科研費 - 青木 学聡
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オープンで多様な学術研究活動を育むルーブリックバンクとその利活用基盤の構築
研究課題/研究課題番号:24H00164 2024年4月 - 2028年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
梶田 将司, 古川 雅子, 酒井 博之, 宮野 公樹, 原 正一郎, 永益 英敏, 松井 啓之, 飯吉 透, 渥美 紀寿, 元木 環, 小野 英理, 能勢 正仁, 青木 学聡
担当区分:研究分担者
本研究では,学術研究のライフサイクルに沿った研究データの蓄積・共有・公開および長期保管を通じて,研究者自らが研究データマネジメント (以降,「RDM」) のスキルを高められるとともに,RDMスキルを軸とした研究コミュニティ形成や異分野連携を可能にするアカデミックデータ・イノベーション成熟度モデル(以降,「ルーブリック」)を集積したルーブリックバンクを開発する.そして,日本全国の研究機関で利用可能な利活用基盤をグローバルスタンダードやオープンソースを活用して開発することにより,RDMを通じて,イノベーションの可能性に満ちた土壌を我が国の学術研究現場に育むことを目指す.
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研究データリポジトリの構築に向けた学術論文テキストの解析と利用
研究課題/研究課題番号:21H03773 2021年4月 - 2025年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
松原 茂樹, 加藤 芳秀, 青木 学聡, 加藤 芳秀, 青木 学聡
担当区分:研究分担者
オープンサイエンスを推進する方策として,研究データリポジトリの整備が挙げられる。本研究では、論文テキストを用いた研究データの検出とメタデータの生成の実現可能性を示すことを目的とする。その方法として、研究データの引用情報を付与した学術論文テキストを整備し、研究データを識別する技術、引用テキストを検出する技術、メタデータ情報の抽出技術の開発に利用する。大規模な論文アーカイブデータを用いた実験により、研究データ検索への貢献を評価する。
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研究データリポジトリの構築に向けた学術論文テキストの解析と利用
研究課題/研究課題番号:23K21844 2021年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
松原 茂樹, 加藤 芳秀, 青木 学聡
担当区分:研究分担者
オープンサイエンスの促進のために、研究データリポジトリを整備し提供することは有用である。本研究では、データリポジトリの効率的な構築に向けた論文テキストの利用可能性を検証する。論文には、研究データの作成や利用に関する記述が含まれるため、引用文脈を適切に抽出できれば研究データのメタデータ情報として活用できる。URL引用に着目し、引用されたWeb資源を分類・整理する。大規模論文データを用いてデータリポジトリを試作し提案方式を評価する。
オープンサイエンスの促進に向けて、研究データリポジトリ構築を自動化することは効果的である。本研究では、論文テキストからの情報獲得による研究データ登録とそのメタデータ生成の実現性を、実験的に検証することを目的とする。3年目は、昨年度までに開発した技術に基づき、(1)文献リストにおける研究データ引用の検出、及び、(2)論文における研究データ引用の要否判定、に関する研究を推進した。
(1)論文の引用文献には研究データを参照するものが含まれることがあり、その情報をリポジトリ拡充に利用できる可能性がある。本研究では、論文の参考文献リストから、研究データとして引用されている文献を検出する手法を開発した。当該文献を検出するために、それが引用されている箇所の周辺テキスト(以下、引用文脈)の情報が利用できる。本手法では、文献の引用文脈を特定し、それを用いて研究データを検出するモデルを学習する。自然言語処理分野の国際会議論文を使用した実験により、手法の有効性を確認した。また、広範な分野の論文における研究データ引用の検出可能性を確認した。
(2)学術論文では、文献以外にもデータセットやプログラムなど、様々な研究資源が引用され、それらはURLによって引用されることが多い。論文の読者による研究の理解や再現、研究資源へのアクセスを支援するためには、データセットやプログラム等も適切に引用されることが望ましい。本研究では、文献タグによる引用に加えて、URL引用も含めた引用要否判定タスクを新たに設定した。このタスク設定に従い、自然言語処理分野の国際会議論文を用いたデータセットを作成し、従来の引用要否判定の手法をベースラインとし、URL引用を含めた引用要否の判定性能を検証した。その結果、URL引用の引用要否判定では、前後の文脈が重要であることが明らかとなった。
プロジェクトの三年目は、学術論文の参考文献における研究データの識別、及び、論文テキストからのメタデータ要素の獲得に関する研究開発を計画していたのに対し、文献リストにおける研究データ引用の検出、ならびに、論文における研究データ引用の要否判定に関して取り組み、いくつかの知見を得ることができた。研究成果については言語処理関連の学会で公表するほか、難関国際会議で論文が採録されるに至っており、本課題はおおむね順調に進展しているといえる。
次年度は最終年度として、本研究で整備した論文テキストデータを引き続き使用する。データの質的拡大についてはアノテーション作業などを通して必要に応じて継続する。引き続き、研究データのメタデータ要素の抽出技術に取り組むとともに、リポジトリの実現性の検証に取り組む予定である。研究推進上の問題は生じておらず、当初の研究計画を大きく変更する必要はない。 -
多様な学術研究活動を育むアカデミックデータ・イノベーション成熟度モデルの開発
研究課題/研究課題番号:20H00099 2020年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
梶田 将司, 古川 雅子, 家森 俊彦, 宮野 公樹, 原 正一郎, 元木 環, 小野 英理, 永益 英敏, 松井 啓之, 能勢 正仁, 青木 学聡, 渥美 紀寿
担当区分:研究分担者
大学における研究データの蓄積・共有・公開及び長期保管を通じて,研究者自らが研究データマネジメントスキル (RDMスキル) を高められるとともに,研究データを軸とした研究コミュニティ形成や異分野連携を可能にするアカデミックデータ・イノベーション成熟度モデルを開発する.本モデルは,研究者が日常的に行う基本RDMスキル,分野ごとに特有のRDMスキル,分野横断型のイノベーションを創発するRDMスキルの3スキル及びこれらのスキル開発方法論により構成される.本研究では,多様な分野の研究者が集う京都大学を実証フィールドとして開発することにより,イノベーションの可能性に満ちた土壌を我が国の学術研究現場に育む.
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手書きプロセスデータ流通基盤の構築と大学教育における利活用アプリケーション
研究課題/研究課題番号:17H06288 2017年6月 - 2020年3月
挑戦的研究(開拓)
喜多 一
担当区分:研究分担者
本課題で人が手で文章や図などを書くプロセス(手書きプロセス)の教育上の意義に着目し,ソニー社製電子ペーパ端末を用いて,手書きプロセスデータの収集のシステム化,収集したデータのアニメーション形式での可視化のシステムを試作するとともに,京都大学の 4 つの教育現場を想定した例題を用いてシステム評価のためのデータ収集を行った.また,これに加え手書きプロセスデータの流通基盤の創出のために,国際標準規格を見据えたデータ流通について検討した.
手書きデータの情報処理については,これまで「何が書かれているのか」を自動認識する研究開発は大量に行われてきたが,人の思考プロセスへの接近の視点から手書きするプロセスそのものに着目した研究は少ない.本研究では、教育への応用を見据えて,手書きプロセスのデータ取得,可視化のプロトタイプ開発,利活用領域と流通基盤の創出の検討などを行った.教育への ICT の利活用が推進される中,その質的向上を期待する手法として基礎的な検討が行えた. -
研究課題/研究課題番号:17H01058 2017年4月 - 2021年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
松尾 二郎, 瀬木 利夫, 青木 学聡
担当区分:研究分担者
機能発現の場である表面・界面の観察は、発現メカニズムの解明には欠かせないが、これまで開発されてきた表面・界面観察技術の多くは超高真空もしくは高真空を必要とするため、液相や高圧の気相との界面評価には適しているとは言えなかった。これまでの評価手法の限界を打破するために、高速重イオン(MeV程度)を入射イオンに用いる2次イオン質量分析法(SIMS)を用い、固体と液体との界面を直接観察することのできる全く新しい革新的評価手法の研究・開発をした。この手法を用いて、最も身近な液体である水やLiイオンバッテリーの電解液などの固液界面の評価を行った。
固液界面を観察できる全く新しい評価手法であるMeV-SIMS法を開発した。この手法は、大気圧下で高感度に分子状態の情報が取得可能というこれまでにはない特徴を持っている。この手法を使って、2次電池として今や欠かせないLiイオン電池(LIB)の電解液の評価を行った。LIBは、高エネルギー密度かつ長寿命という特徴を持ち脱炭素社会実現のための2次電池としての役割も期待され、社会インフラとしても極めて重要な技術となっている。電解質として液体を使うLIBの性能向上のためには、電荷を受け渡す電極と電解液の界面の制御が重要であり、固液界面での評価手法として適用できることを実証した。 -
クラスター衝突過程のシミュレーションと大規模原子座標データ協働モデルの研究
研究課題/研究課題番号:17K05003 2017年4月 - 2020年3月
青木 学聡
担当区分:研究代表者
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
オープンサイエンス、研究データ管理の視点から、イオンビーム科学・工学における巨大原子座標を中心とした各種データを扱うための共通基盤の研究を行った。長年の歴史を持つ古典的なイオン衝突シミュレーションの互換性の維持と利便性の向上のため、入出力データに対するプリ・ポストプロセスの開発を行った。また、従来と単原子イオンビームとは異なるクラスターイオンの衝突シミュレーションの事例を収集、整理し、クラスターイオン衝突における解析手法を提示した。
他の分野と同様、イオンビーム科学・工学分野においても計算機シミュレーションは、衝突素過程解析の為のモデル化から、製造工程におけるプロセス最適化まで、各々の目的に応じて広く用いられており、得られるデータを効率的に整理し、多様な実験や、他のシミュレーション結果との比較、検討を有機的に実施できる環境構築がより重要視されるようになっている。本研究では、FAIR原則に従い、古くからあるシミュレーションプログラムの互換性と利便性の向上、複雑な衝突過程を有するクラスターイオンのシミュレーションの可視化と解析手法を通じて、オープンサイエンス時代における研究データ管理手法の事例を示した。 -
巨大クラスターイオンによる機能性有機材料評価技術の研究
研究課題/研究課題番号:23246012 2011年4月 - 2014年3月
松尾 二郎
担当区分:研究分担者
大きなサイズのArクラスターイオンは有機材料を低ダメージにスパッタリングできるため、SIMS法やXPS法での実用化が始まった。クラスターイオン銃を供えた表面分析装置が市販され、クラスターイオンが有機材料分析のデファクトスタンダードとなった。深さ方向分析だけでなくArクラスターイオンを収束し、SIMS法の1次イオンとして用いることにより、質量イメージングを実現した。これまで、Arクラスターイオンを収束させることは困難であると考えられてきたが、約1ミクロンに収束させることに成功した。これにより、収束Arクラスターイオンビームを使った分子イメージング法への道が開拓できた。