科研費 - 杉浦 正利
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日本語母語英語学習者の第二言語処理運用能力の発達:習得から習熟へ
研究課題/研究課題番号:24K00084 2024年4月 - 2029年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
杉浦 正利, 江口 朗子, 阿部 真理子, 村尾 玲美, 古泉 隆, 阿部 大輔
担当区分:研究代表者
配分額:18590000円 ( 直接経費:14300000円 、 間接経費:4290000円 )
日本語を母語とする英語学習者が、英語を使って話したり書いたりできるようになる第二言語の習得過程に関する基礎的データ(スピーキング・ライティング・語彙サイズ)を、基礎段階の学習が一通り終わっている高校1年生から、大学生になる前の高校3年生までの3年間にわたって収集する。基礎的語彙・文法を一通り学習している習得段階から、そうした第二言語の基礎知識を使いこなすことができるようになる習熟段階への発達過程を分析することで、第二言語の処理運用能力がどのように発達するかを明らかにし、言語処理運用能力の発達理論を構築するための基礎的研究を行う。
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研究課題/研究課題番号:20H01281 2020年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
杉浦 正利, 江口 朗子, 阿部 真理子, 村尾 玲美, 古泉 隆, 阿部 大輔
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
日本語を母語とする英語学習者が、英語を使って話したり書いたりできるようになる第二言語(外国語)の習得過程に関する基礎的データを初期段階から収集し、第二言語処理能力の発達過程を明らかにする。
小学校での英語の導入後、本格的に英語を習い始める中学1年生から3年生までの3学年分のスピーキングとライティングの産出データを3年間継続して収集し、英語学習の初期段階からの横断的かつ縦断的学習者コーパスを構築し、語彙・文法・表現・構文、そして発話単位などの観点から第二言語(外国語)の習得過程を明らかにし、第二言語処理能力の発達メカニズムを説明する理論構築を目指す。
初年度は、2年度目からの本調査に向けて、タスク、調査実施方法、データ処理手順、スピーキング能力測定外部試験を検討し、本調査と同規模のデータ収集を予備調査として行った。調査対象は名古屋大学教育学部附属中学校の1年生から3年生(一学年定員80名×3学年)である。
第1回予備調査は2020年7月に実施し、スピーキングタスク・語彙サイズテスト・ライティングタスクおよびアンケート調査を行った。スピーキングタスクは、コンピューターを使いタスクを実施し録音まで行えるプログラムを開発し、問題なくデータ収集が行えることを確認した。ライティングは、紙を使用することとした。収集した産出データは、CHILDESのCHATフォーマットに基づき、コーパスデータ化することとし、作業マニュアルを作成し、データ化を行った。1回の調査で、3学年すべて合わせて、スピーキングデータで約3万5千語、ライティングデータで約1万7千語の収集ができた。
中学生のスピーキング能力の測定を行うことができる外部試験を検討し、TOEFL Primary Speaking Testを選定し、2021年1月に3学年で実施し、適切に実施できることを確認した。
第1回予備調査の実施経験を踏まえて、スピーキングタスクを改良し、オリジナルのイラストを使い、1)4コマ漫画に従い話を述べる、2)意見や考えを理由とともに述べる、3)指示されたトピックについて説明と質問をする、という3種類のタスクを、6セット分(年2回×3年分)開発した。そのうちの1回分を使用し、2021年3月に本調査と同規模の第2回予備調査を行った。
また、同じ3月に、他の中学校の協力を得て、少人数ながら6セット分すべてについて、中学1年生から3年生に実施し、本調査での実施上の問題がないかどうか、および、個々のタスクにより偏りがないかどうかを確認する調査を行った。
初年度の計画は、スピーキングとライティングのタスクを開発し、予備実験をして、産出状況を確認し、改善を重ね、タスクを完成させ、データ収集の方法を確立することであった。
スピーキングタスクは、7月の第1回の予備調査結果を踏まえ、タスクを改善し、オリジナルのイラストを使った3種類のタスクを6セット分開発することができた。また、そのうち1セットを使い第2回目の予備調査を行い、スムーズにデータ収集が行えることを確認し、データ収集の方法を確立できた。
ライティングタスクは、 ETSのCriterionで提供されている英語母語話者の小学校4年生の作文評価課題をわかりやすく日本語で同じ内容の作文ができるようにし、第1回と第2回の予備調査で紙に解答を書いてもらう形で実施し、ライティングタスクとして実施可能であることを確認できた。ただし、実施時間の制約上、書く時間が5分から7分と短いことと、小学校4年生とはいうものの母語話者の産出量は多く、中学生でも第二言語としての英語では、同じ評価基準では、適切にスコアが出ないことが分かり、ライティングの評価については今後の検討課題となった。
スピーキングデータ収集プログラムの開発については、プログラミング言語HSPを使い、オリジナルのComputer-based Speaking Testを実施できるプログラムを開発した。第1回予備調査の後、改善を重ね、第2回の予備調査で、新しいタスクでもスムーズにスピーキングテストを実施できることを確認できた。
さらに、産出データのコーパス化に必要な、データ収集後のデータ処理についてもマニュアル化を行い、第1回予備調査での収集データの処理も完了し、学習者コーパスの構築の準備ができたといえる。これだけスムーズな予備調査および本調査の準備ができたのもひとえに名古屋大学教育学部附属中学校の協力があってこそである。
来年度は、本調査の初年度であり、本年度の予備調査に基づき作成したタスクセットを使い、学習者コーパスデータを収集するとともに、本年度の予備調査で収集したデータを使用し、横断的に中学1年から3年までの発話データと作文データを、語彙サイズテスト結果及びTOEFL Primary Speaking Test (TPST) のスコアと比較しながら、分析を行う。
まず、今回開発した6セット分のスピーキングタスクの実施結果の分析を行い、年2回3年分のタスクに偏りがないようにタスクのセットを決定する。次に、第2回予備調査のデータの書き起こし・整形作業を行い、コーパスデータ化する。
スピーキングデータの収集は、第1回目を7月上旬、第2回目を1月中旬に行う予定である。スピーキング能力の外在指標としての TPST は、12月上旬に行う予定である。また、語彙サイズテストは、第1回目のスピーキングデータ収集時に行い、ライティングデータの収集は、第2回目のスピーキングデータ収集時に行う。
データの収集と並行して、本年度行った2回の予備調査から得られた中学1年から3年までのデータを横断的に各学年間の比較をするとともに、7月に収集したデータと3月に収集したデータとの縦断的変化の分析を行う。分析については統語発達の指標および語彙サイズテスト結果と TPST スコア、そして、Criterionの評価結果などを学習者要因を考慮に入れて比較検討するとともに、発話単位の分析や構文の複雑性を表す指標の開発などに取り組む。
本調査を3年間継続して行うことで、1年生から3年生までの横断的データ3年分、および、一学年(定員80名)分の3年にわたる縦断的データを収集し、英語学習の初期段階の学習者コーパスを構築する。学習者コーパスの構築と並行して、各年度でそれまでに蓄積されたデータの分析も行っていく。 -
第二言語における統語情報の予測処理に関する基礎的研究:視線逆行運動に焦点を置いて
研究課題/研究課題番号:21K00799 2021年4月 - 2024年3月
日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(C)
石田 知美
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
( 直接経費:834000円 )
英語学習者は、ある単語の後にどの単語がくるかという語のつながりや次にどのような文法構造がくるかを予測することが瞬時にできるか否かを、英文を読むときの視線の動きを計測することによって明らかにする。日本人英語学習者が、英文読解時に次々にインプットされる文法構造を予測できれば、特定の英単語に長い時間視線を注ぐことも、戻り読みする回数も少ないと予想される。さらに、英語母語話者と日本人英語学習者の違いは、英語力や英語にどれだけ触れているかが要因となって起こるのか検証する。
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構文部分木頻度の確率的情報に基づく第二言語習得理論構築のための基礎的研究
研究課題/研究課題番号:16H03444 2016年4月 - 2020年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
杉浦 正利
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:15340000円 ( 直接経費:11800000円 、 間接経費:3540000円 )
8週間にわたる縦断的学習者コーパス(245名分、1,836エッセイ、約36万語)を構築し、エッセイ評価の上昇に影響する要因を分析し、総語数や節数などが影響を与えることを確認した。コーパスより構文部分木を抽出し、平均統語距離を調べた結果、母語話者に比べ学習者の部分木は統語的複雑性が低いことが明らかになった。構文知識を学習者も持っているかどうかを視線計測実験で調べたところ、二重目的語構文については母語話者と同様に持っていることを示唆する結果が得られた。言語処理の基本単位として構文部分木を使うことにより、第二言語処理能力の発達過程を包括的に説明できる可能性を確認した。
約36万語の縦断的学習者コーパスを構築できたことは第二言語習得研究の基礎的データとして研究分野に貢献するものである。また、複雑性を表す言語的特徴としてこれまで平均文長等が使われてきたが、複雑性の結果としての「長さ」ではなく、理論的に複雑性そのものを表す平均統語距離(MSD)を新たに考案した点も重要である。MSDを使い、コーパスから抽出された構文部分木の複雑性を測り、学習者の言語処理が「浅い」ことを実証できた。視線計測実験により、学習者も構文知識を使っていることを実証できたことも意義深い。今後、構文部分木の重要性を生かし、高頻度構文部分木リストが開発されることにより、教育面への貢献も期待できる。 -
遷移確率に基づく第二言語処理能力発達理論構築のための基礎的研究
2012年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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第二言語習得における処理単位に関する基礎的研究
2009年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
杉浦 正利
担当区分:研究代表者
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第一言語としての日本語発達指標の開発と言語発達障害への適用
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究B(2)
宮田 Susanne
担当区分:研究分担者
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英語学習者のコロケーション知識に関する基礎的研究
2005年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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学習者コーパスに基づく英語ライティング能力の評価法に関する研究
2005年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
成田真澄
担当区分:研究分担者
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自然言語処理技術を応用した 英語学習者の誤用に関する包括的かつ体系的分析
2004年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
本研究では、書きことばと話しことばに関する英語学習者の産出データを大量に収集し、各文に英語母語話者による「書き換え文」を付けた上で、自然言語処理技術を応用し「誤り」や「不自然な表現」をコンピューターを使い自動的に抽出・解析・分類し、その特徴を英語教育の専門家が分析することで、英語学習者の中間言語体系全般にわたるエラーの全体像を明らかにすることを目的としている。
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大規模コーパス研究に基づく英語学習者用例文コーパス構築と用例の適切性判断サービス
2001年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
木下 徹
担当区分:研究分担者
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日本語学習辞書編纂に向けた電子化コーパス利用によるコロケーション研究
2001年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
大曾美恵子
担当区分:研究分担者
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なぜ英語母語話者は英語学習者が話すのを聞いてすぐに母語話者ではないとわかるのか
2001年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)(2)
担当区分:研究代表者
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言語獲得研究のための文献目録データベース
2000年4月 - 2002年3月
科学研究費補助金 研究成果公開促進費・データベース
大野清幸
担当区分:研究分担者
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日本語獲得および第二言語習得における言語発達指標の開発と日英対照言語発達研究
2001年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
大伴 潔
担当区分:研究分担者
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普遍的言語発達指標開発のための日英語の習得比較研究
1999年4月 - 2001年3月
科学研究費補助金 国際学術研究
白井英俊
担当区分:研究分担者
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第二言語習得研究のための英語学習者コーパスの構築とその利用
1997年4月 - 2000年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
朝尾幸次郎
担当区分:研究分担者
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談話研究のための談話データの電子化の標準化と解析ツールの開発
1997年4月 - 2000年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
白井英俊
担当区分:研究分担者
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インターネットでの英語による情報発信支援システムの開発
1997年4月 - 1999年3月
科学研究費補助金 奨励研究(A)
担当区分:研究代表者
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インターネット用日本人英語学習者向けオンライン辞書の試作開発
1996年4月 - 1997年3月
科学研究費補助金 奨励研究 (A)
担当区分:研究代表者
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日本語学習者の作文コーパス:電子化による共有資源化
1996年4月 - 1999年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
大曾美恵子
担当区分:研究分担者
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マルチメディアと通信を利用した日本語学習支援ツールの開発
1995年4月 - 1998年3月
科学研究費補助金 試験研究 (B)
斎藤洋典
担当区分:研究分担者
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インターネットを利用した語学教育
1995年4月 - 1996年3月
科学研究費補助金 総合研究(B)
尾関修治
担当区分:研究分担者
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第二言語としての日本語の係り受け距離に基づく統語発達指標の研究
研究課題/研究課題番号:24K04011 2024年4月 - 2029年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
小森 早江子, 杉浦 正利
担当区分:研究分担者
本研究は、第二言語としての日本語の係り受け距離に基づく統語発達指標に関する基礎的研究である。日本語学習者の統語発達をデータに基づいて検討し発達過程を分析する。統語の複雑さの研究の指標として語と語の係り受け関係を示すMDD(平均係り受け距離)や、統語構造の階層性から複雑性を測るMHD(平均階層距離)などの係り受け距離に基づく指標の有効性を検証する。学習者の発達過程は個人差が大きく、横断データでの調査には限界があるため3年間の縦断調査を実施して、個々の学習者の言語発達過程を詳しく観察し一般化線形混合モデル(GLMM)などの分析手法で解析して、日本語統語運用能力の発達と統語発達の指標の関係を分析する。
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マルチモーダル刺激の統合処理と外国語学習への効果 -眼球運動とMRI実験に基づく考察-
研究課題/研究課題番号:24K00088 2024年4月 - 2028年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
梶浦 眞由美, 石田 知美, Jeong Hyeonjeong, 古泉 隆, 杉浦 正利
担当区分:研究分担者
外国語学習において、動画キャプション等、様々な感覚から情報を得るマルチモーダルな刺激入力は、情報量が多く予測誤差が小さいため、理解や習得が促進されるとする一方、ワーキングメモリ(WM)に負荷がかかり過ぎ、同時に処理しきれず、習得に繋がらない可能性も示唆されている。本研究の目的は、マルチモーダル入力の効果に影響を与える要因を探索し、効果的なマルチモーダル情報の提示方法や外国語学習への応用の仕方を、トレーニング実験、視線計測実験、MRI実験から検討することである。さらに情報を瞬時に取捨選択し処理するWM実行機能に関連した複数刺激処理モデルを構築することにも取り組みたい。
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研究課題/研究課題番号:23K20097 2020年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
杉浦 正利, 阿部 大輔, 江口 朗子, 古泉 隆, 村尾 玲美, 阿部 真理子
担当区分:研究代表者
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
日本語を母語とする英語学習者が、英語を使って話したり書いたりできるようになる第二言語(外国語)の習得過程に関する基礎的データを初期段階から収集し、第二言語処理能力の発達過程を明らかにする。
小学校での英語の導入後、本格的に英語を習い始める中学1年生から3年生までの3学年分のスピーキングとライティングの産出データを3年間継続して収集し、英語学習の初期段階からの横断的かつ縦断的学習者コーパスを構築し、語彙・文法・表現・構文、そして発話単位などの観点から第二言語(外国語)の習得過程を明らかにし、第二言語処理能力の発達メカニズムを説明する理論構築を目指す。
本年度は、本調査2年目のデータ収集及びデータ整形を進めるとともに、主に三つの分析を行った。
データ収集は、昨年同様、年二回の調査とTOEFL Primary Speaking Testを行った。語彙サイズテストは第1回目に、ライティングデータの収集は第2回目に合わせて行った。
分析は、まず、分析ツールとして第一言語としての英語の統語発達研究で使用実績のあるIPSynを使って第二言語習得の発達を測定できるかどうかを検証した。第1回予備調査で収集した中学1、2、3年生のデータを横断的に分析した結果、学年間で有意なスコアの伸びを観察することができた。また、名詞句、動詞句、疑問・否定、構文の4つの下位区分のうち、動詞句がスコアの伸びに最も大きく寄与し、名詞句は有意な影響がないという結果を得た。(LCR2022で発表)
次に、話し言葉と書き言葉とで発達に違いが見られるかどうかを、第2回予備調査で収集した話し言葉データと書き言葉データを対象にIPSynで分析し比較した。その結果、スコアは全体的に話し言葉の方が高かったが、発達の傾向に違いは見られなかった。(JSLS2022で発表)
統語発達の分析に使用したIPSynは、もともと第一言語としての英語の統語発達研究用に開発された。それによって第二言語としての英語の発達も観察できることは確認できたが、第二言語習得研究分野独自の処理可能性理論(PT)に基づいて第二言語としての英語の統語発達を観察するために、PTで言語発達のステージ判定に使われている言語特徴を基にIPSynのプログラムの改良を試みた。この改良版IPSynプログラムを使い第1回本調査で収集した発話データを対象に分析した結果、スピーキング能力の発達を説明するモデルとして使用できる可能性があることが確認できた。(JSLS2023で発表予定)
年2回のデータ収集及びTOEFL Primary Speaking Testは無事完了できた。整形済みデータの分析も3種類実施でき、それぞれ、国際学会で発表(予定)できた。特に、処理可能性理論に基づいた言語特徴を使った独自の定義ファイルの開発は他には類を見ず、研究分野に対する大きな貢献といえる。そうした大きな進展があった一方で、データの整形に時間がかかり、縦断的な分析が実施できていない点はマイナス点である。総合的に見て、おおむね順調に進展していると判断される。
予定通り、来年度、本調査3年目のデータ収集を行い、データの整形作業をすすめる。データの整形作業に時間がかかっている点は、より多くの大学院生に協力を求めることで解決したい。
分析面では、改良版IPSynの観察項目を増やす等の手立を使い分析精度を上げ、研究の精緻化を図っていきたい。それとともに、縦断的な分析を行うことと、独自の平均統語距離という観点から、統語単位の複雑さと統語発達の関係を分析していきたい。