2025/03/27 更新

写真a

ツボキ カズヒサ
坪木 和久
TSUBOKI, Kazuhisa
所属
宇宙地球環境研究所 附属統合データサイエンスセンター 教授
大学院担当
大学院環境学研究科
職名
教授

学位 1

  1. 理学博士

研究分野 1

  1. その他 / その他  / 気象学

現在の研究課題とSDGs 1

  1. メソスケール気象学

学歴 2

  1. 北海道大学   理学研究科   地球物理

    - 1990年

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    国名: 日本国

  2. 北海道大学   理学部   地球物理

    - 1985年

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    国名: 日本国

所属学協会 2

  1. 日本気象学会

  2. 水文・水資源学会

委員歴 19

  1. 名古屋大学   情報連携統括本部会議委員  

    2022年4月 - 現在   

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    団体区分:その他

  2. 名古屋大学   契約維持対象電子ジャーナル検討ワーキンググループ委員会  

    2022年4月 - 現在   

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    団体区分:その他

  3. 名古屋大学 宇宙地球環境研究所    計画・評価委員会委員  

    2022年4月 - 2023年3月   

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    団体区分:その他

  4. 気象庁   気象庁線状降水帯予測精度向上ワーキンググループ委員  

    2022年 - 現在   

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    団体区分:政府

  5. 九州大学   九州大学応用力学研究所応用力学共同研究拠点共同利用・共同研究委員会  

    2020年 - 現在   

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    団体区分:その他

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受賞 5

  1. 令和4年度 科学技術分野文部科学大臣表彰

    2022年4月   文部科学省   航空機観測と数値モデルによる台風強度の研究

    坪木和久

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    受賞国:日本国

  2. 2018年SOLA論文賞

    2019年1月   日本気象学会  

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    受賞区分:学会誌・学術雑誌による顕彰  受賞国:日本国

  3. BEST POSTER AWARD WWEC2016 TOKYO

    2016年10月   World Wind Energy Association, WWEC2016 TOKYO Organizing Committee   Wind Power Simulation and Analysis Incorporating Highly-Resolved Weather Prediction and Measurement Data of Japan

    Fredrik Raak, Yoshihiko Susuki, Kazuhisa Tsuboki, Masaya Kato, Shinya Eguchi and Takashi Hikihara

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    受賞区分:国内学会・会議・シンポジウム等の賞  受賞国:日本国

  4. 平成18年度 第20回数値流体力学シンポジウム,ベストCFDグラフィックス・アワード「最優秀賞」

    2006年  

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    受賞国:日本国

  5. 平成17年度 可視化情報学会 映像賞(SGI賞)

    2004年  

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    受賞国:日本国

 

論文 137

  1. Where and why do Mei-yu season Heavy-rainfall quantitative precipitation forecasts in Taiwan improve the most using a higher model resolution

    Wang, CC; Chuang, PY; Tsuboki, K

    NATURAL HAZARDS   121 巻 ( 1 ) 頁: 383 - 403   2025年1月

  2. Objective classification for solid hydrometeor particles using deep learning

    Yoshimura, A; Tsuboki, K; Shinoda, T; Ohigashi, T; Shimizu, K

    PROGRESS IN EARTH AND PLANETARY SCIENCE   11 巻 ( 1 )   2024年11月

  3. Effects of Long-term Climate Change on Typhoon Rainfall Associated with Southwesterly Monsoon Flow near Taiwan: Mindulle (2004) and Morakot (2009) (vol 60, pg 345, 2024) 査読有り

    Wang, CC; Tseng, L; Huang, CC; Chuang, PY; Su, NC; Chen, CT; Lo, SH; Tsuboki, K

    ASIA-PACIFIC JOURNAL OF ATMOSPHERIC SCIENCES   60 巻 ( 5 ) 頁: 785 - 785   2024年11月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1007/s13143-024-00379-z

    Web of Science

  4. Evaluation of Newly Developed Dropsonde for Aircraft Observation

    Kanada, S; Kato, M; Tsuboki, K; Ohigashi, T; Hirano, S; Shimizu, K; Nozawa, R; Yoshimura, A; Goto, Y; Tsukagoshi, K

    SOLA   20 巻   頁: 378 - 385   2024年10月

  5. Potential Impacts of Future Climate Change on Super-Typhoons in the Western North Pacific: Cloud-Resolving Case Studies Using Pseudo-Global Warming Experiments

    Wang, CC; Hsieh, MR; Thean, YT; Zheng, ZW; Huang, SY; Tsuboki, K

    ATMOSPHERE   15 巻 ( 9 )   2024年9月

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    担当区分:最終著者  

    DOI: 10.3390/atmos15091029

    Web of Science

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書籍等出版物 9

  1. 地域防災に関する総合情報誌 地域防災 2020年10月号 通巻34号 論説 気候大変動時代の災害大国日本日本の激甚気象

    坪木和久, 内閣府災害緊急事態対処担当者, 内閣府避難生活担当者,環境省 環境再生・資源循環局 災害廃棄物体対策室 他( 担当: 分担執筆)

    一般財団法人日本防火・防災協会  2020年10月 

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    総ページ数:41   記述言語:日本語

  2. 激甚気象はなぜ起こる

    坪木 和久( 担当: 単著)

    新潮選書  2020年5月 

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    総ページ数:399   記述言語:日本語

  3. World Scientific Series on Asia-Pacific Weather and Climate-Vol.11 The Multiscale Global Monsoon System

    Chih-Pei Chang, Kyung-Ja Ha, Richard H.Jonson, Daehyun Kim, Gabriel N.C.Lau, Bin Wang( 担当: 共著)

    World Scientific  2020年  ( ISBN:978-981-121-659-6

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    総ページ数:406   記述言語:英語 著書種別:学術書

    High-resolution Simulations of Heavy Rainfalls in Association with Monsoon Systems and Typhoons Using Cloud-Resolving Models. Kazuhisa Tsuboki and Yali Luo

  4. 超多自由度系の新しい科学,第3章 3.2節気象のシミュレーション

    坪木和久*、金田行雄、笹井理生、小柳義夫、木寺詔紀、伊藤一仁、佐々木尚、田仲由喜夫、大成誠一郎、渡邉努、渡辺宙志、樋口知之、( 担当: 共著)

    共立出版  2010年11月 

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    記述言語:日本語

  5. High-Resolution Simulations of High-Impact Weather Systems Using the Cloud-Resolving Model on the Earth Simulator.

    ( 担当: 共著)

    Springer New York  2008年1月 

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    記述言語:英語

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講演・口頭発表等 156

  1. Aircraft observations of typhoons in the T-PARCII. 招待有り 国際共著 国際会議

    Kazuhisa TSUBOKI, Hiroyuki Yamada, Tadayasu Ohigashi, Taro Shinoda, Kosuke Ito, Munehiko Yamaguchi, Tetsuo Nakazawa, Nobuhiro Takahashi, Norio Nagahama, and Kensaku Shimizu,

    The 14th International Conference on Mesoscale Convective Systems and High-Impact Weather in East Asia (ICMCS-XIV)  2021年4月28日 

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    開催年月日: 2021年4月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:Online+Offine   国名:中華人民共和国  

  2. Aircraft dropsonde observation of atmospheric rivers associated with tropical cyclones in the western North Pacific. 国際会議

    Kazuhisa, Tsuboki

    Atmospheric River Reconnaissance Workshop  2023年6月27日 

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    開催年月日: 2023年6月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:ECMWF, Reading, UK,   国名:グレートブリテン・北アイルランド連合王国(英国)  

  3. Aircraft observation of the inner core of rapidly intensifying Typhoon Nanmadol (2022) 国際会議

    Kazuhisa, Tsuboki

    International Conference on Mesoscale Convective Systems ICMCS-XV  2023年5月23日 

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    開催年月日: 2023年5月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:Colorad, US   国名:アメリカ合衆国  

  4. スーパー台風の航空機観測

    坪木和久

    立命館大学防災フロンティア研究センター 2022年度シンポジウム,巨大災害のモニタリング~最新動向~  2023年1月27日  立命館大学防災フロンティア研究センター

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    開催年月日: 2023年1月

    記述言語:日本語   会議種別:公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等  

    開催地:キャンパスプラザ京都   国名:日本国  

  5. 台風と線状降水帯豪雨の航空機観測

    坪木和久

    リスク総括セミナー2022  2022年12月14日  新建新聞社

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    開催年月日: 2022年12月

    記述言語:日本語   会議種別:公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等  

    開催地:オンライン    国名:日本国  

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Works(作品等) 2

  1. Voice 特集災害から生き延びる 航空機とAIでスーパー台風に挑む 三十年度の台風で命を落とすことのない世界をめざしてー

    2018年10月

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    発表場所:ボイス 11月号 P114-P121  

  2. 2006年度秋季大会シンポジウム「台風-伊勢湾台風から50年を経て-」の報告“雲解像モデルで見た台風の構造”

    2008年5月

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    発表場所:天気  

共同研究・競争的資金等の研究課題 4

  1. 台風等極端事象の高解像度ダウンスケーリングシミュレーション

    2018年4月 - 2022年3月

    統合的気候モデル高度化研究プログラム 

    坪木 和久

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    資金種別:競争的資金

  2. 災害をもたらす気象現象に関する研究および河川流出、氾濫関連の研究

    2015年4月 - 2021年3月

    国内共同研究 

    加藤雅也

  3. 台風に伴う豪雨の高精度量的予測と降水形成機構の解明

    2006年

  4. 気象レーダー同化型数値予報モデルに関する研究

    2003年

    企業からの受託研究 

科研費 7

  1. Seeder-Feeder豪雨機構の最先端フィールド観測と水災害軽減に向けた総合研究

    研究課題/研究課題番号:24H00033  2024年4月 - 2029年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(S)

    中北 英一, 坪木 和久, 篠田 太郎, 鈴木 賢士, 大石 哲, 岩井 宏徳, 大東 忠保, 相馬 一義, 山口 弘誠

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    担当区分:研究分担者 

    本研究では、この豪雨をもたらすSeeder-Feeder機構に焦点を当て、これまで我々の研究チームが積み上げてきた観測手法に加え、新たに開発された雲・降水粒子撮像ゾンデやフェーズドアレイ偏波降雨レーダといった10年前には無かった新たな観測技術を加えた最先端のフィールド集中観測を、地形性豪雨で有名な屋久島や紀伊半島南部、ならびに神戸六甲山周辺で実施し、そのメカニズムを明らかにする。これにより、豪雨機構の解明だけでなく、レーダによる高精度の地上降水量推定の方法を構築し、国交省などの現業レーダ観測網の大幅な再構築にも一石を投じる。

  2. 航空機観測によるスーパー台風の力学的・熱力学的構造と強化プロセスの解明

    研究課題/研究課題番号:21H04992  2021年7月 - 2026年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(S)

    坪木 和久, 辻野 智紀, 伊藤 耕介, 山田 広幸, 堀之内 武, 篠田 太郎, 高橋 暢宏, 清水 慎吾, 大東 忠保, 南出 将志, 榎本 剛, 山口 宗彦

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:189150000円 ( 直接経費:145500000円 、 間接経費:43650000円 )

    台風は自然災害の最大要因であり、なかでも最強カテゴリーのスーパー台風は甚大な被害をもたらす。地球温暖化に伴い、日本本土へのスーパー台風の上陸が懸念されている。しかし台風強度の推定値と予測値の両方に大きな誤差があることが大きな問題となっている。その最大原因は台風が急速に発達する「急速強化」である。さらにそのとき眼の壁雲が二重となる構造がしばしばみられ、その力学的・熱力学的構造が未解明だからである。本研究課題では、スーパー台風が、なぜ、そしてどのように形成されるのか、それにおける急速強化と二重壁雲構造はどのような役割をしているのかを、航空機観測、地上観測、数値シミュレーションの三本柱で解明する。
    航空機を用いて2022年9月16日と17日にスーパー台風Nanmadolのドロップゾンデ観測を実施し、スーパー台風になる前後の眼内部の暖気核の熱力学的構造を観測するとともに、二重壁雲の力学的・熱力学的構造を観測することができた。ドロップゾンデの観測データは、リアルタイムで気象庁および世界中の気象予報機関に送信され、数値予報モデルにデータ同化され、この台風の現業予報に利用された。さらにこの航空機観測では飛行経路上の温度等のデータを取得し、二重壁雲構造の暖気核の水平方向の広がりを観測した。
    台風Nanmadolの航空機観測の実施時に、南大東島で高層気象観測を実施し、航空機が上空を飛行するときに同期観測を実施した。これによりドロップゾンデ観測データの検証を行った。航空機からのドロップゾンデなど台風中心のゾンデデータを用いて中心気圧と気温偏差の関係を調べ、両者に強い相関があることを明らかにした。
    2022年5~8月に、米国・台湾・日本の国際共同観測を航空機観測と連携して実施した。与那国島では、気球による高層気象観測を連続して実施し、暖候期の台風発生環境を観測した。7月5日に台風Aereが太平洋から東シナ海を北上しときに与那国島地上観測と連携して航空機観測を実施した。
    名古屋大学および気象庁の複数の数値大気モデルを用いて、スーパー台風の再現実験を実施した。その結果から、急速強化時に見られた角運動量輸送が急発達に重要であることをあきらかにした。また複数モデルの比較からNanmadol の急速強化の再現性はモデルの乱流過程によって大きく影響を受けることをあきらかにした。
    ひまわり8号による30秒間隔の観測を用いて,台風の眼の中の風速の時間変換とその要因を明らかにした。また,低軌道衛星搭載合成開口レーダーによる地表風観測を検証に用いて,静止衛星の赤外画像から最大風速半径を推定する方法を開発した。
    本研究課題はスーパー台風を対象とするので、観測対象として適切なスーパー台風が発生するかどうか、またそれが観測可能範囲に入るかどうかが最も懸念されていた。航空機観測は2~4年度目の3年間に実施を計画し、台風の状況よって実施できない場合は、航空機観測の予算を翌年度に繰り越すなどの対応で、研究の5年度目前半までに、スーパー台風を観測する計画であった。それが2年目の本年度にスーパー台風Nanmadolの観測により、スーパー台風の観測、急速強化過程の観測、二重壁雲構造の観測という当初目的の観測を達成することができた。特に申請時の計画になかったがヒアリングで審査委員から出された要望の、スーパー台風になる前の状態からの観測も実施することができたことは、想定以上の成果といえる。
    これらにより申請書に示した研究のフレームワークと役割分担の実施項目として、「航空機観測」の各項目は達成できたことになる。また「地上観測」の与那国島における国際共同観測と南大東島での高層気象観測およびドロップゾンデ検証観測も実施した。「データ同化と予報実験」における多様な数値モデルを用いたシミュレーションとデータ同化、および「数値シミュレーション」と観測の連携も十分行われており、また、それぞれのモデルを用いた研究も進んでいる。主要な3つの研究目的の(i)「二重壁雲の暖気核構造の解明」と、(ii)「航空機観測により台風の直接測定を行い、精度の高い測定値を取得し、そのデータを高解像度の数値モデルに取り込み観測されたスーパー台風を再現する。その結果に基づき、眼の暖気核などの力学的・熱力学的構造と急速強化のプロセスをあきらかにする」はほぼ達成できており、未達成の(iii)「台風の進路と強度の予測を高精度化できることを示すこと」についても、それを達成するために必要なデータも得られている。
    これらのことから上記の達成度と判断できる。
    2023年以降も当初研究計画に沿って研究を進める。特に8月下旬から9月下旬を観測期間として、台風の航空機観測を実施する。今後の航空機観測は台湾大学の実施する航空機観測と連携して、沖縄本島から南西諸島の南または南東海上で実施する。対象とする台風はできるだけ強い台風で、可能な限りスーパー台風をねらう。また、観測は2日間に2回のフライトを実施し、急速強化プロセスの観測をねらう。さらに可能であれば二重壁雲構造のスーパー台風の観測を行う。ただし、これは台風の発生・発達状況によるので、台風の状況によって観測の実施と中止を判断できるように、観測には十分な準備期間を設けて臨む。観測はこれまで実施してきたようにドロップゾンデによる観測を中心とし、フライトレベルのデータも同時に取得する。さらにドロップゾンデ観測データの検証のために南大東島での気球によるゾンデ観測を航空機の通過に同期して実施する。
    航空機観測を実施したドロップゾンデ観測データおよびフライトレベルのデータの品質チェックを高度化し、データを整備するとともに、DOIを附して公開を検討する。これらのデータを解析して、台風の力学的・熱力学的構造をあきらかにする。特にスーパー台風Nanmadolについて、急速強化プロセスと二重壁雲構造に着目してこれらのデータの解析を進める。
    スーパー台風Nanmadolについての、高解像度シミュレーションを実施し、ドロップゾンデ観測データ等と比較しつつ、急速強化プロセスと二重壁雲構造の特徴をあきらかにする。観測データを雲解像モデルCReSSに同化する方法を開発する。特に2022年に取得されたデータに対して、連続的にデータ同化を行い、予測インパクトを定量的に評価する。これらにより航空機で観測されたスーパー台風周辺の多点におけるデータを、台風の予報モデルに取り込み、台風の進路と強度の予測を高精度化できることを示す。

  3. 豪雨と暴風をもたらす台風の力学的・熱力学的・雲物理学的構造の量的解析

    研究課題/研究課題番号:16H06311  2016年5月 - 2021年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(S)

    坪木 和久, 伊藤 耕介, 山田 広幸, 中山 智喜, 篠田 太郎, 高橋 暢宏, 新垣 雄光, 大東 忠保, 山口 宗彦, 森 浩一, 松見 豊

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:177580000円 ( 直接経費:136600000円 、 間接経費:40980000円 )

    台風の強度推定値と予測には大きな誤差がある。この問題を解決するために航空機による台風の直接観測を実施した。まず、測定装置のドロップゾンデを新規に開発した。次にこれを用いて台風の最強カテゴリーであるスーパー台風を観測した。2017年台風21号、2018年24号について、高高度で眼への貫入観測を実施し、開発したドロップゾンデシステムを用いて中心気圧と最大風速の直接観測に成功した。その結果、台風強度を高精度に測定し、強度をコントロールする眼の力学的・熱力学的構造をあきらかにした。さらに眼の壁雲の外側でもドロップゾンデ観測を行い、これらのデータを予報モデルに取り込むことで予報が改善することを示した。
    本研究の成果は、防災上の大きな問題である、非常に強い台風の強度推定値と予測値の大きな誤差を改善し、日本における自然災害の最大要因であり、台風の防災に大きく寄与するものである。地球上最強の気象である台風のうち、特に強いスーパー台風について、高高度で眼への貫入観測を行い、中心気圧と最大風速を高精度に測定し、台風強度をコントロールする眼の力学的・熱力学的構造をあきらかにすることは世界的にみて、台風などの熱帯低気圧についての重要な知見をもたらす。台風強度の高精度測定値は、地球温暖化に伴い激甚化が懸念されている台風の長期変動をあきらかにする基礎データとなる。

  4. Ka帯雲レーダと地上観測を用いた氷晶-雪片変化過程の解析

    研究課題/研究課題番号:16H04049  2016年4月 - 2019年3月

    篠田 太郎

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    担当区分:研究分担者 

    走査型Ka帯偏波レーダを用いて、固体降水粒子の新しい観測手法の検討を行った。Ka帯レーダは従来の降水レーダに比べて波長が短いために、粒径の小さな雲粒や氷晶の観測が可能になると期待される。一方で、大粒径の粒子(雪片・霰)などの観測には適していないため、当初想定していた粒子判別法の適用には適さないことを明らかにした。また、偏波間位相差変化率KDPの極大領域を検出することで、多数の氷晶粒子が存在する領域を3次元的に検出することが可能であることを示した。KDP極大領域を時空間的に追跡することで、降水システム内部の氷晶粒子の生成過程と移流過程を追跡することが可能となると期待できる。
    走査型Ka帯偏波レーダが出力する偏波間位相差変化率KDPを用いて、降水システム内部で氷晶粒子が数多く存在する領域を検出できることを明らかにした。この領域の時空間変化を追跡することで、氷晶粒子の生成領域やその後の移流過程の推定を行うことが可能である。最近、ジェット機が上層を飛行中に多量の氷晶粒子を吸い込んでエンジンが停止してしまう事故が発生した事例があり、レーダによってこのような領域の検出を行えれば、安全運航に有効な手法となる可能性がある。また、多量の氷晶粒子の存在は雲解像数値モデルでは表現されておらず、氷晶粒子の生成過程や雪片への変換過程の改修に必要な情報となる。

  5. ストームジェネシスを捉えるための先端フィールド観測と豪雨災害軽減に向けた総合研究

    研究課題/研究課題番号:15H05765  2015年5月 - 2020年3月

    中北 英一

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    担当区分:研究分担者 

    集中豪雨やゲリラ豪雨による水災害軽減のための総合的基礎研究を実施した。最新の気象レーダーを含むマルチセンサーを京阪神と沖縄に集結させた大規模フィールド実験を行い、積乱雲の生成過程と発達過程をシームレスに高時空間解像度で捉えることに成功しただけでなく、将来の観測技術の発展にも貢献した。その観測を土台として、発達過程の詳細な振る舞いの発見、生成過程においても渦管の正負のペア構造とスケール間階層構造の存在を発見するとともに、より早期でのゲリラ豪雨の危険性予測への道を開いた。また、新たな降雨予測情報による洪水・土砂災害軽減手法も開発した。
    降雨、雲、気流を測るマルチセンサーを集結させた最先端観測、および、渦と都市効果を適切に表現するためのLESモデル開発、といった最先端の観測とモデルの両アプローチという世界的に類を見ない先端的研究を実現した。結果、これまで誰も解き明かすことのできなかった積乱雲の生成過程とその発達過程への影響の解明という課題に挑戦し、渦管の振る舞いにその科学的な解を発見した。このことは、これまでに国で現業化してきた豪雨危険予測システムの高精度化・定量化へのポテンシャルを大きく高めるという社会的貢献も果たしたことになる。

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社会貢献活動 17

  1. 命を守る地域社会に ②豪雨との闘い 

    役割:取材協力, 助言・指導, 情報提供

    中日新聞  中日新聞朝刊  2021年3月

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    対象: 社会人・一般

    種別:新聞・雑誌

    命を守る地域社会に ②豪雨との闘い 「さらなるインフラ整備が必要 気象災害で命が失われない地域社会を構築すべき」名前入りコメント掲載

  2. 地球温暖化に伴う国内の影響についての報告書をまとめた記事

    役割:情報提供

    読売新聞  2020年12月

  3. 天声人語に著書紹介記事

    役割:情報提供

    朝日新聞朝刊  2020年9月

  4. 台風について(飛行機観測紹介)

    役割:取材協力, 情報提供

    朝日新聞  2020年9月

  5. 気象の直接観測について

    役割:取材協力, 助言・指導, 情報提供

    中日新聞  2020年9月

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メディア報道 8

  1. 台風の航空機観測について テレビ・ラジオ番組

    NHK地上波  サイエンスZERO  2020年11月

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    執筆者:本人 

  2. 台風の強度測定と予測精度の向上に向けた航空機観測最前線 テレビ・ラジオ番組

    NHKラジオ第二放送  文化講演会  2020年11月

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    執筆者:本人 

  3. 台風について テレビ・ラジオ番組

    NHKラジオ第1放送  Nラジ  2020年9月

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    執筆者:本人 

  4. 台風10号について テレビ・ラジオ番組

    NHK地上波  クローズアップ現代プラス  2020年9月

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    執筆者:本人 

  5. 激甚水害多発時代について テレビ・ラジオ番組

    NHK地上波  NHKスペシャル  2020年9月

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    執筆者:本人 

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