2021/04/13 更新

写真a

タキ マサヤス
多喜 正泰
TAKI Masayasu
所属
名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任准教授
職名
特任准教授

学位 1

  1. 博士(工学) ( 2002年3月   大阪大学 ) 

研究キーワード 7

  1. 蛍光プローブ

  2. 蛍光イメージング

  3. 生体金属

  4. 機能性分子

  5. 有機合成

  6. 脂質代謝

  7. 超解像イメージング

研究分野 5

  1. ナノテク・材料 / ケミカルバイオロジー

  2. ライフサイエンス / 生物有機化学

  3. ナノテク・材料 / 有機機能材料

  4. ナノテク・材料 / 分析化学

  5. ナノテク・材料 / 無機・錯体化学

現在の研究課題とSDGs 2

  1. 蛍光プローブの創製

  2. 生体イメージング

経歴 8

  1. 名古屋大学   ナノライフシステム研究所

    2018年10月 - 現在

  2. 科学技術振興機構   戦略的創造研究推進事業

    2016年10月 - 2020年3月

  3. 名古屋大学   トランスフォーマティブ生命分子研究所   特任准教授

    2014年2月 - 現在

  4. 京都大学   大学院人間・環境学研究科   助教

    2012年4月 - 2014年2月

  5. 京都大学   地球環境学堂   助教

    2004年4月 - 2012年3月

  6. 大阪市立大学

    2003年9月 - 2004年3月

  7. ノースウェスタン大学   特別研究員PD

    2002年4月 - 2003年9月

  8. 日本学術振興会   特別研究員DC1

    1999年4月 - 2002年3月

▼全件表示

学歴 3

  1. 大阪大学   大学院工学研究科   物質・生命工学専攻

    1999年4月 - 2002年3月

  2. 大阪大学   大学院工学研究科   物質・生命工学専攻

    1997年4月 - 1999年3月

  3. 同志社大学   工学部   工業化学科

    1993年4月 - 1997年3月

所属学協会 5

  1. 日本化学会

  2. 生体関連化学部会

  3. ケミカルバイオロジー学会

  4. 錯体化学会

  5. アメリカ化学会

受賞 4

  1. NIKON JOICO AWARD 2019 特別賞

    2020年1月  

  2. 科学技術振興機構さきがけ1細胞領域 イノベーション賞

    2020年1月  

  3. とやま賞

    2019年5月  

  4. 日本化学会生体機能関連化学 部会講演賞

    2009年9月  

 

論文 15

  1. Fused Thiophene-S,S-dioxide-Based Super-Photostable Fluorescent Marker for Lipid Droplets

    Taki Masayasu, Kajiwara Keiji, Yamaguchi Eriko, Sato Yoshikatsu, Yamaguchi Shigehiro

    ACS MATERIALS LETTERS   3 巻 ( 1 ) 頁: 42 - 49   2021年1月

  2. Covalent Self-Labeling of Tagged Proteins with Chemical Fluorescent Dyes in BY-2 Cells and Arabidopsis Seedlings([OPEN])

    Iwatate Ryu J., Yoshinari Akira, Yagi Noriyoshi, Grzybowski Marek, Ogasawara Hiroaki, Kamiya Mako, Komatsu Toru, Taki Masayasu, Yamaguchi Shigehiro, Frommer Wolf B., Nakamura Masayoshi

    PLANT CELL   32 巻 ( 10 ) 頁: 3081 - 3094   2020年10月

  3. Phosphole-Oxide-Based Fluorescent Probe for Super-resolution Stimulated Emission Depletion Live Imaging of the Lysosome Membrane

    Wang Chenguang, Taki Masayasu, Kajiwara Keiji, Wang Junwei, Yamaguchi Shigehiro

    ACS MATERIALS LETTERS   2 巻 ( 7 ) 頁: 705 - 711   2020年7月

  4. Effects of Amino Group Substitution on the Photophysical Properties and Stability of Near-Infrared Fluorescent P-Rhodamines

    Grzybowski Marek, Taki Masayasu, Kajiwara Keiji, Yamaguchi Shigehiro

    CHEMISTRY-A EUROPEAN JOURNAL   26 巻 ( 35 ) 頁: 7912 - 7917   2020年6月

  5. The Effect of Branching on the One- and Two-Photon Absorption, Cell Viability, and Localization of Cationic Triarylborane Chromophores with Dipolar versus Octupolar Charge Distributions for Cellular Imaging

    Griesbeck Stefanie, Michail Evripidis, Rauch Florian, Ogasawara Hiroaki, Wang Chenguang, Sato Yoshikatsu, Edkins Robert M., Zhang Zuolun, Taki Masayasu, Lambert Christoph, Yamaguchi Shigehiro, Marder Todd B.

    CHEMISTRY-A EUROPEAN JOURNAL   25 巻 ( 57 ) 頁: 13164 - 13175   2019年10月

  6. Optimization of Aqueous Stability versus pi-Conjugation in Tetracationic Bis(triarylborane) Chromophores: Applications in Live-Cell Fluorescence Imaging

    Griesbeck Stefanie, Ferger Matthias, Czernetzi Corinna, Wang Chenguang, Bertermann Ruediger, Friedrich Alexandra, Haehnel Martin, Sieh Daniel, Taki Masayasu, Yamaguchi Shigehiro, Marder Todd B.

    CHEMISTRY-A EUROPEAN JOURNAL   25 巻 ( 32 ) 頁: 7679 - 7688   2019年6月

  7. Tuning the pi-bridge of quadrupolar triarylborane chromophores for one- and two-photon excited fluorescence imaging of lysosomes in live cells

    Griesbeck Stefanie, Michail Evripidis, Wang Chenguang, Ogasawara Hiroaki, Lorenzen Sabine, Gerstner Lukas, Zang Theresa, Nitsch Joern, Sato Yoshikatsu, Bertermann Ruediger, Taki Masayasu, Lambert Christoph, Yamaguchi Shigehiro, Marder Todd B.

    CHEMICAL SCIENCE   10 巻 ( 20 ) 頁: 5405 - 5422   2019年5月

     詳細を見る

  8. A Highly Photostable Near-Infrared Labeling Agent Based on a Phospha-rhodamine for Long-Term and Deep Imaging

    Grzybowski Marek, Taki Masayasu, Senda Kieko, Sato Yoshikatsu, Ariyoshi Tetsuro, Okada Yasushi, Kawakami Ryosuke, Imamura Takeshi, Yamaguchi Shigehiro

    ANGEWANDTE CHEMIE-INTERNATIONAL EDITION   57 巻 ( 32 ) 頁: 10137 - 10141   2018年8月

  9. A far-red emitting fluorescent probe for cytosolic Ca2+ion based on phospha-fluorescein scaffold

    Ogasawara Hiroaki, Taki Masayasu, Sato Yoshikatsu, Yamaguchi Shigehiro

    ABSTRACTS OF PAPERS OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY   255 巻   2018年3月

     詳細を見る

  10. A far-red fluorescent probe based on a phospha-fluorescein scaffold for cytosolic calcium imaging

    Ogasawara Hiroaki, Grzybowski Marek, Hosokawa Riho, Sato Yoshikatsu, Taki Masayasu, Yamaguchi Shigehiro

    CHEMICAL COMMUNICATIONS   54 巻 ( 3 ) 頁: 299 - 302   2018年1月

     詳細を見る

  11. Phosphole P-Oxide-Containing pi-Electron Materials: Synthesis and Applications in Fluorescence Imaging

    Yamaguchi Shigehiro, Fukazawa Aiko, Taki Masayasu

    JOURNAL OF SYNTHETIC ORGANIC CHEMISTRY JAPAN   75 巻 ( 11 ) 頁: 1179 - 1187   2017年11月

     詳細を見る

  12. Selective Conversion of P=O-Bridged Rhodamines into P=O-Rhodols: Solvatochromic Near-Infrared Fluorophores

    Grzybowski Marek, Taki Masayasu, Yamaguchi Shigehiro

    CHEMISTRY-A EUROPEAN JOURNAL   23 巻 ( 53 ) 頁: 13028 - 13032   2017年9月

  13. Super-Photostable Phosphole-Based Dye for Multiple-Acquisition Stimulated Emission Depletion Imaging

    Wang Chenguang, Taki Masayasu, Sato Yoshikatsu, Fukazawa Aiko, Higashiyama Tetsuya, Yamaguchi Shigehiro

    JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY   139 巻 ( 30 ) 頁: 10374 - 10381   2017年8月

  14. Water-Soluble N-Heterocyclic Carbene-Protected Gold Nanoparticles: Size-Controlled Synthesis, Stability, and Optical Properties

    Salorinne Kirsi, Man Renee W. Y., Li Chien-Hung, Taki Masayasu, Nambo Masakazu, Crudden Cathleen M.

    ANGEWANDTE CHEMIE-INTERNATIONAL EDITION   56 巻 ( 22 ) 頁: 6198 - 6202   2017年5月

  15. Color-tunable fluorescent nanoparticles encapsulating trialkylsilyl-substituted pyrene liquids

    Taki Masayasu, Azeyanagi Saki, Hayashi Kenzo, Yamaguchi Shigehiro

    JOURNAL OF MATERIALS CHEMISTRY C   5 巻 ( 8 ) 頁: 2142 - 2148   2017年2月

     詳細を見る

▼全件表示

書籍等出版物 1

  1. Cadmium: From Toxicity to Essentiality, Chapter 5 -Imaging and Sensing of Cadmium in Cells

    Editors: Astrid Sigel, Helmut Sigel, Roland KO Sigel( 担当: 単著)

    Springer Netherlands  2013年  ( ISBN:978-94-007-5178-1

     詳細を見る

    記述言語:英語 著書種別:学術書

共同研究・競争的資金等の研究課題 1

  1. 脂質ダイナミクスの精密解析技術の創出

    2016年10月 - 2020年3月

    科学技術振興機構  戦略的創造研究推進事業 さきがけ 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

科研費 5

  1. 超耐光性蛍光色素を利用したオルガネラ連携のマルチカラー超解像ライブイメージング

    研究課題/研究課題番号:19H02849  2019年4月 - 2022年3月

    多喜 正泰

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )

    細胞内のオルガネラ連携を理解することは,生命科学研究における重要な課題である。超解像技術の一つであるSTED顕微鏡は,オルガネラ連携の解析において強力なツールであるが,蛍光色素の著しい褪色を引き起こすという問題があった。本研究では各オルガネラをSTED顕微鏡で長時間観察するための超耐光性蛍光標識剤を種々開発し,オルガネラ接触領域における膜動態をマルチカラーで捉え,オルガネラ連携の形成機構解明に繋げていく。
    細胞内のオルガネラ連携や生物学的役割の多角的な理解を推進するため,超解像STED顕微鏡によるライブセルイメージングを可能にするオルガネラ染色剤の開発に取り組んだ.本年度は,はミトコンドリア,リソソーム,および脂肪滴染色剤を開発し,その性能をSTED顕微鏡で評価した.特にマルチカラーSTEDイメージングの実施に向け,ストークスシフトが異なる蛍光色素骨格を用いた.
    ミトコンドリアマーカー:これまでの研究で,ナフトホスホール色素を基盤とした分子により,ミトコンドリア内膜動態のSTEDイメージングを達成してきたが,さらに長波長化を誘起するため,ビスホスホール骨格を採用し,種々のミトコンドリア染色剤を合成した.いずれも大きなストークスシフトを有し,低極性環境で強い蛍光を示すことがわかった.
    リソソームマーカー:ナフトホスホール骨格に対し,リソソーム局在性をもたせるように修飾することで,超耐光性リソソーム染色剤とした.環境応答性を付与することにより,リソソーム膜の超解像イメージングに成功した.また,ストークスシフトが小さい色素として,我々が開発した近赤外蛍光色素PREX 710に着目し,リソソーム染色剤としての展開について検討した.その結果,アミノ基の置換基の種類に応じて色素の細胞内局在が変わり,アザビシクロヘプタンを用いた場合,pH非依存的にリソソームが染色されることを見出した.
    脂肪滴マーカー:チエノ[3,2-b]チオフェン構造をもつBTBT骨格を基盤に分子を作り込み,超耐光性の脂肪滴染色剤を開発した.長時間観察でもほとんど褪色せず,マルチカラーイメージングで脂肪滴動態を明瞭に捉えることができる.また脂肪滴特異性に優れ,STEDイメージングにより,ごく微小の脂肪滴を観察することができた.
    当初計画ではオルガネラ染色剤の開発であったが,環境応答性を巧みに利用することにより,オルガネラ膜構造を選択的に標識できるようになった.この意義は,オルガネラ連携における膜ダイナミクス解析において非常に大きい.実際,環境応答性の超耐光性蛍光色素を基盤としたLysoPB Yellowで染色した細胞をSTED顕微鏡で観察すると,リング状の膜構造を明瞭に検出することができた.本成果はACS Mater. Lett誌に採択された.
    また,リソソーム染色剤については,これまで色素にアミノ基を導入し,pH依存的に集積させる方法が主流であった.しかし,本研究で開発した近赤外蛍光色素は,様々なpH領域でもリソソームを修飾することができる.これは当初予定していない結果であり,一連の誘導体合成で発見された興味深い現象である.実際,本成果はChem. Eur. J.誌のHot paperとして採択された.以上の成果は,当初計画以上のものといえ,本評価に至った.
    今年度は,各オルガネラ染色剤を組み合わせ,オルガネラ相互作用における膜構造変化をマルチカラーSTEDイメージングによってリアルタイムに可視化する.
    STED顕微鏡の撮像条件の最適化:まず,各オルガネラ染色剤についてSTED撮像条件(励起波長,蛍光検出波長,レーザーパワー等)を最適化する.CW-STEDによる超解像画像取得において特に重要なパラメーターはSTEDレーザー強度と励起用のレーザーパルスと STED 用のレーザー光との間の遅延時間である.それぞれの染色剤の組み合わせを考慮し,マルチカラーSTEDイメージングの条件を定める.
    マルチカラーSTEDイメージング:飢餓状態にある細胞のオルガネラ膜動態は生物学的な関心が高い.マルチカラーSTEDイメージングを行い,オルガネラ接触領域における膜間相互作用や脂肪滴が関与するオルガネラ動態を連続的に観察する.
    得られる画像から色素の局在をサブオルガネラレベルで検証するため,プロテオーム解析を実施する.まず,色素骨格と結合するポリクローナル抗体を受託で作製する.同時に,蛍光色素がターゲット上に保持されるように,色素周辺にタンパク質と共有結合できる官能基を導入しておく.染色した細胞の破砕液に対して免疫沈降処理を施し,LC-MS/MSからターゲットタンパク質および蛍光標識部位を同定する.これらの課題は名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所の佐藤良勝准教授(超解像イメージング)ならびに桑田啓子助教(プロテオーム解析)とそれぞれ連携して遂行する.

  2. 花粉管動態を可視化する耐光性近赤外蛍光分子ツールの創製

    研究課題/研究課題番号:19H04858  2019年4月 - 2021年3月

    新学術領域研究(研究領域提案型)

    多喜 正泰

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:13260000円 ( 直接経費:10200000円 、 間接経費:3060000円 )

    植物の生殖過程に関与する「鍵と鍵穴」の機能解明において,有機蛍光色素を用いた植物ライブイメージングは,多様な植物種を対象に「その場で,すぐに染色」できる強力な手法である。本研究では,耐光性近赤外蛍光色素と機能性ペプチドと組み合わせることで,花粉管動態のライブイメージングに資する独自性が高い分子ツールを創製し,有機合成化学的な側面から植物新種誕生の原理に迫る。
    またこれを用いて二光子蛍光顕微鏡による植物深部イメージング技術を確立する。
    花粉管特異的に取り込まれる細胞膜透過性ペプチドの創製と花粉管伸長のライブイメージング:固相合成法によって,N末端側に蛍光色素を結合させた種々のカチオン性ペプチドを合成した.それぞれについて花粉管染色能を評価したところ,ペプチドのアミノ酸配列によって細胞膜透過性は大きく変わり,リシンを多く含むもののほうが,高い花粉管染色能を有していた.中でもBP100配列を有してペプチド(BP100-PREX 710)が最も効率的に取り込まれ,花粉管内部においても特定のオルガネラに局在している様子は見られなかった.実際,BP100-PREX 710で染色した花粉管は長時間のイメージングも可能であり,花粉管伸長の様子を共焦点顕微鏡で追跡することができた.本研究課題については,東山班との共同研究を実施している.これをさらに発展させ,Tag-Probe系によるターゲット特異的染色を目的とした新たな分子ツールの創製に取り組んだ.BP100-PREX 710に対してさらにHalo-tag用リガンドを連結した化合物の合成を終え,現在,BY-2細胞内の微小管染色に着手した段階である.
    二光子顕微鏡を用いた植物深部イメージング技術の創出:上記の花粉管染色蛍光色素BP100-PREX 710は,1200-1300 nmの光を用いた二光子レーザー顕微鏡で観察可能である.花柱内における花粉管伸長の様子を二光子顕微鏡によって観察するため,現在連携研究者である佐藤と光学系のセットアップ(フィルターおよび検出カメラの選定)を実施している.
    受容体1分子追跡を可能にする耐光性蛍光色素の開発:1分子追跡を実施するためには,耐光性に優れた近赤外蛍光色素の創製が重要である.PREX 710の分子構造を基に,種々の蛍光色素を合成し,1分子レベルでの耐光性を評価している.
    これまでの研究ではペプチドと近赤外蛍光色素を組み合わせることで,細胞壁特異的な蛍光標識剤の開発を行ってきたが,ペプチド配列を改変することにより花粉管内部を効率よく染色することに成功した.染色効率の向上にはリシン残基が必要であり,その数や位置が重要であることを明らかにしている.本計画は当初の予定通り,順調に進んでいる.
    また,今年度の後半ではHalo-tagなどタンパク質タグと結合可能な標識剤の開発に着手した.当初は蛍光色素に対してHalo-tag ligandを連結させればよいと思っていたが,非特異的な染色が多く認めらたため,色素骨格の改変に予定よりも多くの時間を要した.この問題も現在は解決しており,今年度の蛍光イメージングに繋げる.
    受容体の1分子追跡は,標的タンパク質のラベル化が課題であったが,上述の非特異的染色に関する検討により,これも解決に向かう.したがって,花粉管動態のライブイメージングに向けた準備はほぼ整ったといえ,概ね順調に遂行しているといえる.
    花粉管イメージング:前年度の検討により,花粉管に対する膜透過性は用いるペプチド配列に大きく依存することを明らかにしている.ペプチド構造が膜透過性に及ぼす影響が解明できれば,より効率的な膜透過性ペプチドを生み出すことが可能になる.今年度は,計算化学を駆使して上記課題に取り組み,in plantaイメージングに繋げる.
    二光子深部イメージング:PREX 710は1200-1300 nmに強い二光子吸収ピークを有していることを明らかにしている.有機蛍光色素による植物の深部イメージングを達成するためには,球面収差により画像が不鮮明になりやすい.特に,植物では空気を含んでいる組織が多くあるため,焦点がばらつきやすい.球面収差を補正する補正環を搭載したレンズを用い,場合によっては補償光学を駆使することにより,植物深部イメージング技術を確立する.
    分子プローブによる花粉管観察:受精時には花粉管内で様々なイベントがおこっている.膜透過性ペプチドによる花粉管内部への輸送能を活かし,pH, Ca2+, グルタチオンなどを感受する種々の蛍光プローブを取り込ませ,花粉管内でのイベントを可視化する.
    受容体の1分子イメージング:まず,ガラス基板上に固定化したHalo-tag融合タンパク質を用い,全反射顕微鏡による1分子イメージングによって耐光性を評価する.最終的には,PRK6のN末端にHalo-tagを融合した形質転換体を用いて,LUREによる花粉管誘導におけるPRK6ダイナミクスを1分子レベルで観測する.この際,厚みのある花粉管で全反射顕微鏡を用いると,PRK6がエバネッセント場から離れ,動態を追跡できなくなる可能性が想定される.この場合は,薄層斜光照明法を採用し,花粉管内部で動くタンパク質を3次元的に可視化する.本研究は,名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所の佐藤良勝氏と共に遂行する.

  3. 受精時の花粉管ライブイメージングを実現する有機蛍光プローブ群の創製

    研究課題/研究課題番号:17H05839  2017年4月 - 2019年3月

    新学術領域研究(研究領域提案型)

    多喜 正泰

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:15600000円 ( 直接経費:12000000円 、 間接経費:3600000円 )

    (1) 任意の一本の花粉管を選択的に染色する光ケージド赤色発光色素の開発
    前年度の研究において,花粉管の染色効率が低いため,十分な蛍光強度が得られないことが問題として見つかった。これを解決するためには,光ケージド蛍光色素の細胞膜透過性を高める分子設計が重要である。そこで本年度は,動物細胞でよく知られている細胞膜透過性ペプチド(CPP)が連結した蛍光色素を用い,花粉管染色能のCPP配列依存性について検討した。CPPを含む培地中で花粉管を発芽させ,4時間培養したあと,蛍光顕微鏡で観察した。その結果,リシンを多く含むCPPは花粉管内部からの強い蛍光シグナルが観察されたのに対し,アルギニンを多く含むCPPの場合は,細胞壁に多く補足されていることがわかった。現在,高い花粉管染色能をもつCPP配列の最適化を行っている。
    (2) 植物深部の細胞壁染色を指向した近赤外蛍光性を有する細胞壁染色剤の開発
    近赤外蛍光色素PREX 710は712 nmと740 nmにそれぞれ極大吸収波長と極大蛍光波長を有するため,クロロフィル由来の自家蛍光に影響されずに画像を取得することができる。また,ほぼすべての蛍光タンパク質と併用できるため,最大6色までの多重染色ができることを明らかにした。前年度までに,PREX 710にアルギニンのオリゴマー (R8) を連結したものが細胞壁マーカーとして機能することを見出している。細胞壁マーカーとしての有用性を評価するため,花粉管伸長時における動態をライブで追跡した。その結果,花粉管伸長速度が早いときは細胞壁由来の蛍光強度が低下し,伸長が休止しているときは蛍光強度が増大するという反対の相関が得られた。これは,花粉管伸長におけるペクチンの量やカルシウム濃度に依存しているものと考えられ,詳細な解析を進めている。
    平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
    平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  4. 蛍光性有機液体ナノ粒子の創出と細胞内蛍光イメージングへの応用

    研究課題/研究課題番号:16H04179  2016年4月 - 2019年3月

    多喜 正泰

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:17810000円 ( 直接経費:13700000円 、 間接経費:4110000円 )

    液体蛍光色素を内包した有機蛍光ナノ粒子の創製を目指した.蛍光ナノ粒子の粒径はトリアルキルシリル置換ピレンの粘度に強く依存し,低粘度液体が最も小さい粒径を与えた.液体ピレンの流動性はナノ粒子コアでも保持されており,「ドーパント色素のナノ粒子内部への自発的取り込み」という新しい概念に基づいた発光色のチューニングに成功した.また可視光で励起可能な耐光性液体蛍光色素を新たに合成し,物性に及ぼすシリル基の導入位置の効果について検討した.さらにこれを内包した蛍光ナノ粒子を作製し,これがエンドサイトーシス機構によって細胞内部に取り込まれることを明らかにした.
    色素が液体であるという特徴を活かし,多様な発光色を示す有機蛍光ナノ粒子を「水溶液へのドーパントの添加」という極めて単純な方法で作り出す手法を発見したことは,今後の材料開発研究においても有用な情報である.また,液体蛍光ナノ粒子を用いて細胞の蛍光イメージングにも成功したことから,生命科学研究への応用も十分に期待できる.

  5. 近赤外吸収色素ライブラリーの構築および光音響イメージングへの展開

    研究課題/研究課題番号:16K13097  2016年4月 - 2018年3月

    多喜 正泰

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:3510000円 ( 直接経費:2700000円 、 間接経費:810000円 )

    電子受容性が高い環状チオエステル骨格の3,5位に種々のアミノフェニル基を導入したπ共役カチオンを合成した。これらの化合物は900 nm付近に強い吸収を有していたことから,光音響イメージングに利用可能な近赤外吸収色素として利用が示唆された。そこで,この光音響特性について評価するため,光音響シグナルを検出するための光学系を構築した。実際,金ナノ粒子を用いたところ濃度依存的にシグナル強度が変化することわかった。この光学系を用いて蛍光色素の光音響シグナルを検出したところ,アミノ基の種類によって光音響シグナルの大きさが異なり,ジュロリジニル基を導入した色素が強いシグナルを与えた。