科研費 - 上野 智永
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マイクロ波プラズマCVD法による複合超撥水膜の作製と耐久性の向上
研究課題/研究課題番号:19K05037 2019年4月 - 2022年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
高井 治, 稗田 純子, 上野 智永
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:780000円 ( 直接経費:600000円 、 間接経費:180000円 )
材料表面の超撥水性は、表面の疎水性と凹凸構造により発現する。本研究課題では、超撥水膜の耐久性向上を目的として、凹凸構造の形状変化と撥水性の劣化との関係を明らかにする。さらに、高分子材料とのコンポジット化により、強度、耐摩耗性や撥水性の長期持続等、耐久性の高い超撥水膜を開発する。マイクロ波化学気相蒸着法を用いた有機シランによる凹凸形成と高分子膜の作製を同時に行い、コンポジット化することで、耐久性の向上を試みる。
本研究では、超撥水膜の耐久性の向上を目的として、超撥水性の発現に必要な凹凸構造を耐久性の高いシリカで形成し、さらに、その表面を硬質なアモルファス炭素で被覆することで疎水性にし、強度や耐摩耗性等に優れる高耐久性超撥水複合膜を作製できた。マイクロ波プラズマCVD法で作製した膜は撥水性が高いが軟質であり、高周波プラズマCVD法で作製したアモルファス炭素膜の方が硬質であった。そのため、マイクロ波プラズマと高周波プラズマを適度に組み合わせることで、耐久性と撥水性両方に優れる膜が作製できる可能性があることがわかった。
本研究成果は、自動車や航空機などの輸送機器、建物の外壁等、対候性・耐久性が求められる場所で使用可能な実用材料としての応用につながる。水は、最も身近な物質であり、生活や産業に様々な影響を及ぼす。そのため、水の挙動を理解し、制御することが望まれる。今後、本研究で作製した超撥水膜を用いて、実使用環境における撥水性の経時変化などの研究および超撥水膜の劣化機構の解明に関する研究が進めば、超撥水発現機構の基礎研究の発展に貢献できる。 -
研究課題/研究課題番号:19K05058 2019年4月 - 2022年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
上野 智永
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究は, 弾性的に体積変化可能な超軽量材料を作製し, 圧縮による収縮・復元により, 『伝熱』⇔『断熱』を制御できる熱スイッチング材料を実現する. 圧縮による繰り返し変形に耐える超軽量材料を作製し, 断熱性と圧縮時の高熱伝導性を両立させ,大幅な熱伝導率スイッチングを達成する. 本研究では, (1) ナノカーボン材料を基盤とした繰り返し変形に耐える弾性超軽量材料の作製, (2) 断熱性能を向上させるための気体伝熱・輻射伝熱の制御, (3) 高熱伝導化のための圧縮時界面熱抵抗の低減を行う.
圧縮負荷および除荷により弾性的に収縮・復元する材料を用いて熱伝導率を可逆的に変化させることができる熱マネジメント材料の創出を行った。カーボンナノチューブをベースに高分子材料とコンポジットさせた密度10 mg/cm3以下の材料を作製した。材料表面を疎水化させるための表面処理を施すことで、収縮・復元の回復率を高めた。これら材料の熱伝導率を評価し、圧縮時には固体伝熱が支配的な熱伝導材料、除荷時には気体伝熱が支配的な断熱材料を得た。
本研究は、伝熱を制御するための新たな熱マネジメント材料を提案するものであり、熱マネジメントが重要とされる電気自動車や家電製品などへの活用が期待される。学術的には、弾性回復する材料を得るための作製指針の獲得や、弾性回復を阻害していた要因を特定できたことに学術的位置がある。また、圧縮負荷および除荷時の材料の熱伝導率を評価し、各状態において支配的な伝熱形態を明かにすることができ、学術的な進展が見られた。 -
ソリューションプラズマによるβ-C3N4の合成と評価
研究課題/研究課題番号:16K14449 2016年4月 - 2018年3月
日本学術振興会 科学研究費補助金 挑戦的萌芽
齋藤 永宏
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
β-C3N4はダイヤモンドより硬い物質と期待されているが、未だ合成例はない。そこで、ソリューションプラズマ(SP)プロセスを用いてβ-C3N4の合成を試みた。生成物はSEM観察から数十ミクロンの中空六角柱の構造であり、XRD分析より分子性結晶であった。シート抵抗は絶縁物相当である。このことは、原料分子のsp3構造の存在を示唆している。等温吸着線はIII型を示した。これは、マイクロポアへのガス吸着である。窒素含有が多いためガスとの相互作用も大きい。比表面積はカーボンより二桁低い。最終的に、目的物質は得られなかったが、分子レベルでβ-C3N4の骨格を持つ高分子材料を得た。
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デュアルマイクロ波プラズマによるβ-C3N4の合成
2015年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究分担者
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複合クラスターにおける酸素還元反応の分子軌道計算
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金
上野智永
担当区分:研究代表者
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ソリューションプラズマを用いた炭分解グラフェンナノフィラーの開発
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究分担者
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高分子電解質ブラシ上束縛水の挙動解明とイオン伝導性材料の開発
2011年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
齋藤永宏
担当区分:研究分担者
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反応拡散系の制御による刺激応答性高分子ゲル上でのパターン形成と機能化
2008年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金
上野智永
担当区分:研究代表者