2025/10/22 更新

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イシバシ アキヒロ
石橋 明浩
ISHIBASHI Akihiro
所属
大学院理学研究科 理学専攻 物理学第二 教授
大学院担当
大学院理学研究科
学部担当
理学部 物理学科
職名
教授
 

論文 1

  1. The higher dimensional instabilities of AdS in holographic semiclassical gravity 査読有り

    Akihiro Ishibashi, Kengo Maeda, Takashi Okamura

    Journal of High Energy Physics   2025 巻 ( 4 )   2025年4月

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:Springer Science and Business Media LLC  

    Abstract

    In the framework of AdS/CFT duality, we consider the semiclassical problem in general quadratic theory of gravity. We construct asymptotically global AdS and hyperbolic (topological) AdS black hole solutions with non-trivial quantum hair in 4 and 5-dimensions by perturbing the maximally symmetric AdS solutions to the holographic semiclassical equations. We find that under certain conditions, our semiclassical solution of hyperbolic AdS black holes can be dynamically unstable against linear perturbations. In this holographic semiclassical context, we also study the thermodynamic instability of the hairy solutions in the 5-dimensional Gauss-Bonnet theory by computing the free energy and show that depending on the parameter of the Gauss-Bonnet theory, the free energy can be smaller than that of the background maximally symmetric AdS solution in both the global AdS and hyperbolic AdS black hole cases.

    DOI: 10.1007/jhep04(2025)167

    その他リンク: https://link.springer.com/article/10.1007/JHEP04(2025)167/fulltext.html

書籍等出版物 1

  1. ブラックホールの数理【電子版】その大域構造と微分幾何

    石橋明浩( 担当: 単著)

    2025年3月  ( ISBN:9784781990347

講演・口頭発表等 1

  1. BMS Supertranslations and Gravitational Memory”( 招待有り

    石橋明浩

    Holography, Quantum Entanglement and Higher Spin Gravity 

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    記述言語:英語  

科研費 3

  1. ホログラフィック理論による時空の量子相転移の解明

    研究課題/研究課題番号:25K07306  2025年4月 - 2029年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    前田 健吾, 石橋 明浩, 岡村 隆, 石橋 明浩, 岡村 隆

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    担当区分:研究分担者 

    ブラックホールなどの強い重力場中では必ず時空特異点が発生することを主張する特異点定理やワームホールなどの非自明なトポロジーを持つ時空は存在しないと主張するトポロジー定理は、一般相対性理論における金字塔である。しかしながら、物質場の量子効果を考慮すると、定理に課されているエネルギー条件などは必ずしも成立しないことが知られている。量子重力理論が未完成な現時点において、本研究ではAdS/CFT対応を利用して、曲がった時空での物質場の量子効果を時空に取り入れ、その半古典方程式を解くことで、これまで知られていなかった時空の量子相転移や、エネルギー条件の解明、ブラックホール時空の安定性を解明する。

  2. 極限宇宙の物理法則を創る-量子情報で拓く時空と物質の新しいパラダイム

    研究課題/研究課題番号:21H05182  2021年9月 - 2026年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  学術変革領域研究(A)

    高柳 匡, 白水 徹也, 石橋 明浩, 中田 芳史, 奥西 巧一, 遊佐 剛, 小林 努, 手塚 真樹, 飯塚 則裕, 堀田 知佐, 森前 智行, 堀田 昌寛, 中島 秀太, 泉 圭介, 西岡 辰磨, 上田 宏, 白水 徹也, 石橋 明浩, 中田 芳史, 奥西 巧一, 遊佐 剛, 小林 努, 手塚 真樹, 上田 宏, 飯塚 則裕, 堀田 知佐, 森前 智行, 堀田 昌寛, 中島 秀太, 泉 圭介, 西岡 辰磨

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    担当区分:研究分担者 

    量子情報をキーワードとして「極限宇宙の3問題」の解明を目的とする本領域が2021年9月に発足して以来、本総括班は、この研究プロジェクトを発展させるために、「領域運営」「分野融合」「若手育成」「国際活動」「広報」の各活動を開始し、以下に挙げるような実績を挙げてきた。まず、領域の運営方針を打ち合わせる「総括班会議」を総括班メンバー15名がオンライン会議を行う形式で9月以降毎月開催してきた。領域内の異分野融合を促進する目的で、複数の計画研究が主催し、その研究成果を報告・討論する「循環ミーティング」をオンライン会議の形で毎月開催し、毎回50名以上の出席者を得ている。特に、11月には、これを拡大して、本領域のキックオフミーティングとして、9つの計画研究が全て講演する形で2日間行った。また、国際的な視点から異分野融合の話題に触れる機会を領域メンバーやより広く領域外の研究者が得られるように、「領域オンラインコロキウム」を立ち上げ、毎月、国内外より著名な研究者をコロキウム講演に招へいしてきた。講演後もオンラインお茶会を開催し、講演者と若手研究者が交流し合う機会を提供した。さらに、米国のIt from Qubitサイモンズ共同研究と共催する形で、「領域国際会議」を12月に3日間オンラインで開催し、国際交流を促進した。また、2022年の3月には、領域メンバー全員が参加し、今年度の成果報告と来年度以降の研究計画の討論を行う「領域会議」を2日間、京都大学基礎物理学研究所にて対面とオンラインを併用して開催した。その直前には、若手育成を目的に「領域スクール」を開催し、量子情報、場の量子論、一般相対論の実践的な知識を異分野の若手が習得する良い機会となり、300名超の参加者を得た。また本総括班は、広報活動として、領域ホームページの作成・発信、領域ツイッターの作成・発信、ニュースレター発行を行った。

  3. 量子情報を用いた量子ブラックホールの数理の解明

    研究課題/研究課題番号:21H05186  2021年9月 - 2026年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  学術変革領域研究(A)

    石橋 明浩, 村田 佳樹, 前田 健吾, 村田 佳樹, 前田 健吾

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:75140000円 ( 直接経費:57800000円 、 間接経費:17340000円 )

    宇宙のブラックホールは極限的に強い重力により発生する「空間の極限」といえよう。その内部には物理法則の破綻する「特異点」が存在し、一方、外部領域における場の量子論的考察からは「ブラックホールの情報損失パラドックス」という物理法則と情報理論に関する根源的問題が発生する。こうした量子ブラックホールの不思議に対して、本研究計画は、新しい量子エネルギー条件など、一般相対論と最新の量子情報理論とを結びつける基礎方程式を導出し、量子ブラックホールの数理を解明する。そして時空・量子・情報にまたがる「極限宇宙」の基礎学理の創造に挑む。
    今年度は、先ずホーキング温度がゼロとなる漸近AdSの極限ブラックホールの「アトラクター機構」という地平面近傍の特殊性の研究を行った。静的荷電極限ブラックホールに対するアトラクター機構を、回転による極限ブラックホールの場合に一般化し、特に地平面近傍の時空がMyers-Perryブラックホール解のそれと一致しなければならないことを示した。
    また、重力に量子効果を取り入れるための半古典アインシュタイン方程式を、ホログラフィー原理を用いて定式化する方法を提案した。それを用いてAdS時空の共形境界としてのAdS時空上の摂動を考察した。ホログラフィー原理(AdS/CFT対応)を用いることで、境界AdS時空上の強結合CFTの反作用を取り込むことができ、特に境界AdS時空に対する量子場の効果の強さが閾値を越えると、境界AdS時空が摂動不安定となることを3次元の場合に証明した。さらに、その摂動不安定な3次元境界AdS時空の熱力学的不安定性も確認し、量子場の効果によるAdS時空上のある種の自発的対称性の破れを指摘した。
    厳密繰り込み群を用いる漸近安全量子重力理論におけるブラックホールについても、昨年度の研究の発展として量子補正を受けたブラックホールの解空間の構造を精査し、量子補正を受けた漸近ドジッター(dS)や反ドジッター(AdS)ブラックホールの引き起こす新らたな相転移を発見した。
    量子重力理論の構築には程遠くても、低エネルギーにおいては重力の量子効果を作用積分に高階微分項を含めた有効理論で記述することができる。その様な理論ではエネルギー条件とそれに伴う光線束の収束性が一般に破れ、一般相対論において確立したブラックホール諸定理が成立しないが、エネルギー条件や収束性に修正をくわえることで、ブラックホールの剛性定理を証明した。
    研究実績欄で述べたもののほか、局所AdSブラックホール時空の摂動安定性についての研究を進めている。それについては、モード分解された摂動については、厳密に安定・不安定の基準を確立できたが、モード和を取った場合の解析が未だである。
    ホログラフィー原理による半古典アインシュタイン方程式を用いた解析として、今年度は共形無限遠における境界AdS時空が3次元の場合に、その安定性を解析を遂行することができた。今後は一般次元の場合、特にアノマリーが現れる偶数次元の場合の解析が課題である。
    ブラックホールの数値解析の専門家であるPau Figueras博士を国内で行われた国際研究会JGRG32に招聘し本研究課題に関する講演をしていただいた。また、高階微分項が加わった理論と相対論的流体の扱いの同等性や修正重力理論におけるブラックホール摂動論について最新情報を得るとともに問題点の検討を行った。そこでの議論を量子ブラックホールの数理の解明研究に包摂するのが今後の課題としてある。
    量子情報量を包摂する手段としての量子収束条件を、蒸発するブラックホールの文脈で、ホーキング輻射の反作用を考慮した時空上で考察し、その成否を検討する。量子重力が厳密に解ける2次元重力模型で解析をはじめ、それを基に量子エネルギー条件やエントロピーの上限等についても考察し、ブラックホールの情報喪失問題への示唆を得る。
    また、ホログラフィー原理による半古典アインシュタイン方程式を用いた解析として、背景時空と整合する平均化された光的エネルギー条件(self-consistent ANEC)の解析を行う。局所AdSブラックホールの安定性の問題の成果をまとめる。ただしモード分解によらない摂動に対する安定性の考察が課題として残っている。
    漸近安全量子重力におけるブラックホールについては、熱力学法則と整合するスケール同一視を、これまでの研究により発見している。それを推し進めて、今後は熱力学特性だけでなく、内部特異点も同時に解消可能な好ましいスケール同一視の方法を考案することが課題の一つである。