2025/03/29 更新

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タカハシ リョウ
髙橋 亮
TAKAHASHI Ryo
所属
大学院多元数理科学研究科 多元数理科学専攻 基幹数理 教授
大学院担当
大学院多元数理科学研究科
学部担当
理学部 数理学科
職名
教授

学位 3

  1. 博士(理学) ( 2004年3月   岡山大学 ) 

  2. 修士(理学) ( 2002年3月   岡山大学 ) 

  3. 学士(総合人間学) ( 2000年3月   京都大学 ) 

研究分野 1

  1. 自然科学一般 / 代数学  / 可換環論

現在の研究課題とSDGs 1

  1. 可換環の表現論

学歴 2

  1. 岡山大学   自然科学研究科

    - 2004年3月

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    国名: 日本国

  2. 京都大学   総合人間学部

    - 2000年3月

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    国名: 日本国

所属学協会 1

  1. 日本数学会

受賞 2

  1. 日本数学会代数学賞

    2020年3月   日本数学会   可換環の加群圏の部分圏の研究

    髙橋 亮

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    受賞区分:国内学会・会議・シンポジウム等の賞  受賞国:日本国

  2. 日本数学会賞建部賢弘奨励賞

    2004年9月   日本数学会   Cohen–Macaulay環のホモロジー代数的研究

    髙橋 亮

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    受賞区分:国内学会・会議・シンポジウム等の賞  受賞国:日本国

 

論文 131

  1. Proxy small thick subcategories of derived categories 査読有り

    Takahashi, R

    JOURNAL OF ALGEBRA   662 巻   頁: 465 - 481   2025年1月

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    担当区分:筆頭著者, 最終著者, 責任著者   記述言語:英語  

    DOI: 10.1016/j.jalgebra.2024.08.018

    Web of Science

  2. Cofiniteness of local cohomology modules and subcategories of modules 査読有り

    Takahashi, R; Wakasugi, N

    COLLECTANEA MATHEMATICA   76 巻 ( 1 ) 頁: 1 - 10   2025年1月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:英語  

    DOI: 10.1007/s13348-023-00416-6

    Web of Science

  3. On a generalization of Ulrich modules and its applications 査読有り

    Ela Celikbas; Olgur Celikbas; Justin Lyle; Ryo Takahashi; Yongwei Yao

    Tohoku Mathematical Journal     2025年

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    記述言語:英語  

  4. Vanishing of DHKK complexities for singularity categories and generation of syzygy modules 査読有り

    Tokuji Araya; Kei-ichiro Iima; Ryo Takahashi

    Kyoto Journal of Mathematics     2025年

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    担当区分:最終著者   記述言語:英語  

  5. Ring homomorphisms and local rings with quasi-decomposable maximal ideal 査読有り

    Nasseh, S; Sather-Wagstaff, K; Takahashi, R

    COMMUNICATIONS IN ALGEBRA   52 巻 ( 10 ) 頁: 4295 - 4313   2024年10月

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    担当区分:最終著者   記述言語:英語  

    DOI: 10.1080/00927872.2024.2345843

    Web of Science

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科研費 6

  1. 各種の関数と次元による可換環の導来圏の研究

    研究課題/研究課題番号:23K03070  2023年4月 - 2026年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    高橋 亮

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )

    圏(集合のようなもの)が与えられたとき、それの充満部分圏(部分集合のようなもの)のうち適切な条件をみたすものをすべて分類する・決定するという問題が考えられる。これは、数学の複数の分野にまたがって60年以上にわたり多くの研究者によって調べられてきた重要な問題である。本研究は、可換Noether環上の有限生成加群の有界複体全体のなす導来圏という特定の圏に対してこの問題を考察することを目的とする。
    (1) 分解部分圏に関して以前得た結果を局所コホモロジーの余有限性問題に応用し、Bahmanpourの問いに一つの肯定的解答を与えた。(2) 可換ネーター環の各元が特異圏において零射で作用する対象全体のなす部分圏を調べた。特異圏の分解定理を示し、特異圏のRouquier次元の上限を与えた。(3) 新しいUlrich加群の概念を導入した。古典的なUlrich加群と異なりいつでも存在すること、それでいて古典的なUlrich加群の持つ性質を数多く維持することを示した。(4) 擬直可約極大イデアルをもつ環の図式による完全交差の特徴付けを与えた。また、有限単純グラフから自然に発生する完備局所環が擬直可約極大イデアルを持つことを示した。(5) 完全交差局所環に対し、その有限生成加群の有界導来圏のpreaisleのうち直和因子で閉じ環を含むものを完全に分類した。Stevensonの分類定理、Dao-Takahashiの分類定理を復元した。(6) Iyengar-Takahashiの問いの解答を与え、正標数のF有限なネーター環の強生成元をFrobenius順像を用いて具体的に与えた。(7) 特異圏のDimitrov-Haiden-Katzarkov-Kontsevich複雑量が零でない範囲が有界になることを、Krull次元が有限でGorensteinなJ-2環などの比較的弱い仮定をみたすいくつかのケースで示した。(8) Extの高次消滅が対称にならないGorenstein局所UFD、depth formulaをみたさないGorenstein局所UFD、環との正のExtが消滅する非全反射加群を持つCohen-Macaulay局所UFDを(等標数かつ孤立特異点を持つかたちで)構成した。(9) 局所環の導来圏を環と剰余体で割ってできる三角圏が加法生成元を持つための必要条件および十分条件を与えた。
    「研究実績の概要」で述べたことはいずれも研究題目そのものに関する研究成果であるか、研究題目と密接に関係する研究成果である。たとえば、(2)および(7)で述べたように、可換ネーター環の特異圏の分解定理とRouquier次元の上限が得られ、Dimitrov-Haiden-Katzarkov-Kontsevich複雑量が零でない範囲の有界性が弱い仮定のもとで示されたが、これらの成果は特異圏の構造の理解に進展をもたらすものである。また(5)で述べたように、完全交差局所環の導来圏のpreaisleのうち直和因子で閉じ環を含むものを完全に分類したことで、導来圏の構造の理解が大いに進展したと言える。また(6)で述べたように、正標数のネーター環の加群圏の強生成元をFrobenius順像を用いて具体的に与えたが、加群圏の強生成元は導来圏の強生成元でもあるので、これは導来圏の構造の理解の進展をもたらすものである。さらに(9)で述べた、局所環の導来圏を環と剰余体で割ってできる三角圏が加法生成元を持つための必要条件および十分条件も、導来圏の構造の新しい理解を与えるものである。
    今後も可換ネーター環上の有限生成加群の有界導来圏の構造解析およびそれに関連する研究に取り組む。超曲面局所環の一般化である支配的局所環(dominant local ring)に対して、導来圏のthick部分圏を考察する。具体的には、任意の素イデアルで局所化して支配的局所環になるような可換ネーター環、つまり局所支配環(locally dominant ring)の特異圏のthick部分圏は完全分類が既に終わっているので、それを用いて局所支配環の導来圏のthick部分圏の分類を試みるのが有効であると考えている。また、申請書の研究計画に記載したultimate dimensionの上界の研究にも本格的に着手する。具体的には、孤立特異点をもつ超曲面局所環に対してBallard-Favero-Katzarkovによるultimate dimensionの上界を得る手法の詳細な分析し、超曲面という条件がどれだけ本質的な役割を果たしているのか模索することから始める予定である。

  2. 可換ネーター環の加群圏と導来圏における生成問題

    研究課題/研究課題番号:19K03443  2019年4月 - 2023年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    高橋 亮

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )

    与えられた圏の(充満)部分圏の分類およびそれらの(Rouquier)次元の評価は、複数の分野にまたがり非常に多くの研究者が取り組んできた重要な研究テーマである。本研究は、可換Noether環上の有限生成加群全体のなすAbel圏およびそれの各種の導来圏に対してそれを考察することを目的とする。一つの対象から短完全列あるいは完全三角を何回か取ることでどれだけの対象が得られるか?という「生成問題」が、分類および次元評価の研究の双方の根幹部分になっている。本研究では、さまざまなアプローチを用いてこの生成問題に取り組む。
    支配的局所環という新しい可換ネーター局所環のクラスを導入し、支配的局所環のもつ基本的な性質を調べ、他の可換ネーター局所環のクラスとの比較を行った。また、与えられた支配的局所環から別の新たな支配的局所環を得るさまざまな方法を与えた。さらに、局所化の支配性を仮定した状況で、適切な有限生成加群の圏の分解部分圏、有限生成加群の有界導来圏、および特異圏のthick部分圏を完全に分類した。これらの分類定理は、同じ文脈の既存の分類定理をすべて包括するものである。
    表現論は数学全体に跨っている分野ですが、私は(可換)環の表現論を中心に研究してきました。この分野の主題は、与えられた環の外部表現(加群や複体)全体のなす構造を明らかにすることであり、環に付随する各種のアーベル圏や三角圏の適切な充満部分圏の分類を行うことは、そのための重要なアプローチの一つになっています。本研究で得られた部分圏の分類定理は、環の表現論の進展に寄与するものであると言えます。

  3. コーエン・マコーレー局所環の加群圏の部分圏の生成問題(国際共同研究強化)

    研究課題/研究課題番号:16KK0099  2017年 - 2019年

    国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)

    高橋 亮

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:13260000円 ( 直接経費:10200000円 、 間接経費:3060000円 )

    期間中、実にさまざまな結果を得ることができた。特に、Cohen-Macaulay加群の構造に関して多くの知見を得た。Cohen-Macaulay局所環上で、非自由軌跡が正次元の直既約Cohen-Macaulay加群が有限個しかないことを有限CM+表現型と名付けて調べ、1次元のGorenstein環の場合に有限CM+表現型が孤立特異点と可算CM表現型の超曲面に限られることを証明した。また、有限生成加群のGrothendieck群の擬零加群全体のなす部分群による剰余アーベル群に実数体をテンソルしたものの中でCohen-Macaulay加群で張られる凸錐を考察し、さまざまな位相的性質を得た。
    与えられたCohen-Macaulay環の上のCohen-Macaulay加群全体がもつ構造を調べる研究は「Cohen-Macaulay表現論」とも呼ばれ、可換環論や環の表現論におけるもっとも中心的なテーマの一つであり、世界各国の多くの数学者によってさかんに研究されている。本研究成果はこの理論の研究に大いに寄与するものである。

  4. 整環の表現論の総合的研究

    研究課題/研究課題番号:16H03923  2016年4月 - 2021年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    伊山 修, 高橋 亮, 毛利 出

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    担当区分:研究分担者 

    傾理論, CM(=Cohen-Macaulay)表現, AR(=Auslander-Reiten)理論の観点から整環の表現論を調べた. 以下の主要成果の他にも多くの成果を得た.
    (1) 傾理論のCM表現への応用に関して国際数学者会議2018で招待講演を行なった. Geigle-Lenzing完全交叉環に関するAMS Memoirを出版した. (2) 傾理論の基礎理論(ねじれ類, 三角圏の退化等)を大きく発展させた. (3) Auslander-Gorenstein環を高次元AR理論を用いて調べ, 非可換特異点解消に応用した. d有限表現型自己入射代数の統一的構成を行い, 周期性の研究に応用した.
    環とは加法、減法、乗法の与えられた数体系の一般化であり、現代数学の重要な基本概念である。環の表現論は1970年代に確立された若い分野であり、中でもホモロジー代数学で基本的な導来圏を扱う傾理論と、様々な表現の圏構造を制御するAuslander-Reiten理論が重要である。環の表現論は、団(クラスター)代数・量子群の圏化や非可換特異点解消をはじめとして数学の諸分野で重要な役割を果たしている。中でも整環(order)の表現は、箙(quiver)の表現と可換環のCohen-Macaulay表現を結びつける重要な研究対象であり、本研究計画は整環の表現論を深化させることを目的としている。

  5. 可換環の導来圏のthick部分圏と次元

    研究課題/研究課題番号:16K05098  2016年4月 - 2020年3月

    高橋 亮

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )

    極大イデアルが擬直可約な局所環の特異圏のthick部分圏を完全に分類した。可換ネーター環上の有限生成加群の右有界導来圏の余コンパクト生成thickテンソルイデアルを完全に分類した。岩永Gorenstein孤立特異点のCohen-Macaulay安定圏に対しては局所有限性と有限表現型が同値になること、有限生成Krull-Schmidt三角圏は局所有限ならば0次元になりExt有限の場合は逆も成り立つことを示した。可算表現型の超曲面の特異圏の中で、各非零対象に関する剰余体のレベルが1以下であることを見出した。
    表現論は数学全体に跨っている分野ですが、私は(可換)環の表現論を中心に研究しています。この分野の主題は、与えられた環の外部表現(加群や複体)全体のなす圏構造を明らかにすることであり、部分圏の分類を行うこと、次元を評価するということは重要なアプローチになっています。本研究で得られたいくつかの部分圏の分類定理や次元とレベルの評価は、それに寄与するものです。

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