科研費 - 本田 育美
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腸機能評価から排便支援ケアにつなぐ腸電位シグナルの構造化と予測モデルの作成〔代表〕
研究課題/研究課題番号:24K02722 2024年4月 - 2028年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
本田 育美, 中山 晋介, 吉田 和枝, 榎本 喜彦, 前川 厚子, 伊藤 康宏, 松原 早希
担当区分:研究代表者
配分額:18460000円 ( 直接経費:14200000円 、 間接経費:4260000円 )
本研究は、超高齢社会のわが国の重要課題の1つである“排泄ケア”の変革につながる“排泄支援システム”の構築を目指し、可視化された「腸の運動リズム」から大腸蠕動運動の機能評価とともに排便予測指標となるモデルを導くことである。
軽量小型腸電位計での計測とともに自律神経活動の評価を取り入れ、排便を誘起する生活活動の刺激による腸の活動変化の様相をもとに大腸の活動電位パターンを構造化し、さらに排便兆候につながる大腸の活動電位の予測モデル作成に取り組む。 -
スマートナーシングシステムに導入する排便予測指標となる腸電位パターンの探索〔代表〕
研究課題/研究課題番号:22K19687 2022年6月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
本田 育美, 中山 晋介, 吉田 和枝, 前川 厚子
担当区分:研究代表者
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
本研究は、超高齢社会のわが国の重要課題の1つである“排泄ケア”の変革につながる“排泄支援システム”の構築を目指し、「腸の活動電位」の可視化と排便予測となる信号の弁別化に取り組む。
軽量小型腸電位計を用いて、超音波画像解析装置(エコー)での糞便状態の評価とともに、就寝時から連続測定することで排便に向けた大腸運動の推移を示し、さらに生活活動刺激による腸の活動変化から排便兆候となる電位パターンを探る。 -
足ケアが高齢者の歩行・姿勢制御機能にもたらす効果の構造化〔代表〕
研究課題/研究課題番号:17H04429 2017年4月 - 2021年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
本田 育美
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:16900000円 ( 直接経費:13000000円 、 間接経費:3900000円 )
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フレイル予防に向けた色彩メッセージを活用した健康生活支援プログラムの検討〔代表〕
研究課題/研究課題番号:15K15791 2015年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽
本田 育美
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
本研究の目的は、高齢者の虚弱Frailty予防に向け、色付け作業を取り入れた教育プログラムの有効性を明らかにすることである。75歳以上の在宅後期高齢者を対象に、地域コミュニティ活動の場において、健康生活(身体活動,栄養摂取,社会交流)に関する内容を取り込んだ健康プログラムを提供した。プログラム参加者の12ヶ月後評価の結果、半数以上の者で体重減少に加え、腹囲や栄養評価、身体活動量の減少と生活疲労度の増加が確認された。高齢者のFrailty予防に向けたプログラムとして、健康生活支援という視点の重要性が課題となった。
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姿勢制御に対する足趾ケア効果の多角的解析と戦略的看護介入の確立 〔代表〕
2014年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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高齢者の姿勢制御に関わる足趾機能の改善にむけた足ケア法の検証 〔代表〕
2011年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究代表者
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高齢者の起立・歩行機能と姿勢制御機能に及ぼす足趾ケア効果の検証 〔代表〕
2008年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究代表者
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下肢の血液還流および起立・歩行機能を改善させる爪切り法に関する実証的研究 〔代表〕
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究代表者
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超音波画像解析を活用したオーダーメイドな看護介入のための新たな動脈硬化指標の開発
研究課題/研究課題番号:23H03194 2023年4月 - 2028年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
中山 奈津紀, 今井 國治, 玉腰 浩司, 本田 育美, 大島 千佳, 江尻 晴美, 森脇 佳美, 丹羽 史織, 荒川 尚子
担当区分:研究分担者
動脈硬化を抑制し改善させることは、後遺症を惹起しうる脳卒中や心筋梗塞等の循環器疾患の発症抑制につながり喫緊の課題である。本研究の最終目標は、個人差のある動脈硬化を惹起する生活習慣を特定し、個人に適した生活習慣の改善を行う、つまりオーダーメイドな看護介入を構築することである。具体的には、①頸動脈エコーの画像を解析し動脈硬化のテクスチャ(均一性・線維化・石灰化・脂質量・線維性被膜厚・表面形状・狭窄率等)を定量的に評価し、②テクスチャの差異を惹起した生活習慣(運動・睡眠・食事)、ストレス(自律神経活動)を特定する。③6か月後のテクスチャの差異と各生活習慣の詳細な変化を定量化する。
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腸過敏性の基礎となる興奮連携異常のマイクロ機能画像による評価
研究課題/研究課題番号:23H02813 2023年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
中山 晋介, 梶 典幸, 本田 育美, 鈴木 治彦
担当区分:研究分担者
消化管は栄養素の消化吸収だけでなく、免疫や情動形成にも働く多機能臓器である。その協調的運動では、ペースメーカ間質細胞のネットワークや平滑筋細胞の自発性も協働することが明らかとなってきた。
そこで本研究では、機能性消化管運動障害の原因となる興奮連携病態を細胞組織レベルで検証するために、透析膜併用の低インピーダンス微小電極アレイやCa感受性蛍光タンパクを用いたマイクロ領域機能画像の高度解析を行う。特に、多種類のモータシステムの時空間連携の類型化・定量化をAI, デジタル技術を応用して推進する。腸過敏性病態での神経伝達物質、炎症や栄養素など関連因子の作用を同定し、予防・診断・治療推進に貢献する。 -
パーキンソン病患者の排便状況を整えるために「睡眠の質」が果たす役割の探究
研究課題/研究課題番号:23K10390 2023年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
土井 智子, 本田 育美, 菅沼 信彦, 玉置 美春
担当区分:研究分担者
パーキンソン病患者の便秘は、予期せぬ全身症状の増悪を招くことがある。そのため、排便状況を整えることは、全身状態を整えることに繋がり、慢性疾患を抱えながらも自立した生活を送るための一助になると言える。そこで、パーキンソン病患者に対して介入が可能である排便管理方法の確立を目指し、基本的な生活習慣である睡眠に注目した。本研究では、在宅パーキンソン病患者の排便状況と夜間の睡眠状況を調査し、パーキンソン病患者の排便状況を整えるために睡眠の質が果たす役割について検討する。
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研究課題/研究課題番号:23K10218 2023年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
西澤 和義, 本田 育美
担当区分:研究分担者
日本では,嚥下障害をもつ高齢者の増加が見込まれ,看護師には嚥下障害の正確な臨床判断が求められる.臨床判断には,嚥下障害を示す症状・徴候,すなわち診断指標が必要である.しかし,看護師が嚥下障害を臨床判断するための診断指標の検証は十分されていない.そのため,嚥下障害の専門家でない一般看護師でも,正確な嚥下障害の臨床判断を導くことができる診断指標の開発が必要である.
本研究では,研究者がこれまで検証してきた診断指標を,一般看護師が観察でき,かつ嚥下障害を正確に予測できる診断指標に発展させることを目的とする.
本研究結果により,一般看護師も患者の嚥下障害を正確に臨床判断し,早期に介入できることにつながる. -
社会的養育を担う里親の種別や養育指向性の違いによる自己認識と役割意識
研究課題/研究課題番号:22K18557 2022年6月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
宮崎 つた子, 中北 裕子, 西山 修平, 上杉 佑也, 本田 育美, 前田 貴彦, 小池 はるか
担当区分:研究分担者
本研究は,里親の自己認識と役割意識から,里親の種別や里親養育の指向性の違いで直面している課題を明らかにするために,研究課題①【里親の自己認識と役割意識】,研究課題②【里親養育の問題と里親へのサポート】,③【里親の種別(養育型と養子型)】,④【志向性別(里親養育の志向性の3類型)】,⑤【地域里親会の支援課題】,を明らかにして子育て支援策を探求する.これらは,里親会,施設や行政などのサポートネットワークが活性化され,里親が地域社会や関係機関の支援を受けながら連携して,社会的養育を実現する支援に繋がると考える.
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医療的ケアが昼夜必要な在宅療養児の養育者の生活に即した地域包括支援システムの構築
研究課題/研究課題番号:22H00929 2022年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
宮崎 つた子, 本田 育美, 岩本 彰太郎, 小池 はるか, 長友 薫輝, 影山 隆之, 菊池 紀彦, 上杉 佑也, 西山 修平, 中北 裕子, 前田 貴彦
担当区分:研究分担者
本研究の概要は,①医療的ケアが昼夜必要な在宅療養児の養育者の睡眠や食事、ストレスなどの生活実態調査と②育児を超えたケアラーを担っている状況での様々な思いを明らかにする量的および質的調査を実施する.そして,③小児在宅に関わる地域の医療・福祉・教育の地域の課題を多角的に評価し,養育者の生活を地域という「面」で機能して支える地域包括支援システムの構築を目指して5年計画で行う研究である.
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虚血性心疾患患者における生活習慣改善に向けた睡眠への看護介入指標の確立
研究課題/研究課題番号:22K10837 2022年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
森脇 佳美, 中山 奈津紀, 玉腰 浩司, 本田 育美, 大島 千佳, 柴山 健三
担当区分:研究分担者
本研究は、虚血性心疾患(IHD)患者の睡眠がQOLおよび予後に与える影響を明らかにし、睡眠への看護介入指標を得ることを目的としている。具体的には、IHD患者においてポリソムノグラフィー検査とアクチグラフィによる客観的な睡眠とピッツバーグ睡眠質問票による主観的な睡眠の量と質を調査し、IHD患者における、
①睡眠が健康関連QOLに与える影響を明らかにする。
②睡眠が予後に与える影響を、動脈硬化の進展および冠動脈狭窄を心臓CT、冠動脈造影、血液生化検査、自律神経活動指標により定量的に追跡調査し明らかにする。
③睡眠と生活習慣の関連性を明らかにし、生活習慣改善に向けた「睡眠」への看護介入指標の確立を目指す。 -
直腸がん患者の低位前方切除後症候群の回復への多職種協働支援プログラム構築
研究課題/研究課題番号:22K10914 2022年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
吉田 和枝, 榎本 喜彦, 問山 裕二, 前川 厚子, 本田 育美, 伊藤 康宏, 吉川 尚美, 柴田 英治
担当区分:研究分担者
直腸がんの診断を受け、低位前方切除術が予定/実施された患者で研究の同意が得られた人を対象とし、低位前方切除後症候群(LARS)を手術前入院直後から患者中心型多職種協働支援プログラムを開始し、食事と食生活、排便、排尿、セクシュアリティ、肛門部スキンケア、IAD予防教育、おむつの選択、腸電位計と腹部エコーを用いた腸電位の把握、QOL調査、治療の内容、社会復帰状況を確認するために3年間10回の経時的データを多層ベースライン法で分析を行い、LARSによる心身機能回復を検証する。
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ポータブル腸電位計を用いた透析患者の腸蠕動の可視化と排便予測指標の探究
研究課題/研究課題番号:21H03278 2021年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
前川 厚子, 松原 宏紀, 中井 滋, 本田 育美, 吉田 和枝, 稲熊 大城, 神谷 幸宏
担当区分:研究分担者
研究の概要:独自に開発したポータブル腸電位計を利用して便秘の主訴がある血液透析患者の腸蠕動を経時的にモニタリングし、安全・快適な排便マネジメントにつながるように腸管機能の客観的評価法と排便予測指標を開発する。
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透析を受けている患者には排便異常が多発することが知られているが、多施設共同による調査の実態は明らかにされていない。そこで、郵便質問紙調査により便秘の要因を透析治療、生活習慣、薬剤の影響、排便習慣など複合的な側面から検討する。さらに腸電位波形から腸蠕動運動パターンを解析し、デジタル可視化データとする。
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この研究を通じて透析医療と慢性腎不全患者の生活の質向上に役立てたい。
2021年度の初年度研究は「愛知県下維持血液透析患者の日常生活と排便状況の調査」を藤田医科大学の稲熊大城教授と中井滋教授の協力を得て愛知腎臓財団ならびに愛知県透析医会との共同研究として実施した。
日本では透析を受けている患者数は33万人以上と報告され、新たに毎年3万5000人以上が透析治療を開始している(2021年)。透析患者の高齢化が進み、2017年末の透析患者の平均年齢は68歳を上回っている(日本透析医学会)。透析患者の日常生活困難感は加齢に伴う認知機能やADLの低下、心臓病等の合併症や排便機能の低下があげられる。
これまで、愛知県下の慢性維持透析患者における日常生活の現状ならびに排便機能状況に関する調査は実施されていないため、現状把握する目的で本研究を実施した。
研究方法は医療機関に保管されている患者の既存情報を収集して診療情報データベースを構築し、統合データとして解析するものである。調査項目は①性別、②年齢、③透析導入時年齢、④居住環境(家族同居・独居・施設入所・入院・その他)、⑤主たる通院手段
⑥治療方法(施設血液透析・腹膜透析・血液透析と腹膜透析の併用・在宅血液透析・その他、⑦糖尿病合併の有無、⑥糖尿病関連自己注射の有無、⑦要介護度、⑧排便状況(止瀉薬、整腸薬などの服用状況)で構成した。
3月31日までの中間集計では愛知県下の透析医療機関約160施設から14,434件の回答を得た。性別では男性が65%、年齢は平均69.6(幅0~101)歳で透析歴平均は8.2年であった。排便状況では、年齢と透析歴の長さに相関して薬物治療Dozeが多くなり、下痢と便秘の繰り返しが生活の不便さに直結していた。本調査は2022年7月を締め切りとしており約70%の回収率であるが、愛知県透析医療機関の全患者を調査対象とするもので、最終締め切り後にビッグデータ解析を行い、発表する。
当該年度の計画は藤田医科大学稲熊教授と中井教授、愛知腎臓財団の協力を得て、県下の透析医療実施機関で透析を受けている全患者を対象にした生活と排便機能の実態調査として進めている。2022年3月末の時点で約7割の医療機関からの回答を得ているが、残り3割の医療機関に対して7月末までに回答を求めている。
そのために、最終集計、分析、公表は今年度になる見通しである。
医療機関ではCovid-19の影響で、バスキュラーアクセスハイリスクの透析患者と直接関わることを制限している。そのため、個別対面インタビューと腸電位測定などが計画しにくいが、透析を専門とする看護師への聞き取り調査を行っている。
2022年度は、2つの研究を並行する。
1)2021年度愛知県の透析患者における生活と排便の状況を解析し、論文にまとめる予定である。現在は約14300件のデータであるが、残り30%の施設からの回収を待っている。
2)実際に透析医療機関において透析を実施中の患者に対する排便状況をインタビューし、承諾が得られた場合には透析中の腸蠕動をモニタリングする計画である。一般状態と排便リズム、腸電位測定に協力してくださる被験者のリクルートは分担研究協力者の機縁法で進める。さらに、可能ならば透析日以外の腸電位を計測するようにしていく。被験者数はCovid-19の制約もあるために10名を予定している。 -
研究課題/研究課題番号:21H03231 2021年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
竹原 君江, 常深 祐一郎, 峰松 健夫, 野口 博史, 本田 育美
担当区分:研究分担者
足白癬は、糖尿病足潰瘍、高齢者の転倒のリスク要因である。これらは足切断や寝たきりにつながるため、足白癬の予防、スクリーニング、適切な治療の援助を含めたトータルケアが必要である。それには患者のセルフケア支援システムが不可欠である。そこで、本研究の目的を1)deep learningを活用した足の拭き残しの自動可視化技術の開発、2)deep learning による自動視診技術と生物学的手法による白癬菌検出シートによる白癬菌検出法の開発、3)deep learning を活用した治療サポート技術の開発の3点とした。これらの成果により患者のセルフケア能力が向上することを目指す。
足白癬は、白癬菌が皮膚角層に侵入し、進行すると亀裂や浸軟、爪白癬への移行による爪の肥厚・変形を引き起こす真菌感染症である。日本における足白癬の保有率は約20%と推定されているcommon diseaseである。しかし、糖尿病患者では足潰瘍のリスク要因であるとして足白癬の治療・ケアが強く推奨されている。また、足白癬が蜂窩織炎のリスクファクターであることや、高齢者では足爪白癬が転倒の要因であることが報告されている。したがって、足白癬を早期に発見し治療につなげる必要があるが、自覚症状に乏しく見逃されていることが少なくないため、効果的なスクリーニング方法が必要である。
足白癬は視診での診断が難しいことが報告されている。また、これまでの白癬の診断方法は、顕微鏡で白癬菌要素を確認する直接鏡検法や培養法など、足白癬が疑われる所見のある部位から角質を採取する必要があり訓練が必要であった。そこで、患者自身が可能な白癬菌のスクリーニング法の開発が必要と考えた。方法としては、ケラチナーゼ活性に着目しskin blottingの手法を応用した足白癬検出技術を選択し検討を進めた。
令和3年度は、まず、皮膚中のケラチナーゼ活性の可視化に向けた基礎的検討を行った。具体的には、スライド培養した白癬菌のケラチナーゼをメンブレンに転写し、転写されたケラチナーゼの活性が可視化されるかを、スライドにコーティングした蛍光標識ケラチンと反応させ、蛍光顕微鏡で観察することによって確認した。次に、メンブレンに転写されたケラチナーゼの酵素阻害剤に対する反応を調べ、ケラチナーゼの種類を確認した。最後に、この可視化技術の基準関連妥当性を検証した。すなわち、人の足部鱗屑を用い、直接鏡検と白癬可視化技術による白癬の判定との一致度を確認した。その結果、一致度は86%と高いことが確認できた。
令和3年度はskin blotting法による足白癬スクリーニング技術開発の他、足白癬予防ケアとしての足の清拭に着目し、機械学習による拭き残し自動検出技術の開発にも着手する予定であった。しかし、コロナの影響と共同研究者の異動により調査と技術開発の進行に遅れが生じた。その一方で足白癬スクリーニング技術開発は実験が順調に進み、令和4年度分まで進むことができた。以上より、全体的に見るとおおむね順調に進展していると判断した。
令和4年度は、以下のように進める予定である。
足白癬スクリーニング技術開発については、人から採取した角質を用いた基準関連妥当性の検証を、対象病院や病棟を増やすことによって目標数を確保することを目指す。
機械学習による拭き残しの自動検出技術の開発については、共同研究者とのミーティングを再開し自動検出技術の開発を進めると共に実装化も進め、本来令和4-5年度で進める予定だった教育効果検証調査がすぐに開始できるところまで準備する。 -
リンパ浮腫の早期発見のための基礎研究ー体表面の微量生体ガスに着目してー
研究課題/研究課題番号:20K10684 2020年4月 - 2024年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
中西 啓介
担当区分:研究分担者
私たちの体の表面からわずかに出ている生体ガスは体内の様子を映しており、糖尿病の健康管理などに役立てられはじめていますが、リンパ浮腫には使われていません。リンパ浮腫はがんなどの手術によって、腕や足に浮腫(むくみ)を生じるものです。生体ガス測定は,検査に痛みはなく、短い時間で検査を終えられる利点があります。この研究の進め方は、まず動物研究でリンパに関係する生体ガスを幅広く調べ、その後に患者さんを集めて行う研究でリンパ浮腫に特徴的な生体ガスをわり出します。2020年4月現在において、新型コロナウィルスが世界的に猛威をふるっており、患者さんに協力を得ておこなう研究は安全を第一に展開していきます。
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活動耐性に関する熟練看護師の臨床判断と看護ケアの様相の解明
研究課題/研究課題番号:19K10715 2019年4月 - 2023年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
曽田 陽子
担当区分:研究分担者
今日、肺がんや肺炎、COPD等の呼吸器系障害をもつ患者は多く、今後も増加が懸念される。このような酸素摂取(oxygenation)に障害がある患者の自立した生活を支援しQOL向上に貢献するには、「患者の活動耐性を的確にアセスメントし、それに応じた効果的な看護ケアを決定し実施する」看護師の臨床判断と看護実践力が重要となる。本研究では、呼吸器疾患患者の看護に熟練した看護師の臨床判断とケア実践の様相に焦点をあて、参加観察とインタビューによりその現象の詳細を解釈することで、活動耐性の判断とケア実践に不可欠な能力を解明する。
本研究は科研費助成で実施した「看護アセスメント能力の向上をめざす育成プログラムの構築とその評価」(H23-25)、「適切な看護介入のための看護アセスメント能力強化プログラムの策定と評価」(H26-30)において課題となった、患者の【活動を行うための心理的・身体的活力〔活動耐性〕】に関する看護師の臨床判断の向上に寄与するものである。今日、肺がんや肺炎、COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)等の呼吸器系障害をもつ患者は多く、今後も増加が懸念される。このような酸素摂取(oxygenation)に障害がある患者の自立した生活を支援しQOL向上に貢献するには、「患者の活動耐性を的確にアセスメントし、それに応じた効果的な看護ケアを決定し実施する」看護師の臨床判断と看護実践力が重要となる。本研究では、呼吸器疾患患者の看護に熟練した看護師の臨床判断とケア実践の様相に焦点をあて、参加観察とインタビューによりその現象の詳細を解釈することで、活動耐性の判断とケア実践に不可欠な能力を解明することを目的とする。
4年計画で実施する本研究において、初年度である2019年度は、3名の慢性呼吸器疾患看護認定看護師を対象に実施した参加観察とインタビュー結果を繰り返し熟読し、患者と対峙する熟練看護師の内面世界を現象学的に解釈し言語化することに取り組んだ。解釈にあたっては、研究者間でディスカッションを重ねることで、柔軟かつ多角的に解釈することに努めた。また、現象学や看護師の熟練性、臨床推論や臨床判断に関する書籍や文献を活用した。さらに、現象学の研究会や学会に参加して現象学的解釈力の向上をめざした。解釈とその検討は、現在継続中である。
研究参加に同意が得られた慢性呼吸器疾患看護認定看護師経験3年のA氏(参加観察・インタビュー時間約480分、逐語録総文字数27,365文字)、6年のB氏(約720分、10,641文字)、2年のC氏(約720分、27,880文字)のデータ解釈を、研究者間でのディスカッションを行いながら進めている。
データ収集を終えた3人の慢性呼吸器疾患看護認定看護師の臨床判断とケアの様相について、さらに解釈を進め、研究成果の公表を順次進めていく。あわせて、新型コロナウイルス感染症の流行を見据えつつ、研究に協力いただける新たな対象者のリクルートを進めていく。 -
在宅高齢者における足部の生理的、機能的、形態的の特徴と転倒リスク要因に関する研究
研究課題/研究課題番号:19K11111 2019年4月 - 2022年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
藤井 かし子
担当区分:研究分担者
本研究は、通所施設に通う在宅高齢者の足部の生理的、機能的、形態的特徴と転倒要因リスク関連の解明を行う。在宅高齢者の足の特徴(爪の形状、皮膚温度、皮膚水分量と油分量、胼胝、鶏眼、角質肥厚、足趾間の皮膚の状態、足アーチ、足趾の形状、足関節、足趾の可動域等)と転倒要因リスク(足趾把持力、歩行速度、バランス機能、足趾の開き具合、視力、痛みレベル、座位時間の長さ)を測定し分析する。また通所施設に通う在宅高齢者に対する看護・介護職員のフットケア支援の取り組みの現状を明らかにする。
本研究の目的は、1)通所施設に通う在宅高齢者の足部の生理的、機能的、形態的特徴と転倒要因リスク関連の関係性の解明を行い、2)居宅サービス事業所に勤務する看護・介護職員のフットケア知識と実践力の実態を把握すること である。
2019年に愛知県N市22か所 (1か所のデイサービスは3回に分けて調査したため22か所と換算) のデイサービス、デイケアにおいて合計176名の高齢者に対して足の実態調査を行い、集計、分析を行った。利用者調査においては、足のアセスメントシートをもとに、浮指、足指の変形、胼胝や鶏眼、足趾間の皮膚の浸潤、爪の色調変化、足アーチの変形、爪の長さ、爪の肥厚、足趾把持力、その他の項目において、アセスメントと機器 (フットルック フットルック社、TKK 3362 竹井機器工業) を用いて足の状態についての調査、歩行速度、皮膚温度の調査を行い、集計分析をした。176名のうち23名においては、2時点においての足の調査を行い、集計分析が終了している。
2019年7月から8月までに居宅サービス事業所であるデイサービス、デイケア、訪問看護ステーション、訪問介護ステーションを名古屋市のリストからランダムに抽出した。研究承諾を得た居宅サービス事業所のうち、35か所の看護師・介護職員を対象に、フットケアの知識と実践力を測定する質問表と基本属性及び現在の日常のケアに関する実態やフットケアに関する考え方に関する質問表を配布し、プライバシーが確保できる個別の封筒で回収を行った。回答した232人のうち225名 (有効回答) を分析対象とした。
すでにデータ収集、解析が終了している.
すでに調査、解析が終わり、論文投稿で査読中である。
2種類の国際誌に投稿されるまで粘り強く査読とのやり取りを進める。
調査に協力をしてくださった施設を中心に具体的な結果報告を行う。
虚弱高齢者の運動機能向上、転倒予防のための提言を行い、政策に結びつくような働きかけを行う。 -
アカデミックナースによる病院と大学のパートナーシップモデルの構築 〔分担〕
研究課題/研究課題番号:16K11941 2016年4月 - 2019年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究分担者
看護キャリア支援室の教員と大学教員、臨床看護師(アカデミックナース)5名が恊働してSP(模擬患者)参加型教育プログラムを作成し、臨床実習前の看護学生の教育に取り組んだ。実習内容は、講義とブリーフィング、学生とSPの看護面接10分の中で、情報収集と基本手技の課題に取り組み、リフレクションを15分行った。
「実習から学び」は、「観察」、「コミュニケーション」「言葉の意味」「生活者の視点」などであり、看護ケア実施時の重要な気づきが得られたと考える。一方で,「必要な情報の提示」の記載は少なかったことから,ケアの対象者に必要な援助を考え、伝える演習の検討が必要と考える。
医療を担う看護学生の育成において、実習の前に模擬患者を活用することで、実習時間短縮や経験不足による不十分な技術習得、コミュニケーション力を含む社会人基盤力の低下に対し、患者への看護技術やコミュニケーションを事前に学び、患者に安全で安心した看護実習の関わりにつながる。
また、人員不足や業務量の多さに臨床指導を負担に思う臨床看護師と臨床に遠慮している教員間の連携には大きな溝がある。両者が恊働してプログラムを作成することで、両者の連携が円滑となり、看護学生が学びやすい実習環境を整えることができる。看護学生は、臨床看護師との関係性を築きやすくなり、臨床看護師は看護学生の理解につながる。 -
妊娠期からの子育て補償因子介入プログラムの開発
研究課題/研究課題番号:15H02884 2015年4月 - 2019年3月
宮崎 つた子
担当区分:研究分担者
本研究の目的は,妊娠期からの子ども虐待危険因子と補償因子を明らかにすることである.妊娠期に我々が実施した調査の対象だった母親2662名に対し調査票記入を依頼し、育児ストレスの縦断的調査を実施した.育児ストレスの調査は子どもの3~4ヶ月,10ヶ月,18ヶ月の時期に行い、1487名から回答が得られ,母親や子どもの属性で育児ストレスの内容に違いがあった.調査の結果、母親のストレス対処特性は,子どもの発達時期で変化することが明らかになり,妊娠期からの子どもの虐待防止支援プログラムの開発に示唆を得た.
本研究成果として示した、子ども虐待のリスク因子だけにとらわれない妊娠期からの補償因子に着目した育児ストレスとストレスコーピング特性の具体的な関連結果は、独自性があり学術的に意義があると考える。
また、研究結果から、従来、普遍的とされていたコーピング特性が、妊娠・出産・子育て期のライフイベントで一部変化することに着目した、妊娠期からの切れ目のない子育て支援介入アプローチは、子ども虐待防止につながるポピュレーションアプローチとして期待できるという点で社会的意義があると思われる。 -
妊娠期からの子育て補償因子介入プログラムの開発 〔分担〕
2015年4月 - 2019年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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糖尿病患者の予防的フットケアを担う看護師の臨床能力評価システム開発 〔分担〕
2012年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究分担者
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保育所における妊娠期からの子育て支援に関する研究 〔分担〕
2012年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究分担者
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続発性リンパ浮腫患者に簡易水分量測定器を用いた自己管理行動プログラムの開発 〔分担〕
2011年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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エキスパートナースの看護の実際に基づく専門分野のスタンダード看護診断と看護介入 〔分担〕
2006年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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看護相談事業(ケアクリニック)の有効性の検討 〔分担〕
2006年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究分担者
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化学物質過敏症看護外来システムの構築に関する研究 〔分担〕
2006年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究分担者
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妊娠に伴う腰痛発生のメカニズム解明に関する力学的検討 〔分担〕
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究分担者
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看護技術育成IT教材作成のためのフットケア用人体模型の開発 〔分担〕
2005年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究分担者
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糖尿病性神経・血管合併症に関する新しい看護診断指標の地域間較差の研究 〔分担〕
2001年4月 - 2005年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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新人ナースの看護診断能力の形成過程とその要因 〔分担〕
1999年4月 - 2002年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究分担者