科研費 - 湯川 宏
-
電子密度分布に基づく水素貯蔵材料の統一的理解と量子材料設計
2005年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 基盤研究(S)
森永正彦
担当区分:研究分担者
原子間の凝集機構の新しい表現法を開拓し、水素関連材料の材料設計のための知見を得ることを目的に計画。これまでに、水素貯蔵材料の電子密度分布の解析を行い、原子間の化学結合の普遍的な関係があることを見出した。また、ペロブスカイト型水素化物MMgH3(M=Na, K, Rb)を合成し、その脱水素化反応を明らかにした。さらに、エネルギー密度解析により、水素化物中の水素の原子化エネルギーを求め、原子間の化学結合を定量的に評価している。
-
金属化合物の電子密度分布からみた化学結合の成り立ちと凝集機構の新しい表現
2002年4月 - 2005年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
担当区分:研究分担者
-
限界電流法による新しい水素透過能センシングデバイスの開発と5A属金属膜の特性評価
2002年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金
湯川 宏
担当区分:研究代表者
水素透過膜合金の基本特性である水素透過能を、直接かつ高精度に測定するための新しい水素透過能センシングデバイスの開発を行った。本装置は、Na-OHとK-OHの溶融塩電解質と水素透過膜の電極からなる電気化学セルで構成されている。純PdおよびV-Ni合金の水素透過能測定を行い、その有用性を確認するとともに、種々の4d遷移金属元素を添加したNb-M二元系合金について水素透過能の測定を系統的に行い、Nbの水素透過能に及ぼす合金元素の影響を明らかにした。
-
軽元素修飾による局在量子構造と材料設計
2000年4月 - 2005年3月
科学研究費補助金 特定領域研究
担当区分:研究分担者
-
分子軌道法による水素吸蔵合金の水素占有サイトの解析とそれに基づく合理的材料設計
2000年4月 - 2002年3月
科学研究費補助金 奨励研究(A)
湯川 宏
担当区分:研究代表者
水素吸蔵合金中の水素の占有状態を明らかにするために、種々の水素吸蔵合金中の水素の電子状態を計算した。一連の計算により、既存の水素吸蔵合金には、原子間の結合次数の比と化学組成の間に関係があることが明らかになった。さらに、低水素圧PCT装置を開発し5A族金属であるBCC型バナジウム系合金の水素化特性に及ぼす合金効果を系統的に調べた。
-
電子論による水素吸蔵合金の理論的な特性予測とそれに基づく新合金の設計と開発
1998年4月 - 2000年3月
科学研究費補助金 奨励研究(A)
湯川 宏
担当区分:研究代表者
種々の水素吸蔵合金の電子状態をDV-Xα分子軌道法により計算し、特に水素が入る小さな金属多面体に注目して原子間の化学結合の解析を行った。一連の計算より、水素吸蔵合金の安定性は、水素化に伴う結晶構造の変化と水素の周りの原子間の化学結合によって統一的に理解できることを明らかにした。
-
プロチウム障壁成長コントロール因子の解明で実現する高耐久集合組織制御型水素分離膜
研究課題/研究課題番号:21H01658 2021年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
南部 智憲, 松本 佳久, 湯川 宏, 戸高 義一, 小俣 香織
担当区分:研究分担者
Pd触媒を表面に被覆したV系合金膜は水素分離膜として優れた機能を発揮するが、運転中に分離性能が徐々に低下し、やがては機能喪失するという深刻な問題を抱えている。本研究では表面Pd触媒とV基材との界面に形成されるプロチウム拡散の障壁を機能喪失の主要因として捉え、V基材の結晶方位に依存して変化するプロチウム障壁の成長メカニズムを解明し、結晶方位制御に基づいた高耐久性Fe添加V合金膜の設計へと展開する。高圧ねじり(HPT)加工が創り出すナノ結晶組織を敢えて再結晶化させる逆転の発想により、圧延加工では製造不可能な優先方位(110)集合組織に配向させる新規組織制御技術を創出し、V系合金膜の長寿命化を図る。
-
ハイドロジェノミクス:高次水素機能による革新的材料・デバイス・反応プロセスの創成
2018年4月 - 2022年3月
文部科学省 科学研究費助成事業 新学術領域研究
担当区分:連携研究者 資金種別:競争的資金
-
希土類化合物の化学結合のエネルギー表現と水素貯蔵材料設計への応用
研究課題/研究課題番号:16K06711 2016年4月 - 2019年3月
森永 正彦
担当区分:研究分担者
変化に富む物性を示す希土類化合物(酸化物、ホウ化物など)の電子構造を計算し、原子化エネルギーを用いて化学結合を表すことを試みた。原子化エネルギーの考え方を水素貯蔵材料の探索に応用し、非金属元素を含む新規なマグネシウム化合物を設計した。希土類金属のガドリニウム(Gd)を含むMg-Gd-Si系合金において、その水素化物がMgH2とGdH2に分相しないマグネシウム化合物があることを見出した。分相しないことにより脱水素化反応も起こりやすくなるので、ケイ素(Si)は、水素貯蔵マグネシウム合金にとり有用な非金属元素である。
希土類化合物の化学結合を基に、現在の重要課題である水素貯蔵材料の開発への新しい設計指針を提案している。電子レベルからの合金設計は、水素貯蔵材料にも有用である。 -
高圧アロトロピー組織制御による水素分離膜の創製と低温作動シナジー合金膜への応用
研究課題/研究課題番号:15H04148 2015年4月 - 2018年3月
松本 佳久
担当区分:研究分担者
高圧アロトロピー組織制御で薄膜化した5族水素分離膜の創製とシナジー効果による低温作動合金膜の耐水素脆性改善を行うため,水素透過性能評価に加えて水素環境中におけるin-situ SP(C)試験による延性-脆性遷移水素濃度解析と耐久性評価,超微細結晶粒による特異な物性の発現機構の解明を目指して研究を展開した。
その結果,5族金属にHPT加工を施すことで平均結晶粒径は数100nmとなり,超微細結晶組織が形成されることを確認した。また熱処理によって,ランダム粒界の存在比が増えていくが水素透過係数は粒径依存性が見られることから,結晶粒界が水素の高速拡散経路として機能している可能性がある。 -
水素透過金属膜における新パラダイムの構築と低温作動型合金膜の最適設計への展開
研究課題/研究課題番号:15H04144 2015年4月 - 2018年3月
湯川 宏
担当区分:研究代表者
配分額:16640000円 ( 直接経費:12800000円 、 間接経費:3840000円 )
本研究では、水素透過金属膜の分野に、『水素の化学ポテンシャルに基づく新しい学術体系』を構築することを目的に、水素溶解特性と水素拡散性に及ぼす諸因子の影響を「水素透過能の統一的表現」に基づいて定量的かつ系統的に整理した。
Pd系合金膜で見いだされた低温域での水素透過能の特異な温度依存性の起源を、新たな視点から解明するとともに、水素透過能と耐水素脆性に優れた低温作動型のV系合金を設計するための指針を示した。
新たに設計したV-Fe合金は、300℃の低温でも水素脆化することなく、PdあるいはPd系合金膜の5~10倍の高い水素透過流束を1000時間以上にわたって安定して維持した。