2021/04/16 更新

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オオギ ソウイチロウ
大城 宗一郎
OGI Soichiro
所属
物質科学国際研究センター 講師
職名
講師

学位 1

  1. 博士(工学) ( 2011年3月   筑波大学 ) 

研究キーワード 1

  1. 超分子化学

研究分野 2

  1. ライフサイエンス / 生物有機化学  / 超分子化学

  2. ナノテク・材料 / 構造有機化学、物理有機化学  / 超分子化学

現在の研究課題とSDGs 1

  1. 有機π電子系の精密超分子重合

経歴 6

  1. 名古屋大学 物質科学国際研究センター   助教

    2016年5月 - 現在

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    国名:日本国

  2. 名古屋大学 物質科学国際研究センター   ポスドク研究員

    2016年4月

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    国名:日本国

  3. ヴュルツブルク大学   日本学術振興会 海外特別研究員

    2014年4月 - 2016年3月

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    国名:日本国

  4. ヴュルツブルク大学   ポスドク研究員

    2014年1月 - 2014年3月

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    国名:日本国

  5. 独立行政法人 物質・材料研究機構   NIMSポスドク研究員

    2011年4月 - 2013年12月

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    国名:日本国

  6. 筑波大学大学院 数理物質科学研究科   日本学術振興会 特別研究員 (DC1)

    2008年4月 - 2011年3月

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    国名:日本国

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学歴 2

  1. 筑波大学   数理物質科学研究科   物質・材料工学専攻

    - 2011年3月

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    国名: 日本国

  2. 九州大学   工学府   物質創造工学専攻

    - 2008年3月

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    国名: 日本国

所属学協会 2

  1. 日本化学会

  2. 高分子学会

 

論文 13

  1. Dual Trapping of a Metastable Planarized Triarylborane pi-System Based on Folding and Lewis Acid-Base Complexation for Seeded Polymerization 査読有り

    Choi Heekyoung, Ogi Soichiro, Ando Naoki, Yamaguchi Shigehiro

    JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY   143 巻 ( 7 ) 頁: 2953 - 2961   2021年2月

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    担当区分:責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1021/jacs.0c13353

    Web of Science

  2. Hydrophobicity-driven folding and seeded polymerization of cystine-based dimeric diamides in aqueous media 招待有り 査読有り

    Fukaya Natsumi, Ogi Soichiro, Kawashiro Midori, Yamaguchi Shigehiro

    CHEMICAL COMMUNICATIONS   56 巻 ( 85 ) 頁: 12901 - 12904   2020年11月

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    担当区分:責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1039/d0cc05255h

    Web of Science

  3. Long-Lived Charge-Transfer State from B-N Frustrated Lewis Pairs Enchained in Supramolecular Copolymers 査読有り

    Adelizzi Beatrice, Chidchob Pongphak, Tanaka Naoki, Lamers Brigitte A. G., Meskers Stefan C. J., Ogi Soichiro, Palmans Anja R. A., Yamaguchi Shigehiro, Meijer E. W.

    JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY   142 巻 ( 39 ) 頁: 16681 - 16689   2020年9月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1021/jacs.0c06921

    Web of Science

  4. Hydrophobicity and CH/pi-interaction-driven self-assembly of amphiphilic aromatic hydrocarbons into nanosheets

    Nishikawa Tsuyoshi, Narita Hiroki, Ogi Soichiro, Sato Yoshikatsu, Yamaguchi Shigehiro

    CHEMICAL COMMUNICATIONS   55 巻 ( 99 ) 頁: 14950 - 14953   2019年12月

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  5. Seeded Polymerization of an Amide-Functionalized Diketopyrrolopyrrole Dye in Aqueous Media

    Ogi Soichiro, Fukaya Natsumi, Arifin, Skjelstad Bastian Bjerkem, Hijikata Yuh, Yamaguchi Shigehiro

    CHEMISTRY-A EUROPEAN JOURNAL   25 巻 ( 30 ) 頁: 7303 - 7307   2019年5月

  6. Pathway complexity in the self-assembly of a zinc chlorin model system of natural bacteriochlorophyll J-aggregates

    Ogi Soichiro, Grzeszkiewicz Charlotte, Wuerthner Frank

    CHEMICAL SCIENCE   9 巻 ( 10 ) 頁: 2768-2773   2018年3月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1039/c7sc03725b

    Web of Science

  7. Seeded Polymerization through the Interplay of Folding and Aggregation of an Amino-Acid-based Diamide

    Ogi Soichiro, Matsumoto Kentaro, Yamaguchi Shigehiro

    Angew. Chem. Int. Ed.   57 巻 ( 9 ) 頁: 2339-2343   2018年2月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1002/anie.201712119

    Web of Science

  8. Living Supramolecular Polymerization of a Perylene Bisimide Dye into Fluorescent J-Aggregates

    Wolfgang Wagner, Marius Wehner, Vladimir Stepanenko, Soichiro Ogi, and Frank Würthner

    Angew. Chem. Int. Ed.   56 巻 ( 50 ) 頁: 16008-16012   2017年12月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1002/anie.201709307

  9. Perylene Bisimide Dye Assemblies as Archetype Functional Supramolecular Materials 査読有り

    Frank Würthner, Chantu R. Saha-Möller, Benjamin Fimmel, Soichiro Ogi, Pawaret Leowanawat, David Schmidt

    Chem. Rev.   116 巻 ( 3 ) 頁: 962-1052   2016年2月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.1021/acs.chemrev.5b00188

  10. Impact of Alkyl Spacer Length on Aggregation Pathways in Kinetically Controlled Supramolecular Polymerization 査読有り

    Soichiro Ogi, Vladimir Stepanenko, Johannes Thein, Frank Würthner

    J. Am. Chem. Soc.   138 巻 ( 2 ) 頁: 670-678   2016年1月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1021/jacs.5b11674

  11. Mechanism of Self-Assembly Process and Seeded Supramolecular Polymerization of Perylene Bisimide Organogelator 査読有り

    Soichiro Ogi, Vladimir Stepanenko, Kazunori Sugiyasu, Masayuki Takeuchi, Frank Würthner

    J. Am. Chem. Soc.   137 巻 ( 9 ) 頁: 3300-3307   2015年3月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1021/ja511952c

  12. Kinetic Control over Pathway Complexity in Supramolecular Polymerization through Modulating the Energy Landscape by Rational Molecular Design 査読有り

    Soichiro Ogi, Tomoya Fukui, Melinda L. Jue, Masayuki Takeuchi, Kazunori Sugiyasu

    Angew. Chem. Int. Ed.   53 巻 ( 52 ) 頁: 14363-14367   2014年12月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1002/anie.201407302

  13. Living supramolecular polymerization realized through a biomimetic approach 査読有り

    Soichiro Ogi, Kazunori Sugiyasu, Swarup Manna, Sadaki Samitsu, Masayuki Takeuchi

    Nat. Chem.   6 巻 ( 3 ) 頁: 188-195   2014年3月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1038/nchem.1849

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書籍等出版物 2

  1. アミロイド線維のように成長する超分子集合体:メカニズムの解明と時間発展プログラム

    福井智也, 大城宗一郎, 竹内正之, 杉安和憲( 担当: 共著)

    日本生物物理学会  2015年6月 

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    総ページ数:3   記述言語:日本語 著書種別:学術書

  2. リビング超分子重合の実現

    杉安和憲, 大城宗一郎, 竹内正之( 担当: 共著)

    高分子学会  2014年12月 

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    総ページ数:4   記述言語:日本語 著書種別:学術書

講演・口頭発表等 12

  1. D-A-D型蛍光色素の種重合と蛍光イメージング

    大城宗一郎

    日本化学会 第101春季年会 (2021)  2021年3月19日 

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    開催年月日: 2021年3月19日 - 2021年3月22日

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

  2. 疎水効果による折り畳みを利用した種重合

    大城宗一郎

    第14 回 有機π電子系シンポジウム  2021年1月8日 

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    開催年月日: 2021年1月8日

    記述言語:日本語   会議種別:ポスター発表  

    国名:日本国  

  3. 水媒体中におけるジケトピロロピロール色素の時間発展的超分子重合

    大城宗一郎,深谷菜摘,Arifin,土方優,山口茂弘

    第29回基礎有機化学討論会 

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    開催年月日: 2018年9月6日 - 2018年9月8日

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

  4. Seed-initiated Polymerization using Amino-Acid-based Diamides 国際会議

    Soichiro Ogi,Kentaro Matsumoto,Shigehiro Yamaguchi

    International Symposium on Macrocyclic and Supramolecular Chemistry 

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    開催年月日: 2018年7月8日 - 2018年7月13日

    記述言語:英語   会議種別:ポスター発表  

    国名:カナダ  

  5. Seeded Supramolecular Polymerization using Amino-Acid-based Diamides

    Soichiro Ogi,Kentaro Matsumoto,Shigehiro Yamaguchi

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    開催年月日: 2018年3月20日 - 2018年3月23日

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

  6. Seed-initiated Supramolecular Polymerization of π-Conjugated Molecules

    Soichiro Ogi

    IRCCS-JST CREST Joint Symposium 

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    開催年月日: 2018年1月24日 - 2018年1月25日

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

  7. リビング超分子重合による超分子ポリマーの精密合成 招待有り

    大城宗一郎

    高分子講演会(東海) 

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    開催年月日: 2017年12月15日

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    国名:日本国  

  8. Seeded supramolecular polymerization of π-conjugated molecules 招待有り

    Soichiro Ogi

    Japanese-Canadian Frontiers of Science (JCFoS) Symposium 

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    開催年月日: 2017年11月2日 - 2017年11月5日

    記述言語:英語   会議種別:ポスター発表  

    国名:日本国  

  9. 精密超分子重合を実現する汎用分子骨格の開拓 招待有り 国際会議

    大城宗一郎

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    開催年月日: 2017年10月23日 - 2017年10月24日

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    国名:日本国  

  10. 精密超分子重合を実現する非平衡系のデザイン 招待有り

    大城宗一郎

    第38回光化学若手の会 

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    開催年月日: 2017年6月16日 - 2017年6月18日

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    国名:日本国  

  11. 超分子重合におけるパラダイムシフト:熱力学から速度論へ 招待有り

    大城宗一郎, Frank Würthner

    第26回日本MRS年次大会 Symposium C-2:自己組織化材料とその機能XIV 

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    開催年月日: 2016年12月19日 - 2016年12月22日

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    国名:日本国  

  12. 精密超分子重合を実現する分子デザインと重合メカニズム 招待有り

    大城宗一郎, Frank Würthner

    第96回日本化学会春季年会 

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    開催年月日: 2016年3月24日 - 2016年3月27日

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:同志社大学   国名:日本国  

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科研費 2

  1. フロー精密超分子重合を機軸とするπ電子系超分子ポリマーの機能開拓

    研究課題/研究課題番号:19K05419  2019年04月 - 2022年03月

    大城 宗一郎

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )

    アミノ酸ジアミドのフォールディング特性と会合特性を利用するコンセプトのもと,フロー精密超分子重合に適した汎用分子骨格を創出し,種々のπ電子系超分子ポリマーの構造制御と機能開拓に取り組む.平成31年度は,アミノ酸ジアミドの二量化により,迅速な拡散条件下においても会合活性が抑制された準安定状態を発現させ,フロー・マイクロリアクターを利用する精密超分子重合法の確立を目指す.平成32年度以降は,種々のπ電子系について精密超分子重合に取り組み,構造要素が精密に制御された超分子ポリマーの光・電子特性の評価を進め,会合体構造と物性の関係を明らかにする.
    2019年度は,フロー精密超分子重合法の確立に向けて,アミノ酸ジアミドを基軸とする汎用分子骨格の開拓に取り組んだ.フロー・マイクロリアクターは迅速かつ均質な条件下で溶液を混合でき,分子集積場として有望である.フロー精密超分子重合法の実現には,迅速な拡散条件下で自発的な会合を抑制することが重要となる.申請者らはこれまでに,アミノ酸ジアミド骨格の超分子重合について機構の解明を進め,低極性溶媒中で分子内水素結合により形成する折りたたみ構造が,自発的な超分子重合を抑制する準安定状態として働くことを明らかにしている.しかし,拡散条件下では自発的な超分子重合が加速されるという問題があった.この課題に対し,申請者らは多点分子内水素結合の導入により,折り畳み構造の速度論的な安定性を向上できると考えた.そこで本研究では,ピレンと可溶性基を導入したシステイン誘導体をジスルフィド結合により二量化し,アミノ酸ジアミド二量体を合成した.種々のスペクトル測定により超分子重合の初期過程を追跡した結果,冷却過程においてアミノ酸ジアミド二量体は折り畳み構造を形成し,室温において自発的に会合し始めるまでに長い誘導期が確認された.一方,誘導期に超分子ポリマーの断片(種,たね)を添加すると,超分子重合が直ちに開始されることがわかった.そこで,フロー・マイクロリアクター中で単分散状態の溶液と種溶液を混合させたところ,効率良く超分子重合が進行し,超分子ポリマーを伸長させることに成功した.単分散状態の溶液のみを流した場合は自発的に会合しないことから,アミノ酸ジアミド二量体はフロー精密超分子重合に適した分子骨格であることを明らかにした.
    当初の計画通り,アミノ酸ジアミド二量体が形成する折りたたみ構造について知見を得るため,1H NMRスペクトル測定と量子化学計算による評価に取り組んだ.具体的には,分子内水素結合の様式を変えた種々の折りたたみ構造に対して構造最適化計算を実施し,エネルギー的に安定な構造を明らかにした.また,NMR計算によりジアミド部位のN-Hプロトンの化学シフトを計算した結果,エネルギー的に安定な折りたたみ構造は1H NMRスペクトル測定の結果と同等の化学シフトを示すことがわかった.
    次に,種々のスペクトル測定,および顕微鏡観察により,低極性溶媒中においてアミノ酸ジアミド二量体が形成する超分子ポリマーの構造について評価した.AFM観察の結果,らせん状の超分子ポリマーの形成を確認した.また,FT-IRスペクトルから,ジアミド基同士の分子間水素結合の形成を確認した.さらに,会合体の形成に伴い,ピレンの吸収帯に誘起CDシグナルが確認された.D-システイン誘導体から合成したアミノ酸ジアミド二量体の会合状態は,L体に対して反対の符号のCDスペクトルを示したため,アミノ酸ジアミド部位の不斉がピレン部位の配向様式に影響を及ぼしていると考えられる.
    続いて,折り畳み構造を形成した単分散状態から自発的に会合する過程と,会合状態から単分散状態への解離過程を追跡した.アラニン誘導体から合成したアミノ酸ジアミド単量体の結果と比較したところ,アミノ酸ジアミドの二量化により,折り畳み構造の速度論的な安定性の向上と,会合状態の熱力学的な安定性の向上が確認された.また,アミノ酸ジアミド二量体が形成する折り畳み構造の高い速度論的安定性を利用し,フロー・マイクロリアクター中で種溶液と混合させた結果,超分子重合を効率良く開始でき,超分子ポリマーを伸長させることに成功した.
    以上の成果から,おおむね順調に進展していると考えられる.
    2020年度以降は,アミノ酸ジアミド二量体を基軸とするπ電子系超分子ポリマーの機能開拓に向けて,2019年度に得られた研究成果を基に研究を推し進める.
    アミノ酸ジアミド骨格の最大の強みは,アミノ酸のNH2末端とCOOH末端に多様なπ電子系分子を導入できることである.そこで,種々のπ電子系分子についてフロー・マイクロリアクターを利用する精密超分子重合に取り組み,長さや長さ分布などの構造要素が精密に制御された超分子ポリマー本来の光・電子機能を精査する.具体的には,ピレン色素の代わりにJ会合体を形成する発光色素,ドナー・アクセプター型色素,典型元素を含む色素などのπ電子系をアミノ酸ジアミド骨格に導入する.アミノ酸ジアミド二量体が形成する折りたたみ構造に着目すると,アミノ酸のNH2末端とCOOH末端に導入したπ電子系が近接しており,π電子系の分子間相互作用により新たな光特性の発現が期待される.また,フロー精密超分子重合法を利用し,構造要素が制御されたπ電子系超分子ポリマーの創出に取り組み,光・電子特性について評価を進めることで本重合法の意義と効果を明らかにする.
    アミノ酸ジアミド二量体が形成する分子内・分子間水素結合は低極性溶媒中で効果的に働き,フロー精密超分子重合に有用であることがわかった.一方で,水媒体中ではジアミド部位が水和されるため,精密超分子重合の実現には,水素結合に依存しない戦略が必要となる.申請者はこれまでに,水媒体中における超分子重合の研究を展開し,π電子系に働く疎水効果を利用して折りたたみ構造を形成させ,超分子重合過程の速度論的制御に成功している.そこで,NH2末端とCOOH末端にπ電子系を導入したアミノ酸ジアミド二量体を合成し,水媒体中における集合体形成の初期過程のダイナミクスについて実験的,理論的に評価を進め,精密超分子重合に取り組む.

  2. リビング超分子重合を機軸とするπ電子系ソフトマテリアルの機能開拓

    研究課題/研究課題番号:17K14469  2017年04月 - 2019年03月

    大城 宗一郎

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )

    本研究では,有機π共役系分子が一次元に自己集合した超分子ポリマーに着目し,精密超分子重合を実現する分子骨格の開拓に取り組んだ.精密超分子重合は,超分子ポリマーの構造要素を速度論的に制御できる手法として注目されている.
    2年間の研究によって,汎用分子骨格であるアミノ酸ジアミドのフォールディング特性と自己集合特性を活かし,超分子重合過程を速度論的に制御することに成功した.また,水媒体中における超分子重合の研究に取り組み,自己集合過程と超分子ポリマーの構造を速度論的に制御できる有機π共役系分子を見出した.
    有機π共役系分子が一次元状に集合して得られる超分子ポリマーは,π電子の相互作用により新たな光・電子機能を示し,超分子・高分子化学の研究分野における鍵材料として有望である.中でも,長さの揃った超分子ポリマーは均質な物性を示し,機能性に優れると考えられる.本研究では,低極性溶媒中や高極性溶媒中で精密超分子重合を実現する分子骨格,有機π共役系分子を明らかにした.精密超分子重合法の確立は機能性材料の開発において重要な研究分野であり,本研究で開拓した分子骨格を多様な有機π共役系分子に導入することで,新材料の創出に繋がると期待される.