科研費 - 丸山 央峰
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オンチップ局所環境制御による単一細胞の外部刺激応答特性の解明
研究課題/研究課題番号:21H04543 2021年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
新井 史人, 杉浦 広峻, 魚住 信之, 丸山 央峰
担当区分:研究分担者
マイクロ流体チップとロボットシステムを統合し,光合成モデル細胞である藍藻に対して,外部刺激となるpLオーダーの微小液滴を,msオーダーの短時間で反応させる局所環境を構築し,これに応答する細胞特性の動的変化を単一細胞レベルで計測する.この計測系において,特定のイオン輸送体の遺伝子を欠損した遺伝子不活化株と正常株の比較を行い,特定のイオン輸送体の特性を調べる.オンチップでの局所環境状態の計測制御技術,単一細胞計測技術,動的力センシングシステム理論などを確立し,これらを活用することで,藍藻の外部刺激に対する動的応答特性を明らかにし,その仕組みを解明する.さらに,藍藻以外の単一細胞に拡張する.
藍藻を用いて,生体膜で機能するイオン輸送体による環境適応能力を調査する.この目的を達成するため,マイクロ流体チップとマイクロプローブを有するオンチップロボットシステムを統合し,特定細胞への刺激量を動的かつ精密に制御し,細胞応答計測を動的に行うこととした.今年度は,以下に述べる2通りの方法で研究を進めた.
(1) マイクロ流体チップ内の気液界面を使って,微小な液滴を10 ms以下の短時間で置換し,細胞に浸透圧変化などの外部刺激を与え,細胞の大きさ変化を高速ビションによって,計測・評価する.
(2) マイクロ流体チップ上の細胞をマイクロプローブによって拘束し,超高分解能を有するピペットを用いて溶液を高速に吸引吐出制御することによって,msオーダーの短時間で外部刺激を与える.そして,マイクロプローブによって,細胞の機械特性を計測する.
今年度は,チップ内の局所環境制御技術および,局所環境に細胞を位置決めし,動特性を計測する方法に関する基礎実験を行い,以下の成果を得た.A. 微細加工・システム構築:オンチップロボットおよびマイクロ流体チップの設計,並びに計測系全体のアーキテクチャの設計技術基盤の構築した.PZT駆動のマイクロポンプによって高速に溶液置換する方法の基礎実験を行った.B. 動的機械特性計測:藍藻の大きさ変化,粘弾性計測を実現する動的力センシングのための機構を設計し,システムを構築した.C. 環境制御・計測:蛍光色素を用いて,藍藻の生死判別を行い,溶液置換の前後で細胞膜への影響を調べた.これにより,藍藻が死にいたらない条件を調査した.D. 細胞計測・評価・機能解析:藍藻の生体膜で機能する輸送体および細胞体積調節蛋白質の遺伝子の不活化株を相同的遺伝子組換え技術によって作成し,動的な環境変化(刺激)による藍藻の力学的特性計測を行った.
藍藻の生体膜で機能するイオン輸送体による環境適応能力を調査する目的を達成するため,特定細胞への刺激量を動的かつ精密に制御し,細胞応答計測を動的に行う2通りの方法を考案し,基本システムの設計を行い,原理検証のための基礎実験を行った.どちらの方法もそれぞれ有効性が得られ,順調に研究が進んでいると判断できる.以下にその概要をまとめる.
(1) マイクロ流体チップ内の気液界面を使って,微小な液滴を10 ms以下の短時間で置換し,細胞に浸透圧変化などの外部刺激を与え,細胞の大きさ変化を高速ビションによって,計測・評価する方法では,実際に複数の藍藻に対して,ほぼ同時に外部刺激を与えることに成功した.単一細胞レベルで複数のデータを得られる点において有利であり,その有効性が示せた.また,蛍光色素を用いて,藍藻の生死判別を行い,死んだ細胞に独特の形状変化がみてとれることを明らかにした.以上により,藍藻の特性計測において,基礎的で重要な知見が得られたといえる.
(2) マイクロ流体チップ上の細胞をマイクロプローブによって拘束し,超高分解能を有するピペットを用いて溶液を高速に吸引吐出制御することによって,短時間で外部刺激を与える方法では,実際に藍藻の計測データを取得できた.msオーダーの短時間を達成するために,PZT駆動のマイクロポンプを設計試作し,高速溶液置換の有効性を確認できた.これにより,より短時間で細胞に外部刺激を与え,プローブによって粘弾性がその場で評価できる見通しが立てられた点は大きな成果である.
マイクロ流体チップとマイクロプローブを統合し,細胞への刺激を動的かつ精密に制御し,細胞応答計測を微小空間において動的に行う.今後も,以下に述べる2通りの方法で研究を進める.
(1) マイクロ流体チップ内の気液界面を使って,微小な液滴を10 ms以下の短時間で置換し,細胞に浸透圧変化などの外部刺激を与え,細胞の大きさ変化を高速ビションによって,計測・評価する.
(2) マイクロ流体チップ上の細胞をマイクロプローブによって拘束し,超高分解能を有するピペットを用いて溶液を高速に吸引吐出制御することによって,msオーダーの短時間で外部刺激を与える.そして,マイクロプローブによって,細胞の機械特性を計測する.
今後は,技術的課題の見直しと,各計測機能の統合実装を行う.環境計測制御,動的機械特性計測系を実装し,各機能間の干渉の排除や,安定性の向上,測定レンジの調整,キャリブレーションを行う.また,藍藻を用いて,計測条件変化にともなう信号変化を観測し,計測対象の遺伝子発現の分析を行う.以下に,実施予定項目をまとめる.A. 微細加工・システム構築: オンチップロボットおよびマイクロ流体チップの改良に基づいて,並びに計測系全体のアーキテクチャの設計技術基盤の構築を推進する.B. 動的機械特性計測: 藍藻の生理活性を評価軸に加えて,大きさ変化や粘弾性計測を実現する,動的力センシングのための機構設計を行う.C. 環境制御・計測: 溶液置換に伴う細胞への悪影響を調べ,細胞が死にいたらない条件にて,チップおよび微小液滴内の濃度制御を調整できる技術を確立する.D. 細胞計測・評価・機能解析: 藍藻の生体膜で機能する輸送体および細胞体積調節蛋白質の遺伝子の不活化株を相同的遺伝子組換え技術によって作成し,動的な環境変化(刺激)による藍藻の力学的特性計測と評価を,正常株(野生株)と比較する. -
研究課題/研究課題番号:19H00749 2019年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
金子 真, 坂田 泰史, 伊藤 弘明, 大谷 朋仁, 丸山 央峰, 高山 俊男
担当区分:研究分担者
直径6~8μmの赤血球が血管中で一番動きにくくなるのは直径5μm以下の毛細血管を通過するときである。申請者らが開発した人工毛細血管を内蔵した高速高分解能細胞操作システムを用いて、生体内では起こり得ない狭窄部で単一赤血球を静止させたところ、静止時間3分で赤血球回復時定数が100倍激変する現象を発見した。赤血球の変形特性は赤血球内部の細胞骨格の一部であるスペクトリンやアクチンとエネルギー源ATP(アデノシン三リン酸)が支配している。本研究では人工毛細血管内狭窄部ローディング中、細胞骨格やATPが時間とともにどのように変化しているのかを調べれることにより、赤血球回復時定数激変現象を解明する。
人工毛細血管の狭窄部で単一赤血球を静止させたところ、静止時間3分で狭窄部から解放された赤血球回復時定数は数ミリ秒から数十秒に激変するローディング現象を発見した。本研究はこの現象のメカニズムを解明することを目的としている。2020年度までに行った研究実績で静止時間3分後であっても最初の数ミリ秒で元の赤血球の半分まで回復し、その後数十秒かけて元の大きさの90%まで回復するという二段階回復特性を見出した。2021年度の研究実績は以下の通りである。
(1)ホームページの作成:二段階回復特性を理解し易いように図や写真を盛り込んだホームページを新たに作成した。最初の数ミリ秒で元の赤血球の半分まで回復し、その後数十秒かけて元の大きさの90%まで回復するという二段階回復特性は図3から容易に読み取ることができる。https://www1.meijo-u.ac.jp/~mkaneko/
(2)機械インピーダンスモデル:生物学者からはローディング時間で回復時定数が100倍大きくなるのはローディングにより赤血球膜が傷つき赤血球内部液が外部に漏れ出たのではないかというコメントをいただいた。ところがこの膜損傷モデルには合点がいかない点がある。ローディング中に赤血球内部液が漏れ出れば回復力は弱まり90%回復は期待できない。一方赤血球をホームページ図6のばね2個(k1, k2)、粘性要素2個(C2, C1)の機械インピーダンスモデルを用いると膜損傷モデルに比べ明快に二段階回復特性が説明できた。
(3)新規人工毛細血管による実験:真空プラズマ装置(2021年度購入)を使用して新規人工毛細血管を製作しローディング時間0秒での赤血球変形能実験を行い、想定内の結果を得ることができた。
狭窄部で単一赤血球を静止させたところ、静止時間3分で狭窄部から解放された赤血球回復時定数は数ミリ秒から数十秒に激変するローディング現象を発見した。本研究はこの現象のメカニズムを解明することを目的としている。この原因を明らかにする上で、きわめて興味深い二段階回復特性を偶然見つけることができた。
一方で生物学者からいただいたコメントはローディング時間で回復時定数が100倍大きくなるのはローディングにより赤血球膜が傷つき赤血球内部液が外に漏れ出る赤血球膜損傷モデルであった。ローディング中に赤血球内部液が漏れ出れば回復力は弱まり、時定数が大きくなることは否めない。ところが生物学者からいただいた赤血球膜損傷モデルには合点がいかない点があった。(1)赤血球膜が傷つき赤血球内部液が外に漏れ出るのであれば回復特性は期待できないはずである。さらに(2)赤血球は酸素を体中の細胞に運搬するという生命維持に重要な役目を担っており、その赤血球膜がわずか3分間のローディングで壊れるようであれば人類が地球上で生存し続けてきたという事実に疑問を覚える。膜損傷モデルが受け入れなれない理由がここにある。2021年度の実績報告で機械インピーダンスモデルを用いることでローディング現象を説明する十分なモデルを示すことができたのは予想しなかった新たな成果である。以上が「概ね順調に進展している」と判断した根拠である。
2020年度研究中に、3分間ローディング後に赤血球を狭窄部から開放した際時間に対して二段階回復特性が見られることを突き止めた。すなわち、最初の数ミリ秒で元の赤血球の半分まで回復し、その後数秒の時間をかけて元の大きさの90%まで回復する。この現象に対して、生物学者からいただいたコメントは赤血球膜損傷モデルであったが、2021年度の研究で機械インピーダンスモデルを使えば赤血球の二段階回復特性を容易に説明できかつ十分なモデルを複数示せる目途がついた。この点を踏まえ2022年度の研究計画は以下の2点を中心に行う。
(1)多層赤血球機械インピーダンスモデルによる順問題:二段階回復特性を実現するモデルとして赤血球を多層機械インピーダンスモデルで表現する方法を模索し、元々の赤血球形状を初期条件とし、例えば第一層に1個の粘性要素、第二層に1個の粘性要素と2個のバネを組み込み、二段階回復特性が実現可能かどうかについて順問題として吟味する。なお順問題とは機械インピーダンスを与え赤血球の振る舞いを調べる問題である。
(2)多層赤血球機械インピーダンスモデルによる逆問題:二段階回復特性を与えて赤血球多層機械インピーダンスモデルを推定する逆問題について模索する。例えば赤血球の塑性変形10%、回復率90%等を与えて二層機械インピーダンスモデルのバネ、粘性要素の許容範囲を同定する。
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最終的には、伊藤弘明(研究分担者)、高山俊男(研究分担者)、金子真(研究代表者)らがまとめる実験結果と解析結果に対して坂田泰史(研究分担者)、大谷朋仁(研究分担者)が医学的見地から評価を行い、金子真(研究代表者)が総括を行う。なお、新しい知見が得られた時点で適宜学会発表を行う。 -
研究課題/研究課題番号:19H02096 2019年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
丸山 央峰
担当区分:研究代表者
配分額:15340000円 ( 直接経費:11800000円 、 間接経費:3540000円 )
大きさ数~十数 umの細胞1個単位および集団を対象として,温度,pH等の生理状態の計測,刺激に対する応答計測等の微細作業を実現するための,光を用いて駆動・計測・刺激を行うオプト・ケモロボットの基盤技術確立を目的とする.本研究により,(1)光で駆動し計測や刺激を行うカプセル型オプト・ケモロボット,(2)細胞培養環境に設置して計測や刺激を行うチップ型オプト・ケモロボット,の基盤技術を確立し,オプト・ケモロボットを用いて単一細胞および集団細胞を対象としたウイルス感染細胞内生理状態計測に基づくインフルエンザウイルス等の増殖・拡散メカニズム解明を目指す.
本研究課題では,単一細胞レベルから集団細胞レベルでのマルチスケールでの細胞の生理状態を計測するためのデバイスとして,(1)光応答性の試薬を導入した機能性微粒子を作製し,異なる複数の波長の光を用いて駆動・計測・刺激を行うカプセル型オプト・ケモロボット,(2)基板上に光応答性の試薬を導入した微小構造体を作製し,光学式計測・刺激を行うチップ型オプト・ケモロボット,の基盤技術として,直径1 umのカプセル型で蛍光による温度計測機能を有し,1064 nmの光で操作808 nmの光で加熱が可能な細胞内計測用光環境センサ,およびpHの絶対測定を行うためのリファレンス機能を有する光環境センサの作製に成功した.
本研究課題の実施期間に得られた,細胞内および培養環境の環境情報を精密に計測する技術は,工学的アプローチを基盤とし,生物化学において新しい知見を提供するための光化学・分子化学的アプローチを複合的に用いることを特色とした新規な微細操作・計測技術の開拓が期待される成果である.また,本成果は,例えばウイルス感染細胞におけるウイルス増殖過程の細胞の状態計測を行うことで,ウイルスが増えやすい,もしくは増えにくいように細胞機能を誘導する技術にブレークスルーを起こすことが期待でき,新たな感染症対策を開拓する可能性を有していると考える. -
光環境制御・計測が可能なマイクロ流体チップによる単一細胞解析システムへの挑戦
研究課題/研究課題番号:18K18834 2018年6月 - 2020年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
丸山 央峰
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
本研究課題では,細胞内外の培養環境の計測を実現するため,蛍光回復により長期環境計測を実現するハイドロゲル光環境センサの作製では,蛍光を用いたセンサの課題である光退色を補償し,100回以上の計測が可能なセンサを作製した.ハイドロゲル光環境マイクロセンサのオンチップ作製では,マイクロ流体チップを用いて,前記のハイドロゲル光環境センサを10±0.5 umの範囲のサイズでの作製した.光操作・光刺激による蛍光マイクロセンサの選択的細胞導入では,異なる波長のレーザを用いた光操作・光刺激により10秒の加熱で70%の成功率で低侵襲に細胞内へ光環境センサを導入した.
細胞内外の環境計測は,再生医療分野における細胞・組織の生理状態の可視化による好培養条件探索および刺激応答計測,インフルエンザウイルス等が感染したウイルス感染細胞内でのウイルス増殖を細胞状態を温度やpH,酸素濃度等をパラメータとして評価することで薬や治療法の対策等,等現在我々が直面している感染症への対策や,医療に関して大きな貢献が期待されるものである. -
研究課題/研究課題番号:18H03762 2018年4月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
新井 史人, 魚住 信之, 丸山 央峰
担当区分:研究分担者
藍藻の生体膜に発現しているイオン輸送体の一つである機械刺激受容性チャネル(メカノセンシティブチャネル:mechanosensitive channel, MscL)は,細胞の浸透圧調節および生体膜のテンションの調節に必須と考えられているが,細胞サイズが小さいことから,これまで,浸透圧変化に対する特性は不明な点が多い.本研究では,マイクロ流体チップ,ロボット,光ピンセットをオンチップで統合した新たなシステムを構築し,特定のイオン輸送体の有無によって現れる藍藻の機械特性の変化を実験的に明らかにした.
大きさ2 μm程度の小さな細胞の評価は困難であり,その機能の多くは未解明なままである.光合成細胞である藍藻は,外界の浸透圧が下がると細胞が破裂し,死に至ってしまう.このため,イオン輸送体を用いてイオン等を流出させることにより細胞内の浸透圧を下げ,それ以上の水の流入を防ぐ適応機構が備わっている.本研究により,細胞の浸透圧変化に対する物理指標の変化を定量的に評価する方法論が示され,藍藻の生体膜で機能する特定のイオン輸送体によって現れる藍藻の特性が明らかになった.提案手法は,他の実験系にも適用できるため,波及効果がある. -
トップダウン・ボトムアップ統合オンチップ細胞計測システム
研究課題/研究課題番号:16H04301 2016年4月 - 2019年3月
丸山 央峰
担当区分:研究代表者
配分額:14820000円 ( 直接経費:11400000円 、 間接経費:3420000円 )
本研究課題では,トップダウン・ボトムアップ的アプローチを統合したオンチップ細胞解析システムとして,1)光局所加熱による超高速細胞内導入を用いたボトムアップ細胞計測として,1064 nmおよび808 nmの異なる波長の赤外光を用いた蛍光センサの光操作および光加熱による細胞導入法の実現,2)トップダウン細胞計測に用いる蛍光センサの計測寿命延長のための,ハイドロゲル内の蛍光色素の拡散現象を用いた蛍光回復を用いた長寿命なハイドロゲル光環境センサの計測方法を用いて1000回以上の蛍光環境計測の実現,といった光計測法を用いたオンチップ細胞計測に必要な基盤技術を確立した.
本研究は,オンチップで操作可能な蛍光センサとチップ内に集積した蛍光センサアレイにより,細胞培養,環境制御,光ピンセットによる単一ウイルスの特定細胞への感染,細胞内局所計測,細胞集団計測に至るまでの一連の細胞解析プロセスをオンチップで行う点にある.一貫してオンチップで行うことで外乱の影響を受けにくくできる特徴がある.将来,ウイルス増殖を予防する新薬等の新たな診断・治療法に関する知見が得られる可能性があり,医療技術の発展にも貢献でき世界的に大きなインパクトとなり,生物科学との学際領域におけるブレイクスルーが期待される. -
オンチップ細胞計測を基盤とする光合成細胞の外部刺激応答特性の解明
研究課題/研究課題番号:15H02226 2015年4月 - 2018年3月
新井 史人
担当区分:研究分担者
藍藻(Synechocystis sp. strain PCC6803)への外部刺激に対する細胞応答を計測するためのオンチップ細胞計測基盤を確立した.微細加工技術を用いて,マイクロ流体チップに,細胞を変形する加圧プローブと力計測用センサプローブを有するマイクロ・ナノロボットを組み込み,プローブの位置制御および力計測を安定に行うことが可能となった.このシステムを用いて,異なる浸透圧条件に置かれた藍藻の正常株と機械刺激受容性チャネルの遺伝子不活化株に対して浸透圧条件の違いで,細胞サイズと硬さの指標である等価ヤング率を評価した.浸透圧の変化に対する機械刺激受容性チャネルの役割を明らかにした.
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ブラウン運動を用いた細胞内マルチパラメータ計測カプセル型センサ
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
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光機能制御ゲルツールを用いた細胞内の光操作・計測
2012年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 若手研究(A)
担当区分:研究代表者
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オンチップロボティクスを基盤とする光合成細胞の機能計測と解析
2012年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
新井史人
担当区分:研究分担者
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超高速操作による細胞計測と自律誘導モニタリング
2011年10月 - 2016年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)
新井史人
担当区分:研究分担者
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電気化学反応による表面機能制御を用いたマイクロ流体チップ制御機構
2011年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
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光機能制御ゲルマイクロツールの光ピンセット操作によるオンチップ微細作業
2009年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
担当区分:研究代表者
本課題では,光により機能制御可能な光機能制御ゲルマイクロツールを用いたオンチップ微細作業に関する研究を行った.主な成果としては,(1)細胞へのゲルツールの選択的固定方法として,フォトクロミック材料のスピロピランをゲルツールに導入し,紫外・可視光照射による可逆的な細胞付着制御,(2)細胞内の環境計測を目的とした,ロイコクリスタルバイオレットの紫外・可視光照射による可逆的なpH制御による選択的pH応答性リポフェクションによるゲルセンサの細胞導入,が挙げられる.
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オンチップ・テザードマイクロツールによる生体膜輸送体の動的計測と評価
2008年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
新井 史人
担当区分:その他
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ゲルマイクロツールの光ピンセット操作による閉空間内の局所環境計測
2007年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
丸山 央峰
担当区分:研究代表者