科研費 - 中村 泰之
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理数系eラーニングにおけるペン入力データと視線データによるマルチモーダル解析
研究課題/研究課題番号:23K17589 2023年6月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
中村 泰之
担当区分:研究代表者
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
理数系分野のオンラインテストの解答データは、立式、計算、検討などの思考過程を経て得られた「解答結果」であるので、解答に至るまでの「思考過程」を分析することが重要である。これまで申請者が実施してきた、どのような誤答を経て正答に到達したのかという「解答過程」の分析を踏まえ、本研究では、問題文をどう解釈しているかを視線データにより明らかにし(問題解釈の分析)、どのように解法を適用しているかをノートに記述したペン入力データにより明らかにする(解法適用の分析)ことによる、マルチモーダルなラーニングアナリティクス(LA) の手法を確立し、それにより「思考過程」を明らかにすることを目的とする。
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数学eラーニングのためのマルチモーダルな数式入力UIの研究と学習支援環境の構築
研究課題/研究課題番号:23H01027 2023年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
福井 哲夫, 川添 充, 吉冨 賢太郎, 白井 詩沙香, 中村 泰之
担当区分:研究分担者
教育DXが進められる中,数式の取り扱いが障壁となり,十分に活用できない状況にある。我々は,この問題を解決するため,仮名漢字変換のように候補を提示して入力できるキーボードベースの数式入力インタフェースの開発に成功した。しかし,超スマート社会に向け,数式入力手段も場面や目的に応じた多様な選択肢を提供する必要がある。そこで,本研究の目的は.数学教材を作成する教育者だけでなく,数学知識をデジタルに記録する生徒・学生・一般人のためにキーボード,タッチスクリーン,音声入力などマルチモーダルな数式入力UIにより数学文書編集やオンラインコミュニケーション機能を備えた数学eラーニング環境を実現することにある。
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遠隔授業に対応したアクティブラーニング型物理学実験テーマの教育効果測定指標の開発
研究課題/研究課題番号:23H00976 2023年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
千代 勝実, 安田 淳一郎, 大薮 進喜, 古澤 彰浩, 小西 哲郎, 中村 泰之, 齋藤 芳子, 伊東 正人
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
大学教育において、理系実験教育ではリソース不足や過去との連続性などから、アクティブラーニング型の授業開発や教育効果測定のための指標開発が遅れている。
そこで、(1)物理学実験の個々のテーマの教育効果測定を客観的・定量的に行うことができる標準テストの開発、およびそれをもとにした(2)対面・遠隔型授業に適応したアクティブラーニングと呼ぶにふさわしい実験テーマの開発を行う。 -
教育DXによる理数の学びシステムの開発と評価:学びの質の変革を目指して
研究課題/研究課題番号:22H00085 2022年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
安野 史子, 根上 生也, 川添 充, 西村 圭一, 寺崎 一郎, 中村 泰之, 菅原 義之, 中川 正樹
担当区分:研究分担者
本研究は,理数教育において,デジタルの特性を活かしたデジタル教材(評価問題を含む)を学びの中に取り入れ,リアル空間(人間の思考を含む)とデジタル空間の融合となる「学びのシステム」を設計,実装し,このシステムを利用した実践を通して,性能の評価までを行い,子どもたちの探究的な学びや創造的な学びの促進,強化,向上を目指す。最終的には,このシステムを用いた実践を通し,授業設計も含めた学びの質的変革を目指す。
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解答過程解析を中心とする理数系eラーニングの分析・設計・運用に関する総合研究
研究課題/研究課題番号:21H04412 2021年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
中村 泰之, 川添 充, 吉冨 賢太郎, 樋口 三郎, 宮崎 佳典, 福井 哲夫, 白井 詩沙香, 谷口 哲也, 市川 裕子
担当区分:研究代表者
配分額:40820000円 ( 直接経費:31400000円 、 間接経費:9420000円 )
数式処理と連動し、数式で入力された解答の自動採点システムが普及しつつあり、理数系のeラーニングにも様々な可能性が出てきているが、その運用は担当者の経験に基づいて模索が続けられている。本研究は、数式自動採点システムを核とした理数系eラーニングを実施する教員のよりどころとなる、理数系eラーニングの運用モデルの構築を目的とする。その目的達成のため、どのような誤答を経て正答に到達したのかに着目した(I)詳細な解答過程の分析により学習者の理解過程を明らかにし、その基盤の上で、到達目標達成のための適切な(II)理数系eラーニングの授業設計、および(III) 効率的な運用の実現の3項目について取り組む。
数式処理と連動し、数式で入力された解答の自動採点システムが普及しつつあり、理数系のeラーニングにも様々な可能性が出てきているが、その運用は担当者の経験に基づいて模索が続けられている。本研究では、数式自動採点システムの利用を核とした理数系e ラーニングを始めようとする教員がよりどころとすることのできる、理数系e ラーニングの運用モデルの構築を目的とする。その目的達成のため、どのような誤答を経て正答に到達したのかに着目した(I)詳細な解答過程の「分析」により学習者の理解過程を明らかにし、その基盤の上で、到達目標達成のための適切な(II)理数系eラーニングの授業「設計」、および(III)効率的な「運用」の実現の3項目について総合的に取り組む。研究期間を3段階のフェーズに分け、最初の段階の2021~2022年度は、既存の学習データを元に、計算過程のペン入力データの解析も含む、解答過程を解析するための方法論を確立し、学習者の理解過程を明らかにすることを目的としていた。
【PRTを活用した解答過程解析手法の確立】理数系eラーニングシステムとして、STACKを用い、その数式解答処理機構であるポテンシャル・レスポンス・ツリー(PRT)を活用した解答過程解析手法の確立に取り組んだ。今年度の成果としては、有向グラフを用いた解答過程の可視化を行った。
【計算過程が記された手書きノートを利用した学習データ解析法の探究】STACKの解答提出の際、デジタルペン入力による手書きノートを提出することのできるプラグインを用いて、データ収集のための被験者実験を行い、ノートのログデータ解析法の探究を行い、項目反応理論を用いることで、ノートのデータから得られた問題の難易度、学生の能力値との関係を確認することができた。
欧米での数式自動採点システム利用視察を予定していたが、コロナ禍による渡航制限のため、2021年度はそれが実現しなかった。2022年度においても、訪問先との調整ができず、国際会議の中での研究交流にとどまり、十分な視察を行うことができなかった。
研究期間全体の計画は次のとおりである。3段階のフェーズに分け、(I)2021~2022年度は,既存の学習データを元に、計算過程のペン入力データの解析も含む、解答過程を解析するための方法論を確立し、学習者の理解過程を明らかにする。その結果を基盤として、(II)2023 年度~2024 年度で、到達目標に応じた効果的なオンラインテストのデザインとそれを組み込んだeラーニング設計の指針を明確にし、(III)最終年度までに設計されたeラーニングを効率的に運用するための支援システムの開発を行う。
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(I)に関連して、初年度じゅうぶんに実施できなかった、欧米での数式自動採点システム利用視察を行い、数式自動採点オンラインテストの問題の特徴、実施方法、運用体制などについて、視察を行うと同時に、最新の機能拡張についても意見交換を行う。また、(II)に関連して、オンラインテスト問題仕様MeLQS による問題の標準化、教材と連携したオンラインテストの問題の整備・蓄積、eラーニング設計の検討を行う。そして、(III)に関連して、問題開発者のためのオーサリング支援システムの整備、学習者のための数式入力支援システムの整備、システムの利用モニター調査、シンポジウムの企画・開催を行う。 -
ペン入力データと解答過程を考慮したハイブリッド型学習データ解析手法に関する研究
研究課題/研究課題番号:19K21758 2019年6月 - 2021年3月
科学研究費補助金 挑戦的研究(萌芽)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
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解答過程解析を基盤とした数式処理連動型理数系eラーニングの運用モデルに関する研究
研究課題/研究課題番号:18H01069 2018年4月 - 2022年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:15860000円 ( 直接経費:12200000円 、 間接経費:3660000円 )
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アクティブラーニング型初年次物理学コースデザインと標準テストによる効果検証
研究課題/研究課題番号:18H01065 2018年4月 - 2022年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
千代 勝実, 安田 淳一郎, 大薮 進喜, 古澤 彰浩, 小西 哲郎, 中村 泰之, 齋藤 芳子, 伊東 正人
担当区分:研究分担者
15回の授業を通して体系的に教育効果を高めるための大学初年次物理学コースをデザインした。既存のコースを小単元に分解し、アクティブラーニング型授業で再構成し、また、能動的に参加する講義実験を開発し、学生の理解度と定着度を高めた。また、コースデザイン改善のためのPDCAサイクルを構築し、コースの評価と検証を行った。これらにより、学生の入学時の準備状況と教育効果の相関を評価した。
これまでの大学初年次物理学教育では、講義と比較して、実験はアクティブラーニングとしての改善があまりなされてこなかった。そこで、講義で行う物理学実験を軸に、アクティブラーニングとしての効果を最大限に高めるための15回の授業コース設計を行い、また教育効果を測定した。個々の授業内活動だけではなく、コース全体としての教育効果に焦点を当てたことに高い教育的意義がある。 -
ペン入力を活用したオンライン学習システムの開発と学習行動のミクロデータ解析
研究課題/研究課題番号:17K18625 2017年6月 - 2020年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
中村 泰之, 高遠 節夫, 金子 真隆
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
オンラインテストで,解答として数式を入力する形式のシステムが注目され,数式自動採点が可能となってきた。しかし,自動採点の対象となるのは,学生が思考した結果としての解答のみであり,その解答が誤答であった場合,どこで躓いているかを十分に把握することは困難であった。そこで,本研究では解答だけでなく,計算過程など,解答に至る思考過程を記述した手書きノートを提出する仕組みを構築することを目的とし,最終的に,手書きノートを写真撮影したもの,あるいはタブレット上での手書きノートを提出する仕組み,および,タブレット上での手書きノート作成では,ノートの筆記ログを蓄積することのできる仕組みを構築した。
オンラインテストで自動採点の対象となるのは,学生が思考した結果としての解答のみであり,思考過程までを十分に把握することは困難であった。本研究では解答だけでなく,計算過程など,解答に至る思考過程を記述した手書きノートを提出する仕組みを構築することにより,より詳細な学習者の理解を補助する仕組みを提供することができたことが学術的意義である。また,手書きノートの筆記ログを蓄積することにより,学習者の特性を把握することができ,熟達した教師であればノートを見ることによって把握できた学習者の特性をデータから推測することにより,経験の浅い教師への補助とし期待することができることが社会的意義と言える。 -
高大接続に資する多面的評価のためのタブレット端末を用いたCBTの総合的研究
研究課題/研究課題番号:17H00822 2017年4月 - 2022年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
安野 史子, 中川 正樹, 伊藤 仁一, 西郡 大, 西村 圭一, 根上 生也, 木村 拓也, 林 篤裕, 中村 泰之, 島田 康行, 中村 直人
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
本研究では、タブレット端末を用いたCBAのためのデジタル問題項目開発、システム構築、調査実施から評価までの一連の作業を行い、特に、紙筆テストでは測定できないが、CBTでは測定可能な能力へと拡張することを目指す。問題項目は高等学校学習指導要領の枠組みで開発し、紙ベースのものをデジタル化したのではなく、動画やインタラクティブな動的オブジェクトなどを含む革新的な問題である。これらの作業の結果、得られた主な知見は以下の通りである。紙ベースの問題では評価できない数学や理科の能力を評価することを可能とし、CBAのためのデジタル問題を数学と理科とも同じ視点で四つに分類することが提案できた。
国内外において、テストのCBT化が進む中、紙ベースのものをデジタル化したのではなく、動画やインタラクティブな動的オブジェクトなどを含む革新的な問題を具備したCBTの総合的研究は、CBT導入検討のためには必須の事項であり、極めて重要かつ喫緊のものと考えられる。本研究で得られた知見は、特にわが国に相応しいものであり、これまで測定してこなかった、またはペーパーテストのみでは測定しにくかった評価についての新たなシステム基盤であり、今後の参考になるものと確信している。そのため、本研究のアウトリーチ活動として,開発問題の一部を書籍として公開する。 -
数学eラーニングコンテンツの標準化による異種システム間連携とクラウドサービス化
研究課題/研究課題番号:16H03067 2016年4月 - 2020年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
谷口 哲也, 川添 充, 吉冨 賢太郎, 白井 詩沙香, 福井 哲夫, 中村 泰之
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
数学オンラインテストの問題コンテンツを異種システム間で相互利用する際,非互換性が障壁となる。この問題を解決するために,我々は,これまでに問題生成や解答判定の流れをシステムに依存しない統一的な標準仕様で記述する方針を採択した。本方針における標準仕様をMeLQSとして策定し,仕様書の作成を支援するツールを開発してきたが,本研究では新たに,仕様書から数学オンラインテストシステムの一つであるSTACKの問題への変換までを行なうことが可能な環境を構築し,線形代数の問題を題材としてMeLQSの実用性を確認することができた。
異種システム間での問題共有のための一つの方法として,問題コンテンツの標準仕様を策定し,その仕様に基づいて問題を作成した後,それぞれのシステム用のフォーマットでエクスポートするという着想を得て,数学オンラインテストのためのコンテンツの標準仕様“Mathematics e-Learning Question Specification, MeLQS”として提案した。MeLQSに準拠したコンテンツを開発することにより,異種システム間での問題共有が可能となり,コンテンツ開発の労力を軽減できる。さらに,異種システムの開発者コミュニティ間の交流が生まれ,数学eラーニングの活用が促進されると期待している。 -
経験知とアルゴリズムの融合による数学オンラインテスト解答候補ツリーの自動生成
研究課題/研究課題番号:15K12377 2015年4月 - 2017年3月
科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
中村 泰之, 吉冨 賢太郎
担当区分:研究代表者
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
数式の正誤評価が可能なオンラインテストにおいて,学生から提示された様々な解答に対して柔軟に対応し,適切なフィードバックを与えることができる機能を提供できるように,想定される解答候補を効率的に生成する仕組みを構築することは重要な課題である。我々は,数学オンラインテストSTACKを活用して,典型的な問題のプロトタイプを作成し,そこから機械的なアルゴリズムにより構築された解答候補ツリーとしてのポテンシャル・レスポンス・ツリーに,教師の豊富な教育経験に基いて得られた知見としての経験知をもとに修正し,適切なものを構築していくことが,アルゴリズムと経験知の最も効率的な融合であることを見出した。
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数学オンラインテストの解答過程追跡型学習データ解析を基盤とした知識構築のモデル化
研究課題/研究課題番号:26282033 2014年4月 - 2018年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
中村 泰之, 亀田 真澄, 吉冨 賢太郎, 谷口 哲也, 深澤 謙次, 安武 公一
担当区分:研究代表者
配分額:14820000円 ( 直接経費:11400000円 、 間接経費:3420000円 )
eラーニングのオンラインテストの中の,近年利用が増加してきた数式自動採点システムのさらなる普及と,そのシステムに蓄積されたデータを元にした学生の,知識獲得のモデル構築を目的として研究を行った。まず,数式自動採点システムのさらなる普及のために,従来から指摘されてきた数式入力の改善を行った。具体的には,スマートフォンなどのデバイスでも数式入力を容易に行うことのできる,フリック入力方式を応用した数式入力インターフェースを開発した。また,知識獲得のモデル構築としては,オンラインテストで得られた解答データを元にして,学生の理解度をベイジアンネットワークを活用して推論を行う仕組みを提案した。
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自然科学系eラーニングシステムのためのオンラインテスト用問題バンクの進化的構築
研究課題/研究課題番号:25350353 2013年4月 - 2016年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
谷口 哲也, 中村 泰之
担当区分:研究分担者
数学オンラインテストシステムの一つである STACK の,テスト用の問題を共有するシステム Mathbank を構築した。Mathbank にアカウントを持つユーザが,STACK の問題を登録(アップロード),利用(ダウンロード)することができる,問題バンクとしての機能を実現した。現在,約 200 題の問題が蓄積されている。Mathbank にアカウントを持たないユーザでも蓄積された問題を練習問題として解くこともでき,受験データを蓄積することのできる仕組みを導入した。蓄積された受験データを元にして,項目反応理論を利用することによる,問題の難易度を定期的に自動判定する機能を追加した。
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一般教養としての自然科学教育のためのマルチメディアを利用した遠隔教育システム
研究課題/研究課題番号:12040221 2000年
科学研究費助成事業 特定領域研究(A)
中野 裕司, 中村 泰之
担当区分:研究分担者
自然科学教育において実験を行うことは、自然現象を具体的に色々な側面から認識することができ、その理解をたすける。ところが、特に一般教養としての自然科学に関する講義では、実験は行われないか教官の演示実験にとどまり、受講者自身が実験室で実験を行う機会はほとんどない。インターネットを利用して実験やシミュレーション実験を行うことのできる遠隔教育システムを提供することでこの点を補うことができ、さらに、放射線等の取扱に注意を要する実験も容易に扱え、いつでも、世界中のどこからでも実験が行える。またシミュレーション実験では、例えば、摩擦を無くすことで理想に近い実験条件を実現したり、実時間では速すぎたり遅すぎたりするものや、原子から宇宙までスケールの大小にかかわらず仮想実験を行うことができる。
我々は、遠隔実験およびシミュレーション実験をWWWブラウザ上で行えるシステムをJavaを用いて開発してきた。遠隔実験、シミュレーション実験のいずれの場合も、いかに現実に近い感覚で実験を行えるかが重要である。そこで、我々はJava3D APIを利用したリアルな3次元表示を実現し、実験装置や力学系シミュレーションの進行を視点を変えて見ることができるようなJavaプログラムを開発した。また、Swing APIのJnternalFrameを利用することで、Look and Feelを含めてOS等の環境に依存しないユーザインターフェイスを実現した。遠隔実験サーバにおいてはGPIBで接続された測定機器、ステッピングモータの制御やライブカメラをJNIを利用したJavaによるサーバプログラムをLinux上で提供している。また、インターネットを通してこれらのサービスを提供するにあたり国際化も重要であり、Javaのlocale機能を利用してクライアントの使用言語にメニュー等を自動対応させた。 -
数式検索技術を核とした数学学習援用システムの開発とその学習分析
研究課題/研究課題番号:20K03225 2020年4月 - 2023年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
宮崎 佳典
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
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研究課題/研究課題番号:19H01733 2019年4月 - 2023年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
白井 詩沙香
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:11290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
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「複雑系科学+計算社会科学」アプローチに基づく学習相互作用力学に関する理論的研究
研究課題/研究課題番号: 18H01052 2018年4月 - 2022年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
安武 公一
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:11310000円 ( 直接経費:8700000円 、 間接経費:2610000円 )
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誤答原因判定を基礎とする学習PDCAサイクルによる数学用独習システムの開発
研究課題/研究課題番号:17K01003 2017年4月 - 2021年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
深澤 謙次, 中村 泰之, 赤池 祐次
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
主な研究成果は数学独習用eラーニングシステムSTACK上で利用できる、学習する上で効果的と思われる図を作成するためのツールを開発したことである。この作図ツールで作成される図は、実行時に動的に決定される関数やパラメータを用いて、学習者がこの図を対話的に操作することによって学習内容を理解させる、あるいは理解を深めさせるようなものである。このために、我々はCinderellaという動的幾何ソフトウェア用に作られたCindyScriptという言語と、ウェブ上の対話的な要素を作るフレームワークであるCindyJSを利用した。
近年、学生の数理科目の学力の低下が指摘されており、これを放置することは、長期的には日本の技術力の衰退につながると考えられる。したがって、この研究で開発したツールを用いることで、数理科目の学力が向上すれば、その意義は大きいと考えられる。 -
ネットワーク科学と社会物理学を基盤とするネオ・ラーニング・アナリティクスの展開
研究課題/研究課題番号:16K12791 2016年4月 - 2018年3月
科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
安武 公一, 中村 泰之, 多川 孝央
担当区分:研究分担者
本研究の目的は,(1)欧州を中心として急速に発達しているネットワーク科学と社会物理学のアプローチをLearning Analytics (LA)に導入し,(2) この新しい枠組みのもとで,「データ解析による現象の把握と理論モデルによるそのメカニズムの解明」というデータ・サイエンスとしての新しい LA の方法論的基礎となる第一歩を歩むこと,であった.
本研究によって明らかになったのは次の2点である.(1) 協調的学習を行なう学習者の身体的リズム(加速度)には,周波数と加速度の累積分布に数理的な特性があること, (2) 協調的活動はコミュニティのネットワーク構造に強く依存すること.