科研費 - 依田 憲
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代表
2012年4月 - 現在
科学研究費補助金 若手研究(A)
担当区分:研究代表者
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分担
2012年4月 - 現在
科学研究費補助金 基盤研究(A)
担当区分:研究分担者
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代表
2013年4月 - 現在
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
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代表
2002年4月 - 2003年3月
科学研究費補助金 特別研究員奨励費
担当区分:研究代表者
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分担
2013年4月 - 現在
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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バイオロギングと物理モデリングを統合した鳥衝突リスク評価手法の開発と実用性の検証
研究課題/研究課題番号:24K03090 2024年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
後藤 佑介, 水谷 友一, 依田 憲
担当区分:研究分担者
洋上風力発電は脱炭素社会を実現する上で高いポテンシャルを持つエネルギー源と して注目される一方で、鳥類が風車のブレードに衝突する「バードストライク」が多発して いる。そのため、再生エネルギーの普及と生態系保全の両立を図る上で、洋上風発建設予定地域における鳥の衝突リスクの汎用的な評価手法の確立が強く求められている。本研究は最先端のバイオロギング技術を用いた海鳥の行動計測と鳥の飛行の物理法則に基づいた数理統計モデルを組み合わせることで、種や場所を選ばずに、海上風の分布を海鳥の分布に変換するハザードマップ関数の構築を目的とする。
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飛翔性動物の流体内移動分散モデルの開発とそれに基づく新しい生態系管理技術の構築
研究課題/研究課題番号:22H00569 2022年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
依田 憲, 飛龍 志津子, 山本 誉士, 吉田 聡, 山本 麻希, 塩見 こずえ
担当区分:研究代表者
配分額:41730000円 ( 直接経費:32100000円 、 間接経費:9630000円 )
人間社会と野生動物の距離が近づくにつれ、動物の移動分散に伴って生じる様々な生態系問題(獣害や風発衝突など)を包括的に解決するアプローチが強く求められるようになってきた。本研究ではこの要求に対して、解決の難しい問題を現在抱えている飛翔動物(鳥とコウモリ)の移動分散を最先端の動物搭載型センサを用いて追跡し、高精度・高解像度の移動情報と風況データを統合するモデリングとシミュレーションを実現して、生物移動予測の基盤技術を高度化する。
人間社会と野生動物の距離が近づくにつれ、動物の移動分散に伴って生じる様々な生態系問題(獣害や風発衝突など)を包括的に解決するアプローチが強く求められるようになってきた。本研究ではこの要求に対して、解決の難しい問題を現在抱えている飛翔動物(鳥とコウモリ)の移動分散を最先端の動物搭載型センサを用いて追跡し、高精度・高解像度の移動情報と風況データを統合するモデリングとシミュレーションを実現して、生物移動予測の基盤技術を高度化する。本年度は機材調達の後、新潟県で育雛するオオミズナギドリと青森県で育雛するウミネコに対して、ロガーの取り付けを行った。また、沖縄のオオコウモリに対してバイオロギングによる採餌移動経路の記録も行い、季節や成熟度による夜間移動の違い等に関して分析を行った。解析と論文発表に関しては、ヒトが作り出す移動経路(ヨットレースの経路)と、ワタリアホウドリの移動経路のデータを扱い、ミクロの力学的共通性がマクロの移動経路の相似形を生み出すことを示した論文を発表した(Goto, Yoda et al. PNAS)。まず、アホウドリとヨットの移動経路の多様性と類似性(直線的にゴールに向かうこともあれば、大きくジグザグに進みながらゴールに向かうこともある)を指摘した。次に、GPSデータを解析し、風に対してどちらに向かえばどの程度の速さで飛べるかという、風に対する速度性能が類似していることを示した。さらに、この速度性能の類似性が、マクロスケール(500km)の移動経路の類似性を生み出すことを示した。言い換えると、ヨットもアホウドリも、ゴールへ到着する時間を最小化していることが示された。さらに、海鳥の移動データから推定された風を同化し、風況の解析及び台風位置推定への影響を調査した結果、鳥データを加えることで台風中心気圧の予測に高い再現度をもたらすことが確認された。
鳥類、コウモリ類ともに、当初の計画以上に行動データを得ることができた。さらに、飛翔動物と風に関する解析も、統計モデルやデータ同化などの異なる方面から進行している。特に、過去に発見した、オオミズナギドリが台風の目に向かうことを明らかにした研究(Lempidakis, Yoda et al. PNAS 2022)を発展させ、GPSと加速度データを用いた解析から、台風の中でどのようにオオミズナギドリが飛翔しているかについての理解が進展した。また、飛行に働く力学的な制約がマクロスケールの移動経路を生み出す要因であることを明らかしたことは、当初目的の一つである複数の時空間スケールを繋ぐことに成功したことを意味する。また、成果の一部をトップ誌(Proceedings of the National Academy of Sciences)に発表することができた。これらを鑑みて、おおむね順調に進んでいると判断した。
野外行動データの取得に関してはおおむね順調に進んでいるため、引き続き野外実験を行っていく。また、得られたデータの解析をさらに進めていく。
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目的達成のために、本年度は機材調達の後、1) 野外生態調査:海鳥とコウモリに超小型ロガーの装着を行い、行動、生態、環境情報を取得する。環境情報の取得には、衛星リモートセンシングや現場観測等も併用する。動物装着型GPSには、AxyTrek(テクノスマート、イタリア)やPinpointtag(Lotek wireless社、UK)などを使用する。新潟県で育雛するオオミズナギドリと青森県で育雛するウミネコに対して、データロガーの取り付けを行う。親鳥が巣にいるときに捕獲し、装置を装着、放鳥する。約1ヶ月後に再度捕獲し、装置を回収する。また、繁殖期終了間際に電波発信型GPSの装着を行い、渡り・越冬に関する移動データを得る。野生のコウモリ(オオコウモリ)に対してGPSロガーを装着して数日から数週間後に回収、夜間の採餌移動生態を調査する。2) 経路解析、映像解析、GIS解析、状態空間モデルなどを用いて、得られたデータを解析する。海鳥の移動データから推定された風を同化し、台風の解析および予測の精度への影響を調査する。 -
多次元バイオロギングによる野生動物のナビゲーションの多階層的理解
研究課題/研究課題番号:21H05294 2021年9月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
依田 憲, 山本 誉士
担当区分:研究代表者
配分額:119990000円 ( 直接経費:92300000円 、 間接経費:27690000円 )
複雑に変化する自然環境下において、野生動物はどのように外的・内的情報を抽出・処理して階層ナビゲーションを行うのか?本研究では、この学術的問いに対して、野生動物の中でも特に機動力に優れた大型の鳥類と哺乳類を対象として、行動や情報処理にかかるコストや、行動による利益を実測して、階層ナビゲーションを支える行動ダイアグラムを解明する。
本計画研究では、野生動物の中でも特に機動力に優れた大型の鳥類と哺乳類を対象として、行動や情報処理にかかるコストや、行動による利益をバイオロギングにより実測して、階層ナビゲーションを支える行動ダイアグラムを解明する。本年度は、夏から秋にかけて海鳥類の野外調査を行い、新潟県粟島で繁殖するオオミズナギドリの成鳥79羽にGPSや加速度などを記録するロガーを装着した。さらに、青森県蕪島に生息するウミネコの成鳥44羽と巣立ち幼鳥23羽にGPS等を記録するロガーを装着し、成鳥36羽と幼鳥23羽からは年間を通した長期データを得ている。また、海鳥類の陸上・海上での活動をドローンから映像記録することによって、個体数の推定や群れ移動についてのデータを得た。バイオロギングデータの解析に関しては、ドローンにより定点観測している領域から移出入する個体をバイオロギングデータから推定し、状態空間モデルを用いて統合することによって総個体数を推定する手法を開発した。また、海鳥類から得られたGPSデータから、ミクロスケールに働く力学的な飛翔制約が、数100kmのマクロスケールで表出する移動経路をつくりだすことを明らかにした。研究領域内の融合研究の代表的な成果としては、A01班と行った磁力制御環境下での海鳥の神経活動計測、A02班と行ったχ(カイ)ログボット(AIロガー)による自由活動下の海鳥への行動介入、異常値検出ログボットを用いた鳥類の新奇行動の発見などが挙げられる。成果の一部をまとめ、学会発表及びトップ国際誌での論文発表(PNAS、Nat Comm、Anim Behav等)を行った。
鳥類に関しては、当初の計画以上に行動データを得ることができた。特に海鳥類に関しては、100羽以上から行動データを取得することができ、既に開始しているビッグデータ解析に用いていく。また、これまでは別個に用いられてきた、ドローンによる映像データと、バイオロギングデータを、状態空間モデルで繋ぐ新手法の開発に成功した。先端的な計測・解析手法を組み合わせることにより、生態学における新しい技術的展開が期待できる。さらに、A02班と行ったχ(カイ)ログボットは予想以上の進展を遂げており、異常検出機能や介入機能などの新機能を搭載することに成功し、フィールドでの実証実験を行うことができた。また、当初目標の一つであった、ミクロスケールの力学的制約が、マクロの移動経路を表出させることを示すことができた。さらに、成果の一部をトップ誌(Proceedings of the National Academy of Sciences)に発表することができた。これらを鑑みて、おおむね順調に進んでいると判断した。
野外行動データの取得に関してはおおむね順調に進んでいるため、引き続き野外実験を行っていく。また、既に開始している、新型ロガー(χログボット)の開発とフィールドでの稼働、および得られたデータの解析(A02班との共同)をさらに進めていく。
(1) バイオロギングシステム開発:A02班と共同して、AI搭載ロガーの開発を進める。R6年度は、野生動物が何をトリガーにして行動を変化させるのか、環境と行動の間の因果関係を明らかにするため、R5に続き介入機能を搭載したχログボットの開発を進める。具体的には、任意のタイミングで捕食者の音声を再生し、鳥の行動変化(GPS、加速度)と映像を記録する機能を実装する。(2) バイオロギングシステム稼働:鳥類や哺乳類に対して、χログボットと加速度GPSロガーの装着を行い、階層ナビゲーションに関わる外的・内的要因とその因果関係について明らかにする。また、R5に完成した、加速度を常時作動させておき、異常値を検出した際に映像記録を開始するログボットを使い、新奇行動の記録を行う。さらに、鳥類集団をドローンで撮影し、そこにバイオロギングデータを組み合わせることで、個体群構造や集団ナビゲーションを推定する。(3) 階層ナビゲーション解析:(2)で得られたデータに加え、これまでに得られている移動データをA02班と共同して解析する。ストレスや性格などの内的要因と、海洋環境などの外的要因、そして生物ナビゲーションとの関係を明らかにする。また、要因間の関係をパス図や数理モデルとして記述し、強化学習や逆強化学習の枠組みを当てはめることで、動物がどの程度周囲の環境を把握しているのか等を推定する。さらに、個体や群れの離散集合過程や資源の獲得過程を対象として、個体間インタラクションのモデル化を行う。群れの形態・状態変化における条件や予測を行うモデルを構築し、階層構造としての個体と群れの理解を目指す。 -
研究課題/研究課題番号:21H05293 2021年9月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
橋本 浩一, 依田 憲, 飛龍 志津子, 高橋 晋, 西森 拓, 前川 卓也, 藤井 慶輔, 牧野 泰才, 川嶋 宏彰
担当区分:研究分担者
本領域では、移動を中心とした個体レベルの活動をナビゲーション、その上位にあたる集団活動をインタラクション、階層性をもつ両者をまとめて階層ナビゲーションと呼ぶ。階層ナビゲーションはヒトを含む生物の行動の本質であり、生物社会と人間社会を支える基本的なしくみである。本領域では、ヒトを含む生物の行動が関わる諸問題を解く方法論と技術を根底から変え、階層的生物ナビ学と名付けた新しい学問分野を創設する。
(1) 領域運営協議:領域会議(6月12-13日、80名参加)を東北大学で対面で開催し、計画班と公募班が参加・発表した。また計画研究代表者による領域運営会議を開催し(計11回)、領域全体としての計画や実施方法などを議論した。
(2) 技術的支援:A01依田G、飛龍G、A02橋本G、前川Gの共同研究を支援し、装着型ログボットの開発を行った。公募班 A01坂本Gへ海洋生物用ログボットを2台提供し、室戸市廃校水族館のウミガメを用いて事前実験を行った。その他にも、A02藤井Gが中心となり、2021年に発表した複数動物の移動データから相互作用の規則を推定する方法や軌道予測により行動をモデル化する方法を計画班や公募班に提供し、共同研究を開始した。
(3)融合的若手研究者育成支援:領域勉強会を計9回実施し(のべ約400名参加)、シニアと若手による発表を行った。また、領域主催の国際シンポジウム(3月11-12日83名参加)を東京大学で行い、海外から著名な研究者を招いての研究交流を行った。
(4) 各分野の学会への組織的な展開:国内学会においてオーガナイズドセッションを実施し(第66回自動制御連合講演会、20名)、またアユの複数個体追跡国際コンペティション(Fish Tracking Challenge 2024、9名登録)を開催した。
(5) 広報活動:分野融合的な取り組みの成果アウトリーチのため、領域ウェブサイトの構築・公開、論文出版のプレスリリース、ニュースレター発行などを行った。またオーガナイズドセッションの実施など、領域外への広報活動を積極的に展開した。
(6) 国際活動支援:国際活動を支援するため、領域内の若手研究者や大学院生の海外派遣を計4件,支援した(北米(アラスカ)14日、北米(シアトル)10日、中国(香港)14日、北米(シアトル)5日)。
計画班・総括班としての統合的な取り組みの成果として、前年度に引き続き新しいχログボットを用いた計測、またサイバー班とフィジカル班の間でさまざまなデータ分析手法の共有が順調に進展した。多様な動物に対する階層ナビゲーションの数理モデルや機械学習モデルを作成して計画班・公募班に提供するなど、領域の活動を活性化する様々な共同プロジェクトを引き続き展開した。
総括班を中心として以下の項目に取り組み、第2期公募班にも広げる。
(1) 領域運営協議:計画研究代表者による領域運営会議を開き、領域全体としての計画や実施方法などに関して議論する。なお、領域運営会議は、領域会議や若手育成イベントと併せて適宜開催する。オンサイトでの会合の機会を増やしつつ、オンラインの会合も適宜交えながら、効果的な交流を促進する。 (2) 技術支援班:より高度かつ幅広い融合研究を実施するため、これまでに提供してきた技術を下記の通りさらに進展させる。A02橋本:刺激によるフィードバック介入装置を備えるχログボット開発・提供。A02藤井:解釈可能なルール・学習融合モデルや強化学習手法の開発・提供。A02西森:微小RFIDタグを利用した社会性昆虫の全個体行動自動計測システムの精度向上。A02牧野:各種動物の行動介入に適用可能な超音波刺激装置、二次元通信システムの開発・提供。A02前川:人工知能搭載介入ロガーのための行動認識プログラムの提供および深層学習を用いた軌跡分析のプラットフォームおよび、実験動物(マウスおよび線虫)のリアルタイム姿勢トラッキングプログラム提供。A02川嶋:映像中の複数個体追跡ツールや群れの指標開発・情報提供。 (3)融合的若手研究者育成支援班:若手育成イベントや基礎知識勉強会、弟子入り支援を引き続き実施する。 (4)学術企画班:対面での領域会議を6月末に名古屋大学で開催予定である。 (5)広報活動班:これまでと同様に広報活動(ウェブ、ニュースレター、アウトリーチ講演など)を積極的に進める。また、英語による専門書の執筆を進め、本年度末を目途に初稿を完成させる予定である。 (6)国際活動支援班:領域内の若手研究者や大学院生の海外派遣を支援する。 -
鳥類の脳サイズと移動生態の進化的繋がり:種間および種内での比較解析による検証
研究課題/研究課題番号:21H02557 2021年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
塩見 こずえ, 河部 壮一郎, 依田 憲
担当区分:研究分担者
本研究の基盤となる問いは、脊椎動物の脳の進化過程において脳サイズの増加を駆動した機能的要因は何か、である。海鳥をモデルに「移動に関わる認知能力の必要性が脳サイズの増加を促進した」という仮説を検証することを目的とする。脳形態と移動パターンを種間および種内で比較し、脳サイズと移動生態の進化的な繋がりを明らかにすることを目指す。
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鳥類の脳サイズと移動生態の進化的繋がり:種間および種内での比較解析による検証
研究課題/研究課題番号:23K21336 2021年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
塩見 こずえ, 依田 憲, 河部 壮一郎
担当区分:研究分担者
本研究の基盤となる問いは、脊椎動物の脳の進化過程において脳サイズの増加を駆動した機能的要因は何か、である。海鳥をモデルに「移動に関わる認知能力の必要性が脳サイズの増加を促進した」という仮説を検証することを目的とする。脳形態と移動パターンを種間および種内で比較し、脳サイズと移動生態の進化的な繋がりを明らかにすることを目指す。
本研究の基盤となる問いは、脊椎動物の脳の進化過程において脳サイズの増加を駆動した機能的要因は何か、である。そして本研究では「移動に関わる認知能力の必要性が脳サイズの増加を促進した」という仮説を、海鳥をモデルに検証することを目的とする。具体的には海鳥類の移動経路と脳形態について、1) 過去に取得したデータとオープンデータベースを活用した大規模種間比較解析と、2) 野外での実験・ 計測による種間、個体群間および個体間でのより詳細な比較解析を実施し、脳サイズと移動パターンの繋がりを明らかにすることを目指す。 2023年度の研究では、下記の成果を得た。
新潟県粟島で繁殖するオオミズナギドリ(Calonectris leucomelas)および青森県蕪島で繁殖するウミネコ(Larus crassirostris)を対象に、GPSデータロガーを装着して採餌トリップ中の移動経路を記録した。そして移動パターンを種間比較する前段階として、過去の調査で取得したデータを用いて種ごとおよび個体群ごとの移動経路解析を進めた。また、前年度までの調査で取得したオオミズナギドリの頭部μCT画像を用いて脳形態の解析を進めるとともに、若齢個体の標本を新たに入手してμCTデータを追加した。以上の解析で得られた結果を、学術論文および学会で発表した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。 -
海鳥を標準デバイスとした海洋汚染リスクの広域マッピング法の開発
研究課題/研究課題番号:19H01157 2019年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
綿貫 豊, 依田 憲, 石塚 真由美, 力石 嘉人, 高田 秀重
担当区分:研究分担者
大気・海流により拡散する汚染物質は深刻な問題である。しかし,従来の手法による広範囲の汚染物質測定は現実的ではない。海鳥は生物学的ホットスポットで採食し,食物連鎖により汚染物質を体組織に濃縮して繁殖地に戻る。本研究は,海鳥の多数個体の移動を通年追跡し、その体組織の汚染物質濃度を個体の利用場所に関連づけることで生物多様性・資源保全に資する,広域スケールの汚染マップを作る。
海鳥を使って汚染外洋における汚染マップを作製するため,オオミズナギドリ多数個体の越冬場所を特定し,尾羽根の水銀と尾腺ワックスの残留性有機化合物POPsを測定し,その標準化手法を探索した.各個体は,太平洋西部低緯度で,毎年同じ狭いしかし個体間では異なる場所で越冬した.水銀濃度には,アミノ酸別窒素安定同位体比で測った栄養段階の効果はなかったが,オスがメスより高く,これを補正してマップ化すると,水銀汚染は南シナ海で高く沿岸域で高い傾向が示されるとともに.POPsも南シナ海越冬個体で高く,汚染の進行がうかがえた.
海洋の持続的利用のため,外洋の海洋保護区での人間活動影響をモニタリングする必要がある.我が国で最も繁殖数が多い海鳥種の移動を周年追跡して,太平洋西部熱帯の国際水域において,その越冬海域と特性をより多くのサンプルで明らかにできたので,高次捕食者トラッキングデータを外洋域の海洋保護区設定に役立てようとする世界的試みに貢献できる.本研究では,海鳥を繁殖地で調査するだけで,バイアスを補正して,遠く離れた外洋域のメソスケール分解能の汚染マップをつくることができた.これらにより,海鳥を使っての海洋保護区の提案にくわえ、同時にその海域の汚染モニタリングを可能とする技術を提供できる. -
多次元バイオロギングによる鳥類・魚類の長距離ナビゲーション行動の包括的理解
2016年7月 - 現在
科学研究費補助金 新学術領域研究
担当区分:研究代表者
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研究課題/研究課題番号:16K21735 2016年6月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
橋本 浩一, 木村 幸太郎, 妻木 勇一, 竹内 一郎, 前川 卓也, 玉木 徹, 依田 憲, 飛龍 志津子, 高橋 晋, 小川 宏人
担当区分:研究分担者
生物ナビゲーションのシステム科学(国際活動支援班)では、ナビゲーション分析手法に関する国際コンペティション、若手研究者の海外渡航、研究者招聘を実施し、本領域の国際的な研究活動を促進した。具体的には、動物や人の軌跡データセットを公開し、そこから正しい行動を類推するアルゴリズムを競う国際コンペティションを開催した。それらの優勝者を本領域主催の国際シンポジウムや領域会議に招聘し、若手研究者や学生が交流できる場を提供した。その交流を契機として新たな国際連携研究ネットワークを構築した。また、いくつかの国際会議において、本領域の研究内容を海外研究者と共に議論するチュートリアル・ワークショップを開催した。
新学術領域で収集されたデータに基づき、国際コンペティションを実施し、海外から多くの参加者を得て、これをきっかけとして領域の研究内容を国際的にアピールした社会的意義は大きい。さらに、融合研究論文が多数出版され、海外のネットニュースや英語のSNSにとりあげられた。 -
多次元バイオロギングによる鳥類・魚類の長距離ナビゲーション行動の包括的理解
研究課題/研究課題番号:16H06541 2016年6月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
依田 憲, 牧口 祐也, 塩見 こずえ
担当区分:研究代表者
配分額:159640000円 ( 直接経費:122800000円 、 間接経費:36840000円 )
本研究では、海鳥とサケ科魚類を対象として、新しいバイオロギングデバイスの開発、ナビゲーション情報の収集、統計モデルと機械学習モデルを用いたナビゲーション経路解析等を行った。その結果、AIを搭載した新しいデバイスによる新規行動の発見や、移動情報ビッグデータを用いた解析による新手法の開発などに成功した。
世界で初めて人工知能をバイオロギングデバイスに搭載したことにより、限られたバッテリーを効果的に用いる知的な計測が可能になった。今や世界的に用いられるようになった動物観測手法であるバイオロギングの計測能力の底上げに大きく貢献した。また、構築した統計モデルや機械学習モデルによって、野生動物の移動予測が可能になったため、生態系を考慮した風力発電設置計画などへの適用が期待できる。 -
研究課題/研究課題番号:16H06535 2016年6月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
橋本 浩一, 木村 幸太郎, 妻木 勇一, 竹内 一郎, 前川 卓也, 玉木 徹, 依田 憲, 高橋 晋, 飛龍 志津子, 小川 宏人
担当区分:研究分担者
本領域では「ヒトや動物の移動行動を計測し、分析し、モデルとして理解し、検証する」という新たな学問分野を創設することを目指した。積極的な異分野融合研究の成果として、最先端の小型多次元センサデバイスであるログボット(ロギングロボット)のハードウェア開発、および計測された多次元移動情報からのデータ駆動型分析プラットフォーム群を開発した。さらに本領域で得られた様々な動物種のデータに適用することによる、動物のこれまでに知られていなかった生態の解明や、生物ナビゲーションの数理モデル化などに成功した。
本領域の研究活動により、動物のナビゲーションに関するデータ計測のためのハードウェアや取得したデータの分析の方法に関する必要な要件、現状で可能なこと、将来に解決されるべきこと、などが明らかになってきた。またこれまで個別に行われていた研究が統合されることにより、スケールや動物種を越えた普遍性なども明らかになりつつある。すなわち、「なぜ・どのように目的地に辿りつけるのか」という動物ナビゲーションに関するハードおよびソフトを学問分野として体系化し、理解するための基盤は確立することができたと考えられる。 -
移動生態学的アプローチを基盤とした生物分散問題解決のための実証的研究
研究課題/研究課題番号:16H01769 2016年4月 - 2020年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
依田 憲, 北川 貴士, 原村 隆司, 飛龍 志津子
担当区分:研究代表者
配分額:41210000円 ( 直接経費:31700000円 、 間接経費:9510000円 )
本研究では、海鳥・ヒキガエル・クロマグロ・コウモリの移動分散を最先端の動物搭載型センサを用いて追跡し、移動情報の集積、高度経路解析等を行った。また、野生動物の内的状態や経験する環境をさまざまな側面から捉えることにより、移動に及ぼす影響を調べた。さらに、統計モデルや機械学習モデルの構築や、それらに基づいた数値シミュレーション等を行い、複雑な動態を示す自然環境下での動物の移動分散を予測した。
本研究によって、幅広い分類群に対して、自然条件下での移動追跡や生理状態の取得が可能になった。また、構築したモデル群により、バイオロギングデータがある程度あれば、野生動物の移動予測を行えるようになったため、今後、生態系保全域の設定や外来種拡散等へのさまざまな問題への適用が期待できる。 -
代表
2013年10月 - 現在
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
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分担
2011年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
担当区分:研究分担者
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代表
2009年11月 - 2011年11月
科学研究費補助金 特別研究員奨励費
担当区分:研究代表者