科研費 - 藤波 初木
-
地上観測・リモートセンシング・雲解像モデルを駆使したヒマラヤ降水系研究の新展開
研究課題/研究課題番号:23KK0064 2023年9月 - 2028年3月
科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(海外連携研究)
藤波 初木, 橋本 明弘, 広瀬 正史, 高橋 暢宏, 藤田 耕史, 佐藤 洋太
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:21060000円 ( 直接経費:16200000円 、 間接経費:4860000円 )
山岳氷河と大河川の源流域を有するヒマラヤ山岳域の水循環は,流域に暮らす約8億人の水資源を維持するとともに地球規模の水循環にも大きな影響を及ぼす.しかし,通常の地上降水レーダによる観測が困難なヒマラヤ高標高域では,どのような降水システムで雨や雪がもたらされているのかが未だにわかっていない.本研究は,夏季ネパールヒマラヤの高標高域に展開する地上気象観測網,可搬型地上降水レーダおよび衛星搭載降水レーダを用いて,高標高域の降水システムの実態を明らかにする.また,現地観測と超高解像度(200m格子)雲解像モデルを用いて,ヒマラヤ高標高域の氷河流域の大気循環と降水システムの形成過程を明らかにする.
-
大気と海洋の波動エネルギー循環のシームレス解析による熱帯・中緯度相互作用の解明
研究課題/研究課題番号:22H00176 2022年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
相木 秀則, 藤波 初木, 豊田 隆寛, 尾形 友道, 菅野 湧貴, 名倉 元樹, 野口 峻佑
担当区分:研究分担者
研究代表者らの最近の理論・モデル診断研究によって、大気海洋中の擾乱エネルギーの3次元の伝達経路を緯度帯の制限なくシームレスに世界地図上で表示・定量化することが可能となった。この強力な診断ツールは、熱帯海洋の変動の解析については実績をあげているが、大気の変動や世界の人口が集中している中緯度の現象への適用例が少ないのが課題である。本研究では熱帯域の気候変動現象(MJO/ENSO/IOD)の遠隔影響を含む様々な連鎖過程に対して統一した尺度による熱帯中緯度相互作用の理解を縦糸、診断ツールの開発から社会応用までのアプローチ構築を横糸として双補完的に推進する。
-
梅雨末期の豪雨の水蒸気起源の追跡-水蒸気の立体構造の降水システムへの影響-
研究課題/研究課題番号:22H00037 2022年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
高橋 洋, 山地 萌果, 遠藤 洋和, 神澤 望, 藤波 初木, 清水 慎吾
担当区分:研究分担者
近年、梅雨期の気象災害の頻発が社会問題となっており、その災害に関わるアジアモンスーン域の大気循環場を多角的に理解することは重要である。本研究の参加者により、近年、梅雨前線上の降水活動の活発化が明らかにされ、アジアモンスーン循環との関連性も示された(Takahashi and Fujinami 2021)。本研究では、線状降水帯などの豪雨をもたらす水蒸気がどこからやってくるのかに注目する。これまでの研究では、大規模場と降水システムスケールの解析が別々に行われることが多かったが、本研究では、マルチスケールの視点から、梅雨期の豪雨とその水蒸気の流れについての研究を進める。
-
研究課題/研究課題番号:20H02252 2020年4月 - 2023年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
鼎 信次郎, 寺尾 徹, 横井 覚, 高橋 洋, 藤波 初木, 杉本 志織, 福島 あずさ
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
アジアならではの大気陸面相互作用を、1) ヒマラヤ・チベットなどの山岳が作り出す地形性の大気陸面相互作用、2) インドネシア・マレーシアに代表されるような長い海岸線を挟んでの大気陸面相互作用、3) 日変化および季節内変動が気象擾乱の時間スケールとして卓越する中での大気陸面相互作用、の3要素から再構築する。これらは現時点での教科書的な大気陸面相互作用「像」あるいは「観」には含まれていない。また、決して鉛直一次元的な解釈には収まらない。本研究はで、地上観測データ、人工衛星データ、数値シミュレーションを複合的に利用することによって、アジア大気陸面相互作用について上記3つの視点からの解明を試みる。
-
地表面の乾燥化は雨を強めるのか?高分解能観測による水蒸気輸送の実態解明
研究課題/研究課題番号:19H01375 2019年4月 - 2022年3月
日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
-
ヒマラヤ山岳域における複雑地形と大規模湿潤気流がもたらす降水変動メカニズムの解明 国際共著
研究課題/研究課題番号:18KK0098 2018年10月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
藤波 初木, 佐藤 友徳, 平田 英隆, 高橋 暢宏, 藤田 耕史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:17940000円 ( 直接経費:13800000円 、 間接経費:4140000円 )
2020年度は新型コロナウィルス蔓延のため、2019年度に本研究課題で新規に開始した東部ネパールヒマラヤ・ロールワリン地域での降水量観測に大きな支障が生じた。プレモンスーン期(4~5月)とポストモンスーン期(10~11月)に計画されていた降水量観測サイトでの測器メンテナンスおよびデータ回収ができなかった。そのため、2020年暖候期のデータは現地のデータロガーに残されたままである。
一方、ロールワリン地域のトラカルディン氷河末端部に設置されている自動気象観測装置(AWS; 標高4800m)で観測された2016~2018年の夏季降水量と気象要素のデータ、2019年暖候期の降水量観測データの解析や数値シミュレーションの研究は大きく進展した。氷河末端部のAWSで観測された夏期降水量データから、降水量に日中と夜間の1日2回のピークがあることがわかった。衛星降水レーダ(TRMM-PR)による解析から、これらの1日2回の降水量ピークはネパールヒマラヤにおける標高500~1000mの領域および2000m以上の高標高域での一般的な特徴であることが示された。日中のピークは対流性降水の割合が大きく、夜間のピークでは層状性降水の割合が増加する。日中の降水量ピークは、太陽放射による斜面加熱で斜面上昇流が発生し、気塊が斜面に沿って上昇する際に凝結することで生じる。一方、夜間のピークはヒマラヤの風上側の平野部で、夜間にヒマラヤに向かう下層風が加速することで生じることがわかった。これらの結果は国際誌に投稿中である。
10月にオンラインで行われた気象学会および12月にオンラインで開催されたAGU Fall Meetingで関連する発表が行われた。また、12月10日にオンラインで本科研費の関係者による研究集会を行い、研究の進捗状況の確認と今後の方針を検討した。
データ解析や数値シミュレーションによる研究は計画通り概ね順調に進展している。一方で、コロナ禍により東部ネパールヒマラヤでの降水量観測は観測サイトの状況把握もデータ回収もできていない。そのため、全体としてやや遅れていると評価した。
2021年度はコロナ禍が続くことも想定し、ネパールヒマラヤでの降水量観測が再開できるように準備をしながら、データ解析や数値シミュレーションによる研究を中心に課題を推進する計画である。
ネパールの感染状況が改善した段階で、ネパールの共同研究者の研究グループが現地に入り、観測測器の状況把握とメンテナンスを行い、観測の再開を行う予定である。また、長期で観測測器のメンテナンスができていいないため、観測測器の交換なども検討する。
これまでの解析結果の論文化を積極的に行う。また、オンラインで行われる国内学会や国際会議にも積極的に参加し、研究内容の公開を行う。 -
研究課題/研究課題番号:26220202 2014年5月 - 2019年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(S)
松本 淳, 林 泰一, 山根 悠介, 小林 茂, 寺尾 徹, 山本 晴彦, 釜堀 弘隆, 久保田 尚之, 赤坂 郁美, 福島 あずさ, 村田 文絵, 藤波 初木, 加藤 内藏進, 高橋 洋, 藤部 文昭, 濱田 純一, 井上 知栄, 木口 雅司, CHAN Johnny C. L., CHEN Tsing-Chang, ALLAN Rob, WILLIAMSON Fiona
担当区分:研究分担者
旧英領ビルマと東ベンガル,戦前・戦中期の中国,西領・米領フィリピン,日本の関東・東海・四国地方の区内観測所等,アジアモンスーン地域での主に第2次世界大戦以前の時期における世界各地に散在する紙媒体や画像での日降水量データのデジタル化を完成させた。これら及び既存のデータを利用して,アジアモンスーン域の地域的な雨季の開始・終了,降雨強度や極端降水,広域気圧場,台風等の長期変動,雨季の活発期・休止期の出現機構や豪雨発生機構等を解明した。地球温暖化の影響とみられる日単位での降雨強度の強まりが見出された一方,十年~数十年スケールでの長期変動が新たに見出された。
日本及び東南アジアや南アジアの一部地域において,地球温暖化と関連するとみられる100年以上の時間スケールにおける日単位での降水強度の増加傾向が示された。他方,東南アジアや南アジアのモンスーンに伴う雨季の開始や,台風活動,雨季の中で降雨の活発期・休止期が交替する季節内変動の起こり方等には,十年~数十年程度の時間スケールでの変動が見出され,地球温暖化とは無関係な長期変動の重要性も示唆された。またバングラデシュにおける大洪水やベトナム東岸での豪雨発生予測に資する大気循環の特徴が示された。 -
メガラヤ・バングラデシュ・ミャンマー地域に豪雨をもたらす渦状低気圧の実態解明
研究課題/研究課題番号:26400465 2014年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
藤波初木
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
-
東南アジア・オセアニアにおけるオオコウモリ由来新興感染症の出現予測
研究課題/研究課題番号:25304049 2013年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
本道栄一
担当区分:研究分担者
-
植生の人為改変はボルネオの気候を変えている?
研究課題/研究課題番号:25281005 2013年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
熊谷朝臣
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
-
南アジアにおける雲・降水のマルチスケール時空間変動の解明
研究課題/研究課題番号:24740320 2012年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
藤波初木
担当区分:研究代表者
-
ヒマラヤ・アッサム・バングラデシュ地域に豪雨をもたらす準2週間周期変動の解明
研究課題/研究課題番号: 22340137 2010年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
安成哲三
担当区分:研究分担者
-
夏季東アジアモンスーン陸域における雲・降水活動の季節内変動の解明
研究課題/研究課題番号:20740268 2008年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 若手研究(B) 課題番号:20740268
藤波初木
担当区分:研究代表者