科研費 - 榎本 篤
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間葉系幹細胞特異的マーカーを利用した糸球体腎炎の病態解明と新規細胞治療法の開発
研究課題/研究課題番号:17H04186 2017年4月 - 2020年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
丸山 彰一, 榎本 篤, 秋山 真一, 坪井 直毅, 勝野 敬之
担当区分:研究分担者
私たちはMesenchymal stem cell;MSCを未分化な状態に保つ働きがある分子Meflinに着目し、MeflinがMSCに特異的に発現することを見出した。本課題ではMeflinに着目し糸球体腎炎発症時のMSCの病態を解明し新規治療開発につなげることを目的とした。
正常腎や腎炎をおこした病気腎におけるMeflinの発現量と局在を検討した。正常腎でもMeflinの発現は間質や糸球体門部に見られるが、炎症をおこした後は糸球体周囲にもMeflinの発現が上昇していることを確認した。
またMeflinレポーターマウスを用いて糸球体腎炎の発症過程におけるMeflin陽性細胞の挙動を観察した。
本研究は特異的マーカー分子を用いてMSCの体内動態を解明する点に学術的な意義があると考える。また、未分化状態を保つはたらきがある分子Meflinに着目して検討を進める点に独創性もある。本研究では糸球体腎炎における各種MSCの動態および作用について検討するが、将来的には他の臓器障害にも一般化できる可能性が高い。
本研究で得られたMeflinの糸球体腎炎発症時の挙動は非常にユニークであり、今後の腎炎発症メカニズムの解明のみならず、腎炎治療ひいては炎症性疾患全般における治療戦略の足掛かりとなる可能性がある。 -
カドヘリン特異的エンドサイトーシスによる癌細胞の集団的移動の制御機構と意義の解明
研究課題/研究課題番号:15H04719 2015年4月 - 2018年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
榎本 篤
担当区分:研究代表者
配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )
個体発生や癌の浸潤において多くの細胞は集団を形成して移動することが知られており、「細胞の集団的移動」と呼ばれている。本研究では、神経芽細胞の集団的移動に必須であるアクチン結合分子Girdinが癌細胞の集団的移動にも重要な分子である可能性について検証した。Girdinの新規結合分子としてβ-cateninを同定し、本分子複合体が癌細胞の集団的浸潤に重要であることを複数の実験モデルを用いて証明した。また皮膚癌の病理組織標本を用いた検証では、Girdinの発現はβ-cateninや細胞間接着分子E-cadherinの発現レベルと相関を示し、Girdin複合体の生物学的意義を示唆する結果であった。
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カドヘリン特異的エンドサイトーシスによる癌細胞の集団的移動の制御機構と意義の解明
2015年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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Girdinファミリー分子の機能と精神神経疾患・がんの病態形成における役割
研究課題/研究課題番号:26221304 2014年5月 - 2019年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S)
高橋 雅英, 榎本 篤, 浅井 直也
担当区分:研究分担者
Aktキナーゼの新規基質タンパク質であるGirdinとそのファミリー分子Dapleの機能解析を進め、精神神経疾患、がんの進展における役割ついて解明を行った。Girdinは海馬神経細胞のシナプス形成と長期記憶に関与すること、がんにおいてはアクチン細胞骨格の再構成を通じて、がん細胞の集団移動に重要な役割を果たすことを示した。
Dapleノックアウト(KO)マウスの解析により、Dapleは脳室上衣細胞の繊毛の極性に重要であり、KOマウスでは繊毛の運動能の異常により水頭症が発症した。さらに、DapleはWntシグナルの活性化に関わり、胃がんの浸潤・転移を促進することを明らかにした。
細胞運動は発生過程における形態形成、生後の組織修復、免疫反応、血管新生、がんの浸潤・転移といった様々な生理的、病理的現象に重要な役割を果たしている。本研究においてわれわれが細胞運動に重要な機能を有する分子として発見したGirdinおよびDapleの精神神経疾患、がんの進展における役割とその分子機構を明らかにした。今後これらの知見をもとに疾患の新規治療法の開発に貢献する。 -
エンドサイトーシスの特異的制御機構とがん・精神疾患の分子病態
2012年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 若手研究(A)
担当区分:研究代表者
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細胞の集団的移動と接触阻害の分子メカニズムの解明
2011年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)
担当区分:研究代表者
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新生仔期及び成体における神経新生のメカニズムと精神機能の分子病態
2009年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 若手研究(A)
担当区分:研究代表者
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新規Akt基質Girdinとそのファミリー分子の腫瘍浸潤および発生における役割
2006年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金 若手研究(A)
担当区分:研究代表者
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腎臓と神経の発生及び再生に関与する遺伝子の探索及びその機能の解明
2003年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者