2025/03/19 更新

写真a

ウツギ アキラ
宇都木 昭
UTSUGI Akira
所属
大学院人文学研究科 人文学専攻 言語文化 教授
大学院担当
大学院人文学研究科
学部担当
文学部 人文学科
職名
教授
連絡先
メールアドレス
プロフィール
【教育】

◆文学部・人文学研究科と教養教育院の授業を担当しています。

◆文学部と大学院人文学研究科では、言語学分野の授業(主として音声学の授業)を担当しており、また、大学院生の研究指導も行っています。(大学院に進学して私の指導を受けたい方は、私の個人ホームページ内の「大学院受験希望者のためのQ&A」を参考にしてください。)

◆教養教育院では、初修外国語(いわゆる第二外国語)の朝鮮・韓国語の授業を担当するとともに、朝鮮・韓国語小部会の主任として、朝鮮・韓国語科目全体のコーディネートをしています。

【研究】

◆私の中心的な研究対象は「音声」です。もともとは言語学的な音声学から出発しましたが、言語学にとどまらない学際的な方向の領域(いわゆる「音声科学」)にも、言語学寄りの領域(音声学・音韻論インターフェース、実験音韻論など)にも関心を持ってきました。また、社会言語学的な方向で、音声の変化と変異や社会音声学にも関心を持っています。

◆具体的に研究対象としてきたのは、主に日本語と朝鮮・韓国語の諸方言です。また、音声のうちでもとりわけ、韻律(アクセント、イントネーションなど)の研究に主として取り組んできました。

◆一方で、最近は音声からは少し離れたところで、朝鮮・韓国語教育に直結しうるような研究にも関心をもっています。特に、学習者のハングル(文字)習得に関して、ディスレクシア研究の観点を取り入れたプロジェクトを立ち上げ、共同研究を始めました。

◆このほか、共同研究として様々なプロジェクトに(コミットメントの程度は様々ですが)参画してきました。上に述べた研究以外で、最近かかわっている主なプロジェクトは以下の通りです。

◇アニメの声質
◇言語獲得(とりわけ音声・音韻の獲得)、マザリーズ
◇保育士の音声
◇社会・文化心理学的観点からの国際比較(新型コロナウイルスに関する心理学的研究を含む)

【その他】

◆共働きで子供が二人います。ワークライフバランスを個人のレベルで、職場のレベルで、そして社会のレベルでどのように成り立たせていくかに、常に関心を持っています。
外部リンク

学位 3

  1. 博士(言語学) ( 2005年12月   筑波大学 ) 

  2. 修士(言語学) ( 2001年3月   筑波大学 ) 

  3. 学士(人文学) ( 1999年3月   筑波大学 ) 

研究キーワード 9

  1. 音声学

  2. 音韻論

  3. 韻律

  4. イントネーション

  5. 日本語

  6. 朝鮮語

  7. 韓国語

  8. プロソディー

  9. 読み書き

研究分野 2

  1. 人文・社会 / 言語学

  2. 人文・社会 / 外国語教育

現在の研究課題とSDGs 1

  1. L2学習者におけるハングル読み書きの習得過程とその個人差に関する研究

経歴 10

  1. 名古屋大学   人文学研究科   教授

    2022年4月 - 現在

  2. 名古屋大学   人文学研究科   准教授

    2017年4月 - 2022年3月

      詳細を見る

    国名:日本国

  3. 名古屋大学   国際言語文化研究科   准教授

    2013年4月 - 2017年3月

      詳細を見る

    国名:日本国

  4. 筑波大学   人文社会系   助教

    2011年10月 - 2013年3月

      詳細を見る

    国名:日本国

  5. 理化学研究所   脳神経科学研究センター言語発達研究チーム   客員研究員

    2011年8月 - 2024年3月

      詳細を見る

    国名:日本国

▼全件表示

学歴 2

  1. 筑波大学   人文社会科学研究科   文芸・言語専攻

    1999年4月 - 2005年12月

      詳細を見る

    国名: 日本国

  2. 筑波大学   第一学群   人文学類

    1995年4月 - 1999年3月

      詳細を見る

    国名: 日本国

所属学協会 21

  1. 日本実験言語学会   編集委員長

    2024年9月 - 現在

  2. 日本音韻論学会   編集委員長

    2024年4月 - 現在

  3. 日本音韻論学会   理事

    2023年4月 - 現在

  4. 日本音声学会   評議員

    2013年4月 - 現在

  5. 日本言語学会   国際発信力強化小委員会委員

    2021年4月 - 2022年3月

▼全件表示

 

論文 77

  1. Voice types and voice quality in Japanese anime 査読有り 国際誌

    Carlos T. Ishi, Akira Utsugi, Ichiro Ota

    Proceedings of the 20th International Congress of Phonetic Sciences     頁: 3632 - 3636   2023年8月

     詳細を見る

    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス)   出版者・発行元:Guarant International  

    Japanese anime is noteworthy for being dubbed by professional voice actors and is unique in its vocal
    characteristics. In this study, recordings were taken of students of voice actor course at a music college
    reading short texts and anime lines in various voice
    types. These recordings were analyzed by focusing on
    the acoustic parameters related to voice quality. The
    results showed that for a repeating task, when
    students were asked to repeat an actual animated
    voice, acoustic parameters such as F0 and sub-band
    harmonics-to-noise ratio (HNR) clearly captured the
    differences between several anime characters. When
    analyzing recordings of short texts in various voice
    types, a similar trend was found, although not as
    distinct as the repeating task. These results suggest
    that multiple anime voice types have been established
    in Japanese anime and voice quality helps to
    distinguish them.

  2. Individual Differences and Character-Based Challenges in Hangul Acquisition Among Korean Language Learners in Japan 査読有り 国際誌

    Akira Utsugi,Minsoo Kim,Nobuyuki Jincho

    Journal of Korean Language Education   34 巻 ( 2 ) 頁: 227 - 251   2023年6月

     詳細を見る

    担当区分:筆頭著者, 責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    We investigated the acquisition of Hangul by Japanese learners of Korean. Japanese-speaking participants listened to Korean syllables and selected the corresponding Hangul. Most participants scored very high on these items, although others struggled with simple items, suggesting that Hangul is not necessarily easy for everyone to learn. Questions with /w/ + vowels had lower accuracy.

    DOI: 10.18209/iakle.2023.34.2.227

  3. A voice quality analysis of Japanese anime 査読有り

    Akira Utsugi, Han Wang, Ichiro Ota

    Proceedings of the 19th International Congress of the Phonetic Sciences     頁: 1853 - 1857   2019年8月

     詳細を見る

    担当区分:筆頭著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス)  

    Japanese anime cartoons are characterized by their unique voices, which poses an interesting research opportunity in the study of phonetics. To identify the acoustic characteristics of Japanese anime voices, we analyzed voice quality in Japanese anime. Six seiyu (vocal actor/actress) voices from two recent anime cartoons were included in our analysis. We also analyzed normal Japanese speech from the Corpus of Spontaneous Japanese (CSJ) as control data. Using openSMILE, software for voice quality analysis, we measured several acoustic parameters related to voice quality. The results demonstrate that anime has significantly different values than normal speech does in spectral slope-related parameters such as H1-A3, F1~F3 relative energy, alpha ratio, Hammarberg index, and spectral slope (0.5–1.5 kHz). The results suggest that an anime voice has stronger harmonics than normal speech does.

  4. 朝鮮語ソウル方言における進行中のトーン変化―トーン発生と語彙拡散の観点から― 査読有り

    宇都木 昭

    音声研究   21 巻 ( 2 ) 頁: 106 - 115   2017年

     詳細を見る

    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:日本音声学会  

    <p>This study reviews the two types of tonal change recently found in contemporary Seoul Korean. The first is the emergence of tones according to the onset at the initial syllable of the accentual phrase. This phenomenon synchronizes the overlapping process of Voice Onset Time (VOT) distribution between lax and aspirated obstruents. Several previous studies have indicated that this dialect is in the middle stage of tonogenesis. The second type of tonal change is the emergence of the H tone in the word <i>il</i>, meaning "one." The present study examines the possibility of interpreting the two phenomena as lexical diffusion.</p>

    DOI: 10.24467/onseikenkyu.21.2_106

    CiNii Research

  5. Merger-in-progress of tonal classes in Masan/Changwon Korean 招待有り 査読有り

    Akira Utsugi

    Language Research   45 巻 ( 1 ) 頁: 23-42   2009年6月

     詳細を見る

    担当区分:筆頭著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

▼全件表示

書籍等出版物 1

  1. 朝鮮語ソウル方言の韻律構造とイントネーション

    宇都木 昭( 担当: 単著)

    勉誠出版  2013年2月  ( ISBN:9784585280095

     詳細を見る

    記述言語:日本語 著書種別:学術書

    CiNii Books

講演・口頭発表等 75

  1. 韓国語諸方言のプロソディーとその近年の変化 招待有り

    宇都木昭

    プロソディー研究シンポジウム2024:東アジア言語とL2英語  2024年8月21日  日本学術振興会(JSPS) 特別推進研究20H05617 『アジアと欧米:コミュニケ-ションの文化差から言語の獲得過程を探る』 研究代表者:馬塚れい子(理化学研究所)

     詳細を見る

    開催年月日: 2024年8月

    記述言語:日本語   会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)  

    開催地:名古屋大学   国名:日本国  

  2. Voice types and voice quality in Japanese anime 国際会議

    Carlos T. Ishi, Akira Utsugi, Ichiro Ota

    The 20th International Congress of Phonetic Sciences  2023年8月7日 

     詳細を見る

    開催年月日: 2023年8月

    記述言語:英語   会議種別:ポスター発表  

    開催地:Prague   国名:チェコ共和国  

  3. 한국어 학습자는 어떤 글자를 틀리기 쉬운가? —일본의 한국어 학습자를 대상으로 한 선다형 테스트 분석— 国際会議

    우츠기 아키라, 김민수, 진초 노부유키

    국제한국어교육학회 제32차 국제학술대회  2022年7月23日  국제한국어교육학회

     詳細を見る

    開催年月日: 2022年7月

    記述言語:朝鮮語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:서울시립대학교 (온라인)   国名:大韓民国  

  4. Perspectives of tonal typology on tonal changes in Kyungsang Korean 招待有り 国際会議

    Akira Utsugi

    The 8th International Conference on Phonology and Morphology  2022年6月11日  The Phonology-Morphology Circle of Korea

     詳細を見る

    開催年月日: 2022年6月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:Online   国名:大韓民国  

    DOI: 10.13140/RG.2.2.27374.08005

    その他リンク: http://dx.doi.org/10.13140/RG.2.2.27374.08005

  5. 学習者のハングル習得過程とその個人差―多肢選択テストの分析―

    宇都木昭,金珉秀,神長伸幸

    朝鮮語教育学会第89回例会  2022年3月16日 

     詳細を見る

    開催年月日: 2022年3月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:オンライン   国名:日本国  

▼全件表示

Works(作品等) 1

  1. 梅田博之先生,ありがとうございました(故梅田博之先生追悼文)

    2019年12月

     詳細を見る

    発表場所:『音声研究』第23巻, pp.200-201  

共同研究・競争的資金等の研究課題 1

  1. 男性保育者の対乳幼児発話におけるマザリーズ特徴表出に関する研究

    2019年8月 - 2021年3月

    人文・社会科学系学術研究助成 

    児玉珠美

      詳細を見る

    資金種別:競争的資金

科研費 16

  1. 日本の民族的マイノリティの言語・音声・アイデンティティをめぐる分野横断的研究

    研究課題/研究課題番号:24K21358  2024年6月 - 2027年3月

    科学研究費助成事業  挑戦的研究(萌芽)

    宇都木 昭, Park Joonha, 權 恩熙

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )

    移民や民族的マイノリティがマジョリティを中心とする社会の中で適応する中で、言語の使用は本人にとっても周囲にとっても重要な関心事となる。言語の在り方は、意識的にも無意識にも、アイデンティティをはじめとする心理の影響を受ける。とりわけ音声は、本人も意識しないような微細なところで、様々な影響によるバリエーションを持つ。本研究では、言語学・音声学・社会心理学の協同により、異分野のアプローチを統合する方法を模索し、それによって言語・音声とアイデンティティの関係を探る。

  2. アニメの声が喚起する「情動」を手がかりに声の文化的制度化を分野横断で捉える試み

    研究課題/研究課題番号:21K18116  2021年7月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  挑戦的研究(開拓)

    太田 一郎, 宇都木 昭, 太田 純貴, 菅野 康太, 石井 カルロス寿憲

      詳細を見る

    担当区分:研究分担者  資金種別:競争的資金

    配分額:23400000円 ( 直接経費:18000000円 、 間接経費:5400000円 )

    「声」のことばの型が成立する(レジスター化する)様相を,声優たちが演じるアニメの声質の音響的な特性とその声が喚起する「萌え」「カワイイ」等の情動との関係を手がかりに,日本およびその他の異なる地域・文化等における調査により捉える。その結果を,社会言語学,音声学,現代思想,メディア論,さらには生物言語学の観点から分野横断的・融合的に考察し,ことばの文化的制度化が言語の普遍性と社会・文化の個別性の相互作用によって生じる様相を総合的に捉え,言語文化研究の新たな方向性を示すことを試みる。
    (1) これまで収集したデータに,印象評定に基づくデータの選別,音響特性の抽出の工夫などを施して, より精密な分析を実施した。その結果,キャラクターの異なりにいくつかの音響特性が影響すること,それぞれのキャラクターに発話者間で一定の共通する傾向がみられることなどがわかった。この成果を 20th Internationa Congress of Phonetic Sciences (ICPhS 2023, 2023年8月)において発表した(石井,宇都木,太田(一))。(2) 分担執筆(共著)した The Handbook of Sociophonetics(英国ラウトリッジ社)が出版された(2023年10月)。本研究に関連する成果は,日本語の「声質」に関する社会音声学的研究の紹介とアニメキャラの声質を分析した「ケーススタディ」の部分である。フォルマントの周波数と強度,スペクトル傾斜,および基本周波数 などのアニメキャラの声質の特徴には社会文化的な一定の型がある可能性を指摘し,それらの音響特徴が社会的・文化的状況の変化と相互に影響を与えあうことで声の社会的意味が移り変わることを述べた。(3) 齧歯類では超音波発声(USV)がコミュニケーションに用いられているが,その音響特性からUSVが感情表現として機能すること を提案する総説論文(共著,招待あり)を出版した(2023年6月,菅野)。(4) UCLAのエルキ・フータモ教授を招聘したメディア文化についての研究会("Screenology, or Media Archaeology of the Screen")を鹿児島大学で開催した(2023年12月22日,太田(純))。(5) 次年度の学会発表が採択された(成果の中間総括:SS 25, 2024年6月豪州)。
    本年度は,①アニメの声質の特徴を捉えるために,音響パラメータの分析をさらに進めること,②アニメの声質の一般的な音響的特性を明らかにするために,一 般人女性の声を収録するなど新たなデータを収集すること,③アニメの受容状況やファンの活動等について,海外のアニメ関連イベント等での観察やインタ ビュー等の調査を行うことを予定していた。①に関しては新たな結果を得ることができ,おおよそ予定していたような進捗状況まで達した。②については対面での調査を計画中である。③については,コロナ渦や海外の社会事情の状況を見ながら,調査を行うことを計画中であるため,(3)という評価にした。
    これまで行えなかった調査を実施するなどして遅れを取り戻し,研究を進展させる。①今年度行った声質の分析をさらに進めて情動との関連を追求する準備を行う,②一般人女性の声のデータを収集し,声優コース学生の声と比較する準備をする,③声優による新たな音声資料の収集を計画・実施する,④声と触感性などの文化的概念の関連の検討を進める,⑤アニメの受容状況やファンの活動等について,アニメ関連のイベント等で調査やインタビュー等を行う。

  3. アジアと欧米:コミュニケーションの文化差から言語の獲得過程を探る

    研究課題/研究課題番号:20H05617  2020年7月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  特別推進研究

    馬塚 れい子, 窪薗 晴夫, 酒井 弘, 小磯 花絵, 田中 章浩, 宇都木 昭, 川原 繁人, 辻 晶, 石原 尚

      詳細を見る

    担当区分:研究分担者  資金種別:競争的資金

    配分額:612430000円 ( 直接経費:471100000円 、 間接経費:141330000円 )

    近年の研究から、欧米言語、主に英語を学ぶ乳幼児に比べて、日本語や他のアジア言語を学ぶ乳幼児の音韻発達と語彙発達が遅れることが分かってきた。本研究では「欧米乳児の語彙発達が語彙発達に親和性の高い母子コミュニケーションによって促進され、それが音韻の発達にも影響する」という仮説を立て実験的に検証していく。欧米とアジアの母子コミュニケーションには文化差が存在し、欧米型は共同注意を物に向けて物の名前を学ぶ機会が多く語彙発達を促進する可能性がある。欧米3言語とアジア4言語を学ぶ乳児の音韻発達、社会性の発達、母親の対乳児発話の特徴と、乳児が2歳になったときの語彙数を調査し、上述の仮説の妥当性を検証する。

  4. 男性保育者のマザリーズ的特徴表出に関する研究-女性保育者との比較

    研究課題/研究課題番号:20K02671  2020年4月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    児玉 珠美, 大嶽 さと子, 神崎 奈奈, 宇都木 昭

      詳細を見る

    担当区分:研究分担者  資金種別:競争的資金

    配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )

    母親が乳幼児に直接語りかけるIDS(Infant-directed-speech)に表出されるマザリーズと呼ばれる特徴は、 乳幼児にとって言語発達のみでなく、情緒や社会性の発達に効果があることが多くの研究で 実証されている。母親のみでなく、父親による子育てや男性保育者による保育の必要性を示していくためにも、男性保育者の対 乳幼児発話に関する研究を進めていく必要があると考えられる。本研究においては、保育現 場の男性及び女性保育者の対乳幼児発話(IDS)を音声分析を通して比較検討し、男性保育 者の対乳幼児発話におけるマザリーズ的特徴について明らかにすることを目的とする。
    母親が乳幼児に直接語りかけるIDS(Infant-dire cted-speech)に表出されるマザリーズとかける呼ばれる特徴は、乳幼児期乳幼児の発達にとって大きな影響を及ぼすことが多くの研究で実証されている。これまで母親のIDSに関しては国内外において多くの研究報告があるが、乳幼児に長時間関わる男性保育者のIDSに関する研究は非常に少ない。本研究においては保育現場の男性及び女に性保育者のIDSを 音声分析を通して比較検討し、男性保育者の対乳幼児発話におけるマザリーズ的特徴について明らかにすることを目的とする。
    先行研究において、母親の場合では、全てのF0指標において、IDSのほうが対大人発であるADS(Adult-directed-speech)よりも大きいという結果が得られている(Igarashiら2013)。Igarashiらの音声分析方法をより簡易にした方法で、母親を対象としたデータの各指標について、対応のあるt検定を実施した結果、平均値、最高値、レンジについてIDSのほうがADSよりも大きく、先行研究とほぼ同様の結果が得られた。令和2年の研究においては、男性保育者23名の音声データを用いて、上記の方法によって計測されたADSとIDSの比較を行った。結果は、男性保育者のIDSについて、先行研究で確認された母親のIDSの特徴と同様となり、男性保育者のIDSにおけるマザリーズ的特徴表出のがあることを確認できた。さらに令和3年においては女性保育者16名を対象とした音声分析を実施し、令和4年においては、母親16名を対象とした音声分析を実施した。当該年度をもって、母親、男性保育者、女性保育者のIDSとADSに関するデータをすべて準備することができた。さらに昨年は、取得データの分析を実施した。
    令和3年において、母親、男性保育者、女性保育者のIDSとADSに関するデータをすべて準備することができたが、本来ならば、前年度の令和2年にデータ取得、令和3年には論文としてまとめる予定であった。本研究は、直接音声録音をすることが研究データ取得するには不可欠な研究活動となるため、コロナ禍の影響を受け、活動予定がが2年程度遅れてしまったことが大きな要因であった。
    令和5年度は、昨年実施したデータ分析結果をまとめ、学会発表、さらに国内外のジャーナルに論文投稿し、研究成果を発信していく。

  5. L2学習者におけるハングル読み書きの習得過程とその個人差に関する研究

    研究課題/研究課題番号:19K00818  2019年4月 - 2024年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    宇都木 昭, キム ミンス, 神長 伸幸

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )

    韓国語(朝鮮語)は日本の多くの大学で第二外国語科目となっており,多くの学習者によって学ばれている。韓国語学習の特徴の一つは,「ハングル」という新たな文字を学ぶ点にある。韓国語教員の視点からみると,経験的にいってハングルの習得には個人差がある。しかし,どのような個人差があるのか,なぜ個人差が生じるのか,習得の困難さが他の能力と関係しているのか,といった点は明らかにされていない。本研究課題では,これらの疑問に挑む。
    日本の韓国語学習者のハングル習得における個人差と文字の種類ごとの学習の難しさを明らかにすべく、オンラインテストによる調査を実施した。テストは音声を聞き4つの文字から正しいものを選ぶ形式で、7種類の異なる問題タイプで構成された。結果として、簡単な問題タイプでも正答率が低い学習者がわずかながらおり、一部の学習者がハングル習得に極めて困難を抱えている可能性が示唆された。また、特定の文字タイプ(特にw音を含む複合母音)で全般的に正答率が低くなる傾向がみられ、ハングルの特定の文字で透明性が低くなることが影響している可能性が示唆された。
    これに続く調査では、音韻規則がかかわる単語の綴りの習得も検討した。
    日本の韓国語初学者にとって、韓国語学習はハングルという他の文字と全く異なる文字を学ぶところから始まる。これまで韓国語教育者の間では、ハングルは学びやすいと言われてきた。しかし、本研究が示唆するところでは、多くの学習者にとってハングルは確かに学びやすいものの、学習に著しい困難を伴う学習者が一部に存在することが示唆された。この困難さが何に起因するものかは、さらなる検討が必要である。
    また、ハングル習得にさほど困難を感じない学習者にとっても、すべての文字・綴りが一様に容易なわけではないこと、そしてこの文字・綴りごとの困難さの違いが文字・綴りの「透明性」によって説明されうることが示唆された。

▼全件表示

 

担当経験のある科目 (本学) 115

  1. 博士論文研究a

    2024

  2. 言語学博士論文演習a

    2024

  3. 言語学演習Ⅴ(2022入学~)

    2024

  4. 音声学講義(2022入学~)

    2024

  5. 音声学講義a

    2024

▼全件表示

担当経験のある科目 (本学以外) 11

  1. 韓国語II

    2024年4月 - 2025年3月 愛知学院大学)

     詳細を見る

    科目区分:学部教養科目  国名:日本国

  2. 韓国語I

    2024年4月 - 2025年3月 愛知学院大学)

     詳細を見る

    科目区分:学部教養科目  国名:日本国

  3. 韓国語I 未修得者

    2020年4月 - 現在 愛知学院大学)

     詳細を見る

    科目区分:学部教養科目 

  4. 韓国語II 未修得者

    2020年4月 - 現在 愛知学院大学)

     詳細を見る

    科目区分:学部教養科目 

  5. 韓国語

    2015年4月 - 2016年3月 愛知学院大学)

▼全件表示

 

社会貢献活動 11

  1. 邑翠読書コンクール審査員

    一般財団法人邑翠文化財団  2025年1月 - 2025年2月

  2. 発音記号の先の音声学:音声科学入門

    役割:講師

    名古屋大学大学院人文学研究科英語学分野・専門  公開講座「英語の発音と綴りと音声科学入門」第二部  2024年11月

  3. 生成系AIと人文系の教育・研究

    役割:講師

    名古屋大学人文学研究科教育研究推進室  2023年度第2回教育研究推進室主催FD  2023年7月

  4. 苦手なややこしい「韓国語」の発音を「日本語」でわかりやすく

    役割:講師

    名古屋韓国学校  2022年8月

  5. 発音からみた日本語のバリエーション

    役割:講師

    名古屋大学大学院教育発達科学研究科附属高大接続研究センター  学びの杜・学術コース  2022年8月

     詳細を見る

    対象: 高校生

    種別:出前授業

▼全件表示

学術貢献活動 6

  1. 「プロソディー研究シンポジウム2024:東アジア言語とL2英語」の運営

    役割:企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等

    日本学術振興会(JSPS) 特別推進研究20H05617 『アジアと欧米:コミュニケ-ションの文化差から言語の獲得過程を探る』 研究代表者:馬塚れい子(理化学研究所)  2024年8月

     詳細を見る

    種別:大会・シンポジウム等 

  2. 「第10回日韓学術交流会」の運営 国際学術貢献

    役割:企画立案・運営等

    名古屋大学人文学研究科  2025年2月

     詳細を見る

    種別:大会・シンポジウム等 

  3. Reviewer, 19th Conference on Laboratory Phonology 国際学術貢献

    役割:査読

    2023年11月 - 2024年2月

     詳細を見る

    種別:大会・シンポジウム等 

  4. Reviewer, Speech Prosody 2022 Conference 国際学術貢献

    役割:査読

    2022年1月

     詳細を見る

    種別:査読等 

  5. Organizing Committee Member, The 29th Japanese/Korean Linguistics Conference 国際学術貢献

    役割:企画立案・運営等

    2021年10月

▼全件表示