2025/04/20 更新

写真a

イチハラ ヒロシ
市原 寛
ICHIHARA Hiroshi
所属
大学院環境学研究科 附属地震火山研究センター 講師
大学院担当
大学院環境学研究科
学部担当
理学部 地球惑星科学科
職名
講師
外部リンク

学位 1

  1. 博士(理学) ( 2008年3月   北海道大学 ) 

研究キーワード 4

  1. 地下構造

  2. 物理探査

  3. MT法

  4. 沈み込み帯

研究分野 1

  1. 自然科学一般 / 固体地球科学

経歴 10

  1. 名古屋大学   大学院環境学研究科附属地震火山研究センター   講師

    2021年11月 - 現在

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    国名:日本国

  2. 名古屋大学   大学院環境学研究科附属地震火山研究センター   助教

    2017年6月 - 2021年10月

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    国名:日本国

  3. 神戸大学   海洋底探査センター   特命講師

    2016年4月 - 2017年5月

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    国名:日本国

  4. 海洋研究開発機構   地震津波観測研究開発センター   招聘技術研究員(中断期間有)

    2015年11月 - 2017年3月

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    国名:日本国

  5. 神戸大学   大学院海事科学研究科   特命講師

    2015年10月 - 2016年3月

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    国名:日本国

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学歴 3

  1. 北海道大学   理学研究科   地球惑星科学専攻

    2005年4月 - 2008年3月

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    国名: 日本国

  2. 愛媛大学   理工学研究科   生物地球圏科学専攻

    2003年4月 - 2005年3月

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    国名: 日本国

  3. 愛媛大学   理学部   生物地球圏科学科

    1999年4月 - 2003年3月

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    国名: 日本国

所属学協会 4

  1. 地球電磁気・地球惑星圏学会

    2018年1月 - 現在

  2. 物理探査学会

  3. 日本地質学会

  4. 日本地震学会

委員歴 4

  1. 物理探査学会   業績表彰委員  

    2022年 - 2024年   

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    団体区分:学協会

  2. 地球電磁気・地球惑星圏学会   将来構想ワーキンググループ  

    2019年 - 現在   

  3. 物理探査学会   会誌編集委員会委員  

    2013年 - 現在   

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    団体区分:学協会

  4. 地球電磁気・地球惑星圏学会   アウトリーチ部会員  

    2010年 - 現在   

受賞 6

  1. SGEPSS論文賞

    2024年11月   地球電磁気・地球惑星圏学会   2D resistivity model around the rupture area of the 2011 Tohoku-oki earthquake (Mw 9.0)

    H. Ichihara, T. Kasaya, K. Baba, T. Goto and M. Yamano

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    受賞区分:国内学会・会議・シンポジウム等の賞 

  2. SGEPSS論文賞

    2022年11月   地球電磁気・地球惑星圏学会   Electrical conductive fluid-rich zones and their influence on the earthquake initiation, growth, and arrest processes: observations from the 2016 Kumamoto earthquake sequence, Kyushu Island, Japan

    Aizawa, K., S. Takakura, H. Asaue, K. Koike, R. Yoshimura, K. Yamazaki, S. Komatsu, M. Utsugi, H. Inoue, K. Tsukamoto, M. Uyeshima, T. Koyama, W. Kanda, T. Yoshinaga, N. Matsushima, K. Uchida, Y. Tsukashima, T. Matsushima, H. Ichihara, D. Muramatsu, Y. Teguri, A. Shito, S. Matsumoto, and H. Shimizu

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    受賞区分:国内学会・会議・シンポジウム等の賞 

  3. 大林奨励賞

    2016年   地球電磁気・地球惑星圏学会  

    市原 寛

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    受賞国:日本国

  4. 海洋研究開発機構業績表彰 2013年度研究開発功労賞

    2014年   海洋研究開発機構  

    市原 寛

  5. 第117回学術講演会優秀講演賞

    2007年   物理探査学会  

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    受賞区分:国内学会・会議・シンポジウム等の賞  受賞国:日本国

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論文 61

  1. Subsurface resistivity and sulfide filling microfractures: a rock physical analysis at Mt. Ontake volcano's southeast flank

    Ohta, Y; Mogi, T; Ichihara, H; Yamaoka, K; Adachi, M; Kubo, T; Natsume, I

    GEOPHYSICAL JOURNAL INTERNATIONAL   241 巻 ( 3 ) 頁: 1448 - 1465   2025年6月

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  2. Probabilistic estimation of model parameters through grid search approaches: applications to geomagnetic anomaly source estimations 査読有り

    Ichihara, H; Kuwatani, T; Tada, N; Nagata, K

    EARTH PLANETS AND SPACE   77 巻 ( 1 )   2025年3月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1186/s40623-025-02141-9

    Web of Science

  3. Variations in pore structure in subaerial lava flows at Nishinoshima, Japan, inferred from physical properties 査読有り

    Akamatsu, Y; Suzuki, T; Tada, N; Sawayama, K; Ichihara, H; Katayama, I; Sakamoto, G; Yamamoto, Y; Maeno, F; Yoshida, K

    JOURNAL OF VOLCANOLOGY AND GEOTHERMAL RESEARCH   458 巻   2025年2月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1016/j.jvolgeores.2024.108262

    Web of Science

  4. 海底電磁場観測における高品質データ部の抽出方法の検討 査読有り

    黒田 真奈加, 後藤 忠徳, 市原 寛, 松野 哲男, 田所 敬一, 笠谷 貴史

    海洋理工学会誌(印刷中)     2025年

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  5. Controlled-source electromagnetic survey in a volcanic area: relationship between stacking time and signal-to-noise ratio and comparison with magnetotelluric data 査読有り 国際共著

    Ishizu, K; Ogawa, Y; Tseng, KH; Kunitomo, T; Kitaoka, N; Caldwell, G; Minami, T; Serita, S; Ichihara, H; Bertrand, EA; Heise, W

    GEOPHYSICAL JOURNAL INTERNATIONAL   240 巻 ( 2 ) 頁: 1107 - 1121   2024年12月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1093/gji/ggae431

    Web of Science

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講演・口頭発表等 38

  1. ⻤界カルデラ⽕⼭海域での地下⽐抵抗構造

    畑拓実, 松野哲男, 南拓人, 臼井嘉哉, 市原寛, 巽好幸, 杉岡裕子, 大塚宏徳, 島伸和

    2024年度CA研究会 

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    開催年月日: 2025年3月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

  2. メッシュデザインが海底でのMTレスポンスに及ぼす影響 ー非構造六面体要素を用いた検証ー

    中濵壮大, 市原寛, 多田訓子, 臼井嘉哉

    2024年度CA研究会 

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    開催年月日: 2025年3月

    記述言語:日本語   会議種別:ポスター発表  

  3. 2000年鳥取県西部地震震源域における3次元比抵抗構造推定

    中村謙佑, 相澤広記, 浅森浩一, 塩崎一郎, 大志万直人, 井上智裕, 臼井嘉哉, 市原寛, 宇都智史, 畑岡寛, 山口雅弘, 重松弘道, 永山勇志, 本田貴之, 山田朋輝

    2024年度CA研究会 

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    開催年月日: 2025年3月

    記述言語:日本語   会議種別:ポスター発表  

  4. 箱根火山の深部比抵抗構造推定

    重松弘道, 相澤広記, 井上智裕, 田辺暖柊, 松永佳大, 河野太紀, 中村謙佑, 平田一聖, 松原鈴, 勝山あすみ, 室伏龍真, 内田和也, 上嶋誠, 小山崇夫, 橋本匡, 西本太郎, 秋山峻寛, 渡邊篤志, 阿部英二, 村松弾, 松永康生, 大石健登, 吉村令慧, 小松信太郎, 米田格, 三浦勉, 達山康人, 長岡愛理, 名田彩乃, 中川潤, 冨坂和秀, 吉川昌宏, 市原寛 (名古屋大)、増田章吾, 北岡紀広, 山下凪, 大中心, 櫻井未久, 吉澤史尚, 千馬竜太郎, 佐々木康気

    2024年度CA研究会 

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    開催年月日: 2025年3月

    記述言語:日本語   会議種別:ポスター発表  

  5. 御嶽山周辺におけるブーゲー異常

    白山智之, 市原 寛, 伊藤 武男, 工藤 健, 堀川 信一郎, 松廣 健二郎, 茂木 透, 本多 亮, 宮城 洋介

    日本火山学会2024年度秋季大会  2024年10月16日 

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    開催年月日: 2024年10月

    記述言語:日本語  

    開催地:札幌  

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共同研究・競争的資金等の研究課題 4

  1. 小笠原諸島・西之島が現在進行形で見せる『大陸生成現象』の再評価へむけた海域火山の海空総合的調査研究(サブテーマ2:地球物理観測による火山 の内部構造探査)

    研究課題番号:4-2402  2024年4月 - 2027年3月

    環境研究総合推進費  自然共生領域・環境問題対応型研究

    市原 寛, 多田訓子, 赤松祐哉

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    資金種別:競争的資金

  2. 電磁アクロスの実践的運用試験

    研究課題番号:2019-G-11  2019年4月 - 2020年3月

    東京大学地震研究所共同利用(一般共同研究) 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

  3. 海底カルデラ地下構造探査手法の検討

    2016年10月 - 2017年3月

    出資金による受託研究 

  4. 組み合わせ最適化アルゴリズムによる電磁気、重力インバージョンおよびその評価法の開発

    2005年

    日本科学財団笹川研究助成 

    市原 寛

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    資金種別:競争的資金

科研費 14

  1. 海洋アセノスフェアの粘性率を制約するための海底物理観測・モデリング国際協働研究

    研究課題/研究課題番号:23H00138  2023年4月 - 2027年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    馬場 聖至, 一瀬 建日, 杉岡 裕子, 松野 哲男, 多田 訓子, 市原 寛, 竹内 希, 竹尾 明子, 森重 学

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    担当区分:研究分担者 

    本研究は、マントル深部からの上昇流とリソスフェアとの相互作用と、ハワイプルームによって形成されたハワイ・天皇海山列が途中で屈曲する形状を組み合わせた着眼点から、海底電磁気・地震観測とダイナミクスモデリングの協働により、海洋アセノスフェアの粘性率構造を制約することを目指す。所期の目的を達成するため、史上最大規模の電磁気・地震合同観測アレイをミッドウェイ島北方海域に設定し、国内およびドイツの海域地球物理観測グループと協働して実施する。観測データから推定されるアレイ下のマントル電気伝導度構造、地震波速度構造を、ダイナミクスモデリングによるマントルの流動パターン予測と対比させつつ、包括的に解釈する。

  2. 難観測域解消のための遠隔電場観測手法の開発

    研究課題/研究課題番号:20K04105  2020年4月 - 2024年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    市原 寛, 北田 数也, 多田 訓子

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )

    近年、火山山頂部および火山島などの「観測の空白域」において、ドローンを用いた遠隔観測が注目されている。しかし、深部比抵抗構造の解明に重要な電場観測は難易度が高く研究例はない。本研究は、海底で先行している遠隔電場観測の技術を応用してドローン電場観測を行い、陸上の「観測の空白域」における地下の電気比抵抗構造の解明を可能にすることを目的とする。令和2-3年度はおもに装置の開発を行い、令和3-4年度に検証試験および研究成果の発表を行う計画である。本観測によって得られた知見は、将来的に月および火星等における惑星内部構造解明に向けた探査にも活用可能であると期待される。
    本研究では、火山山頂部などにおける難観測域においてMagnetotelluric法観測を実現するため、UAV (ドローン)を用いた電位差計測の観測試験を実施した。 当初計画していた大型UAVを用いた電位差観測試験は、セキュリティ問題やCOVID19感染症により観測に著しく支障が出たこと、UAV等の価格が高騰したことにより、実現に至らなかった。一方で、中型UAVを用いた実際の観測を模した飛行、着陸、電極設置の試験に成功した。また、UAVからの簡易的な設置方法によって電位差データが取得できることが確かめられた。よって、大型UAVの確保により、目的の観測は実現できると考えられる。
    Mangetotelluric法は深部までの比抵抗構造を探査することができる唯一の手法であるものの、通常、観測点の設置には直接人が観測地に立ち入って電極等の設置を行う必要がある。これをUAVによって実現できることがほぼ示されたことは、人が立ち入ることが困難な場合が多い火山の山頂域等での研究を大きく進める可能性を示したことになる。さらに、本手法は地球外の惑星において電位差観測を行うための基礎的な情報も提供する。

  3. 人工電磁周波数コム信号による火山の精密モニタリングシステムの構築

    研究課題/研究課題番号:20H01992  2020年4月 - 2023年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    小川 康雄, 市原 寛, 南 拓人, 石須 慶一

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    担当区分:研究分担者 

    火山の噴火予知研究では、地下のマグマや熱水系の分布を解明し、その時間的な変動を監視する観測が重要である。比抵抗はマグマや熱水や粘土鉱物の分布に敏感な物理量であり、地表での電磁波の観測から、地下の比抵抗分布やその時間変動を検知することができる。地下の比抵抗分布の時間的な変動を精密に監視するには、精密に制御された人工信号を利用する電磁場観測が必須である。本研究では、精密に制御された2系統の信号系列送信し、多数の受信機で常時取得することによって、革新的な精度で火山の3次元地下構造を常時モニターするシステムを開発する。草津白根火山でこの実証実験を行う。
    精密に制御された周波数コム信号を用いた電磁探査観測システムを構築し、その実証実験を草津白根火山で行った。火山の南麓に送信ダイポールを設置し、5km離れた山頂域に電磁受信機を配置した。送信源は、東西および南北方向の2つの電流ダイポールであり、周波数0.02Hzから4.6Hzの範囲で、対数等間隔になるような周波数列からなるサイン波を送信した。ファンクションジェネレータをGPS信号で同期することで、送信信号を長時間に渡って高精度で繰り返し送信できることが可能となった。また、受信信号から、微弱な繰り返し信号成分を取り出すために、ノイズの逆数を重みとして使用したスタッキング法が有効であることがわかった。
    火山噴火予測研究、特に水蒸気噴火の予測のために、流体や蒸気の分布に敏感な比抵抗構造をモニタリングすることは重要である。既存の自然信号を用いる方法では、不安定な信号強度や人工ノイズの混入によって常時モニター観測が困難であった。本研究では、精密に制御された信号を繰り返し送信することによって、小さなパワーの送信源でありながら、革新的な精度で電磁気観測が可能になることを示している。同時に複数の送信源から送信することも可能であり、受信信号からテンソル情報を引き出すことができることもメリットである。この観測手法は、火山活動モニタリングの新たな方法として、今後防災研究にも大きく貢献できる可能性がある。

  4. フィリピン・タール火山におけるその場観測に基づくマグマシステムの発達過程の研究

    研究課題/研究課題番号:19KK0084  2019年10月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

    熊谷 博之, 堀田 耕平, 大倉 敬宏, 楠本 成寿, 大場 武, 市原 寛

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    担当区分:研究分担者 

    噴火に至るマグマシステムの発達過程を、次の噴火が迫っているフィリピン・タール火山を対象に地震学・電磁気学・火山化学・測地学的手法を用いて解明する。これまでの研究により、この火山では脱ガスを起こしているマグマが浅部に存在することが推定されている。本研究では、この変動源の直上において地震および電磁気観測を強化するとともに、面的な重力測定を行う。これにより、散乱・速度・比抵抗・密度構造を詳細に調べ、マグマの状態とその時間変動を解明する。さらにそれらの結果を火山ガスの測定結果や圧力源の推定結果等と比較することにより、火口で活発に起こっている噴気活動と関連性を調べる。
    フィリピン・タール火山で2020年1月12日に起こった大規模噴火の発生過程を解明するために、同火山に設置された地震観測網の連続地震データを用いて自己相関に基づく地震波干渉法解析を行い、2011年から噴火前までの各観測点直下のS波速度構造の時間変化を推定した。その結果、降雨等の影響によると考えられる年周変動がすべての観測点で見られ、そのうち噴火口に近い観測点においてのみ噴火の約1年前から年周変動から大きくずれる変化が見られた。その変化は同火山の地震活動度、合成開口レーダーから推定された地殻変動、さらに噴火口での二酸化炭素ガスの放出量とも同期していることが分かった。噴火前の活発な地震活動は、マグマ溜りへの新規のマグマが供給されたことにより周辺の応力場が変化することで発生したと解釈できる。その新規マグマから脱ガスが活発化することにより二酸化炭素ガスの放出が起こるとともに火道浅部の構造変化が起こり、その周辺の観測点でのS波速度構造の時間変化が生じたと考えられる。この結果は、タール火山における自己相関に基づく地震波干渉法が噴火前の前兆的な活動の検出に有効であることを示している。この手法はルーチン的な解析が可能であるため、今後の同火山の監視にも役立てることが出来るものである。
    2020年の噴火以降は地震活動が低調となる一方で、2021年1月以降噴火口から1日5千~1万トンを超える大量の二酸化硫黄ガスが検出されている。さらに噴火前には観測されなかった火山性微動が発生していることが分かった。これらの微動は、マグマ溜り・火道システムにおけるマグマ対流とそれに伴う脱ガス過程と関係していると考えられる。タール火山は2020年の噴火により地震が多く発生する閉鎖的なシステムから、微動を伴う大量の脱ガスを行う開放的なシステムへ急激な変化が起こったことが示唆された。
    本研究が始まった直後の2020年度から昨年度まで、コロナ禍により日本からフィリピンへの出張が大きく制限された。さらに2020年1月に起こったタール火山の大規模な噴火により、火口がある火山島は大量の火山灰に覆われ入山が規制された。さらに噴火後も二酸化硫黄ガスの大量放出が続いており、火口周辺での現地観測が出来ない状態となっている。これにより当初予定していた火口周辺での電磁気や重力等の観測が行えていない。これにより進捗が一部遅れている。
    タール火山の噴火口からの二酸化硫黄ガスの観測を継続するとともに、同火山の地震観測網の連続地震波形データを用いて火山性微動を系統的に検出する。高周波地震波振幅を用いた震源決定から火山性微動の震源位置・規模の時間変化を推定し、二酸化硫黄ガスの放出との関係を調べる。その結果に基づき、マグマ溜り・火道システムにおけるマグマ対流とそれに伴うマグマ脱ガス過程の解釈を行う。現地調査が可能となれば電磁気・重力観測を行い、噴火前後の構造変化の推定を行うとともに、既存の電磁気・重力データの再解析を行い、噴火前の詳細な比抵抗構造および重力異常の推定を行うことで、タール火山におけるマグマ溜り・火道システムの状態を調べる。さらに2020年1月の大規模噴火に伴う地震および空振データの解析から、噴火推移の詳細な推定を行い、噴火に伴うマグマの移動過程を明らかにする。これらの解析結果について国内・国際学会で発表するとともに、論文としてまとめ国際誌への掲載を行う。

  5. 海底電磁場データを利用した西之島の火山活動の解明と噴火予測

    研究課題/研究課題番号:18H01319  2018年4月 - 2022年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    多田 訓子, 馬場 聖至, 市原 寛

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    担当区分:研究分担者 

    2020年12月末までに、西之島周辺海域の21地点に海底電磁場観測装置を設置し、そのうちの16台を自己浮上で回収した。さらに1台は、2021年2月に約1,700km離れた西表島の海岸で発見された。機器に付着していた生物と漂流シミュレーションから、漂着していた機器が海底から浮上したのは、2020年の西之島噴火の活動時期と一致する可能性が示唆された。
    西之島の島部分の浅部構造を明らかにするために、2019年9月に西之島上空で全磁力計を搭載したドローンを使った空中磁気探査を実施した。西之島の対地約100mで全磁力分布を取得して解析した結果、西之島周囲の顕著な磁気異常を発見し、三次元磁化構造を求めた。
    本研究期間中に西之島で起こった噴火は、申請時では誰も想像していなかったほど大規模で、噴火形式が途中で変化し、西之島の姿形もすっかり変化してしまった。
    そんな中、海底に設置していた機器が海底を数km移動したり、西表島まで漂流したりという前代未聞の現象が起きたため、それらを詳細に分析することで、新たな視点で火山の活動について研究するきっかけになった。また、ドローンを使った空中磁気探査という最新技術の導入で、世界で初めて海洋島で磁気異常探査を行った。
    機器の漂流期間・経路の研究は、海域火山から流れてくる軽石による災害を防ぐための漂流予測への応用に発展している。

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担当経験のある科目 (本学) 12

  1. 地震活動論

    2024

  2. 地球惑星物理学実験法及び実験Ⅰ

    2024

  3. 地球惑星物理学実験法及び実験Ⅰ

    2023

  4. 地球惑星物理学実験法及び実験Ⅰ

    2022

  5. 地球惑星科学セミナー I

    2022

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担当経験のある科目 (本学以外) 2

  1. 電磁気で地球を探る

    2022年9月 静岡大学)

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    科目区分:学部専門科目  国名:日本国

  2. 海洋理工学演習

    2017年4月 - 2018年3月 神戸大学)

 

社会貢献活動 4

  1. 西之島火山−その謎に海と空から迫る−

    役割:講師

    名古屋大学出前授業  豊橋市自然史博物館  2022年11月

  2. 2020年度火山学会LOC(親子実験担当)

    役割:司会, 企画, 運営参加・支援

    2020年10月

  3. 地震学夏の学校運営委員

    役割:企画, 運営参加・支援, 調査担当

    2015年4月 - 2015年9月

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    対象: 大学生, 大学院生, 教育関係者, 研究者

  4. 地球電磁気・地球惑星圏学会一般公開(2010, 2011, 2015, 2016, 2017, 2018, 2019, 2021)

    役割:企画, 運営参加・支援, 実演

    2010年 - 2021年

メディア報道 2

  1. 西之島山体の内部構造を解明 ~ドローンを使った空中磁気探査を世界で初めて火山島で実施~ 新聞・雑誌

    名古屋大学プレスリリース  日刊工業新聞  2021年11月

  2. 東日本大震災で発生した津波が巨大化した原因となった場所を特定

    文部科学省記者クラブ  産経新聞、日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞、電気新聞ほか  2013年10月

学術貢献活動 6

  1. LOC and Convener, 22th EM Induction workshop 国際学術貢献

    役割:企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等, 査読

    2024年9月

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    種別:学会・研究会等 

  2. Guest Editor (Earth, Planets, and Space) 国際学術貢献

    役割:審査・評価

    2023年 - 2025年

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    種別:学会・研究会等 

  3. LOC, 地球電磁気・地球惑星圏学会 第144回総会及び講演会

    役割:企画立案・運営等

    2018年11月

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    種別:学会・研究会等 

  4. Co-convener, Asia Oceania Geosciences Society (AOGS) 2018 国際学術貢献

    役割:審査・評価

    2018年6月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  5. LOC and Convener, 5th International Symposium on Three-Dimensional Electromagnetics "Future Challenges" 国際学術貢献

    役割:企画立案・運営等, 審査・評価

    2013年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

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