2021/11/02 更新

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ホソカワ トモヒサ
細川 智永
HOSOKAWA Tomohisa
所属
大学院理学研究科 生命理学専攻 情報機構学 講師
大学院担当
大学院理学研究科
学部担当
理学部 生命理学科
職名
講師
外部リンク

学位 1

  1. 博士(理学) ( 2010年3月   東京都立大学 ) 

研究キーワード 4

  1. 細胞生物学

  2. 神経科学

  3. 生化学

  4. 分子生物学

研究分野 1

  1. ライフサイエンス / 神経科学一般

 

論文 5

  1. CaMKII activation persistently segregates postsynaptic proteins via liquid phase separation 国際誌

    Hosokawa Tomohisa, Liu Pin-Wu, Cai Qixu, Ferreira Joana S., Levet Florian, Butler Corey, Sibarita Jean-Baptiste, Choquet Daniel, Groc Laurent, Hosy Eric, Zhang Mingjie, Hayashi Yasunori

    NATURE NEUROSCIENCE   24 巻 ( 6 ) 頁: 777 - +   2021年6月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:Nature Neuroscience  

    Transient information input to the brain leads to persistent changes in synaptic circuits, contributing to the formation of memory engrams. Pre- and postsynaptic structures undergo coordinated functional and structural changes during this process, but how such changes are achieved by their component molecules remains largely unknown. We found that activated CaMKII, a central player of synaptic plasticity, undergoes liquid–liquid phase separation with the NMDA-type glutamate receptor subunit GluN2B. Due to CaMKII autophosphorylation, the condensate stably persists even after Ca2+ is removed. The selective binding of activated CaMKII with GluN2B cosegregates AMPA receptors and the synaptic adhesion molecule neuroligin into a phase-in-phase assembly. In this way, Ca2+-induced liquid–liquid phase separation of CaMKII has the potential to act as an activity-dependent mechanism to crosslink postsynaptic proteins, which may serve as a platform for synaptic reorganization associated with synaptic plasticity.

    DOI: 10.1038/s41593-021-00843-3

    Web of Science

    Scopus

    PubMed

  2. Regulation of synaptic nanodomain by liquid-liquid phase separation: A novel mechanism of synaptic plasticity 国際誌

    Liu Pin-Wu, Hosokawa Tomohisa, Hayashi Yasunori

    CURRENT OPINION IN NEUROBIOLOGY   69 巻   頁: 84 - 92   2021年8月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1016/j.conb.2021.02.004

    Web of Science

    PubMed

  3. Arc self-association and formation of virus-like capsids are mediated by an N-terminal helical coil motif. 国際誌

    Eriksen MS, Nikolaienko O, Hallin EI, Grødem S, Bustad HJ, Flydal MI, Merski I, Hosokawa T, Lascu D, Akerkar S, Cuéllar J, Chambers JJ, O'Connell R, Muruganandam G, Loris R, Touma C, Kanhema T, Hayashi Y, Stratton MM, Valpuesta JM, Kursula P, Martinez A, Bramham CR

    The FEBS journal   288 巻 ( 9 ) 頁: 2930 - 2955   2021年5月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1111/febs.15618

    PubMed

  4. Shank3 Binds to and Stabilizes the Active Form of Rap1 and HRas GTPases via Its NTD-ANK Tandem with Distinct Mechanisms 査読有り

    Qixu Cai, Tomohisa Hosokawa, Menglong Zeng, Yasunori Hayashi, Mingjie Zhang

    Structure   28 巻 ( 3 ) 頁: 290 - 300.e4   2020年3月

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:Elsevier BV  

    DOI: 10.1016/j.str.2019.11.018

  5. Structure of monomeric full-length ARC sheds light on molecular flexibility, protein interactions, and functional modalities. 査読有り

    Hallin EI, Eriksen MS, Baryshnikov S, Nikolaienko O, Grødem S, Hosokawa T, Hayashi Y, Bramham CR, Kursula P

    J Neurochem. 2018 Nov;147(3):323-343. doi: 10.1111/jnc.14556. Epub 2018 Sep 26.   147 巻 ( 3 ) 頁: 323 - 343   2018年11月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

講演・口頭発表等 2

  1. 液-液相分離によるシナプス後膜肥厚のカルシウム依存的かつ可塑的な蛋白質集合体の形成 招待有り

    細川 智永, 劉 品吾, 木下 専, 林 康紀

    第44回日本神経科学会  2021年7月29日 

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    記述言語:英語   会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)  

  2. シナプス機能研究の新展開 招待有り

    細川智永

    日本生理学会大会  2017年3月 

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    記述言語:英語  

共同研究・競争的資金等の研究課題 2

  1. LLPSの生化学実験

    研究課題番号:2521JC215c  2021年4月 - 2023年3月

    CREST 

    細川智永

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    担当区分:研究分担者  資金種別:競争的資金

    配分額:7000000円

  2. 神経ネットワークを自由に操作することを目指した、シナプス内部構造の 形成機構と再構築

    研究課題番号:2520000560  2020年9月 - 2024年3月

    ヴィジョナリーリサーチ 

    細川智永

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:1920000円

科研費 3

  1. 記憶形成に伴うシナプスタンパク質の集積・維持の制御機構

    研究課題/研究課題番号:21H02595  2021年4月 - 2024年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    実吉 岳郎, 細川 智永

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    担当区分:研究分担者 

    記憶の基盤であるシナプス可塑性の誘導・発現機構は詳細に検討されているが、刺激後にシナプス強度を維持する仕組みについてはほとんど明らかになっていない。本研究は、記憶の細胞レベルの現象である長期増強現象に伴うシナプスタンパク質のダイナミクスを生物学的相分離で説明することを目指している。In vitroでの実験の結果を神経細胞へと還元することで記憶形成に伴う分子のシナプス微小空間での動態を明らかにすることを目的とする。

  2. シナプス可塑性をin vitroで再現する

    研究課題/研究課題番号:19K06885  2019年4月 - 2022年3月

    細川 智永

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )

    神経細胞同士を接続し情報交換を行うシナプスの構造と性質を理解することは神経科学の長年の課題である。興味深いことに、その情報伝達効率は静的なものではなく、学習や刺激に応じてダイナミックな変化を遂げる。その「シナプス可塑性」は脳の記憶といった高次機能を生み出していると同時に神経変性疾患や精神疾患を引き起こす脆弱性の元にもなっている。 我々はシナプス可塑性の本質が、様々な蛋白質のシナプス内への集積やシナプス外への離散であることを明らかにした。そこで本研究では、シナプス可塑性をin vitroで再現することでそのメカニズムを明らかにし、記憶、学習、神経疾患にアプローチする。
    シナプスの可塑性は様々な脳機能の根源であり、同時に疾患を生み出す脆弱性の元にもなっている。学習と記憶は一時的な情報を脳内に固定化しその状態を永続的に維持する機能であり、これもシナプス可塑性によるものだと考えられている。シナプスの情報伝達効率は伝達物質受容体の振る舞いによって決定されており、ひいてはその数やシナプス局在を決定する因子の研究が進んできた。近年の超高解像顕微鏡の発達により、シナプス蛋白質はシナプスの内部でさらに集合体を形成し特定の蛋白質同士が区画化されており、効率的な情報伝達を実現していることが分かってきた。さらにその集合体の形成はシナプス活動に伴うカルシウムイオン流入に依存的に行われており、シナプスの可塑性のメカニズムの一つであると注目されている。しかしながら、シナプス蛋白質が自発的に集合体を形成したり離散したりするメカニズムは不明だった。
    液-液相分離(LLPS)は液体の中に液滴が形成される現象であり、核酸や蛋白質の集合体が細胞質の中に液滴として形成されるメカニズムとして注目されている。個体として形成される凝集体とは異なり、このLLPSの集合体は液体としての性質を兼ねそろえており、シグナルや環境の変化に応じて集合や離散を行なっている。我々はこれまでに、カルシウム依存性キナーゼがシナプス蛋白質の一つであるNMDA受容体とLLPSの液滴を形成することを明らかにした。本研究では、こういったカルシウムシグナル依存的なLLPSの形成と離散がシナプス可塑性の本質であると位置づけ、in vitroでLLPSの形成と離散を再現することでシナプス可塑性を理解する。
    大腸菌から精製したCaMKIIとNMDA受容体サブユニットNR2Bを混合し、カルシウムイオンを添加し、共焦点顕微鏡で観察したところ、~10umの液滴がカルシウムイオン依存的に観察された。この液滴はカルシウム濃度が高い間は維持されているが、EGTAを添加しカルシウム濃度を下げると崩壊した。しかしながら、CaMKIIのキナーゼとしての役割を鑑み、ATPを加えた条件下で同様の実験を行ったところ、カルシウム濃度を下げても液滴が維持された。このことは、エネルギーを利用して一時的な情報を固定するという学習能力と一致している。次にこの液滴の形成と維持の機構を調べた。CaMKIIが単量体となる変異体とリン酸化できない変異体を用いて同様の実験を行ったところ、前者では液滴が形成されず、後者では液滴の維持が出来なかった。これらの結果から、液滴の形成はCaMKIIの12量体構造が重要であり、液滴の維持にはCaMKIIのキナーゼ活性が重要であることが分かった。次にこのLLPS形成の生理的意義を明らかにするため、AMPA受容体と足場蛋白質PSD-95の存在下でCaMKIIとNR2BのLLPS形成を誘導したところ、AMPA受容体とPSD-95がCaMKIIとNR2Bの液滴の内部に閉じ込められるような区画化された内部構造が観察された。このことは実際のシナプスの蛋白質が区画されていることと一致しており、本研究はこの区画化が成立する機構を示した初めての報告である。
    これらの結果を論文としてまとめ、一流紙に投稿した。
    本研究はシナプス蛋白質の区画化が発生する原理を明らかにしたが、その詳細なメカニズムはまだ記述できていない。また実際のシナプスには数百種類の蛋白質があるがin vitro再現した蛋白質の数は数種類に過ぎない。これからは再現する蛋白質の数を増やしつつ、詳細なメカニズムを把握していきたい。
    In vitroの結果が実際のシナプスでコンシステントか確かめるために、超高解像顕微鏡による観察を導入している。In vitroの結果と同様に、active synapseではAMPA受容体とNMDA受容体のナノドメインが区画化されており、かつその区画化がCaMKIIの阻害剤によって崩壊することを確かめている。同様の実験を他のシナプス蛋白質で行うことでシナプスの構造とシナプス機能の構造機能相関を明らかにしていく。
    シナプスの可塑性には情報伝達効率が可塑的に増強する長期増強と可塑的に減少する長期抑圧が存在する。本研究ではこれまでに長期増強の分子メカニズムを明らかにしてきたが、長期抑圧の方はほとんどわかっていない。本研究のモデルで説明するならば、長期抑圧とは蛋白質集合体の離散および区画化の崩壊である。我々はいままでにCaMKIIに結合しNR2Bとの結合を競合阻害する因子camk2n1を同定した。CaMKIIとNR2Bの液滴を形成している溶媒にCamk2n1をインジェクションすると、液滴が速やかに崩壊した。またAMPA受容体とPSD-95が内部構造に区画化されている状態で同様の実験を行うと、内部の区画が解放されていく様子が観察された。本研究ではこの現象を長期抑圧のメカニズムのモデルと捉え、研究を進めていく。

  3. シナプス後肥厚におけるCaMKIIの構造的役割とその光制御による長期増強の誘導

    研究課題/研究課題番号:18KK0421  2019年 - 2021年

    国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))

    細川 智永

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:13000000円 ( 直接経費:10000000円 、 間接経費:3000000円 )

    我々はシナプス可塑性、学習と記憶の分子メカニズムに注目している。神経細胞を接続しニューロンネットワークを構築するシナプスには、様々な蛋白質が集合している後シナプス肥厚(PSD)と呼ばれる構造体が存在する。我々はこれまでに、PSDの新規蛋白質の取り込みがシナプスの長期増強に決定的であることを見出した。特にCaMKIIという分子の取り込みが重要であることが示唆された。CaMKIIはカルシウム依存性キナーゼであり、カルシウムイオンの細胞内流入に反応し長期増強を実行する因子として広く知られていたが、具体的にどのような働きをしているのかは不明だった。CaMKIIにはその発現量や立体構造にキナーゼとしては説明できない特徴があり、我々はCaMKIIがPSDにおいて構造的な役割を果たしていることを提案してきた。間接的な証拠は集まったが、しかしながら直接的に実験的に証明することが難しかった。
    一方で香港科学技術大学のProf. Mingjie Zhangのグループは、PSDが形成されるメカニズムが液液相分離であることを提起した。液液相分離は蛋白質や核酸が液相として集合し細胞質から分離する現象であり、現在の生命科学分野でホットトピックになっている。アルツハイマー病で見られる老人斑は固相の蛋白質凝集体であるが、液相としての集合体は液相であるがゆえに蛋白質が可逆的に集合と離散・拡大と縮小を起こしており生理的な役割を担っている。
    我々はCaMKIIがPSDの液液相分離に重要な役割を果たす可能性に着想し、申請者が赴く形で共同研究を開始した。本研究では、CaMKIIの液液相分離に果たす構造的な役割を明らかにするとともにそれを光遺伝学の技術で再現する。
    液液相分離の研究には高度な蛋白質精製技術が不可欠である。そこで香港科学技術大学ではまずは蛋白質精製技術を習得した。特にCaMKIIの精製を完全に行える研究室は申請者の知る限り世界にここしか存在しない。蛋白質精製技術を習得したのちに、実験に用いる蛋白質を用意した。具体的にはCaMKIIと各種変異体、NMDA受容体サブユニットのGluN2Bと各種変異体、AMPA受容体の補佐的サブユニットStargazin、細胞接着因子のNeuroligin、足場タンパク質のPSD-95である。
    CaMKIIとGluN2bを混合し、興奮性刺激を与えたところ、CaMKIIの立体構造が変化しGluN2bと結合し蛍光顕微鏡で観察可能な液滴が観察された。蛍光褪色アッセイを行なったところ蛋白質の入れ替わりが起きており、また液滴同士が融合している様子が観察された。これらはこの液滴が蛋白質の液液相分離で生じていることを証明している。
    次にこれをPSD-95とStargazinおよびNeurologin存在下で行ったところ、興味深いことに、PSD-95とStargazinとNeuroliginがCaMKII-GluN2bの液滴の内部に濃縮される現象が見られた。これは物理化学では液滴内液滴として表現される現象だが、生体分子での報告はほとんどなく、極めて面白い現象である。また超高解像顕微鏡を用いた研究では実際のシナプスでもこれら三者が濃縮されていることが分かっており、本研究がこのメカニズムであると考えられる。そこでUniversity of Bordeauxに三か月渡航し、共同研究として培養神経細胞にCaMKIIの阻害剤を処理し超高解像顕微鏡でNMDA受容体とAMPA受容体の分布を観察したところ、Controlでは分布が分離していたのに対して阻害剤処理群では分離が崩れていた。
    これまでの研究はシナプス可塑性の全く新しいメカニズムとしてトップジャーナルに投稿準備をしている。この新しいシナプス可塑性の分子メカニズムを基に、光遺伝学でCaMKIIの局在を自在に制御しシナプスの情報伝達効率を操作する技術を開発していく。具体的には、青色光によって結合するタンパク質ペアCIBNとCRY2を用いる。GluN2bや他のPSDタンパク質にCRY2を融合し発現し、CIBN-CaMKIIの局在を操作する。長期増強にはCaMKIIのPSDへの取り込みが必要十分であるため、長期増強を模倣できると期待される。また光分解タンパク質PhoClを用いてCaMKIIを単量体化する試みも進めている。CaMKIIの12量体構造はその構造的役割に必須であるため、CaMKIIの単量体化によって長期抑圧に類似した現象を誘導できると考えられる。
    しかしながら、今回発見した新たなシナプス可塑性のメカニズムのインパクトが大きく、様々な発展が期待されている。例えばシナプスの長期抑圧は液液相分離の可逆性によって担保されていると考えられ、ほとんど研究が進んでいない長期抑圧のメカニズムをも解明できると期待している。またCovid-19の影響により海外渡航と受入自体が難しくなっており、渡航先と研究計画を見直す必要があるだろう。

 

担当経験のある科目 (本学) 2

  1. 生理・解剖学2

    2021

  2. 生物学基礎II

    2021