科研費 - 片山 尚幸
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無機柔粘性結晶の構造的特徴を活用した革新的物質機能の開拓
2024年4月 - 2027年3月
日本学術振興会 学術研究助成基金助成金 基盤研究(B)(一般)
担当区分:研究代表者
( 直接経費:14300000円 )
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『無機ソフトマター』における格子ダイナミクスの物理パラメータ測定
研究課題/研究課題番号:21K18599 2021年7月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
片山 尚幸
担当区分:研究代表者
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
二次元三角格子系LiVS2では、低温でバナジウムが自己組織化的に凝集し『三量体化』を生じる。高温では三量体は消失するが、代わりにバナジウムは有限の相関長を持つジグザグ鎖の秩序を局所的に形成し、秒のスケールで配向を変えながら揺らいで現れるダイナミクスを示すことが明らかになった。これは、ソフトマターの一種である柔粘性結晶に分類される状態である。本研究では、LiVS2の大型単結晶試料に対してX線吸収分光測定を利用した独自アイデアに基づく時分割測定法を適用し、ダイナミクスに係る諸物理量(相関長・タイムスケール・温度依存性)を明らかにする。
無機ソフトマターの性質を持つバナジウムカルコゲナイドの格子ダイナミクスを、偏向X線を利用した時間分解EXAFS測定で捉えることを目的としてSPring-8 BL36XUにおける実験を行った。実験の結果、およそ0.6秒周期でスペクトルに変化が現れていることを突き止めた。これは期待する格子ダイナミクスを捉えているようにも思えるが、予想に反してスペクトルの変化が周期的に現れていること、得られたスペクトルに温度依存性が見られないこと、などの特徴が現れており、これは予想には反する結果であった。現在は解析を進めており、今後はこの特徴が本質であることを明らかにし、論文投稿に向けて準備を進めたい。
ソフトマター材料研究の主役は有機材料であり、遷移金属を主体とした無機材料はソフトマター物理の舞台としては捉えられてこなかった。本研究は、ソフトマター材料の物質的幅を広げ、従来材料とは一線を画する新たな機能性材料を提供するという意義がある。そもそも、対象となる適当な物質系がないことから、こうした無機ソフトマターのダイナミクスを捉える確立した実験手法は存在せず、今回の実験では放射光X線を用いた独自手法を考案し、実験実施している。得られたスペクトルの解析は現時点で途中ではあるものの、手法そのものの有効性・妥当性は示すことに成功し、同種実験を利用した新材料開発の道筋をつけることができた。 -
研究課題/研究課題番号:24K01329 2024年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
片山 尚幸, 小島 慶太, 松林 和幸, 杉本 高大
担当区分:研究代表者
配分額:18590000円 ( 直接経費:14300000円 、 間接経費:4290000円 )
ここ10年で行われてきた物質開拓の試みにより、無機柔粘性結晶状態は量体化分子系に普遍的に現れることが明らかになった。物質の多様性を背景とした物性・機能開拓と外場制御を行い、無機柔粘性結晶ならではの特性をその学理と共に明らかにすることを目指す。 具体的には、磁場や一軸応力を利用した無機柔粘性結晶状態の制御、無機柔粘性結晶に由来して現れるフォノンに着目した輸送特性の調査などが研究の軸であり、初年度は特に外場制御に着目して研究を進めたい。放射光X線を磁場・一軸応力などの制御技術と組み合わせた実験を実施し、一つでも多くの無機柔粘性結晶の制御を実現する。
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研究課題/研究課題番号:24H01620 2024年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
片山 尚幸
担当区分:研究代表者
配分額:5460000円 ( 直接経費:4200000円 、 間接経費:1260000円 )
低温で量体化とよばれる分子形成を生じる系において、1000T級の高磁場によって結合を切断できる可能性が示されている(Y.H. Matsuda et al., Nat. Commun. 11 (2020) 3591. )。本研究では、こうした量体化系では高温において前駆現象となる短距離的分子形成が普遍的に生じることを先行研究で見出している。こうした短距離秩序状態は低温で現れる量体化分子状態よりもはるかに弱く、結合切断に要する磁場は低いと予想される。「非摂動磁場による化学結合破壊の化学」を、① 研究しやすい低磁場下で実現し、② 結合状態についての知見を実験的に得る、ことが本研究の目標である。
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ピロバナジン酸塩Cu2V2O7における体積機能発現機構の解明
研究課題/研究課題番号:23H01837 2023年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
竹中 康司, 平井 大悟郎, 片山 尚幸
担当区分:研究分担者
ピロバナジン酸塩Cu2V2O7において、CuならびにVサイトの元素置換を駆使し、負熱膨張や電場誘起体積変化などの体積機能を高める。代表者の着眼である電気特性(誘電性、伝導性)と機能の視点から、構造-電気特性-体積機能の相関学理を構築する。この成果のもと、圧電効果や磁歪を活用した従来の「歪駆動」アクチュエータ材料に比べ、安価で環境に優しく、材料の形態によらず機能が安定する画期的な「体積変化駆動」アクチュエータ材料を創出する。
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ピロバナジン酸塩Cu2V2O7における体積機能発現機構の解明
研究課題/研究課題番号:23K26530 2023年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
竹中 康司, 平井 大悟郎, 片山 尚幸
担当区分:研究分担者
ピロバナジン酸塩Cu2V2O7において、CuならびにVサイトの元素置換を駆使し、負熱膨張や電場誘起体積変化などの体積機能を高める。代表者の着眼である電気特性(誘電性、伝導性)と機能の視点から、構造-電気特性-体積機能の相関学理を構築する。この成果のもと、圧電効果や磁歪を活用した従来の「歪駆動」アクチュエータ材料に比べ、安価で環境に優しく、材料の形態によらず機能が安定する画期的な「体積変化駆動」アクチュエータ材料を創出する。
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超秩序構造に対するナノビームX線を用いた時間分解回折構造研究
研究課題/研究課題番号:23H04104 2023年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
片山 尚幸
担当区分:研究代表者
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
層状三角格子系LiVS2では、低温でバナジウムが自発的に集合した三量体「分子」の形成を生じる。高温に上げると、この三量体分子は消失し、レギュラーな三角格子が復活するものと考えられてきたが、最近の我々の研究により、このバナジウムの三角格子の内部において、数100nm程度の相関長を持つジグザグ鎖状の分子が出現し、配向を変えながらゆっくりと揺らいでいることがわかってきた。三角格子の中に潜むジグザグ鎖状の超秩序構造が示すダイナミクスと、温度変化に伴う相関長の変化を、時分割ナノビームX線回折法を用いて明らかにすることが本研究の目的である。
本研究課題では、層状LiVS2に創出する超秩序構造のダイナミクスをナノビームX線を用いた回折実験で観測することを目的としている。超秩序構造は3種類の配向をもっており、各々のドメインが異なる位置に超格子ピークを生み出す。これら3通りのパターンは時間依存して変化する特徴をもつことから、これらのパターンの時間変化に応じた超格子ピークの「きらめき」が回折像に現れるはずである。SPring-8 BL36XUにおいて、100nmオーダーまで絞ったナノビームX線を照射し、100msecの時間幅で数100枚の回折像を取得する実験を行った。得られた一部の回折像には、強度に揺らぎを持つ超格子ピークが観測され、目的とするダイナミクスの揺らぎが観測できた。しかしながら、試料によっては強度の揺らぎが現れない超格子ピークも存在した。これは、試料厚みや層間のLiイオンの充填量など、いくつかの要因に起因していると考えられる。今後はダイナミクスを確実に捉えることができる実験条件を考案し、再実験を計画したい。
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また、岡山大学グループとの共同研究で行ったBi2Rh3Se2の回折実験では大きな展開があった。250 K付近で磁化率の変化を伴う電気抵抗率の増大を示す物質である。CDW転移と議論されているが、その起源は構造面から明らかにされてはいなかった。放射光X線を用いた単結晶構造解析により、結晶内部のBi2-Rh4というごく一部のユニットにおいてのみ、顕著な原子変位が確認された。従来のCDWで期待される格子全体の変調とは様相が異なっており、今後は領域内外の理論研究者との共同研究を経て、早期に論文化することを目指したい。
ナノビームX線回折実験を実施し、一部の試料で超秩序構造のダイナミクスを観測することに成功したことから、初年度の当初目標は達成できたと考える。一方で、コントロールできない試料依存性があり、ダイナミクスの観測条件が不確かである点が今後の課題として残った。また、領域内共同研究から、Bi2Rh3Se2という当初予定していなかった物質系に対しても構造研究に取り組み、Bi2-Rh4という局所的なユニットの変調が相転移の起源であることを突き止めた。既に領域内外の理論研究者と共同研究を始めており、また、物質には多様性があることから、実験研究にも次年度の更なる成果に向けた展開性が期待できる。以上のような状況から、(2) おおむね順調に進展している、が適切であると考えられる。
LiVS2の超秩序構造のナノビームX線回折実験については、試料クオリティのさらなる向上が求められる。また、実験中の試料の水和による品質劣化を懸念して、実験条件の見直しが必要となる。これらの課題に2024前期中に取り組み、2024後期に再実験を予定したい。Bi2Rh3Se2については、より高品質な試料を準備し、再実験を行いたい。温度依存性を正確に測定することが必要と考えている。また、類縁物質のBi2Rh3S2の構造解析にも取り組み、Bi2Rh3Se2との比較を行いたい。2024年度に新たに予定しているTaTe2の蛍光X線ホログラフィー実験も2024年度のテーマとなっている。高温で現れる二量体化に向けた超秩序構造の同定を目標としており、6月のSPring-8ビームタイムにて測定を予定している。以上が今後の研究の予定となる。 -
自己組織化分子のスローダイナミクスが生み出す無機柔粘性結晶の開拓
研究課題/研究課題番号:20H02604 2020年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
片山 尚幸, 山内 徹, 齋藤 晃, 太田 幸則
担当区分:研究代表者
配分額:18070000円 ( 直接経費:13900000円 、 間接経費:4170000円 )
本課題では申請者が二次元三角格子系LiVS2で最近見出した、柔粘性結晶相発現の背景物理の解明と、同様の性質を示す新たな物質系の開発を目指す。LiVS2は314 K以下でバナジウム三量体化を伴う金属-非磁性絶縁体転移を示す。高温常磁性相では、バナジウムがジグザグ状の短距離秩序を形成しており、このジグザグ鎖の形成パターンが時間・空間的にゆっくりと変動する。ジグザグ鎖のパターンは3種類存在し、これらの配向はすべて異なることから、この格子ダイナミクスは無機化合物で実現した柔粘性結晶状態と定義される。同様の『無機柔粘性結晶』の新たな候補物質の開発を通じて、その発現メカニズムを明らかにすることを目指す。
構成分子の重心位置に秩序を持ちながらも、配向に秩序をもたない状態は柔粘性結晶と呼ばれ、有機の分子性結晶を中心に活発に研究がなされている。本研究では、こうした柔粘性結晶に属する分子ダイナミクスを示す新しい無機材料「無機柔粘性結晶」の開発に取り組んだ。その結果、LiVSe2やLiRh2O4など、複数の無機柔粘性結晶候補物質の開拓に成功し、論文報告を行うことができた。また、放射光X線を用いることで、無機柔粘性結晶の揺らぎのダイナミクスらしきものを捉えることにも成功した。「無機柔粘性結晶」という新しい材料を世の中に提案するための基盤となる成果を挙げることができたと考える。
本研究課題で取り扱った無機柔粘性結晶とは、無機材料中において構成元素が自発的に集合して作られた分子が、配向や分布を時間依存して変化させる状態である。これは、従来の分子性材料で研究される柔粘性結晶状態とは明確に異なる状態であり、無機柔粘性結晶からは新しい電子状態や機能が創出される可能性がある。本研究では、こうした無機柔粘性結晶が普遍的に実現しうるものであることを物質開拓を通じて明らかにすることができた。 -
研究課題/研究課題番号:20H00346 2020年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
竹中 康司, 松野 丈夫, 片山 尚幸, 鈴木 博之, 今中 康貴, 横山 泰範, 岡本 佳比古
担当区分:研究分担者
一硫化サマリウムSmSの価数揺動に起因する4f電子数と体積の相関を、徹底的な組成の制御とFermi準位付近の電子構造やSmの価数状態の評価により解明し、革新的なアクチュエータ材料を創製する。SmSは(4f)6と(4f)5(5d)1、2つの電子配置が拮抗しており、後者は格子体積が9%小さい。前者は絶縁体で7F0の非磁性状態、後者は金属的で6H5/2の磁性状態であるため、電場や磁場により絶縁体-金属転移を誘起できれば、体積を制御できる。これを活用し、ピエゾ材料や磁歪材料のような従来の「歪駆動アクチュエータ」材料の欠点を克服しうる、新しい「体積変化駆動アクチュエータ」材料を創製する。
SmSならびにSmを他の元素R (R=Ca, Y, Ce, Pr, Nd)で置換したSm1-xRxSの単結晶試料を用いてSmSの価数揺動と体積の相関を調べ、下記の結果を得た:①液体窒素温度下での電場誘起絶縁体-金属転移には体積変化が伴わない。②SmSより電気抵抗率の高いSm1-xCaxSにおいては、電場による絶縁破壊により金属状態になっても、赤外-紫外域の反射率には、圧力や元素置換によって現れる価数転移に伴う大がかりなスペクトル変化が現れない。以上の結果は、電場誘起金属相は、価数転移により出現する金属相とは異なるものであることを示唆している。
SmSの価数転移は、希土類化合物が示す顕著な性質として、基礎物理学のみならず、工学の分野でも関心が高い。とりわけ電場による絶縁体-金属転移の誘起や負の微分抵抗の出現と価数転移の関係が注目を集めている。本研究の成果は、電場によって生じる特異な金属状態、伝導状態を理解する上で重要な実験結果を提示するものである。とりわけ、圧力誘起や元素置換による価数転移とは異なる機構であることを示したことは、この物質群の電子状態の理解に大きな貢献をすると考えられる。 -
研究課題/研究課題番号:18H01172 2018年4月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
松林 和幸, 片山 尚幸, 北川 健太郎
担当区分:研究分担者
本研究では、励起子絶縁体の有力な候補物質である擬1次元物質Ta2NiSe5に対して、包括的な圧力-温度相図を実験的に初めて明らかにした。特に高圧半金属相では、電子-格子相互作用が関与した部分ギャップが出現することを見出し、そのギャップが消失する圧力近傍で超伝導が出現することが明らかにした。また、半導体-半金属転移近傍に位置するBiS2系層状化合物において圧力誘起超伝導を発見し、Ta2NiSe5と類似した圧力-温度相図を見出した。
本研究では、電子と正孔の対形成による励起子と電子同士が対形成した超伝導クーパー対の量子凝縮相を同一物質中で圧力のみを制御することで観測することに初めて実験的に成功した。本研究の成果は半導体と半金属の境界領域で発現する多彩な量子相の形成に、クーロン引力と電子-格子相互作用が重要な役割を果たしていることを示唆しており、今後の物質開発に対して新たな指針を提供すると期待される。 -
新しい固体冷凍技術「電池冷凍」の開発
研究課題/研究課題番号:17K17793 2017年4月 - 2020年3月
片山 尚幸
担当区分:研究代表者
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
層状LixVS2系はLi量に応じて低温で多彩な電子相が現れる。これらの電子相への相転移は"量体化"と呼ばれる分子クラスターの形成を伴っており、構造相転移と同時に巨大な熱量変化を引き起こす。本研究では、このLixVS2系材料をLiイオン電池の正極材として用い、相転移線を"横に切る"ことによって電池反応を用いて巨大な熱量変化を得ることを目指した。また、LixVS2系で現れる多彩な電子相を量体化物理と巨大熱量変化材料開発という観点から物質・物性探索を行った。冷凍材料として利用可能な巨大な熱量変化を観測するには至らなかったが、巨大な熱量変化を生み出す電子相を開発し、材料について特許を取得した。
本研究で得られたLi0.33VS2における巨大エントロピー変化は、金属において生じるという特徴があり、これは従来の巨大エントロピー変化材料には見られない特徴である。金属は一般に高熱伝導度を持つことから、高熱伝導性潜熱蓄熱材料など、新しい機能性材料を実現するための道が拓かれた。また、最終年度の研究により、本研究で題材とした量体化系は高温相において既に量体化の短距離秩序を生じていることが明らかになった。このことは、高温相で秩序が既に発達していることを示しており、従来のエントロピー変化メカニズムに大きな変更を加える必要がある。このように、学術的にも社会的にも大きな意義が得られた。 -
ルテニウム酸化物の巨大負熱膨張を活用した新規熱膨張抑制剤の開発
研究課題/研究課題番号:17H02763 2017年4月 - 2020年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
竹中 康司, 竹澤 晃弘, 片山 尚幸, 岡本 佳比古
担当区分:研究分担者
結晶粒の異方的な熱変形と空隙とからなる材料組織効果により巨大な負熱膨張を発現するCa2RuO4-yについて、機能の向上と機構の解明に取り組んだ。その結果、RuをFeやSnで置換することで、負熱膨張に関する体積変化を維持しつつ、動作温度域を拡大できた。詳細な電子線回折と放射光X線回折の実験により、これまで見落とされていた単斜晶歪にともなう電子軌道の整列と融解が本質的に重要であることを示した。Ca2RuO4-yと同様の材料組織効果による負熱膨張材料としてCu2V2O7系を見出し、スプレードライ法により1 μm程度の粒径でバルクと遜色ない負熱膨張特性を示す微粒子の製造に成功した。
巨大な変位と広い動作温度域を持つ新たな負熱膨張材料の実現により、熱膨張抑制能力を飛躍的に向上できる。少量でも熱膨張を抑制でき、例えば金属の優れた特性-高い熱伝導度や加工性(切削性)-を活かしたまま熱膨張を抑制できる。広い動作温度域により、これまでは室温動作の精密機器に限定されていた用途が、宇宙空間のような極低温域を含む過酷な環境で動作する様々な機器にも広がる。本研究ではさらに1 μm程度の微粒径でもバルク体と遜色ない大きな負熱膨張を実現した。この負熱膨張微粒子は電子デバイス分野を中心に要求が高まっているマイクロメートルレベルの局所領域の熱膨張制御へ負熱膨張材料を活用することを可能とする。 -
新しい固体冷凍技術「電池冷凍」の開発
2017年4月 - 2019年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
担当区分:研究代表者
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三次元鉄ヒ化物超伝導体の創成
2015年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
担当区分:研究代表者
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二次元三角格子系バナジウム硫化物におけるスピン・軌道・電荷複合物性と新奇基底状態
2007年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金 生物物理・化学物理
担当区分:研究代表者