科研費 - 椿野 大輔
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不変多様体に基づく分布定数・集中定数結合システムに対する拡大型制御則設計論
研究課題/研究課題番号:24K00907 2024年4月 - 2028年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
椿野 大輔, 佐野 英樹, 坂本 登
担当区分:研究代表者
配分額:16900000円 ( 直接経費:13000000円 、 間接経費:3900000円 )
液体のように形状が変化しやすいものを移動ロボットで高速に搬送する場合,ロボットの運動だけではなく液体の運動も同時に制御を行う必要がある.本研究は,このように柔軟な要素(分布定数系)を部分的に含むようなシステムの制御系設計について考察する.
一つの部分の制御則からはじめ,それにより他の部分にどのような運動が生じるかを定式化し(不変多様体の導出),元の制御則を拡大することで,個別の制御の知見を無駄にせず全体の制御則を構成する方法の確立を目指す. -
離れた複数の場所で同じ実験授業を安全に同時かつ一緒に行えるシステムの確立
研究課題/研究課題番号:22K18620 2022年6月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
原 進, 椿野 大輔, 赤井 直紀, 伊藤 和晃
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
工学部機械航空工学系学科の教育で重要である実験科目について,ポストコロナ時代への対応や,実験科目を指導できる人材不足・予算縮小などから求められる効率化を念頭に,「離れた複数の場所で同じ実験授業を安全に同時かつ一緒に行うことは可能か?」を明らかにする.特に,本研究では振動工学や制御工学の実験科目を対象とし,このようなシステムの確立のために階層化最適制御理論に基づく独創的なシステム設計論を導入する.
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研究課題/研究課題番号:20H05752 2020年10月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 学術変革領域研究(B)
鈴木 智, 椿野 大輔, 野田 龍介, 劉 浩
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
微気象(人工物や人間活動の影響を強く受ける地表付近の詳細気象)予測に有用な建物密集区域の低高度における気象情報を収集し、微気象を観測する技術を創出する。MEMS技術によって開発された超小型センサを、新たに開発する生物規範型ナノドローンに統合し、微気象観測のための階層的なタスク(機体の制御、複数機体や障害物の回避、軌道・地域の選定)を、各階層での最適性を保ちながら制御することで、機動性だけでなく適応性も持ち合わせた能動的観測の実現を目指す。タスクの階層性と市販のマイクロドローンも有効に利用しながら要素技術の開発を進め、微気象予測班と連携しながら、微気象予測システムの創出を目指す。
研究の初年度にあたる本年度は、(i) 生物規範型ナノドローンの開発、(ii) マイクロドローンの情報機能化、および(iii) 多階層制御技術の開発を実施した。各項目の具体的な内容は以下に示す。
(i) 生物規範型ナノドローンの開発 羽ばたき飛行に着想を得たデュアルロータ型ドローンの開発を実施した。本年度はMATLABを用いたダイナミクスシミュレーションによって当該ドローンの実現可能性を検討するとともに、シミュレーション結果に基づいて実機製作を実施した。
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(ii) マイクロドローンの情報機能化 市販のマイクロドローンおよび既に研究室で保有している各種小型ドローンに対して小型風速センサを搭載し、風速測定の試験及び評価を実施した。屋内に小型風洞設備を構築し、その環境下で小型センサを搭載したドローンを飛行させながら風速測定を実施した。ドローンの位置や姿勢情報は光学式モーションキャプチャシステムによって計測し、計測された風速情報、風洞で発生させた風速情報、およびドローンの正確な位置・姿勢情報を利用して、定の精度等について評価を行った。
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(iii) 多階層制御技術の開発 姿勢、相対運動の二層を考慮した群制御について研究を進めるとともに機動的観測に向けた検討を実施した。機動的観測に向け、観測軌道設計の層を新たに考慮する。各ドローンの局所的な観測情報をフィードバックした観測軌道の最適化について検討を行った。
各研究開発項目について、おおむね当初計画通りに遂行されている。
ナノドローンの開発については、シミュレーションによる検討のみではなく、実機製作まで完了したことが当初計画よりも進展している点として評価できる。
マイクロドローンの情報機能化については、実機に小型センサを搭載して風速計測の評価を実施した点が当初計画通りに進展している点として評価できる。
最後に、多階層制御技術の開発については、観測軌道設計の層を新たに考慮し、各ドローンの局所的な観測情報をフィードバックした観測軌道の最適化まで検討できた点が当初計画通りに研究が進展している点として評価できる.
本年度の研究進捗を踏まえて、当初計画通りに研究を遂行していく予定である。
まず、ナノドローンの開発およびマイクロドローンの情報機能化については引き続き、実機製作とその評価を実施していく予定である。またこれらの研究を統合してナノドローンの情報機能化についても年度の後半部分で検討を開始する予定である。
また、多階層制御技術の開発については、多階層制御技術の深化について検討をかいしする。これまでに考慮していた空間的な階層性に加え時間の階層性も考慮した階層化分散制御技術を開発する。観測周期、機体制御周期、軌道設計周期などを考慮し、生物規範型ナノドローンでも無理のない適応的制御系を目指す。 -
研究課題/研究課題番号:20H05750 2020年10月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 学術変革領域研究(B)
大西 領, 椿野 大輔, 小森 悟, 渡邉 智昭, 鈴木 智
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
微気象(建物や人間活動などの影響を強く受ける地表から高度100m程度までの気象)は社会が抱える様々な課題に関係しているが、学術的にはほとんど手が付けられていない。本領域は、その予測を世界に先駆けて実現し、その予測情報に立脚した新たな社会サービスの実現可能性を示すことで、自然科学と社会に新たな変革をもたらす微気象制御学という新学術領域を創生する。本研究では、その端緒を開くために、円滑な領域運営を実現し、領域の研究成果を最大化する。
本班は円滑な領域運営を実現し、領域の研究成果を最大化することを目的とする。それらを達成するために、領域内外との連携および情報発信を戦略的に行うための戦略委員会、知財を戦略的に管理するための知財委員会、領域研究の自律的な発展を促すための外部有識者を含む自己評価委員会、を設置した。戦略委員会では、領域内全研究者間での十分な問題意識と情報の共有を促進するために、領域全体会合および総括班と各班とのサブ会合を開催した。また、 領域ウェブページを作成し公開することで、本取り組みの社会への発信を開始した。適宜、領域に関連するイベントやニュースをトップページに掲載することにより、積極的な情報発信を行っている。さらには若手研究者の育成と誘引を目指してバージョン管理法に関する講習会を開催し、100名を超える申込み、当日参加者86名という盛況を得た。若手研究者の間での本領域の認知度を高めたことで、長期的な視点での発展に寄与すると考える。本年度は開始年度であるので知財方針の確認を行った上、知財委員会が中心となり、技術開発主要6機関間での秘密保持契約を締結した。年度末には自己評価委員会を開催し、研究計画に対する進捗状況を把握した上で、今後の方針を確認した。なお、コロナ禍のため多人数での対面式会合を開催できなかった。しかし、オンライン上で講習会、シンポジウムおよび連携会合を実施することで、領域内外の密な連携を維持した。
本年度は後期からの開始であり実質的に数ヶ月間の実施期間しかなかったにも関わらず、領域全体キックオフおよび公開シンポジウムを開催した。さらには、100名を超える申込みを得る講習会を開催することにより、若手研究者の育成と領域活動を研究コミュニティーに広く宣伝することに成功した。戦略的な運営により、想定よりも効率的、効果的に領域の運営を実施することができた。
既に設置した、戦略委員会、知財委員会、外部有識者を含む自己評価委員会を適切に運営していくことにより、円滑な領域運営を通じて領域の研究成果最大化を実現する。具体的には、領域内外との連携および情報発信強化、知財の戦略的管理、領域研究の自律的な発展を実現する。 -
無限次元性を失わない近似モデルに基づく液体ダイナミクス制御論 国際共著
研究課題/研究課題番号:18K04195 2018年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
椿野 大輔
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本課題では,容器内における液体振動であるスロッシングへの適用を主に想定したフィードバック制御則や状態推定器(オブザーバ)の設計に対して,偏微分方程式モデルに基づいた方法論を構築することを目的としている.2020年度は,前年度に提案と定式化を行った偏微分方程式と常微分方程式の両方でモデル化されるようなシステムに対する構成的な制御則設計法である「PDEフォワーディング法」をさらに発展させることに注力した.具体的には,(1) 偏微分方程式が熱方程式の場合におけるPDEフォワーディング制御則の逆最適性の解析,および (2) 波動方程式の場合への積分型制御則の導出が主な成果である.また前年度より継続して研究を行っている (3) 3次元円筒容器の場合の境界値を用いた近似的なオブザーバ設計についても成果を得ている.
まず(1)については,本来のねらいであるスロッシングへの適用からは外れるが,本課題で定式化したPDE フォワーディングの汎用性を広げるために行なったものである.PDE フォワーディングを用いて得られるフィードバック制御則が,ゲインを適切に選択することで,物理的に意味付けしやすいある2次の評価汎関数を最小にしていることを証明した.
(2)については本課題の目的に直接つながるものであり,矩形容器内における液体の振動を近似的に波動方程式でモデル化し,容器の運動を常微分方程式でモデル化した際に得られるシステムを想定して考察したものである.PDE フォワーディングを単に適用しただけでは容器の速度を制御入力として用いる形となるため,別の手法を組み合わせ,加速度を制御入力とするより現実的な形の制御則を導出している.
(3) については,継続して実施しているものである.モデル化だけでなく,オブザーバ設計においても適宜近似を導入し,実用上意味のある設計法を行っている.
容器内のスロッシングと容器の運動を同時に安定化することができる制御則設計法であるPDE フォワーディングに関する進捗については,当初の想定以上の成果が得られている.手法自体の新規性だけでなく,逆最適性などの制御則の性能まで保証できることは,本手法の有効性を示しているものである.また,3次元の円筒容器に関する結果も極の取り扱いで当初の想定よりも苦労することとなったが,そのより扱いについて多くの知見を得ることができた.しかしながら,予定していた非線形問題については十分な結果を得ることはできなかった.
以上より,遅れている部分も存在するが,想定以上な部分があり,総合的には概ね順調であると考えられる.
2020年度が本来の最終年度であった.延長期間を利用して,PDEフォワーディングに関する成果をさらにまとめ,学会発表や学術雑誌論文などにより公表してゆきたい. -
連成表現を用いた分布定数系に対する状態変換ベース境界制御器設計 国際共著
研究課題/研究課題番号:15K18085 2015年4月 - 2018年3月
科学研究費助成事業 若手研究 (B)
椿野 大輔
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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不連続な状態変換が導く分布定数系の正準系と安定化
2012年4月 - 2015年3月
科学研究費助成事業 若手研究(B)
椿野 大輔
担当区分:研究代表者
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数値解析手法を融合した分布定数系の制御理論の確立
2009年4月 - 2011年3月
科学研究費助成事業
椿野大輔
担当区分:研究代表者