科研費 - 中村 友昭
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波浪場・地盤の連続性を考慮した連成モデルの構築と漂砂に与える有効応力の効果の解明
研究課題/研究課題番号:23K04041 2023年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
中村 友昭, 趙 容桓, 水谷 法美
担当区分:研究代表者
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
地盤の波浪応答は底質の移動に影響を与える可能性があることが水理実験や数値解析により確認されている.その一方で,波浪場と地盤の圧力・流速の連続性が保障された数値計算モデルは限られており,そのために底質の移動に与える有効応力の影響を検討した研究は十分に行われているとは言い難い.本研究では,有効応力が底質の移動とそれによる地形の変化に与える影響と機構を解明することを目的として,①波浪場と地盤の相互作用が解析できる波浪場・地盤連成モデルの開発,②底質内部の有効応力の影響を考慮した漂砂モデルの提案,③有効応力の観点から見た地形変化機構の解明の3つを柱として研究を実施する.
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円形造波水槽による沿岸漂砂の生成機構及びカスプ地形の発達機構の解明
研究課題/研究課題番号:23H01510 2023年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
水谷 法美, 中村 友昭, 趙 容桓
担当区分:研究分担者
海岸侵食は我が国のみならず世界的に深刻な問題になっているが,その抜本的な対策工法は未だ確立されていない.その大きな原因は侵食の機構,特に沿岸漂砂の発生機構が解明されていないことが挙げられる.水理模型実験はその解明の主要な手法であるが,平面水槽は水槽側壁が波動場と沿岸漂砂に及ぼす影響が除去できず,沿岸漂砂の機構解明の大きな支障になっている.本件研究はその支障を取り除く円形水槽(円状の海浜模型のため端部がない)を用いた実験により沿岸漂砂の機構解明を行うとともに数値解析によりその発生機構を明らかにするものである.あわせてこれまで未解明のビーチカスプの生成機構の解明も行うものである.
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円形造波水槽による沿岸漂砂の解明と海浜地形変化の直接数値計算手法の構築
研究課題/研究課題番号:19H02247 2019年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
水谷 法美, 中村 友昭
担当区分:研究分担者
本研究では,端部の影響を受けずに沿岸流・沿岸漂砂を検討可能な円形造波水槽を新たに製作し,円周上に沿って形成した海浜に水槽中央部かららせん波を入射させ,沿岸漂砂を長時間にわたって生じさせる水理実験を行う.これにより沿岸漂砂の実態,特にバー・トラフに代表される特徴的な断面地形が沿岸漂砂に及ぼす影響を明らかにする.さらに,波・構造物・漂砂・海浜変形相互作用の数値モデル(FS3M)を円形造波水槽に拡張し,沿岸漂砂を再現可能なモデルに発展させる.そして,当該数値解析モデルにより海浜地形変化を予測するスキームを構築し,三次元波浪場における海浜変形の直接数値計算手法を確立し,現地海岸への適用を目指す.
本研究では,側方の不透過壁による影響を受けることのない円形造波水槽による水理実験と数値解析により沿岸漂砂の発生機構の解明と地形変化の予測手法の構築を目指して検討を行った.その結果,海浜に波が入射することにともない,まず岸沖漂砂が卓越し,その波に対する平衡地形への海浜変形が生じること,そしてその後に沿岸漂砂が卓越することがあきらかとなった.その機構として,海浜断面地形上で砕波点が安定すると砕波後に生じる水位上昇の空間分布(空間勾配)が生じ,斜め入射波の下手側に流れ,すなわち沿岸流が発生し,その沿岸流を外力として沿岸漂砂が生じることが指摘された.これらを説明する数値解析手法についても構築を行った.
これまで平面水槽を使った水理実験や現地観測でしか観測できなかった沿岸漂砂について,不透過な側壁の影響を受けることなく,定常的な波を対象に検討することが本研究によって可能となった.特に,沿岸漂砂の生成・発達機構を波動場の特性と関連付けて明らかにしたことは学術的に極めて大きな意義を有する.海岸侵食の問題は地球規模で問題となっている現象であり,様々な対応策がとられてきているが,長期的には十分解決には至っていない.本研究により海岸侵食に特に大きな寄与をしている沿岸漂砂の発生機構が示されたことにより,それを抑えるための有効な工法の確立につながり,海岸侵食の軽減とともに沿岸防災にも大きく資するものである. -
津波による橋台背面盛土の流出機構の解明と効果的な流出対策の提案
研究課題/研究課題番号:18K04364 2018年4月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
中村 友昭, 水谷 法美, 趙 容桓
担当区分:研究代表者
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
津波による橋台背面盛土の流出発生機構と流出対策の有効性を水理実験と数値計算により検討した.水理実験より,橋台周辺の盛土が流出し橋台から少し離れた場所の盛土が残存する現象を確認し,東日本大震災後に確認された被災事例との類似を認めた.水理実験との比較より,水位変動と盛土の地形変化の観点から数値計算モデルFS3Mの妥当性を示した.数値計算より,橋台内部の盛土が岸側ウイングの下から流出し陥没に到る過程を確認し,その機構を掃流砂と浮遊砂の観点から明らかにした.ウイングの土被り圧を大きくする対策を実施した数値実験より,橋台内部の盛土が未対策の場合と比べて多く残存することから効果的な対策であることを示した.
本研究では,従来あまり着目されてこなかった津波による橋台背面盛土の流出現象を対象とした水理実験と数値計算をともに実施し,橋台背面盛土流出の過程と機構を明らかにした点に学術的な意義がある.また,本研究で取り扱った現象に対する数値計算モデルFS3Mの妥当性が確認でき,橋台の形式,盛土の形状や粒径,立地など橋ごとの特徴を考慮した盛土流出の評価が行えるようになったことから,実務への展開も期待される. -
濁水状態の津波が海岸構造物とその基礎地盤の安定性に与える影響の評価と対応策の検証
2014年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
担当区分:研究代表者
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津波の浸水被害が想定される沿岸域の安心・安全な利用のための総合的研究
2013年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
水谷法美
担当区分:研究分担者
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波・流れ・透水性地形相互作用の直接数値解析手法の構築と海浜変形予測への適用
2010年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
水谷法美
担当区分:研究分担者
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砂地盤の波浪応答における風波と津波の差異とその機構に関する研究
2007年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金
中村友昭
担当区分:研究代表者