 交通事故時の挙動と受傷メカニズム(3) 自動車乗員)

    名古屋大学出版会  2020年6月  ( ISBN: 4815809925

     詳細を見る

    総ページ数:268   担当ページ:69-82   記述言語:日本語 著書種別:学術書

  3. 自動車の衝突安全 基礎論

    水野幸治( 担当: 単著)

    名古屋大学出版会  2018年10月  ( ISBN:4815809224

  4. 自動車工学の基礎

    近森順, 森吉泰生, 岡村宏, 北條春夫, 熊谷頼範, 森村浩明, 川口裕, 水野幸治( 担当: 共著 ,  範囲: 第7章)

    名古屋大学出版会  2018年6月  ( ISBN:4815809119

     詳細を見る

    記述言語:日本語 著書種別:学術書

    現代社会に不可欠な自動車には、様々な技術が凝縮されている。本書は基礎科目である機械力学や熱力学などの発展として自動車工学を一貫した形で捉え直し、変わりゆく技術を根底から支える不変のロジックを身につける。工学部生・高専生のみならず、現場の技術者の学び直しにも最適。

    その他リンク: https://www.amazon.co.jp/%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E5%B7%A5%E5%AD%A6%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E-%E8%BF%91%E6%A3%AE-%E9%A0%86/dp/4815809119/ref=sr_1_18?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E5%B7%A5%E5%AD%A6&qid=1563921552&s=gateway&sr=8-18

  5. 汽车碰撞安全

    水野幸治,韓勇,陳一唯( 担当: 共著)

    人民交通出版社  2017年2月  ( ISBN:9791158061975

▼全件表示

MISC 1

  1. ドライブレコーダを用いた四輪車対自転車の出会い頭事故の分析 招待有り

    趙 雨晴,水野幸治  

    自動車技術75 巻 ( 9 ) 頁: 96 - 101   2021年9月

     詳細を見る

    記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)  

講演・口頭発表等 59

  1. Factors influencing pelvis rotation of THOR 50M and THOR 5F during frontal impact 国際会議

    Toshiharu Azuma, Yuqing Zhao, Koji Mizuno, Kei Nagasaka, Idemitsu Masuda

    IRCOBI Conference  2024年9月11日 

     詳細を見る

    開催年月日: 2024年9月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:Stockholm   国名:スウェーデン王国  

  2. FE analyses of the lap belt interactions with the pelvis for diverse occupants in various sitting postures 国際会議

    Yoshihiko Tanaka, Yuya Takeuchi, Yuqing Zhao, Na Yang, Koji Mizuno, Yoshinori Tanaka, Naruyuki Hosokawa

    27th International Technical Conference on the Enhanced Safety of Vehicles  2023年4月5日  US Government

     詳細を見る

    開催年月日: 2023年4月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:Yokohama   国名:日本国  

    その他リンク: https://www-esv.nhtsa.dot.gov/Proceedings/27/27ESV-000092.pdf

  3. 歩行者事故における路面傷害の分析 招待有り

    水野幸治

    インパクトバイオメカニクス部門委員会  2021年12月10日  インパクトバイオメカニクス部門委員会

     詳細を見る

    開催年月日: 2021年12月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

  4. 四輪車対自転車事故のドライバから見た発生要因 招待有り

    水野幸治

    第5回日本安全運転・医療研究会  2021年12月5日 

     詳細を見る

    開催年月日: 2021年12月

    会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:日本安全運転・医療研究会  

  5. 衝突安全の基礎 招待有り

    水野幸治

    第1回自動車工学基礎講座  2021年11月11日  次世代自動車センター浜松

     詳細を見る

    開催年月日: 2021年11月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:ONLINE  

▼全件表示

共同研究・競争的資金等の研究課題 7

  1. ドライブレコーダによる実事故映像を用いた自転車・歩行者事故発生要因の解明

    2017年4月 - 2020年3月

    タカタ財団研究助成 

      詳細を見る

    資金種別:競争的資金

  2. 高齢歩行者死亡事故例における歩行者挙動の解析

    2017年4月 - 2019年3月

    交通科学学会調査研究 

      詳細を見る

    資金種別:競争的資金

  3. 自動車衝突時の安全を考慮した自転車乗員ヘルメットの衝撃保護性能改善に関する研究

    2012年11月 - 2013年10月

    研究助成 交通安全等部門 

      詳細を見る

    資金種別:競争的資金

  4. 自動車の衝突安全に関する研究

    2008年

    国内共同研究 

      詳細を見る

    自動車の衝突時の車体特性や拘束装置と乗員傷害値の相関関係をマルチボディシミュレーションにより明らかにし,乗員保護のための対策の有効性を大規模有限要素解析により検証する.

  5. 三歳児の人体モデルを用いた実安全の向上のためのチャイルドシートに関する研究

    2006年4月 - 2007年3月

    国内共同研究 

▼全件表示

科研費 11

  1. 立位CTと人体有限要素モデルを用いた高齢者の転倒による傷害機序の解明と試験法の構築

    研究課題/研究課題番号:25K01464  2025年4月 - 2028年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    水野 幸治

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:14820000円 ( 直接経費:11400000円 、 間接経費:3420000円 )

  2. 交通事故における自動車コーナー部と衝突した交通弱者の挙動及び傷害メカニズムの解明

    研究課題/研究課題番号:24K07981  2024年4月 - 2027年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    寺島 孝明, 水野 幸治

      詳細を見る

    担当区分:研究分担者  資金種別:競争的資金

    配分額:250000円

    本研究では自動車のコーナー部と歩行者・自転車などの交通弱者の衝突事故を対象とし、事故の低減、被害軽減を進める上で必要不可欠な交通事故実態の解明を行うと共に交通弱者の保護方法を検討する。
    研究では、交通事故統計データを分析し、マクロ的な視点から事故が多く発生する状況などの特徴を明確にする。また、自動車と歩行者・自転車の事故を再現した実車衝突実験、シミュレーション解析を行い、ミクロ的な視点から交通弱者の挙動、自動車及び路面との衝突における傷害発生機序を明らかにするとともに、必要となる保護方法を明確にする。

  3. 自動運転に向けた解剖学を考慮した人体のシートベルト拘束方法に関する研究

    研究課題/研究課題番号:22H01728  2022年4月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    水野 幸治, 田中 良知, 細川 成之, 一杉 正仁

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:13000000円 ( 直接経費:10000000円 、 間接経費:3000000円 )

    自動車衝突時にラップベルトは常に乗員の骨盤前縁に掛かり続けていなければならない.ラップベルトが骨盤の上前腸骨棘から外れると(サブマリン),ベルトが腹部に侵入し,重篤な傷害をもたらす.本研究の目的は「ラップベルトが骨盤を拘束するメカニズムを明確化し,男女別,腹部形状,着座姿勢およびベルト経路を考慮した,サブマリン防止方法を確立する」である.被験者によるベルト着用状態でのCTデータを参照して身体的特徴を再現した個体別人体有限要素モデルを作成する.実際の乗車時や自動運転での多様な姿勢を反映させ,サブマリン発生メカニズムを,有限要素解析およびダミーを用いたスレッド(台車)衝撃実験によって解明する.
    自動車衝突時にラップベルトは常に乗員の骨盤前縁に係合し続けていなければならない.ラップベルトが骨盤の上前腸骨棘(ASIS)から外れると(サブマリン),ベルトが腹部に侵入し,重篤な傷害をもたらす.衝突事故では特に後席においてサブマリンの発生がしばしば見られ,この防止は乗員保護における重要な課題である.本研究の目的は「ラップベルトが骨盤を拘束するメカニズムを明確化し,男女別,腹部形状,着座姿勢およびベルト経路を考慮した,サブマリン防止方法を確立する」ことにある.
    本年度は3次元身体計測データをもとに,有限要素モデルを作成し,このモデルを用いて,様々な姿勢におけるサブマリン発生リスクを検討した.さらにダミーを用いた実験により,サブマリン発生状況を調べた.
    様々な姿勢における4つの体格の人体有限要素モデル(男性低BMI,標準BMI,高BMI,小柄女性)の動的シミュレーションから,サブマリンの発生に対して,モデルや姿勢を横断する変数として「ラップベルトと骨盤のなす角」,「ラップベルトと骨盤のオーバーラップ」,「衝撃時の骨盤の後方回転角」の3つが有意に影響を及ぼすことを特定した.これらの変数の時系列分析から,ラップベルトが骨盤前縁と係合してから,骨盤が回転し,骨盤軟部組織のせん断変形を伴いながら,ラップベルトが骨盤前縁を滑り出すというサブマリン発生メカニズムを明らかにした.今後,サブマリン発生防止のための方策についても検討していく予定である.
    研究成果について,日本語論文1件,国際会議1件,講演会3件の発表を行った.自動車技術会の講演発表については,学術講演会優秀講演賞を受賞した.来年度は,英語による論文投稿を行っていく.
    本研究課題は身体計測,有限要素モデル作成,シミュレーション,実験からなっている.現在までの実施状況を下記に示す.
    (1) 立位型CT装置を用いた被験者によるラップベルト着用状態での3次元CTデータをもとに,身体計測,着座姿勢,骨盤に対するベルトの位置等を調べた.
    (2) このデータを参照して,モーフィングにより人体有限要素モデルTHUMSの軟組織を修正し,低BMI,高BMIの男性人体有限要素モデルを作成した.
    (3) 3つの着座姿勢(標準,リクライニング,スローチング)による4種類の人体有限要素モデル(男性低BMI,標準BMI,高BMI,小柄女性)の動的シミュレーションを実施した.低BMI,リクライニング,スローチング姿勢ではサブマリンが発生しやすいことが明確となった.
    (4) ダミー(前席,後席,リクライニング姿勢,スローチング姿勢)によるスレッド(台車)実験を行った.小柄女性ダミーでは前席リクライニング,後席スローチング姿勢でサブマリンが発生した.男性ダミーではいずれの条件でもサブマリンが発生しなかった.
    今年度はサブマリン発生メカニズムの解明に主眼を置いた.発生メカニズムはほぼ明らかになりつつあり,計画よりも順調に研究を進めることができた.
    今後,実際の乗員のラップベルトの骨盤上の位置,およびサブマリンリスクの状況を把握するため,下記のように研究を進めていく予定である.
    1.事故分析を行い,ラップベルトによる腹部傷害の現状を調べる.
    2.現在の人体有限要素モデルは体幹と大腿部まわりを中心にモーフィングしている.さらに,上肢や下腿などのモーフィングも行い,有限要素モデルの精度を向上させる.サブマリンの発生に影響を及ぼす変数として,「ラップベルトと骨盤のなす角」,「ラップベルトと骨盤のオーバーラップ」,「衝撃時の骨盤の後方回転角」の3つを特定したが,さらに,これらの変数のサブマリン発生に対する閾値ないしは発生確率を求める.ベルトアンカー位置,ベルトデバイス,エアバッグ,シート座面形状を変えてシミュレーションを実施し,サブマリン防止のための設計指針を得る.
    3.実際の乗車時にはラップベルトが人体の骨盤に装着され続けているとは限らない.乗員は様々な乗車姿勢を取るとともに,ラップベルトには巻き込みのためのベルト張力が加わり続けるので,骨盤に対するベルトの位置は動的に変化しうる.ベルトの装着位置の時間推移を調べるため,被験者の目的地までの乗車において,ベルトと骨盤の位置関係の時間変化を計測する.被験者の性別,年齢,体格,およびベルト装着位置の指導の有無で比較して,統計分析を行う.

  4. 自動運転に向けた解剖学を考慮した人体のシートベルト拘束方法に関する研究

    研究課題/研究課題番号:23K22996  2022年4月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    水野 幸治, 田中 良知, 細川 成之, 一杉 正仁, 趙 雨晴

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:13000000円 ( 直接経費:10000000円 、 間接経費:3000000円 )

    自動車衝突時にラップベルトは常に乗員の骨盤前縁に係合し続けていなければならない.ラップベルトが骨盤から外れると(サブマリン),ベルトが腹部に侵入し,重篤な傷害をもたらす.将来の自動運転における自由な着座姿勢も考えると,衝突においてサブマリンの防止は乗員保護における重要な課題である.
    本研究では,被験者の立位CTからベルトと骨盤の位置関係を求め,さらに,実車での着座姿勢,ベルトの位置を調べる.さらに,CT画像を基に人体有限要素モデルを構築する.これにより,ラップベルトが骨盤を拘束するメカニズムを明確化し,男女別,腹部形状,着座姿勢およびベルト経路を考慮した,サブマリン防止方法を確立する.
    国際的に自動運転に向けて,自由な着座姿勢に対する乗員の拘束方法が研究されている.それにともない,後席も含めたラップベルトによる骨盤の拘束方法が大きな課題となっているが,いまだに解は見出されていない.本研究は,「後席乗員の実際の着座状況はどのようなものか」「ラップベルトと骨盤の初期位置,衝突時にラップベルトが骨盤を動的にどのように係合するか,なぜベルトの骨盤からのはずれ(サブマリン)が発生するのか」というベルトと骨盤の相互作用に関する基本的な問い,さらに,「この相互作用が各自の解剖学的特徴,シートベルトの幾何学的特性,シートの特性などによってどのように影響を受けるのか」という問いからなる.
    これらの問いに対して,サブマリンの発生メカニズムに関して,人体モデルを用いた有限要素解析による後席乗員の衝撃シミュレーションをもとに,サブマリンが骨盤の後方回転およびラップベルトと骨盤前縁のラップ率によって記述できることを明らかにした.
    さらに,50名からなるベルト着用状態での着座CTデータを用いて,ベルトの骨盤との係合,骨盤の姿勢に関して,ヒップポイント位置とシートバック角度が大きな影響を与えることを示した.また,後席乗員の着座状況を調べ,時間とともに骨盤角が推移するという結果を得た.
    CTデータをもとに,人体有限要素モデルの形状モーフィングを行い,標準体格男性に加えて,低BMI,高BMIの人体モデルを作成した.これらのモデルをリクライニング姿勢,スローチング姿勢で着座させ,サブマリン発生を着座時の骨盤角とベルトオーバーラップによりモデル化した.
    これらの結果は,英語審査論文(2編),日本語審査論文(2編)として公表した.うち1編はその内容の新規性が認められ,自動車技術会論文賞の受賞に至った.
    研究開始から,男女別の身体計測,姿勢別,サブマリンの発生状況を検討してきた.研究の一つの課題である実際のベルトの骨盤への係合状況の解明については,被験者のCTによる基礎データを分析したのち,被験者の実車の後席を用いた計測,走行中の着座姿勢の変化を調べている.これにより,ベルトと骨盤の係合が,骨盤の後傾姿勢とヒップポイント(大転子位置)によって表すことができること,これが着座時間により変化することが明確になる等,重要な知見が得られ,順調に推移している.
    もう一つの課題は,様々な体格や姿勢の乗員に対してサブマリンを表現する変数の明確化である.CTデータを基に低BMI,標準BMI,高BMIの男女の人体有限要素モデルを作成して,後席に着座した状態で減速度場を与え,様々な姿勢下でサブマリン発生を調べた.様々な体格や姿勢を取る人体についてサブマリンの発生確率を求めることができた.発生確率はベルトのアンカー位置やプリテンショナーなどで変わることも明確になり,設計への方向性も得られた.
    このように本研究は,様々な体格と姿勢の乗員に関するサブマリンの発生の機序明確化と防止に向けた対策を考慮した設計方法の提案に向けて順調に推移している.
    男女被験者について,さらに人数を増やし,実車を用いて実際の着座姿勢およびシートベルトの装着位置について計測する.また,走行中の着座姿勢の変化について映像と共に,特に,骨盤の角度をモニターし,サブマリン発生リスクの時間推移を調べる.また,立位CTによる撮影も進め,高齢者の立位姿勢における脊椎の姿勢についても調査する.
    昨年度作成した低BMI,標準BMI,高BMIの男性の人体有限要素モデルに加えて,モーフィング手法を用いて女性の高BMI,低BMIの人体モデルも作成する.この一連のモデル作成により,様々な体格,着座姿勢を取る乗員に対する前方衝撃(50 km/h)について有限要素解析を行うことが可能となる.現在,国際的な課題となっている女性の方がサブマリンが発生しやすい要因を検討する.また,現在,衝突実験で用いられているHybrid III 50M, 5F, 及びTHOR 50M, 5Fの有限要素モデルについても衝撃シミュレーションを行い,人体モデルと骨盤の後方回転メカニズムの比較を行う.
    有限要素解析から求めたサブマリン発生を支配する変数を,実測から得たベルト装着位置データに適用し,様々な体格や姿勢を取る人体についてサブマリンの発生確率を求める.シートパン形状,シートクッションの剛性,ラップベルトのアンカー位置,プリテンショナーなどの設計変数を変更し,骨盤の後方回転を低減するための方法を求める.これにより,本研究の最終目的であるベルトの骨盤からの滑りを防止するためのシートベルトシステムの設計指針を提案する

  5. 自動運転に向けた四輪車対自転車事故の統合安全に関する研究

    2019年4月 - 2022年3月

    科学研究費補助金  基盤研究(B)

    水野幸治

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

▼全件表示

 

担当経験のある科目 (本学) 33

  1. Vehicle Safety (G30)

    2020

  2. ヒューマンシステム工学特論

    2020

  3. 自動車工学

    2019

  4. 力学II

    2018

  5. ヒューマンシステム工学特論

    2016

▼全件表示

担当経験のある科目 (本学以外) 2

  1. 自動車技術会基礎講座衝突安全

    2010年4月 - 現在 自動車技術会)

  2. Crash Safety

    2009年4月 - 2010年3月 湖南大学(中国))

 

社会貢献活動 5

  1. 交通環境業務担当者研修

    役割:講師

    日本自動車連盟  2025年2月

  2. 静岡市立高校学部学科説明会

    役割:講師

    静岡市立高校  2024年10月

     詳細を見る

    対象: 高校生

    種別:出前授業

  3. むちうち症の生体力学的考察―新しい着眼点を踏まえた再整理―

    役割:講師

    日弁連交通事故相談センター 愛知県支部  研修会  2023年11月

  4. 上田高校課題研究入門講座

    役割:講師

    上田高校  上田高校課題研究入門講座  2020年8月

  5. ドライブレコーダを活用した自転車事故分析

    役割:講師

    中部運輸局  自動車事故防止セミナー  2019年1月

メディア報道 16

  1. JAFユーザーテスト 側面からの衝突!チャイルドシートの安全性 会誌・広報誌

    JAFメディアワークス  JAFMate  2025年1月

     詳細を見る

    執筆者:本人以外 

  2. "脳挫傷"危険…電動キックボード摘発 テレビ・ラジオ番組

    テレビ西日本  記者のチカラ  2024年9月

     詳細を見る

    執筆者:本人以外 

  3. 「チャイルドシート」身長低い大人も必要? 着用目安が身長150cm未満に引き上げ テレビ・ラジオ番組

    日テレNEWS NNN  https://news.ntv.co.jp/category/society/97854f03aaf0440ca044feb3a46f6f9a  2024年9月

     詳細を見る

    執筆者:本人以外 

  4. 小学生はチャイルドシート必要? 身長引き上げに反響、どう考える 新聞・雑誌

    朝日新聞デジタル  https://digital.asahi.com/articles/ASS9B162LS9BOXIE00XM.html?ptoken=01J7NGBXMJS4EZTYTA8GV8J59W  2024年9月

     詳細を見る

    執筆者:本人以外 

  5. 「身長150㎝未満」の大人はどうする?シートベルト、座る席に注意 新聞・雑誌

    朝日新聞デジタル  https://www.asahi.com/articles/ASS9B1JG4S9BOXIE019M.html  2024年9月

     詳細を見る

    執筆者:本人以外 

▼全件表示