科研費 - 田川 美穂
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電界誘起気泡による生体への情報埋込みと機能性界面を介した情報伝達
研究課題/研究課題番号:22H00198 2022年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
山西 陽子, 原本 悦和, 田川 美穂, 菅野 茂夫
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
本研究では生体界面を物理的刺激によってアクティブに制御することにより生体組織等に情報を埋込む実装技術を完成させ,外部から接触・非接触にセンサをアプローチして情報伝達することを目標としている.本技術は表面に薄膜電極を貼る技術とは一線を画し,実際に表層に低侵襲に情報を埋め込んでいるためこれまでになくロバストかつ安定にウェットな生体内外の情報伝達を行う技術である.情報の種類は磁性情報,遺伝子,機能性材料などを対象とし,情報量や埋め込む深さにおいてもターゲットの物性に応じてμmオーダで制御可能とし幅広いセンサに対応するものとする.
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簡便なタンパク質構造解析に向けた規則配列化のためのDNA規則的多孔構造創製
研究課題/研究課題番号:19K22103 2019年6月 - 2023年3月
挑戦的研究(萌芽)
田川 美穂
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
本研究は、タンパク質立体構造解析の簡便化に向けたタンパク分子規則配列化のためのDNA規則的多孔構造(DNA結晶スポンジ)の創製を目的とする。これにより、従来のタンパク質立体構造解析においてボトルネックとなっている網羅的実験が必要な「タンパク結晶化」を介することなく立体構造解析を可能にするための新手法の開発を目指す。従来のDNAナノ構造体設計法(DNAタイル、DNAオリガミ)とは異なる「DNA修飾ナノ粒子超格子(DNA-NP)の結晶化機構を模した設計法」でDNA結晶スポンジを実現する狙いである。
研究の進め方としては、申請時の予定通り進めた課題と変更が生じた課題があるが、着実に研究を進展させることができた。
DNA修飾ナノ粒子結晶のデザインに関しては、空孔サイズの大きい所謂スカスカなDNA修飾ナノ粒子結晶の高品質成長に取り組んだ。効率よくゲスト分子の取り込みを行うためには、粒径の揃った単結晶に成長させることが理想的であるが、スカスカな結晶になる程結晶性の良い単結晶を作製することが難しい。結晶化条件を最適化することで、スカスカなDNA修飾ナノ粒子結晶の高品質化に取り組んだ。
DNA修飾ナノ粒子結晶にゲスト分子を取り込む課題は、透過型電子顕微鏡(TEM)、及び超解像顕微鏡により、DNA修飾ナノ粒子結晶の像と同領域にゲスト分子が確認された。DNA修飾ナノ粒子結晶が水溶性の結晶スポンジとして機能することを示唆しているといえる。
ゲスト分子の取り込み過程には、当初予想していた以上に様々な物理があり、学術的に深く考察する必要があることがわかってきた。今年度は、ゲスト分子取り込み前に行うDNA修飾ナノ粒子結晶の乾燥・収縮過程に関する研究を深めた。乾燥(脱水)してもDNA修飾ナノ粒子結晶の対称性を維持できる条件に関しては、空孔の小さな結晶においては解明されつつあるが、空孔の大きいスカスカな結晶に関しては、今後も引き続き取り組む予定である。
本研究は、申請書記載の実験計画通りに進展した部分と、進め方に変更が生じながらも予期せぬ成果が得られた部分がある。DNA修飾ナノ粒子結晶にゲスト分子を取り込む課題は、予定通り進んでいる。同時に、ゲスト分子の取り込み過程には、当初予想していた以上に様々な課題があり、学術的に深く考察する必要性があることがわかってきた。今年度は、ゲスト分子取り込み前に行うDNA修飾ナノ粒子結晶の乾燥過程に関する研究を深め、良い成果が得られた。よって、おおむね順調に進展している、と言える。
DNA修飾ナノ粒子結晶へのゲスト分子取り込み及び空孔への配置に関しては、研究が進展するにつれ、追及すべき課題が多くあることがわかってきた。DNA修飾ナノ粒子結晶デザインと空孔の大きさ、結晶対称性とゲスト分子取り込み効率、DNA修飾ナノ粒子結晶及びゲスト分子のチャージと取り込み効率との関係、静電相互作用によりゲスト分子を取り込むためのDNA修飾ナノ粒子結晶内部のチャージコントロール等が重要項目である。
2020年度は、①DNA修飾ナノ粒子結晶デザインの改良とゲスト分子取り込み効率の向上、②乾燥を伴わないゲスト分子の取り込み方法の模索(塩濃度変化による結晶収縮・膨張、及び結晶内部のチャージコントロール)、を優先的に進める。 -
研究課題/研究課題番号:19H02555 2019年4月 - 2024年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
田川 美穂
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:16900000円 ( 直接経費:13000000円 、 間接経費:3900000円 )
本研究では下記課題1-3に取り組み、DNA-NP超格子の単結晶成長法の確立とサイズ向上を目指す。
課題1:核生成頻度を下げるため、一旦作製したDNA-NP超格子結晶を種結晶として再度結晶化溶液に入れ、成長させる
課題2:結晶を吊り下げて成長させる
課題3:ポリエチレングリコール(PEG)による枯渇引力を利用した結晶成長
成長させるDNA-NP超格子結晶としては、二元系(互いに相補的なDNAペア)で粒子サイズが同じ場合にできるbcc構造、二元系で粒子サイズが異なる場合にできるCsCl構造、一元系(自己相補的なDNAペア)のfcc構造に取り組む。更に、DNA-NP超格子結晶のX線単結晶解析に取り組む。
DNA修飾ナノ粒子(DNA-NP)の高品質単結晶作製に取り組んだ。手法としては、申請書に記載のH31年度課題の通り、「種結晶を用いた結晶成長法」に取り組んだ。DNA-NP分散溶液から予めDNA-NP超格子結晶を結晶成長させて、電子顕微鏡及びX線小角散乱法により結晶サイズが最大で1μm程度であることを確認した種結晶(あるいは同条件で作成した種結晶)を用いた。DNA塩基配列及びナノ粒子表面に結合するDNAの被覆率により異なるDNA-NP超格子結晶の融解温度(Tm)も予めX線小角散乱法により測定しておき、Tm温度前後で一度ずつ温度を振って種結晶を結晶化溶液に浸漬させた。また、種結晶を浸漬して二段階で結晶成長させるDNA-NP分散溶液のDNA-NP濃度、塩濃度も変えて最適条件を模索した。電子顕微鏡による解析結果では、種結晶浸漬温度により二段階成長後の結晶サイズが大きく変わることが確認された。X線小角散乱法により確認した融解温度よりも一度程度低い温度で浸漬した種結晶が最も大きく成長した。二段階目の結晶成長溶液の組成(DNA-NP濃度、塩濃度)に関しては、ある程度の最適条件は見出しつつあるものの、浸漬温度を含めそれぞれの条件が相互に関係しているため、今後より精査して行く。
結晶化温度や種結晶浸漬温度、結晶化溶液の組成(DNA-NP濃度、塩濃度、緩衝溶液)等の条件はそれぞれ相互に関係しており、すべての条件を考慮した上で最適な結晶化条件を見出さなければならないことがわかってきた。当初考えていた以上に複雑であり、課題も増えてきたが、着実に結晶化条件最適化へ向かっているため、おおむね順調に進展していると言える。
高品質単結晶作製には、結晶化溶液の組成や温度シーケンスのみならず、重力の影響も考えなければならないことがわかってきた。結晶成長の過程でDNA-NP超格子がチューブの底に沈んでしまい、成長が阻害されていることが考えられる。今後は、結晶化溶液の組成や温度シーケンスの最適化と並行して、微小重力下における実験も推進する予定である。 -
ナノスケール熱制御に向けたナノ粒子超格子構造のプログラマブル融合化
研究課題/研究課題番号:16K13614 2016年4月 - 2019年3月
田川 美穂
担当区分:研究代表者
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
DNA修飾ナノ粒子超格子の単結晶を、レジンなどの固定法を用いずに、結晶の平衡系であるウルフ多面体形状を保ったまま直接乾燥により構造安定化することに成功した。
DNA修飾ナノ粒子超格子の水和状態におけるナノ粒子の体積率を変化させることで、直接乾燥後も構造を維持できる条件を検討した。その結果、水和状態においてナノ粒子体積率が高いときに、直接乾燥後も構造を維持しやすいことを発見した。更に、電子線照射により、超格子中のナノ粒子の表面のみが融解し、隣接粒子と融合することを発見した。本手法は、フォノニック結晶の前駆体作製法として有効であることを示した。
デバイスの小型化や情報処理量の増加に伴い、ナノスケールの熱制御が必要不可欠となってきている。トップダウン的方法により金属ナノ粒子の積層構造を作製し、バルクの熱伝導率と比較してナノ構造化による熱伝導率変化を測定する研究は行われていた。しかし、トップダウン的方法でナノ構造を精密に制御するのは難しく、正確な熱伝導率測定も困難であった。本手法で金属ナノ構造を高精度に制御できるため、今後ナノ構造と熱輸送(フォノン輸送)の関係解明に貢献すると期待できる。 -
DNAナノ構造体によるナノ粒子超構造の構造制御
2013年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 若手研究(A)
田川美穂
担当区分:研究代表者
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DNAセルフアセンブリによる分子準結晶の実現
2013年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
田川美穂
担当区分:研究代表者
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プログラム可能なDNAナノデバイスの構築
2005年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金
田川美穂
担当区分:研究代表者