2021/10/26 更新

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タナカ エツコ
田中 瑛津子
TANAKA Etsuko
所属
博士課程教育推進機構 特任助教
大学院教育発達科学研究科 特任助教
職名
特任助教

学位 1

  1. 博士(教育学) ( 2017年4月   東京大学 ) 

研究キーワード 2

  1. 動機づけ

  2. 協同学習

研究分野 1

  1. 人文・社会 / 教育心理学

経歴 2

  1. 名古屋大学   博士課程教育推進機構   特任助教

    2018年10月 - 現在

  2. 名古屋大学   PhD登龍門推進室   特任助教

    2015年2月 - 2018年9月

学歴 1

  1. 東京大学   教育学研究科   総合教育科学専攻心身発達科学専修教育心理学コース

    2010年4月 - 2015年1月

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    国名: 日本国

受賞 1

  1. 優秀賞

    2012年   公益財団法人 博報児童教育振興会   質の高い興味を育む授業方略の検討

    田中瑛津子

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    受賞区分:学会誌・学術雑誌による顕彰  受賞国:日本国

 

論文 11

  1. PhDスキルフレームワークの作成と活用-名古屋大学院生の自律的スキル訓練支援- 査読有り

    田中瑛津子・杉山直・齋藤芳子・森典華・松浦好治

    名古屋高等教育研究   20 巻   頁: 393 - 411   2020年

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: info:doi/10.18999/njhe.20.393

  2. Class Design for Developing Presentation Skills for Graduate Research Students 査読有り

    Tanaka, E. & Manalo, E.

    Deeper learning, dialogic learning, and critical thinking: Research-based strategies for the classroom     頁: 247 - 262   2019年9月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:英語  

  3. THE EFFECT OF TEACHING STYLES ON STUDENTS' LEARNING STRATEGY USE AND INTEREST IN STUDYING SCIENCE 査読有り

    Tanaka Etsuko

    PROMOTING SPONTANEOUS USE OF LEARNING AND REASONING STRATEGIES: THEORY, RESEARCH, AND PRACTICE FOR EFFECTIVE TRANSFER     頁: 103-122   2018年

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    Web of Science

  4. 学業場面に対する失敗観尺度の作成 査読有り

    西村 多久磨, 瀬尾 美紀子, 植阪 友理, マナロ エマニュエル, 田中 瑛津子, 市川 伸一

    教育心理学研究   65 巻 ( 2 ) 頁: 197 - 210   2017年

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:一般社団法人 日本教育心理学会  

    本研究では, 中学生を対象に学業場面に対する失敗観の個人差を測定する尺度を作成した。その際, 子どもにとって身近で回答しやすい失敗場面を想定し(問題場面, 発表場面, テスト場面, 入試場面), これらの場面の高次因子として「学業場面の失敗観」を想定するモデルを提案した。中学生984名から得られたデータに対して探索的因子分析を行った結果, 失敗観は「失敗に対する活用可能性の認知」と「失敗に対する脅威性の認知」の2因子から構成されることが, 各場面に共通して示された。また, これら4つの場面の高次因子として「学業場面の失敗観」を想定したモデルの適合度は十分な値であった。この結果から, 高次因子モデルによって失敗観を測定するアプローチの妥当性が支持された。さらに, 理論的に関連が予想された変数との相関関係も確認され, 尺度の妥当性に関する複数の証拠が提出された。最後に, 作成された尺度を用いた今後の研究の展望について議論がなされた。

    DOI: 10.5926/jjep.65.197

    Scopus

  5. 学習・教育場面における興味の深化をどう捉えるか : 鼎様相モデルによる諸研究の分析と統合 査読有り

    田中瑛津子, 市川伸一

    心理学評論   60 巻 ( 3 ) 頁: 203-215   2017年

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    学習場面において興味の高さが重要な変数であることが指摘されてきた。近年の興味研究では,興味の高低だけではなく,その深さの違いについても着目されつつある。浅い興味と深い興味では,その生起プロセスやはたらきが異なると考えられるためである。しかし,先行研究において提案されている一次元的なモデルでは,興味の深さの違いを十分捉えることができない。そこで本稿では,興味の深さを3つの要素に分けて捉える鼎様相モデルを提案する。このモデルでは,興味の深さを「時間的持続」「内容本質性」「価値随伴性」という3つの軸を用いて捉える。3つの要素を,異なる軸を用いて表すことで,興味の「深さ」の意味が明確になるとともに,よりバラエティに富んだ興味の状態を表すことができる。このモデルに従って先行研究をレビューし,それらの知見を統合的に見ていく。最後に,興味研究および鼎様相モデルから得られる実践への示唆について述べる。

  6. 高等学校における教えあい講座の実践 査読有り

    深谷達史, 植阪友理, 田中瑛津子, 篠ヶ谷圭太, 西尾信一, 市川伸一

    教育心理学研究   64 巻 ( 1 ) 頁: 88 - 104   2016年

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:Japanese Journal of Educational Psychology  

    学習者同士の教えあいは, 内容の理解だけでなく, 日常的な学習場面における効果的な学習方略の使用をも促す可能性がある。本研究では, 学習法の改善を企図した2つの教えあい講座の実践を報告した。2010年度の予備実践では, 理解することの重要性や教えあいのスキルを教授したにもかかわらず, 生徒の問いが表面的である, 教え手が聴き手の理解状態に配慮しないという問題が確認された。これらの問題は, 生徒が「断片的知識/解法手続きを一方的に教える」という教授-学習スキーマを保持するために生起したものと考えられた。そこで, 2012年度の本実践では, こうしたスキーマに働きかける指導の工夫を取り入れ, 「関連づけられた知識を相互的に教えあう」行動へと変容させることを目指した。高校1年生320名に対し, 講演を中心とした前半と2回の教えあいを中心とした後半(計6時間)の教えあい講座を行った。教えあいの発話と内容理解テストの分析から, 理解を目指したやり取

    DOI: 10.5926/jjep.64.88

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  7. 理科に対する興味の分類:—意味理解方略と学習行動との関連に着目して— 査読有り

    田中瑛津子

    教育心理学研究   63 巻 ( 1 ) 頁: 23 - 36   2015年

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:Japanese Journal of Educational Psychology  

    理科における種類の異なる興味を弁別可能な尺度を作成し, それぞれの興味の特徴について検討することを目的とし, 小学5年生から高校1年生まで1,998名を対象とした質問紙調査を行った。結果, 理科に対する興味は「自分で実験を実際にできるから」などの項目からなる「実験体験型興味」, 「実験の結果に驚くことがあるから」などの項目からなる「驚き発見型興味」, 「わかるようになった時うれしいから」などの項目からなる「達成感情型興味」, 「色々なことについて知ることができるから」などの項目からなる「知識獲得型興味」, 「自分で予測を立てられるから」などの項目からなる「思考活性型興味」, 「自分の生活とつながっているから」などの項目からなる「日常関連型興味」, 以上6つに分類されることが示された。また, 「思考活性型興味」や「日常関連型興味」は, 「意味理解方略」や「学習行動」と関連のある重要な種類の興味であるにもかかわらず, どの学年において

    DOI: 10.5926/jjep.63.23

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  8. 導入時の具体的目標の提示が生徒の認知的側面および動機づけ側面に与える影響 査読有り

    田中 瑛津子

    教授学習心理学研究   11 巻 ( 2 ) 頁: 42-53 - 53   2015年

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:日本教授学習心理学会  

    本研究では,中学2年生に対する理科の授業場面において,導入時の具体的目標の提示が生徒の認知および動機づけに与える影響について検討した。特に,先行研究で十分扱われてこなかった「理解に焦点化した目標」の効果に焦点を当てた。5日間の講座に参加した99名(分析対象となったのは65名)を,物体の運動に関する実験結果を解説することを授業の目標として提示した実験目標群,実験を日常的な文脈に改変した日常目標群,具体的な目標を提示しない統制群に割り当てた。目標提示後は,授業の中で実験の結果の説明を全ての群に対して同様に行った。その結果,日常的な文脈の有無に関わらず,理解に焦点化した目標の提示により,授業への動機づけおよび重要情報のメモ量が増大することが示された。さらに,動機づけを媒介変数としたパス解析の結果から,重要情報のメモ量に対する目標提示の効果は,動機づけを介するプロセスと,動機づけを介さない直接的なプロセスにより生起することが示唆された。後者のプロセスは,重要な情報に着目しやすくする認知面への影響を反映していると考えられる。本研究により,理解に焦点化した目標提示が動機づけ側面と認知的側面の両方をサポートしうることが示唆された。

    DOI: 10.20629/japtl.11.2_42

  9. 興味の深化を促す授業方略の検討 : ポジティブ感情と価値の認知に着目して 査読有り

    田中瑛津子

    教授学習心理学研究   9 巻 ( 1 ) 頁: 12-28   2013年6月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    中学2年生を対象にした授業場面において,興味の二つの側面であるポジティブ感情と価値の認知に着目し,興味の深化を促すための介入の効果を検討した。本研究では理科の授業を扱うことから,価値の中でも,「学習内容は日常生活と関連がある」という認識である日常関連価値の認知に焦点を当てた。実験1では,授業の導入時に意外な結果が生じる実験を提示してポジティブ感情を喚起し,「これから学ぶ内容を理解すれば結果を説明できるようになる」と具体的な達成目標を示して積極的授業参加を促進した。すると,日常関連価値の一般化強調の効果が引き出されることが示された。実験2では,日常関連価値への介入には,生徒の意味理解志向による調整効果があることが示された。すなわち,日常例の提示と日常関連価値の一般化の強調だけでは意味理解志向の低い生徒には不十分であることが示された。日常場面の問題を自分で解き説明する活動を加えることで,意味理解志向の高低に関わりなく,日常関連価値の認知が効果的に高まることが示唆された。

  10. Classification of Efficient Calculation Problems and the Effect of Instruction Using an Abstract Strategy 査読有り

    SUZUKI Masayuki, TANAKA Etsuko, MURAYAMA Kou, ICHIKAWA Shinichi

    Educational technology research   34 巻 ( 1 ) 頁: 75-83 - 83   2011年

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:日本教育工学会  

    Calculation problems such as 1+2+3+97+98+99 can be solved rapidly and easily by using certain techniques; we call these problems "efficient calculation problems." However, many students do not always solve them efficiently. To address this problem among students, this study developed a new teaching method. The first study sought to examine underlying subcategories of efficient calculation problems. To accomplish this, multidimensional scaling and cluster analysis to a similarity matrix obtained from expert judgments were conducted. As a result, we classified 20 efficient calculation problems into 8 categories. The second study examined the effect of an intervention on 59 eighth grade students and 52 fifth grade students. The students were instructed to use an abstract strategy that stated, "Think carefully about the whole expression," and were then taught the solution to the problem. The results indicated that the eighth grade students solved similar problems efficiently after the intervention, while the fifth grade students did not. The results also suggested that the effect of the intervention was greater among students with sufficient basic calculation skills.

    DOI: 10.15077/etr.KJ00007561987

  11. 工夫速算問題の分類と抽象的方略を用いた教授の効果 査読有り

    鈴木 雅之, 田中 瑛津子, 村山 航, 市川 伸一

    日本教育工学会論文誌   34 巻 ( 1 ) 頁: 35-43 - 43   2010年

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:日本教育工学会  

    本稿は,自発的な計算の工夫を促進させるために,「式全体をよく見て計算する」という抽象的方略のもとに,いくつかの具体的な工夫方法を教授し,その転移効果について検証するものである.研究1では工夫速算問題にはどのようなものがあるのかを検討するために,工夫速算問題の工夫方法の類似度評定から,多次元尺度法とクラスター分析を用いて工夫速算問題の構造を示し,工夫速算問題を8つの群に分類した.研究2では,研究1の分類結果をもとに,どのような問題に効果がみられたのかを検討した.その結果,小学5年生は教えられた問題と同型構造の問題に対しては工夫を加えることが可能であるのに対し,小学2年生は指導された方略をある程度自発的に応用させることが可能であるということが示された.特に,もともと基本計算能力が備わっている生徒ほど,工夫して計算ができるようになるということが示唆された.

    DOI: 10.15077/jjet.KJ00006440130

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書籍等出版物 3

  1. Promoting Spontaneous Use of Learning and Reasoning Strategies.

    Emmanuel Manalo, Yuri Uesaka, Clark Chinn( 担当: 分担執筆 ,  範囲: 7. The Effect of Teaching Styles on Students' Learning Strategy Use and Interest in Studying Science (Etsuko Tanaka))

    Routledge  2018年  ( ISBN:1138680648

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    記述言語:英語 著書種別:学術書

    In this book, scholars from around the world develop viable answers to the question of how it may be possible to promote students' spontaneity in the use of learning and reasoning strategies. They combine their expertise to put forward new theories and models for understanding the underlying mechanisms; provide details of new research to address pertinent questions and problems; and describe classroom practices that have proven successful in promoting spontaneous strategy use. This book is a must for educators and researchers who truly care that schooling should cultivate learning and reasoning strategies in students that would prepare and serve them for life.

    その他リンク: https://www.amazon.co.jp/Promoting-Spontaneous-Learning-Reasoning-Strategies/dp/1138680648

  2. 次世代のリーダーを担う博士人材の育成 : 名古屋大学PhDプロフェッショナル登龍門の取り組み

    杉山 直, 田中 瑛津子( 担当: 共編者(共編著者))

    みやび出版  2018年  ( ISBN:9784434250903

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    記述言語:日本語

    CiNii Books

  3. 「教育心理学の実践ベース・アプローチ:教育をつくりながら研究を創出する」

    深谷達史・田中瑛津子( 担当: 分担執筆 ,  範囲: 教えあい活動を促す高校の学習法講座)

    東京大学出版会 

科研費 3

  1. カリキュラム空間:生徒の自己調整思考能力を高める革新的なカリキュラム編成

    研究課題/研究課題番号:20K20516  2020年7月 - 2024年3月

    科学研究費助成事業  挑戦的研究(開拓)

    Manalo Emmanuel, 楠見 孝, 小山 義徳, 植阪 友理, 深谷 達史, 田中 瑛津子

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    担当区分:研究分担者 

    本研究の目的は,教育カリキュラムの改善を通じて学習者の自己調整思考スキルを育成するための原則とガイドラインを開発することである。現在のカリキュラム編成方法は,学習者の思考スキル開発を促進するという21世紀における社会のニーズに対応していない。本研究では,「カリキュラム空間」(カリキュラムにおける認知的,自律的,省察的な思考のための「心的空間」)をカリキュラム編成に組み込む方法を検討する。さらに,深い認知処理,批判的思考,意味理解を実現する思考スキルを学習者が自律的に使うことを促進するため「カリキュラム空間」をどのように活用できるかについても調査する。

  2. 協同学習における認知と動機づけの相互作用プロセスの理解と促進

    研究課題/研究課題番号:18K13295  2018年4月 - 2023年3月

    科学研究費助成事業  若手研究

    田中 瑛津子

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )

    大学生のペアによる問題解決場面の発話を分析したこれまでの研究により、「なぜ」に着目した意味理解を志向した発話が、効果的な協同学習の実現にとって重要であることがわかった(この成果は本年の教育心理学会において口頭発表)。そこで昨年度の研究では、中学生の理科授業のグループ学習において、「なぜ」に着目した発話を促す介入を行なった。本年度は、介入の効果を検討するため、グループ学習中の発話について質的な分析を行なった。介入では、自分とそれ以外のメンバーの意見を書き分けてメモをとり、自分と他者との意見に相違がある場合に「なぜ」を問うたり説明したりするのだということを、発話例を示しながら教示した。発話の分析から、介入群ではお互いの意見の細かな違いに注意を払って、なぜそう考えるのかを自ら説明したり、相手に説明を促したりしていることが明らかになった。本研究の成果は、国際学会(EARLI 2019)において発表された。
    この結果を踏まえて、相手と意見が異なった時にどのような反応をするかが、協同学習の質に影響を与えるという仮説をたて、来年度に向けて質問紙調査を計画している。
    また、本研究では、研究において得られた知見をどう教育実践に生かすかということが大きな課題となっている。そこで、教育心理学会において「研究と教育の橋渡し」をテーマにシンポジウムを企画し、研究知見と実際の教育実践とのギャップを埋めるためのアプローチについてディスカッションを行なった。
    本年度は、現場の教員と協働し、実際の教育場面において協同学習の取り入れ、その課題を分析する予定であった。しかし、協働予定だった教員の体調不良により共同研究の実施ができなかった。さらに妊娠・出産のため、出張等が難しくなった。
    出産、そしてコロナウイルスの影響で、学校現場に訪問して共同研究を行うことがますます難しい状況になっている。そのため、実践場面における介入の効果の検討ではなく、質問紙を中心とした研究計画に変更する。質問紙では、これまでの実験結果を踏まえ、相手の意見と自分の意見が異なった場合に「なぜ意見が異なるのか」を追究する発話をする学習者の方が効果的な協同学習ができ、協同学習中の興味も深まる、という仮説について検討する。

  3. Understanding, measuring, and promoting crucial 21st century skills: Global communication, deep learning, and critical thinking competencies

    研究課題/研究課題番号:15H01976  2015年4月 - 2019年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    Manalo Emmanuel, 鈴木 雅之, 田中 瑛津子, 横山 悟, 篠ヶ谷 圭太, Sheppard Chris, 植阪 友理, 子安 増生, 市川 伸一, 楠見 孝, 深谷 達史, 瀬尾 美紀子, 小山 義徳, 溝川 藍, 高橋 雄介

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    担当区分:研究分担者 

    本研究では、グローバルコミュニケーション(GC)、深い学び(DL)、批判的思考(CT)の発達の根底に存在するメカニズムの解明を行った。具体的には、これらのスキルの獲得や使用に関わるプロセス、発達や使用の阻害要因について検討した。さらに教育実践者が学習者のニーズに即しながら指導法や評価方法を選択し,自身の実践を展開できるよう、GC,DL,CTを測定・診断する方法を開発した上で、様々な学習文脈(個別学習や学級での学習)、様々な発達段階(初等教育,中等教育,高等教育)を対象として、スキルを促進する具体的な介入方法の開発を行った。その結果、学術雑誌論文60編を含む284編もの研究業績を収めた。
    21世紀スキルの育成に関わる多くの先行研究は、主に各スキルの定義づけや教育政策の変遷に関するものであったのに対し、本プロジェクトは、厳密な科学的手法と教育現場における妥当性を兼ね備えた研究を行った。その結果、日本および世界において実際に使用可能な育成法を提供した。本研究の成果は21世紀の諸問題に対応するための新たな教育方法の展開に寄与すると考えられる。さらに、研究成果をまとめた査読つきの国際的な書籍を、研究代表者が編著者となって刊行しており、これは21世紀スキルに関する国際的な研究文脈の中に我が国の研究を位置づけたという点で重要な成果物であるといえる。