科研費 - 田邊 宏樹
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研究課題/研究課題番号:25H00579 2025年4月 - 2029年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
大平 英樹, 木村 健太, 齋藤 菜月, 田邊 宏樹, 遠山 朝子, 日永田 智絵, 片平 健太郎, 上野 大介, 磯村 朋子
担当区分:研究分担者
緊急事態では「生存」モードが、安定状態では資源の拡張を目指す「拡張」モードが優勢となり、前者では生存に必要な報酬が、後者では金銭や名誉などの報酬が追及されると考える。内受容感覚が2つのモードを調整するという仮説を、次のように検証する。1)状態(空腹or満腹)を操作して報酬(食物or金銭)を提示する意思決定課題を施行し、行動、脳画像、脳波、生理的反応を計算論モデルにより解析する。2)身体症状症を内受容感覚の不全と捉え、その特性を実験と計算論モデルにより検討する。3)生存関連刺激の探索行動と内受容感覚の発達を、乳児を対象に検討する。
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教える側と学ぶ側の脳活動と視線移動の同時計測による「同期」と学習効果の関係解明
研究課題/研究課題番号:24K21481 2024年6月 - 2027年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
黒田 恭史, 田邊 宏樹, 石井 英真, 田邊 宏樹, 石井 英真
担当区分:研究分担者
教える側と学ぶ側の生理学データの分析を中核にした本研究の概要は、次の二点である。
1)数学の学習内容を用いて、教える側と学ぶ側の脳活動と視線移動の同時計測により、両者の時系列のデータにどのような関連性が見られるのかについて解明する。
2)教える側と学ぶ側の視線移動の時系列データにおいて、視線の「同期」が生じる時点を同定し、その時間帯にどのような教授・学習活動がおこなわれていたのか、また、脳活動の「同期」を並行して分析することで、学習内容の理解へとつながる2者間の関係性に共通する特徴を解明する。
生理学データを用いた教育研究においては、各種装置の装着時の大きな負荷により、成人を対象としたものが主であり、加えて複数の計測装置による同時計測も困難であった。そのため、大学生等を単独の被験者として、数学の内容に関する実験タスクを用いて生理学実験を実施し、教育研究に応用する知見が得られるよう研究を行ってきた。しかし、その成果は、必ずしも成長期の未習の算数・数学の内容を学ぶ子どもへの適用へとつながるものではなかった。
2010年以降、急速な装置の軽量化と装着の容易化が実現したことにより、小学生の子どもでの実験が可能となってきた。また、複数の計測装置の同時計測や、複数人の同時計測も可能となり、学習過程を、より精緻に解明することが可能となった。現在、国際研究において2者間の脳活動の同期(ハイパースキャン)の研究や、同じものに視線や注意を向ける(ジョイントアテンション)研究が始まっており、脳活動や視線移動の「同期」が学習効果を促進するという報告がなされはじめている。
そこで本研究では、数学の内容を題材に、教える側と学ぶ側の教授・学習活動と、脳活動や視線移動の「同期」との関係性を分析することで、理解につながる教える側と学ぶ側の関係性の解明につながるのではないかというアイデアに至るようになった。大学生同士を第一次実験、教員と児童生徒を第二次実験と設定し、理解のメカニズム解明に向けた新たな生理学データの活用法の考案を行い、授業における教員の児童生徒への関り方への示唆を得ることで、学校現場の授業に具体的に貢献することのできる研究を目指す。
2024年度の計画では、次の2点を目標とした。1)実験デザイン:大学生を対象とした第一次実験のデザインを構築し、難度の妥当性や時間の適性を検討するためにデザインを修正する。2)第一次実験:大学生を対象に、第一次実験(生理学実験)を実施する。
「研究実績の概要」に記した、2024年度の計画における1)~2)の項目についての進捗状況は、以下のとおりである。
「実験デザイン」について、実験内容は三角形の合同の証明に関連するものとした。教授・学習活動では、三角形の合同を証明するために必要な3つの合同条件と、錯角や同位角、対頂角を扱った。教授・学習活動の際は、教える側と学ぶ側に脳活動と視線の計測装置を装着し、お互いの正面にはPCのディスプレイが設置された。実験条件として、二者とも全く同じ画面を見ながら通常の教授・学習活動を行う統制条件と、教える側のリアルタイムの視線が学ぶ側のディスプレイに表示される同期促進条件の2条件を設けた。同期促進条件では学ぶ側に対して、教える側の視線に注目しながら学ぶように指示することで、半強制的に視線の同期を引き起こさせることを目的とした。また学ぶ側のみ、教授・学習活動の前後で三角形の合同の証明課題を4問ずつ行わせた。
教える側と学ぶ側の生理学データの分析においては、次の二点の解明を目的に実施する。1)数学の学習内容を用いて、教える側と学ぶ側の脳活動と視線移動の同時計測により、両者の時系列のデータにどのような関連性が見られるのかについて解明する。2)教える側と学ぶ側の視線移動の時系列データにおいて、視線の「同期」が生じる時点を同定し、その時間帯にどのような教授・学習活動がおこなわれていたのか、また、脳活動の「同期」を並行して分析することで、学習内容の理解へとつながる2者間の関係性に共通する特徴を解明する。
「第一次実験」について、大学生2組(計4名)を対象に実験を行った結果、学習内容の難易度が低く、学習後の証明課題で天井効果が生じる可能性が高かったため、難易度を調整する必要があると考えられた。一方で、二者の脳活動と視線の同時計測については問題がなく、データの分析も可能であった。
2024年度に計画した項目については、計画通りの遂行ができた点(実験デザイン)と不十分であった点(第一次実験)があったことから、それらを踏まえ2025年度の計画を以下の手順に沿って推進していく。
1)大学生を対象とした第一次実験の被験者数を増やすとともに、「現在までの進捗状況」に記した2つの観点から生理学データの分析を行う。2)中学生と教員を対象とした第二次実験のデザインを、京都教育大学附属中学校の教員と協議しながら構築する。3)教員と中学生を対象に、第二次実験(生理学実験)を実施し、生理学データの分析を行う。
本研究の挑戦的な意義は、テストスコアやインタビュー調査といった従来の行動観察に加えて、脳活動や視線移動の生理学データを計測することにより、教える側と学ぶ側が無意識に巡らされる思考や、相互に影響を授受しながらの振る舞いといったことの時系列データを分析可能な点にある。
現在、これらの生理学データの同時計測が可能となるまでの軽量化と装着の容易化がすすんでおり、2025年度における「教員」と「中学生」の行動観察と複数の生理学データによる分析は、教える側と学ぶ側の教育活動における新たな知見をもたらし、より効果的な関係構築につながるのではないかと考えている。 -
相互主体性の神経回路・代謝解析ー自閉スペクトラム症の病態解明を目指して
研究課題/研究課題番号:24H00622 2024年4月 - 2029年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
定藤 規弘, 福永 雅喜, 小池 耕彦, 田邊 宏樹, 楊 家家, 小坂 浩隆, 林 拓也, 田邊 宏樹, 小池 耕彦, 楊 家家, 福永 雅喜, 林 拓也, 小坂 浩隆
担当区分:研究分担者
対人関係の脳内メカニズムを理解するためにhyperscanning fMRIを行い、行動と脳内活動の同期を分析する。脳を予測装置としてモデル化する際に、皮質表層は予測誤差、皮質深層は予測自体を処理するとされていることから、7テスラの高精度MRIを使用して、脳の皮質層ごとの活動を詳細に画像化する。さらにグルタミン酸やGABAなどの神経伝達物質の分布もマッピングする。これらにより、対人関係における脳の予測メカニズムを解明し、コミュニケーションに問題を抱える自閉スペクトラム症(ASD)の人々に適用する。
人間の運動学習および心理的プレッシャー、さらに間主観性の神経基盤を解明することを目的とした。(1)両手の運動学習に関しては、右利きの被験者を対象に、両手の「姿勢」制御とシーケンス制御を調べるための実験を7TMRIで実施した。被験者は視覚的に指示されたシリアル反応時間課題を練習し、ランダムおよび固定シーケンスを含む「ミラー」モードと「パラレル」モードでタスクを行った。学習効果として、左一次運動野(M1)と小脳虫部が両手運動学習において重要な役割を果たしていた。この2つの領域は、特に固定シーケンス条件やパラレルモードにおいて、学習関連で活動が増加することが確認された。
(2)心理的プレッシャーがパフォーマンスに与える影響について、29名の被験者を対象に7TMRIを用いて実験を行った。高報酬かつ稀な「ジャックポット」条件下で成功率が低下し、上がりの影響が認められた。中側頭視覚野(hMT+)と小脳の準備活動が失敗と関連しており、小脳は内部モデルの領域と一致していた。また、小脳とhMT+の間でタスク特異的な機能的結合が確認された。この結果は、運動準備段階で内部モデルの適切な活性化が妨げられることでプレッシャーに伴うパフォーマンス低下が起こる可能性を示唆している。
(3)間主観性の神経基盤を探るため、2個体同時計測fMRIに24組の日本語話者ペアが協力型迷路ゲームに参加した。会話を通じた情報共有により移動方向の決定が円滑化し、Default mode network、特に背内側前頭前野(dmPFC)や頭頂側頭接合部(TPJ)が活性化した。さらに、dmPFCと右TPJにおける脳間同期がみられ、タスクおよびパートナー特異的な内部モデルの共有に関与していることが示された。これらの結果により、会話を通じて形成された主観的内部モデルの共有が、間主観性を支える神経基盤であることが示唆された。
7TMR装置を用いたMRI,MRSを行うための基礎検討として、両手の運動学習と心理的プレッシャーによる「あがり」の神経基盤解析に成功し、より難度の高い層別イメージングへ前進した。hyperscanning fMRIを健常者と疾患群で行う前に、課題と解析方法の十分な検討を行い、その結果として主観的内部モデルの共有が、間主観性を支える神経基盤であることが判明し、論文にまとめることが出来た。これらの技術的展開をもって、次年度以降計画通りに実験研究を進める。
(1)予定されているhyperscanning fMRI実験を健常群で開始し、その進捗をみて疾患群リクルートに入る。(2)7TMRIの層別イメージングプロトコールを頭頂部に限局して両手運動学習課題へ適用し、ついで全脳プロトコールへと展開する。(3)全脳をカバーする7TMRS sequenceについてpreliminary studyを開始する。 -
三者のリアルタイムコミュニケーションにおける視線行動と神経メカニズムの統合的理解
研究課題/研究課題番号:24K10481 2024年4月 - 2027年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
田邊 宏樹
担当区分:研究代表者
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
リアルタイムでの相互作用はヒトのコミュニケーションにとって本質的なものであり、近年二者相互作用の行動・神経メカニズムを探る研究が急激に増えている。しかし社会的相互作用に基づく社会性の行動や神経メカニズムを理解するには二者関係だけでは不十分であり、次のステップとして社会の最小構成単位である三者が相互作用している場面を設定し研究することが必須である。そこで本研究では、互いに存在を感知でき、完全に集団に埋没しないような関係性としての三者のグループダイナミクスを、視線行動と神経メカニズムの観点から検討する。
本研究の目的は,私とあなたの二者のコミュニケーションを拡張し,社会の最小単位である私を含む三者のコミュニケーション時の視線行動と神経メカニズムを包括的に理解することである。本年度は,申請書の計画にしたがって,まずBahramiら(2010)が用いた認知的意思決定課題,Abeら(2019)が用いた共同力発揮課題について,3者への応用を見据えた検討を行い,問題点の洗い出しを行った。まず,認知的意思決定課題の遂行のチェックのため,2者における課題の実験系を確立し,実際に予備的な実験を遂行した。その結果分かってきたのが,Bahramiらの認知的意思決定課題を3者に拡張する際に他者の視線をどのように呈示するのかという問題である。これは想定していたことではあったが,想像以上に困難であり,またどのように解決するかが難しいことが予備実験において判明した。一方Abeらが用いた共同力発揮課題はデバイスの入手に手間取り,今年度中に予備実験を実施することができなかった。こちらは他者の顔をディスプレイ上に表示しないため,実験セッティングができ次第予備実験にとりかかり,具体的な問題点の洗い出しを行う。さらにタッピング課題についてはこれまでのハイパースキャン研究の調査から始め,3者で行える可能性を見いだした。こちらについても現在実験セッティングを行っているところである。
一方解析法についての検討は,手持ちのデータでも擬似的に3者データと作ることで可能な部分があるため本年度はそこからはじめたが,2者をそのまま3者の解析に拡張できるわけではなく,想像以上に難航している。
本年度は,問題点の洗い出しに時間がかかってしまった。今まで我々が行っていた実験は2人一組の実験であったが,3名にする際にかなりのセッティングの変更が必要なことが判明した。また,1名分の追加により想定していたより多くの機材の購入が必要となることも明らかとなったが,交付された予算の減額により全ての機材を購入することが難しく,代替機器の選定にも非常に時間がかかってしまった。このように実験室の仕様の変更を含め行わなければならないことが想定よりも多かった。さらに,共同力発揮課題のデバイスの購入先の情報入手などにも手間取り,その後の計画がやや遅れることとなってしまった。一方で,3者で行うタッピング課題の可能性を見いだせたことは今後の展開において重要である。来年度はこの遅れを取り戻すべく実験セッティングとパイロット実験を急ぐつもりである。
達成度にも書いたように,2者から3者へのセッティングの変更が思ったよりも大がかりなものとなる。当初予定より予算が減額され,実験セッティングの再検討を迫られたが,追加で購入すべき機器の選定がやっとまとまったため,来年度にはそれらを購入し,実験室のセッティングを早急に行う。
また,認知的意思決定課題を3者で行うことの困難さも判明したため,こちらの実験は一旦保留とし,先に共同力発揮課題を行うことにする。共同力発揮課題はデバイスが購入でき次第,パイロット実験ができるように実験プログラムの作成を行う。これはすでにある2者のものを改変するため,そこまで時間はかからないと踏んでいる。さらに,3者で行うタッピング課題の可能性を見いだすことができたため,こちらの実験課題を具体化させ,来年度中に予備実験まで持って行きたいと考えている。
加えて,現在難航している解析法の開発も並行して行う。これについては専門家に意見をもらう予定である。 -
初期人類の高精度3次元脳形態復元から探るヒトの脳機能への選択圧
研究課題/研究課題番号:23K17513 2023年6月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
荻原 直道, 田邊 宏樹
担当区分:研究分担者
3次元モデリングと脳イメージング研究の技術・手法に基づいて、猿人と初期ホモ属の化石頭蓋骨の内腔形状(エンドキャスト)およびそこに収まっていた脳形態を数理的に詳細に推定し、機能的特異性を有する脳の各領野の大きさの比較から、両者の脳機能の差を明らかにすることを通して、初期ホモ属の脳にどのような選択圧が作用したのかを読み解く。
本研究は、3次元モデリングと脳イメージング研究の技術・手法に基づいて、猿人と初期ホモ属の化石頭蓋骨の内腔形状(エンドキャスト)およびそこに収まっていた脳形態を数理的に詳細に推定し、機能的特異性を有する脳の各領野の大きさの比較から両者の脳機能の差を明らかにすることを通して、初期ホモ属の脳にどのような選択圧が作用したのかを読み解くことを目的としている。
本年は昨年度構築したヒト、チンパンジー、ニホンザルの脳の各領域の形態的相同性を保持したまま脳形態を相互変換する方法論を活用して、猿人2個体、初期ホモ属5個体についてその頭蓋内腔形状(エンドキャスト)からそこに収まる脳を復元した。まず、化石頭蓋骨のCTデータよりその3次元形状を仮想空間内に再構築し、その内腔の欠損部分を数理的に補完することで、各化石の完全なエンドキャストを復元した。次に、上述の現生3種の脳の形態変異に基づいて、初期人類の脳形態が取りうる形態空間の範囲(発生的制約により規定される範囲)を推定し、その部分空間の中に各エンドキャストを位置づけることで初期人類の脳形態を数理的に推定することを試みた。具体的には、基準脳全体に等間隔に配置した約50万の標識点を、変換関数を用いて3種30個体に写像し、各個体の脳形態を解剖学的に相同な標識点の集合として記述した。そしてこれを主成分分析することで、3種の脳の形態変異が張る低次元形態空間を求めた。この低次元空間の中に、復元対象である化石エンドキャストを形状類似性に基づいて位置づけ、基準脳からエンドキャストへの変換関数を用いて基準脳を変形させ、猿人2個体、初期ホモ属5個体の脳を数理的に復元した。
脳の相同変換を数理的に実現し、化石頭蓋骨のエンドキャストから脳形態を数理的に推定することが可能となったから
構築した手法に基づいて、猿人2個体、初期ホモ属5個体の各脳領域の絶対容量・相対容量を求める。また猿人と初期ホモ属間で比較することを通して、猿人から初期ホモ属への移行期において、脳の各領域の容量がどのように変化するのかを分析する。その結果に基づいて、初期ホモ属の脳に作用した選択圧を明らかにすることを目指す。 -
味覚における口腔-脳-全身連関の解明:健康寿命延伸のための大人の食育と食品開発
研究課題/研究課題番号:23K22226 2022年4月 - 2026年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
後藤 多津子, 田邊 宏樹, 高際 睦, 佐藤 仁美, 阿部 修, 田邊 宏樹, 高際 睦, 佐藤 仁美, 阿部 修
担当区分:研究分担者
味覚の感受性が低下すると塩分や糖分の過剰摂取につながり、生活習慣病のリスクが上がる。本研究の目的は、若者から高齢者を対象に、味覚の認知に関わる口腔、脳、全身状態の連関を解明し食育に生かす事である。
申請者らは、味覚の強さについてデータサイエンスにより多くの被験者数で解析するとともに、味覚供給システムを開発し官能評価や脳機能MRI研究を遂行してきた。本研究ではその成果を発展させ、味覚認知にかかわる口腔、脳、全身状態の連関を解明する。成果をわかりやすく編集し食生活改善案を人々に提供する。
今年度は、データサイエンスについては味覚、脳、全身にかかわる文献情報を収集・抄読した。また研究参加者の実測研究も、官能評価2種類と脳機能画像について、方法論の構築、再現性実験を行った。再現性が確認されたため、本実験として若年者および高齢者において研究を遂行している。
かつ、唾液、味覚、食育、全身に関する国民への報告活動を行った。その際に、市民へのわかりやすい動画の監修、作製、広報の方法も修得した。 -
内受容感覚の予測的処理を基盤とした感情と意思決定の創発メカニズムの探求
研究課題/研究課題番号:21H04420 2021年4月 - 2025年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
大平 英樹, 上野 大介, 遠山 朝子, 田邊 宏樹, 長井 隆行, 木村 健太, 片平 健太郎, 齋藤 菜月, 上野 大介, 遠山 朝子, 田邊 宏樹, 木村 健太, 片平 健太郎, 齋藤 菜月, 日永田 智絵, 長井 隆行
担当区分:研究分担者
身体内部信号の予測的処理から生じる内受容感覚が、感情を創発し意思決定を導く、という仮説を次のように検証する。1)内受容感覚の予測的処理に基づく身体状態の制御、感情の創発、意思決定の過程を表現する計算論モデルを構築する。2)内受容感覚を操作して意思決定課題を施行し、そこで得られる行動、脳活動、身体活動のデータを計算論モデルにより解析し仮説を検証する。3)人間の身体と計測装置を融合したシステムであるセンサロイドを製作し、そこで得られたデータのモデル化により、感情概念が生成され主観的な情動が経験される原理を探求する。4)身体症状症を内受容感覚の不全と捉え、その特性を計算論モデルと実験により検討する。
意思決定課題を行う際の脳活動と生理的反応を測定する一連の研究において、報酬予測誤差とその絶対値の計算に関わる線条体と、内受容感覚に関連が深い島皮質の関与が明らかになり、内受容感覚の予測的処理が意思決定の背景メカニズムとして重要であることが示唆された。健常者では、心拍検出課題の成績をフィードバックする訓練により内受容感覚の正確さを向上させることができたが、身体症状症の患者ではそれが困難であり、患者の島皮質と他の脳部位の機能的結合の弱さがその原因であることが示唆された。人間の身体と計測装置を融合したセンサロイドから得られたデータから、感情概念が生成され主観的な情動が経験されるモデルを提案した。
本研究の研究期間の間に内受容感覚への研究関心が顕著に高まり、内受容感覚が予測的処理に基づいて作動し、それが感情の源泉となること、その不調が心身の疾患のリスク要因となることについて、多くの研究者が合意するに至った。しかしそのメカニズムの多くは以前として仮説の段階にあり、実証的な検証が進んでいない。本研究は、健常者を対象にした脳と身体の機能の検証、身体症状症患者を対象にした臨床研究、さらに計算論モデルによる検討により、この問題に統合的にアプローチし、多くの有益な知見を得た。またその知見は学術的のみならず、臨床応用や健常者のウエルビーイングを高めるための応用など、実社会にもインパクトを与える得る。 -
相互作用する二者の神経ダイナミクスを統合的に理解するための新たな解析法の開発
研究課題/研究課題番号:20K07721 2020年4月 - 2023年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
田邊 宏樹
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本年度は,昨年度に提出した研究の推進方策にしたがって,すでにあるfMRIハイパースキャニングデータを用いて新たなネットワークダイナミクスを扱える解析手法の開発をおこなった。解析において,個人の脳領域をどのように分割するか,各領域のデータをどのように要約するかが大きな問題となるため,さまざまな脳分割テンプレートとデータ要約方法を試した。これまで我々が行ってきた二者の脳活動のvoxel相同領域間同士の脳活動の同期増強結果を元にさまざまなテンプレートを用いて検討したところ,AAL/AAL3では分割領域が大きすぎ,上記結果を再現することができないことが判明した。一方全脳を機能的なデータを元に368の領域に分割したShen368テンプレートにおいては,相同領域間同士の活動がほぼ再現され,それに加えて非相同領域の脳活動の同期もみることができた。またデータ要約法については分割領域内のデータを平均する手法と主成分分析の第一成分として取り出す手法を検討し,後者の方がその領域内を代表するデータにふさわしいという結果を得た。さらに,時間軸での移動平均を用いて,このようなネットワークの時間的変化を捉えられる解析法も開発した。これらはMATLAB上で作動する解析プログラムとして作成したので,他の装置で取得したデータに適用できるよう更なる開発を進めている。一方各装置を用いたハイパースキャン実験は,コロナ禍の影響,装置の都合やトラブルなどにより取得できたデータがかなり限られてしまった。現在その遅れを取り戻すべく実験を計画し,一部はすでに本実験手前まで進んでいる。
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増減する文脈情報が価値判断,及び予測に及ぼす影響について脳活動に着目した研究
研究課題/研究課題番号:18K03020 2018年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
野田 理世, 田邊 宏樹
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
本研究の結果は,われわれは,同じ絶対量の利得や損失を一度に与えられるよりも,分割し連続して与えられる場合に,より強い満足(不満足)を感じることを示した。
利得に関しては,1度に利得が与えられる場合よりも,4回に分割し連続して利得が与えられた場合に,眼窩前頭皮質が活性化していた。眼窩前頭皮質は,連続する利得と関連する脳部位だと推察される。一方,損失に関しては,1度に損失を与えるよりも,4回に分割し連続して損失を与えた場合に,後部線条体が活性化していた。ただし,連続して損失を被る場合に,後部線条体が関わるかについては,線条体と損失の関係について一貫した結果が得られていないため,議論の余地がある。
本研究の結果は,ひとは,同じ絶対量の利得や損失を,一度に与えられるよりも,分割し連続して与えられた場合に,強い満足感(不満足感)を感じることを示した。これは,年金のような金銭的利得は一括で与えるよりも,分割して与えたほうが満足感が上がる可能性を示唆する。一方で,罰金のような金銭的ペナルティは一度で徴収するよりも分割して徴収したほうが不満足感が高くなる可能性があり,犯罪の抑制に一定の示唆を与える。
また,本研究では,これらの連続して与えられる利得や損失に関わる脳活動を明らかにしたことで,その根本にある認知メカニズムを考える際に有用となる学術的データを提供した。 -
先進的脳科学に基づく塩味と甘味の年代別認知機能の解明と生活習慣病予防への応用
研究課題/研究課題番号:17H04423 2017年4月 - 2021年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
後藤 多津子, 田邊 宏樹, 徳森 謙二, 音成 実佳, 渡邉 素子
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
超高齢化社会において、生活習慣病を減塩、減糖により予防する事は社会的課題である。本研究の目的は、一連の研究を発展させ、年代別に味覚の強さを認知するメカニズムを解明することである。口における味の強さと認知時間を官能評価で解析した。また、独自に開発したシステムを用い、脳機能MRIにより味覚と風味の認知について脳活動を解明した。高齢者と若者の違いは味質により異なっていた。今後も研究を継続し臨床や社会応用のための生理学的基盤を解明していく。
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身体反応が意思決定を修飾する神経メカニズム
研究課題/研究課題番号:17H02649 2017年4月 - 2020年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
大平英樹
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
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MRIハイパースキャニングを用いた二人称視点・間主観性による共感の神経基盤研究
研究課題/研究課題番号:16H01486 2016年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:6500000円 ( 直接経費:500000円 、 間接経費:150000円 )
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相互主体性の解析に基づく社会行動の神経基盤と発達過程の解明
研究課題/研究課題番号:15H01846 2015年4月 - 2020年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
定藤規弘
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
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学習による気づき・注意機能および相互的同調機能と第二言語情報処理の自動化プロ セス
研究課題/研究課題番号:26244031 2014年7月 - 2019年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
横川博一
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
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自然なかたちでインタラクションする二者の神経基盤を階層的システム構造として捉える
研究課題/研究課題番号:26350987 2014年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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次世代の皮質下機能的脳外科手術の確立を目指したコネクトームマップの開発
研究課題/研究課題番号:26462202 2014年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
前澤聡
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
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正義観の心理・神経・生理・進化的基盤
研究課題/研究課題番号:24243068 2012年7月 - 2016年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
大平英樹
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
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二者の機能的MRI—脳波−視線同時計測による社会的相互作用のシステムダイナミクス
研究課題/研究課題番号:23650224 2011年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4030000円 ( 直接経費:310000円 、 間接経費:930000円 )
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旧人・新人の学習行動に関する脳機能マップの作成
研究課題/研究課題番号:22101007 2010年7月 - 2015年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:121420000円 ( 直接経費:93400000円 、 間接経費:28020000円 )
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fMRIによる咀嚼機能と脳機能のダイナミック解析システムの開発
研究課題/研究課題番号:19390479 2010年4月 - 2010年10月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
後藤多津子
担当区分:研究分担者