トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任助教

2024/04/16 更新
博士(農学) ( 2016年12月 北海道大学 )
細胞極性
トランスポーター
細胞生物学
植物栄養学
シロイヌナズナ
エンドサイトーシス
受容体
トランスポーター
植物生理学
ライフサイエンス / 植物栄養学、土壌学 / ホウ酸輸送体
ライフサイエンス / 植物分子、生理科学 / 細胞極性,輸送体,受容体,膜タンパク質
ライフサイエンス / 発生生物学 / 放射軸細胞極性
ライフサイエンス / 植物分子、生理科学
受容体様キナーゼの極性スイッチの分子機構と生理学的意義の解明
ケミカルジェネティクスによる植物の細胞極性形成機構の解明
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)さきがけ(兼任)
2022年10月 - 2026年3月
備考:さきがけ「植物分子の機能と制御」領域 第3期生
名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所/高等研究院 YLC特任助教
2022年4月 - 現在
日本学術振興会 特別研究員PD
2020年4月 - 2022年3月
名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 博士研究員
2017年9月 - 2020年3月
大阪府立大学 博士研究員
2017年1月 - 2017年8月
大阪府立大学 技術支援員
2016年4月 - 2017年1月
日本学術振興会 特別研究員DC1
2013年4月 - 2016年3月
北海道大学 農学院 生物資源科学専攻
2013年4月 - 2016年3月
北海道大学 生命科学院 生命システム科学専攻
2011年4月 - 2013年3月
東北大学 農学部 応用生物化学科
2007年4月 - 2011年3月
日本土壌肥料学会
日本植物生理学会
日本植物生理学会
日本植物学会
日本土壌肥料学会
第42回(2024年度)日本土壌肥料学会奨励賞
2024年9月 日本土壌肥料学会
日本土壌肥料学会 2021 年度北海道大会 若手口頭発表優秀賞
2021年9月 日本土壌肥料学会 化学遺伝学による栄養素輸送体の極性局在機構の解明
吉成 晃, 佐藤綾人, Wolf Frommer, 中村匡良
日本植物生理学会 PCP論文賞
2018年3月 日本植物生理学会 DRP1-dependent endocytosis is essential for polar localization and boron-induced degradation of the borate transporter BOR1 in Arabidopsis thaliana.
ITbM Award
2018年2月 トランスフォーマティブ生命分子研究所
ITbM Award
2018年2月
吉成 晃
優秀発表賞
2016年7月 第11回トランスポーター研究会
最優秀ポスター発表賞
2015年9月 第1回植物の栄養研究会
Best Poster Presentation Award
2013年8月 International Plant Nutrition Colloquium (IPNC) 2013
修士論文発表会 最優秀発表者賞
2013年3月 北海道大学大学院 生命科学院
Near-infrared imaging of phytochrome-derived autofluorescence in plant nuclei. 査読有り
Yoshinari A, Isoda R, Yagi N, Sato Y, Lindeboom JJ, Ehrhardt DW, Frommer WB, Nakamura M
The Plant journal : for cell and molecular biology 2024年3月
Akira Yoshinari, Yutaro Shimizu, Takuya Hosokawa, Akihiko Nakano, Tomohiro Uemura, Junpei Takano
2023年12月
Advances in Synthetic Fluorescent Probe Labeling for Live-Cell Imaging in Plants.
Yagi N, Yoshinari A, Iwatate RJ, Isoda R, Frommer WB, Nakamura M
Plant & cell physiology 62 巻 ( 8 ) 頁: 1259 - 1268 2021年7月
GNOM-dependent endocytosis maintains polar localisation of the borate exporter BOR1 in Arabidopsis. 査読有り
Yoshinari A, Toda Y, Takano J
Biology of the cell 113 巻 ( 5 ) 頁: 264 - 269 2021年1月
Using Genetically Encoded Fluorescent Biosensors for Quantitative In Vivo Imaging. 査読有り 国際誌
Yoshinari A, Moe-Lange J, Kleist TJ, Cartwright HN, Quint DA, Ehrhardt DW, Frommer WB, Nakamura M
Methods in molecular biology (Clifton, N.J.) 2200 巻 頁: 303 - 322 2021年
Transport-coupled ubiquitination of the borate transporter BOR1 for its boron-dependent degradation. 査読有り
Yoshinari A, Hosokawa T, Beier MP, Oshima K, Ogino Y, Hori C, Takasuka TE, Fukao Y, Fujiwara T, Takano J
The Plant cell 33 巻 ( 2 ) 頁: 420 - 438 2020年12月
Sensors for the quantification, localization and analysis of the dynamics of plant hormones. 査読有り 国際誌
Isoda R, Yoshinari A, Ishikawa Y, Sadoine M, Simon R, Frommer WB, Nakamura M
The Plant journal : for cell and molecular biology 105 巻 ( 2 ) 頁: 542 - 557 2020年11月
Iwatate RJ, Yoshinari A, Yagi N, Grzybowski M, Ogasawara H, Kamiya M, Komatsu T, Taki M, Yamaguchi S, Frommer WB, Nakamura M
The Plant cell 32 巻 ( 10 ) 頁: 3081 - 3094 2020年10月
Polar Localization of the Borate Exporter BOR1 Requires AP2-Dependent Endocytosis. 査読有り 国際誌
Yoshinari A, Hosokawa T, Amano T, Beier MP, Kunieda T, Shimada T, Hara-Nishimura I, Naito S, Takano J
Plant physiology 179 巻 ( 4 ) 頁: 1569 - 1580 2019年4月
Routray P, Li T, Yamasaki A, Yoshinari A, Takano J, Choi WG, Sams CE, Roberts DM
Plant physiology 178 巻 ( 3 ) 頁: 1269 - 1283 2018年11月
TOL proteins mediate vacuolar sorting of the borate transporter BOR1 in Arabidopsis thaliana. 査読有り
Yoshinari A, Korbei B, Takano J
Soil Sci Plant Nutr 64 巻 ( 5 ) 頁: 598 - 605 2018年
Insights into the Mechanisms Underlying Boron Homeostasis in Plants. 査読有り
Yoshinari A, Takano J
Frontiers in plant science 8 巻 頁: 1951 2017年11月
Polar Localization of the NIP5;1 Boric Acid Channel Is Maintained by Endocytosis and Facilitates Boron Transport in Arabidopsis Roots. 査読有り
Wang S, Yoshinari A, Shimada T, Hara-Nishimura I, Mitani-Ueno N, Feng Ma J, Naito S, Takano J
The Plant cell 29 巻 ( 4 ) 頁: 824 - 842 2017年4月
Plant Aquaporin Trafficking
Takano Junpei, Yoshinari Akira, Luu Doan-Trung
PLANT AQUAPORINS: FROM TRANSPORT TO SIGNALING 頁: 47 - 81 2017年
Near-infrared imaging of phytochrome-derived autofluorescence in plant nuclei
Akira Yoshinari, Reika Isoda, Noriyoshi Yagi, Yoshikatsu Sato, Jelmer J. Lindeboom, David W. Ehrhardt, Wolf B. Frommer, Masayoshi Nakamura
2023年9月
SWEET13 transport of sucrose, but not gibberellin, restores male fertility in <i>Arabidopsis sweet13;14</i>.
Isoda R, Palmai Z, Yoshinari A, Chen LQ, Tama F, Frommer WB, Nakamura M
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 119 巻 ( 42 ) 頁: e2207558119 2022年10月
Qi X, Yoshinari A, Bai P, Maes M, Zeng SM, Torii KU
eLife 9 巻 頁: 1 - 29 2020年8月
Yoshinari A, Takano J
Methods in molecular biology (Clifton, N.J.) 2177 巻 頁: 1 - 13 2020年
Beier MP, Obara M, Taniai A, Sawa Y, Ishizawa J, Yoshida H, Tomita N, Yamanaka T, Ishizuka Y, Kudo S, Yoshinari A, Takeuchi S, Kojima S, Yamaya T, Hayakawa T
The Plant journal : for cell and molecular biology 93 巻 ( 6 ) 頁: 992 - 1006 2018年3月
Plant Aquaporin Trafficking
Takano J, Yoshinari A, Luu DT( 担当: 共著)
2017年
アダプタータンパク質複合体AP-4はホウ酸トランスポーターBOR1のTGNから液胞への輸送において重要である
HOSOKAWA Takuya, YOSHINARI Akira, YOSHINARI Akira, KUNIEDA Tadashi, KUNIEDA Tadashi, SHIMADA Tomoo, HARA-NISHIMURA Ikuko, TAKANO Junpei
日本植物生理学会年会(Web)60th 巻 2019年
ホウ酸トランスポーターAtBOR1の液胞標的化におけるアダプター蛋白質複合体4(AP-4)の役割
HOSOKAWA Takuya, YOSHINARI Akira, KUNIEDA Tadashi, KUNIEDA Tadashi, SHIMADA Tomoo, HARA-NISHIMURA Ikuko, TAKANO Junpei
日本植物生理学会年会(Web)59th 巻 2018年
植物の内外を決める細胞極性の謎を解き明かす 招待有り
吉成 晃
第185回 Plant Science Seminar(北海道大学理学研究院) 2024年1月23日
植物の細胞極性を制御する分子基盤の解明
2022年10月 - 2026年3月
さきがけ「植物分子の機能と制御」領域
植物の細胞極性を制御する分子基盤の解明
研究課題/研究課題番号:1199518 2022年10月 - 2026年3月
科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業個人型研究(さきがけ)
担当区分:研究代表者
ホウ酸トランスセプターによるホウ素応答機構
研究課題/研究課題番号:26712007 2014年4月 - 2018年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(A)
高野 順平, 吉成 晃, 汪 社亮
植物は土壌中/植物体内のミネラル栄養濃度をセンシングし、輸送系を制御して変動するミネラル環境に適応している。ホウ酸は植物の生育に必須であるが過剰に蓄積すると毒ともなる。シロイヌナズナBOR1はホウ酸の細胞外への排出を促進する細胞膜局在型ホウ酸トランスポーターであり、低ホウ酸条件時にホウ酸の導管方向への輸送を担う。BOR1は高ホウ酸濃度にさらされると細胞膜から液胞に輸送されて分解される。本研究では、BOR1がレセプター(トランスセプター)としてホウ酸濃度をセンシングし自身の蓄積量を制御して適切なホウ酸輸送量を保つ可能性を強く示唆することができた。
受容体様キナーゼの極性スイッチの分子機構と生理学的意義の解明
研究課題/研究課題番号:22K15139 2022年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 若手研究
吉成 晃
担当区分:研究代表者
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
植物細胞では、様々な受容体や輸送体タンパク質が特定の細胞膜ドメインに局在することで、形態形成やシグナリング、方向性をもった物質輸送が行われている。本研究では、シロイヌナズナのロイシンリッチリピート受容体様キナーゼ (LRR-RLK)のうち、極性局在性の受容体様キナーゼを多く包含する「VIIサブファミリー」に着目し、申請者が発見したDUAL POLAR KINASE (DPK) の「極性スイッチ」機構の解明を軸として、極性スイッチの普遍的分子機構とその生理学的意義を明らかにするとともに、植物進化の過程でどのように極性スイッチが生まれ多様化したのかを解明する。
研究課題/研究課題番号:20J01129 2020年4月 - 2023年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
吉成 晃
担当区分:その他
植物細胞において、「内側/外側の細胞極性」を決定する根本的な要素は全く分かっていない。本研究では、合成小分子および環状ペプチドライブラリーを用いたケミカルジェネティクスおよび分泌性ペプチド遺伝子の異所発現系によって「内側/外側の細胞極性」を決定するモルフォゲンと下流の遺伝子群を一挙に同定する。
細胞極性の形成は多細胞生物の発生、生育、そして環境応答に必須であり、植物においても様々な極性軸に基づく細胞極性が存在することが知られている。しかしながら、細胞極性を制御する分子機構については不明な点が多い。この理由として、細胞極性の形成が胚発生において重要なプロセスであること、遺伝子重複による変異体獲得の困難さ等が挙げられる。本研究では、ケミカルジェネティクスによって、変異体スクリーニングでは獲得できなかった細胞極性を司る遺伝子群を同定し、植物において細胞極性を形成し維持するメカニズムを明らかにするものである。
現在までに、約7,300種類(目標の18.3%)の小分子化合物のスクリーニングを終えており、BOR1やNIP5;1の極性局在パターンを変調するヒット化合物として2種類の分子を同定している。これらの分子については、標的タンパク質を同定するための実験を行っている。
また、細胞層特異的な極性局在パターンを示すユニークな受容体様キナーゼを新たに発見し、この受容体様キナーゼの極性局在を制御する分子機構についての解析も始めた。この受容体様キナーゼの一部のアミノ酸配列を削った変異体を複数種類作製し、これらの細胞内局在を解析した結果、キナーゼドメイン近傍のドメインが内皮細胞層特異的な中心柱に向かった極性局在パターンに重要であることがわかった。質量分析によってこのドメイン内の翻訳後修飾を網羅的に解析したところ、リジン残基のユビキチン化とセリン残基のリン酸化が検出された。現在、これらの翻訳後修飾が、細胞層特異的な極性パターンのスイッチとして機能していると仮説を立てて検証を行っている。
BOR1-GFPを細胞極性マーカーとして、細胞極性を変調する化合物をスクリーニングしている。現在までに約7,300種類の小分子化合物のスクリーニングを終えており、BOR1-GFPの極性パターンを変調する化合物を2種類獲得している。また、細胞極性マーカーとなりうる機能未知の受容体様キナーゼを同定した。この受容体様キナーゼは、細胞層特異的な極性局在パターンを示すことから、植物細胞における膜タンパク質の「極性スイッチ」機構のモデルとしても用いることができる。現在までに、この受容体様キナーゼの極性パターンに重要なドメインを同定し、このドメイン内の翻訳後修飾を、質量分析によって同定している。
今後、現在進めている化合物スクリーニングを継続するととともに、ヒット化合物の標的タンパク質を同定する。また、新たに発見した受容体様キナーゼの極性パターンを制御する仕組みと生理的機能を明らかにするため、アミノ酸置換変異の導入、相互作用因子の同定、変異体の獲得を行う。また、受容体様キナーゼの部分配列(ドメイン)が極性パターンに関わっていることから、このドメインがタンパク質の動態にどのような影響を与えるのかを、コンピュータシミュレーションによって明らかにする。
研究課題/研究課題番号:19K16164 2019年4月 - 2022年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
吉成 晃
担当区分:研究代表者
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
近年、植物の細胞間情報伝達メカニズムとして「膜電位の変化」が注目されている。特に傷害に伴う膜電位の変化は傷害を受けた部位から離れた部位まで伝達され、組織・器官間の高速・長距離シグナル伝達機構として機能することが示されている。また、膜輸送タンパク質を介した物質輸送には、プロトン勾配や膜電位が密接に関わっていることから、膜電位の大小や局在が細胞毎に多様化している可能性がある。本研究では、植物の膜電位を可視化する新規の蛍光プローブを作製し、定量的なイメージングによって植物の膜電位シグナリング機構を理解する。
近年、植物の細胞間情報伝達メカニズムとして「膜電位の変化」が注目されている。特に傷害に伴う膜電位の変化は傷害を受けた部位から離れた部位まで伝達され、組織・器官間の高速・長距離シグナル伝達機構として機能することが示されている。また、膜輸送タンパク質を介した物質輸送には、プロトン勾配や膜電位が密接に関わっていることから、膜電位の大小や局在が細胞毎に多様化している可能性がある。
本研究では、(1) 植物の膜電位変化を可視化する新規の蛍光タンパク質膜電位プローブ (Plant-GEVI) の開発、(2) Plant-GEVIを用いて、個体・細胞レベルでの膜電位イメージング解析、(3) Plant-GEVIを用いた根の膜電位マップの作製を通して、植物の膜電位制御と膜電位を介した長距離膜電位シグナリング機構を理解する。
これまでに、FlicR1、Mermaid2といった既存のGEVIが、植物の細胞膜に局在することを確かめている。さらに、FlicR1のVoltage sensing domain (VSD)にアミノ酸置換変異を導入することで、反応可能な膜電位の値を、植物の膜電位域に近づけることに成功している。現在、変異型FlicR1およびMermaid2を植物の根や孔辺細胞に発現させ、これらの膜電位変化に対する応答を調べている。一方、ASAP3と呼ばれるGEVIを植物に導入したところ、ASAP3は小胞体にスタックしてしまうことがわかった。
孔辺細胞におけるイメージングを行っているが、観察中に組織が動いてしまうという問題がある。医療用接着剤による組織のカバーグラスへの固定を検討している。また、ASAP3に小胞体からの分泌を促すと期待できるSTP1C末端領域や、ゴルジ体以降シグナルを導入したものの、植物細胞においてASAP3を細胞膜に局在させることはできなかった。FlicR1のcpmApple部位にGO-Matryoshkaを導入し、FlicR1をratiometric GEVIに改変する実験を行っており、膜電位に応答して蛍光量が変化するプロトタイプが複数得られているものの、未だに蛍光変化のレベルが小さく、実用化には程遠い。
現在のところ、膜電位の反応域を改変した変異型FlicR1およびMermaid2が、最も期待できるGEVIである。今後は、これらを発現する形質転換体を用いた詳細なイメージング解析を中心に行う。また、FlicR1をratiometric GEVIに改変するために、るVSDとGO-Matryoshka部位の間のリンカーのスクリーニングを継続する。
微小管の力学的特性計測と再構成系による微小管切断装置の階層的理解
研究課題/研究課題番号:18KK0195 2018年10月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
中村 匡良, 吉成 晃, 橋本 隆
担当区分:研究分担者
微小管の配向パターン形成の制御は、染色体分離や細胞極性、形態形成など生物に必須な活動に寄与している。発生や環境シグナルに応答し植物が表層微小管の変化させるためには、カタニンによる微小管切断が重要である。微小管動態解析により植物体表面の間期表皮細胞における微小管切断部位や切断に要する時間は確認できるが、カタニンの局在性や切断活性制御の分子基盤は明らかとなっていない。そこで、本研究では、従来の遺伝学や生化学的解析に加え、ライブセルイメージング法やin vitro再構築系の確立を行うことで微小管切断装置を分子レベル・細胞レベルで理解することを目的とする。微小管切断因子であるカタニンは切断活性を持つp60サブユニット、及び切断部位や活性を制御するp80サブユニットで構成される。表層微小管の時間的空間的な制御機構を明らかにするため、p80および関連タンパク質のカタニン局在への機能を調べる。計画3年目は海外での研究が不可能であったため、国内研究機関での研究が中心となった。観察用マーカーラインを整備し、表皮細胞でのp80sと微小管の動態解析、in vitro実験用のp60とp80タンパク質の準備、植物体チューブリン精製系の確立を行った。また、質量分析により植物チューブリンの翻訳後修飾解析とカタニン相互作用因子の同定を行い、同定されたアセチル化やリン酸化、相互作用因子が微小管切断機構や微小管配向制御にどのように寄与するか解析を行っている。
海外での研究ができなかったため国内機関での研究が中心となった。計画研究に加え、動態解析や質量分析を行い新しいチューブリンの翻訳後修飾やカタニンの相互作用因子を同定した。
動的微小管を用いたin vitro再構成系の確立を行い、これまでに得られた微小管切断タンパク質p60サブユニット・p80サブユニットの微小管交差部位でのカタニン局在性への機能を調べる。光ピンセットにより交差された微小管へのカタニンタンパク質の局在性解析を行う。質量分析の結果得られたチューブリン翻訳後修飾やカタニン相互作用因子の微小管切断への影響を解析する。細胞層深部でのカタニンの動態観察を行い、微小管切断機能の解析を行う。
微小管の力学的特性計測と再構成系による微小管切断装置の階層的理解
2018年 - 2021年
日本学術振興会 2018年度 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
中村 匡良
資金種別:競争的資金
第101回 名大カフェ「根っこの科学 〜植物の栄養素獲得をめぐるアンダーグラウンドな世界〜」
役割:出演
名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部 2024年3月