教養教育院 統括部 兼任教員
大学院人文学研究科

2023/04/07 更新
博士(文学) ( 1999年1月 京都大学 )
文学修士 ( 1986年3月 京都大学 )
その他 / その他 / 近世日朝関係史
その他 / その他 / 日本近世史
近世日朝関係史の研究
名古屋大学 大学院文学研究科
2021年10月 - 現在
名古屋大学 文学部
2021年10月 - 現在
名古屋大学 教養教育院統括部 兼任教員
2021年10月 - 現在
名古屋大学 大学院人文学研究科
2021年10月 - 現在
名古屋大学 大学院人文学研究科 人文学専攻 歴史学・人類学 教授
2020年6月 - 現在
名古屋大学 大学文書資料室 大学史歴史資料部門長(総長補佐)
2014年4月 - 2015年3月
名古屋大学 大学文書資料室 室長
2010年4月 - 2014年3月
名古屋大学文学研究科教授
2000年4月
国名:日本国
鳥取大学教育地域科学部助教授
1999年4月 - 2000年3月
国名:日本国
鳥取大学教育学部助教授
1995年4月 - 1999年3月
国名:日本国
鳥取大学教養部助教授
1994年10月 - 1995年3月
国名:日本国
鳥取大学教養部講師
1991年10月 - 1994年9月
国名:日本国
京都大学 文学研究科 国史学専攻
- 1986年
国名: 日本国
京都大学 文学部 史学科国史学専攻
- 1982年
国名: 日本国
史学研究会 評議員
2009年4月 - 現在
歴史科学協議会 理事
2008年4月 - 2011年11月
柳川一件における国書改竄問題 招待有り
池内敏
訳官使・通信使とその周辺 ( 7 ) 頁: 1 - 22 2023年3月
朴徳源考 査読有り
池内敏
訳官使・通信使とその周辺 ( 7 ) 頁: 47 - 65 2023年3月
「朝鮮通信使行列図」を読み直す 招待有り
池内敏
訳官使・通信使とその周辺 ( 7 ) 頁: 19 - 45 2023年3月
岡本隆編『交隣と東アジア 近世から近代へ』に寄せて
池内敏
歴史の理論と教育 ( 158・159 ) 頁: 49 - 60 2023年3月
刈谷藩元文三年一揆について 招待有り 査読有り
池内 敏
名古屋大学人文学研究科論集 ( 3 ) 2021年3月
調興・玄方・七右衛門
池内 敏
訳官使・通信使とその周辺 ( 2 ) 頁: 51 - 70 2020年9月
寛永十三年通信使と柳川一件
池内 敏
訳官使・通信使とその周辺 ( 2 ) 頁: 31 - 50 2020年9月
「海図」「水路誌」と竹島問題
池内敏
名古屋大学付属図書館研究年報 12 巻 頁: 9-23 2015年
「竹島は日本固有の領土である」論
池内敏
歴史評論 785 巻 頁: 79-93 2015年
「国境」未満
池内敏
日本史研究 630 巻 頁: 4-23 2015年
漂流と送還
池内敏
岩波講座日本歴史 20 巻 頁: 191-213 2014年
竹島領有権の歴史的事実にかかわる政府見解について
池内敏
日本史研究 622 巻 頁: 69-82 2014年
梅荘顕常と朝鮮
池内敏
JunCture 超域的日本文化研究 5 巻 頁: 38-49 2014年
以酊庵輪番制廃止論議
池内敏
名古屋大学文学部研究論集 史学58 巻 頁: 199-224 2013年3月
以酊庵輪番制と東向寺輪番制
池内敏
九州史学 ( 163 ) 頁: 4-22 2012年10月
竹島/独島論争とは何か 招待有り
池内敏
歴史評論 ( 733 ) 頁: 19-34 2011年5月
竹島/独島と石島の比定問題・ノート
池内敏
HERSETEC 4-2 巻 頁: 1-9 2010年
朝鮮通信使延聘交渉と梅荘顕常
日朝交流と相克の歴史 頁: 283-297 2009年11月
安龍福英雄伝説の形成・ノート
池内敏
名古屋大学文学部研究論集 史学55 巻 頁: 1-18 2009年3月
以酊庵輪番制考 査読有り
池内敏
歴史の理論と教育 ( 129/130 ) 2008年12月
安龍福と鳥取藩 査読有り
池内敏
鳥取地域史研究 ( 10 ) 2008年2月
隠岐・村上家文書と安龍福事件 査読有り
池内敏
鳥取地域史研究 ( 9 ) 2007年2月
*近世日本の西北境界 招待有り 査読有り
史林 90 巻 ( 1 ) 2007年1月
「「竹島/独島=固有の領土」論の陥穽」
『RATIO』 ( 2 ) 頁: 74-95 2006年
「大君外交論ノート」 査読有り
『歴史の理論と教育』 ( 122/123 ) 2006年
近世から近代に到る竹島(欝陵島)認識について 招待有り
日本海域歴史大系 4 巻 頁: 45-69 2005年9月
前近代竹島の歴史学的研究序説―『隠州視聴合記』の解釈をめぐって 招待有り
青丘学術論集 25 巻 頁: 145-184 2005年3月
「大君」号の歴史的性格 査読有り
名古屋大学文学部研究論集 51 巻 頁: 1-22 2005年3月
「「鎖国」下の密貿易と環日本海の港町」
『港町と海域世界』〈港町の世界史①〉 頁: 49-74 2005年
鳥取藩領の鋳物師と真継家の支配
鳥取地域史研究 6 巻 頁: 15-27 2004年2月
「武威」の国―異文化認識と自国認識 招待有り
日本の時代史 20 巻 頁: 197-230 2004年1月
解体期冊封体制下の日朝交渉 招待有り 査読有り
朝鮮史研究会論文集 ( 41 ) 2003年11月
異文化情報源としての漂流記 招待有り
日本海学の新世紀 2 巻 頁: 180-188 2002年3月
竹島一件の再検討 査読有り
名古屋大学文学部研究論集 史学47 巻 2001年
「鮮人」考 査読有り
歴史の理論と教育 ( 109 ) 頁: 1-16 2001年
17-19世紀鬱陵島海域の生業と交流 招待有り
歴史学研究 ( 756 ) 2001年
日本人の朝鮮観を捉える視角 招待有り
歴史評論 ( 602 ) 2000年
日本人の朝鮮観はいかにして形成されたか
池内敏( 担当: 単著)
講談社 2017年10月
絶海の碩学
池内敏( 担当: 単著 , 範囲: 全部)
名古屋大学出版会 2017年2月
竹島問題とは何か
池内敏( 担当: 単著)
名古屋大学出版会 2012年12月 ( ISBN:978-4-8158-0718-4 )
*薩摩藩士朝鮮漂流日記
池内敏( 担当: 単著)
講談社 2009年8月
『近世後期漂流民と日朝関係』
李薫(池内敏訳)( 担当: 単著)
法政大学出版局 2008年2月
*大君外交と「武威」
池内敏( 担当: 単著)
名古屋大学出版会 2006年2月
*「唐人殺し」の世界
池内敏( 担当: 単著)
臨川書店 1999年5月
*近世日本と朝鮮漂流民
池内敏( 担当: 単著)
臨川書店 1998年6月
朴徳源考
池内敏
「訳官使・通信使とその周辺」研究会(第15回) 2023年1月7日 「訳官使・通信使とその周辺」研究会
朝鮮通信使行列図を読む 招待有り
池内敏
朝鮮通信使ゆかりのまち全国交流大会対馬大会 2022年10月29日 NPO法人朝鮮通信使縁地連絡協議会
柳川一件における国書改竄問題
池内敏
「訳官使・通信使とその周辺」研究会(サブ第15回) 2022年7月7日 「訳官使・通信使とその周辺」研究会
書評:岡本隆司編『交隣と東アジア』
池内敏
「訳官使・通信使とその周辺」研究会(第13回)、名古屋歴史科学研究会5月例会 2022年5月7日 「訳官使・通信使とその周辺」研究会
神戸市博本『朝鮮人来朝行列図』は祭礼図なのか?
池内敏
「訳官使・通信使とその周辺」研究会(第12回)、名古屋歴史科学研究会3月例会 2022年3月5日 「訳官使・通信使とその周辺」研究会
「大文字の約条・小文字の書物」考
池内敏
「訳官使・通信使とその周辺」研究会 2021年11月11日 「訳官使・通信使とその周辺」研究会
柳川調興の晩年から 国際会議
池内敏
「訳官使・通信使とその周辺」研究会 2021年9月4日 「訳官使・通信使とその周辺」研究会
調興・玄方・七右衛門(補遺)
池内 敏
「訳官使・通信使とその周辺」研究会(第9回) 2021年3月26日
朝鮮通信使行列図を読む
池内 敏
「訳官使・通信使とその周辺」研究会(第8回)・名古屋歴史科学研究会3月例会 2021年3月13日
刈谷藩元文三年一揆について
池内 敏
近世史研究会9月例会 2020年9月19日 近世史研究会
「柳川一件」像の再構成 国際会議
池内 敏
「訳官使・通信使とその周辺」研究会(第6回)・韓日関係史学会 2020年8月1日
調興・玄方・七右衛門
池内 敏
「訳官使・通信使とその周辺」研究会(第5回)・近世史研究会6月例会 2020年6月13日
「柳川一件」像の再構成
池内 敏
「訳官使・通信使とその周辺」研究会(第4回)・朝鮮史研究会関東部会5月例会 2020年5月16日
訳官使における見せる/見る 国際会議
池内敏
日本史学会(韓国)夏季ワークショップ
「国境」未満
池内敏
日本史研究会2014年度大会シンポジウム
「竹島は日本固有の領土である」論 国際会議
池内敏
ソウル大日本研究所創立10周年記念国際シンポジウム(ソウル大)
To Foster Dialogue 国際会議
池内敏
韓国国際政治学会秋季釜山大会(釜山BEXCO)
梅荘顕常と朝鮮 国際会議
池内敏
台湾大人文社会高等研究院国際シンポジウム(台湾大学)
安龍福事件考 国際会議
池内敏
安龍福研究所第一回国際学術シンポジウム(韓国)
欝陵島海域の生業と交流
京都産業大学・東北亜歴史財団共同シンポジウム
朝鮮通信使が終わってのちに 国際会議
池内敏
朝鮮通信使学会2010年春季大会(韓国)
癸未信使の通訳・ノート 国際会議
池内敏
国際学術大会「1763年癸未通信使と東アジアの文化接触」(韓国・漢陽大)
安龍福事件の歴史的意義 国際会議
ソウル大学校国際シンポジウム「独島と教科書」
延享五年通信正使洪啓禧について 国際会議
第3回日韓人文科学者会議
江戸の朝鮮使節(異聞)
2016年4月 - 2017年3月
韓昌祐・哲文化財団
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
17世紀、ある鳥取藩商人の事業展開における正史と野史
2015年10月 - 2016年9月
三菱財団
資金種別:競争的資金
日本人の朝鮮観形成過程の研究
2015年4月 - 2015年10月
韓国文化研究振興財団
資金種別:競争的資金
19世紀の東アジア史と日朝関係
2003年12月 - 2004年11月
日韓文化交流基金
資金種別:競争的資金
前近代竹島の歴史学的研究序説
2001年4月 - 2005年3月
韓国文化研究振興財団
資金種別:競争的資金
朝鮮通信使行列図の再解釈―「虚構」を含む史資料の歴史的位置―
研究課題/研究課題番号:20K20717 2020年7月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
池内 敏
担当区分:研究代表者
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
現代を生きる人々が「虚構」だと信じて疑わないものが、前近代の人々にとっても「虚構」であったかどうか。このそもそも論の再検討は、これまで常識として疑われず、また連綿として継承されてきた史料解釈の方法論―すなわち一次史料こそを重視し、編さんされた二次史料の価値を低く見積もってきた研究方法にも根本的な再検討を要請することとなる。本研究は、史料に見える「虚構」を簡単に斥けるような解釈をするのではなく、「虚構」をも併せながら既存の歴史像を組み上げ直す試みをめざすものであり、それは文献史料における「エピソード」のような「虚構」の位置づけを再考することにつながる。
まず全般的には、(1)朝鮮通信使行列図として知られる画像を、既刊の図書や展示図録およびネット上で公開されているもののなかから検索して得られる限りのものを入手し、当該図の比較検討作業を行う基礎作業を行った。(2)朝鮮通信使行列図の分析を行った研究論文を、同様にして得られる限りのものを入手し、おおよそ読了して現在の研究状況を把握した。(3)朝鮮通信使行列図の歴史的性格を把握するために、朝鮮通信使・訳官使を初めとする中世末から幕末維新期に到る日朝関係史および関連する対外関係史、朝鮮史の先行研究を検討した。
上記のごとく全般的な作業を進めた上に立って、大阪府立中之島図書館所蔵の延享五年朝鮮通信使来聘図巻の検討を行った。それは、(4)この図巻に直接関係する先行研究を網羅的に収集し、(5)実際に中之島図書館で当該図の確認を行った(ただし、精細なデジタル画像での提供)。そうした作業を踏まえて口頭報告「朝鮮通信使行列図を読む」(第八回「訳官使・通信使とその周辺」研究会。名古屋歴史科学研究会三月例会と共催、2021年3月13日、オンライン開催)を行い、現在は原稿化を進めている最中である。
covid-19の影響で史料調査に出ることが長らくできなかったことが最も大きい。史料調査の代わりに文献収集に務めることで、ある程度まで必要な作業を補うことができた。しかしながら、年が明けて規制が緩和されて大阪(中之島図書館)へ出張して史料調査ができたことで、貴重な発見を得ることができた。当該研究課題の遂行にとって、かなり大きなインパクトが得られる発見であった。
2021年4月に東京都立中央図書館での史料調査ができ、ここでの調査結果を踏まえて次の展開につなげることが可能となった。今後も、様々な行動規制のもとで可能な限りの史料調査を行うことが本研究課題をきちんと進めていく上で大事である。長崎県立対馬歴史研究センターも4月から条件づきながら史料調査が再開された。その一方で、大学図書館などでは学外者の利用制限は依然として厳しい。調査の可能な機関を可能な限り訪問して実地に関連史料を閲覧・収集していきたい。
研究課題/研究課題番号:19H01306 2019年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
石川 寛, 秋山 晶則, 斎藤 夏来, 池内 敏, 服部 亜由未, 田中 隆文
担当区分:研究分担者
本研究は、自然災害の歴史分析の一環として、全国屈指の規模で治水関係文書が系統的に残る木曽三川流域を対象に、膨大かつ分散した資料の統合と体系化および共有化による研究基盤の飛躍的向上を図るものである。あわせて、統合される歴史資料を活用し、歴史学と歴史地理学の協働により、これまで資料の散在により阻まれてきた近世から近代初頭(17~19世紀)における災害と地域の関係性解明につなげることを目的とする。
本研究は、自然災害の歴史分析の一環として、木曽三川流域に残る治水関係文書の体系化と共有化による研究基盤の整備を図り、統合される歴史資料を活用して、近世から近代初頭(17~19世紀)における自然災害と地域の関係性解明につなげることを目的としている。そのため本年度は以下の調査・研究をおこなった。
流域の治水を管掌した旗本高木三家に関する資料に関して、名古屋大学附属図書館が所蔵する西高木家文書については治水関係資料のデジタル撮影に取り組むとともに、近世の治水政策を踏まえた内容分類を進めた。東高木家治水文書(個人蔵)については、宝暦治水の実施状況がわかる記録等を整理・補修し、デジタル撮影によりデータ収集をおこなうことで、現存する東高木家文書の内容把握を進めた。北高木家関係文書(個人蔵)については、仮目録データの点検を継続し、目録化にむけた準備をおこなった。名古屋市蓬左文庫が所蔵する東高木家文書については、木曽川河口新田関係絵図・笠松役所関係文書を中心にデジタル撮影を実施した。美濃の幕領を支配した美濃郡代の笠松陣屋堤方役所文書については、国役普請に関わる資料からデジタル撮影に着手し、撮影した資料をもとに詳細な目録採取を進めた。この他、輪中地域の治水関係資料の収集と整理にも着手するとともに、災害復旧に動員された諸大名文書についても治水関係文書の抽出作業に取り組み、御手伝普請関係の資料の所在を確認した。
旗本高木家および笠松陣屋に伝来した治水文書・絵図については、西高木家文書(名古屋大学附属図書館所蔵)648点、東高木家治水文書(個人蔵)470点、東高木家文書(名古屋市蓬左文庫所蔵)155点、堤方役所文書(岐阜県歴史資料館所蔵)349点を新たにデジタル撮影することができた。これまで収集した資料群の目録採取も進め、東高木家治水文書1123点、堤方役所文書2241点の目録を採取した。
輪中地域の治水関係資料として、高須輪中の豪農文書(個人蔵)の整理に着手したほか、大榑川洗堰に関する地方資料を収集した。また、近世・近代の高須輪中および木曽三川下流部文書の整理および諸大名文書の中に含まれる御手伝普請関係資料の調査に向けた準備を進めることができた。
このほか、高木家文書『御用日記 宝暦三年』の翻刻を活用できるようにデータベースを作成し、引き続き『御用日記 宝暦四年』の翻刻を進めた。
本研究は、木曽三川流域の治水関係文書について内容調査・年代比定・データ収集・デジタル撮影を進め、収集した文書群相互の関連性の分析と統一した分類項目の作成をおこない、関連文書を統合したデータベースの作成をめざす。その成果をもとに、収集蓄積された情報やデータベースを活用した研究展開をおこなう。
そのため、引き続き、近世を通じて流域の治水を管掌した旗本高木家の文書群、独自の治水仕法を生み出した美濃郡代の笠松陣屋堤方役所文書、災害復旧に動員された諸大名文書および資料館や個人が所有する流域の文書群、近世・近代の高須輪中および木曽三川下流部文書のさらなる調査・収集による資料情報の蓄積を進める。
この上で、所蔵移管および個人所有者との十分な協議、取り決めをおこない、関連文書群のデータベース化を進めるとともに、木曽三川流域史の構築に向けた共同研究を計画している。
通信使と訳官使の統合的研究―17-19世紀東アジア国際秩序と構造の視座転換―
研究課題/研究課題番号:19H01307 2019年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
池内 敏, 程 永超, 石田 徹, 片山 まび
担当区分:研究代表者
配分額:14560000円 ( 直接経費:11200000円 、 間接経費:3360000円 )
17-19世紀の日朝関係史を再検討する。その上に立って当該期の東アジア国際秩序の枠組みや構造に関わる旧来の理解を再検討し、新たな枠組みの提示を試みる。
そのために、これまで十分に活用されてこなかった対馬藩政史料等の歴史資料をきちんと読み込むとともに関連する図像・画像に含まれる文字情報をも精査する。
また、本研究の進行に際しては日本・韓国・中国および台湾の若手研究者たちと研究交流集会・シンポジウムをともにし、次世代の研究発展に資するよう努める。
科研費の採択決定ののち直ちに二人の研究分担者(以下、本科研メンバー)とともに「訳官使・通信使とその周辺」研究会(以下、「周辺」研究会)を組織し、年度内に3回の研究会を実施した。また、科研メンバー外で近世日朝関係史や朝鮮通信使およびそれに関連する対外関係史研究を行う若手研究者(日本・中国・韓国)を本科研の企画に招請した。そうした企画として、本年度は英国調査(2019年8月)、中国(復旦大学・上海)での国際シンポジウム(同9月、以下復旦大シンポ)および乍浦・寧波での現地踏査、名古屋大学での国際シンポジウム(2020年1月)を行った。また「周辺」研究会における研究発表内容のうち第1回・第2回のものは本年度の本科研報告書である『訳官使・通信使とその周辺』1号(以下、『周辺』1号)に掲載した。さらに、復旦大学で実施された国際シンポジウム報告のうち二つは、『周辺』1号に原稿として掲載した。また、英国調査・国際シンポジウム・現地踏査については『周辺』1号に彙報を載せた。
研究代表者は、第1回「周辺」研究会、復旦大シンポでの口頭発表のほか、日本史研究会近世史部会(2019年6月12日、京都)、韓日関係史学会12月例会(同12月14日、韓国・西江大学校)、九州史学会大会(同12月15日、九州大学)で口頭発表した。分担者のうち石田徹は、第2回「周辺」研究会、復旦大シンポで口頭発表した。また程永超は、復旦大シンポ、第3回「周辺」研究会のほか国際シンポジウム「歴史的転換期における東アジア国際関係の新解釈」(2020年1月12日、名古屋大学)で口頭発表した。
本科研の一年めの研究活動については、研究分担者のひとりがネット上にHPを作成して広報を行うとともに、年度末には研究成果報告書として『周辺』1号を刊行し、関連する分野の研究者に配布した。
研究実績の概要欄に示したとおり、当初の計画どおり、英国調査、復旦大シンポ、研究会の開催、研究の口頭発表および研究成果報告書『訳官使・通信使とその周辺』1号を刊行した。また、若手研究者を国際的な史料調査やシンポジウムに招くことも研究計画通りに実現した。
2020年4月半ば現在の情勢下では、国内外を問わず史料調査や大規模な研究会・シンポジウムの開催が困難と思われるので、当初計画および一年目の研究遂行状況を踏まえた展開を考えつつも、いまできることを模索しながら進めてゆかざるをえない。それは、(1)一年目に得られた成果のうち原稿化ができていないもの、未整理のものを整理して次年度以降に備えること、(2)オンライン上で検討できる史料群や本科研進行以前から収集済みの手元史料を読み込むこと、(3)科研メンバーのあいだではオンライン会議を開催するなどして意思疎通をはかること、こうしたことである。
訳官使と通信使の統合的研究―儀礼の空間とモノを媒介として―
研究課題/研究課題番号:16K13282 2016年4月 - 2019年3月
池内 敏
担当区分:研究代表者
配分額:2990000円 ( 直接経費:2300000円 、 間接経費:690000円 )
①美術作品が幕府・諸大名および外国人使節の接待にとって重要であった。とりわけ雪舟画が共通して重要視されていたという特色があった。②日朝関係史における中国文化の影響の大きさに深い留意が必要である。同様にして近世の日本人と朝鮮人の交流がともに中国文化を背景とする共感に支えられていることに留意する必要がある。③柳川一件の歴史的評価は改められる必要がある。④それらを踏まえて近世日本をとりまく東アジア国際秩序の通説的理解は改めて検討し直す必要がある。
柳川一件を経て新たに導入された以酊庵輪番制、徳川将軍を日本国大君と称すること、これらの史実をもって幕府が朝鮮外交に積極的に介入できるようになったとか、徳川将軍を朝鮮国王よりも上位に位置づける国際秩序が新たに確立した、とする通説的理解の成り立たないことが本研究を経て明瞭となった。そうである以上は、17世紀における東アジア国際秩序に関する先行研究の枠組みを再検討する必要がある。その際に、当時における幕府朝鮮外交の「政策」を具体的に知りうる諸事例を踏まえ、それら政策意図等をも併せ考えながら17世紀の国際秩序について再考と再構成が求められるであろう。
旗本高木家文書を中心とした分散資料の統合と共有化に関する研究
研究課題/研究課題番号:15H03237 2015年4月 - 2019年3月
石川 寛
担当区分:研究分担者
名古屋大学附属図書館およびその他の公的機関や個人が所蔵している高木家文書とその関連文書群について内容調査、目録採取、デジタル撮影に取り組み、文書群相互の関連性を分析して統一した内容分類項目を策定した。この作業を踏まえてデータベースを作成し、高木三家の伝来文書および三家の活動に関連して生成された地域の文書群を一体として把握することを可能とした。
本研究は、旗本高木家に伝来しながらも、現在は複数の公的機関・個人の所蔵に帰している高木家文書およびその関連文書の総合調査・整理・分析に取り組み、統一した分類項目の下、データベースを構築することで、デジタル上での統合を達成した。これにより旗本高木家文書については、現在の所有者の枠を超えた横断検索と貴重資料のデジタル画像閲覧が可能となり、学界共有の研究資源として利用できる環境を提供した。
宗教テクスト遺産の探査と綜合的研究―人文学アーカイヴス・ネットワークの構築
研究課題/研究課題番号:26220401 2014年5月 - 2019年3月
阿部 泰郎
担当区分:研究分担者
本研究は、日本に伝存する宗教文化の遺産を、テクスト学の視点と方法から綜合的に探査し、その全体像と歴史文化的文脈を解明し、アーカイヴス化して未来に継承することを目的に、諸位相の宗教テクストの探査とアーカイヴス化を遂行した。その対象は、中部地域から全国に亘る寺社・民間の宗教文献と図像・儀礼に及ぶ宗教テクストであり、その体系構造を明らかにすることを領域融合による協働により果たし、国際共同研究によりあらたな学術研究モデルの創出を目指すものである。
本研究期間内に、真福寺大須文庫のデータベース基礎構築と『中世禅籍叢刊』(全12巻)を完結させ、中世仏教における禅の再認識をテクスト研究から推進したのを始め、日本各地の寺社、民間の重要な宗教テクスト群の悉皆調査とアーカイヴス化を促進した。宗教図像と儀礼のテクスト学研究も、聖徳太子絵伝や安居院唱導文献の諸領域で、国際共同研究を行い、人間文化研究機構と連携し、四館綜合展覧会「列島の祈り」開催を通じて社会に成果を発信した。
国境未満の異文化接触/衝突/浸潤
2014年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金
近世日朝外交文書成立過程の研究
2010年 - 2013年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C),課題番号:22520664
池内 敏
担当区分:研究代表者
外交文書編纂と以酊庵輪番制―元禄竹島一件による外交折衝の変化と「外交機関」―
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)(一般),課題番号:18520491
池内 敏
担当区分:研究代表者
東アジア海域史研究における史料の発掘と再解釈―古地図・偽使史料・文学表現―
2005年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金
高橋公明
担当区分:研究分担者
竹島一件の歴史学的研究
2002年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金
池内敏
担当区分:研究代表者
日本前近代社会における下級官人の研究
2001年4月 - 2005年3月
科学研究費補助金
稲葉伸道
担当区分:研究分担者
グローバリぜーションの歴史的前提に関する学際的研究
2000年4月 - 2003年3月
科学研究費補助金
荒野泰典
担当区分:研究分担者
名大の歴史をたどる
2011
アーカイブズ学入門-文書史料の世界をあるく-
2011
歴史学
2011
遠山家伝来資料調査委員会
役割:助言・指導
岐阜県中津川市 2018年 - 現在
知立市史編纂
役割:編集, 助言・指導, 企画, 運営参加・支援, 調査担当, 報告書執筆, 寄稿
愛知県知立市 - 現在
西尾市史編纂
役割:編集, 企画, 運営参加・支援, 調査担当, 報告書執筆, 寄稿
愛知県西尾市 - 現在
鳥取市史編纂
役割:報告書執筆, 寄稿
鳥取県鳥取市 - 現在