2025/03/18 更新

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ニシダ ヨシヒロ
西田 佳弘
NISHIDA, Yoshihiro
所属
医学部附属病院 リハビリテーション科 病院教授
職名
病院教授
連絡先
メールアドレス

学位 1

  1. 博士(医学) ( 1994年4月   名古屋大学 ) 

研究キーワード 5

  1. 骨軟部腫瘍

  2. デスモイド

  3. 神経線維腫症1型

  4. 変形性関節症

  5. ヒアルロン酸

研究分野 3

  1. ライフサイエンス / 整形外科学  / 骨軟部腫瘍

  2. ライフサイエンス / 遺伝学  / 神経線維腫症1型

  3. ライフサイエンス / リハビリテーション科学

現在の研究課題とSDGs 4

  1. がん骨転移の新規治療法開発

  2. デスモイドに対する適切な診療方法の確立

  3. ヒアルロン酸の軟骨再生への応用

  4. 神経線維腫症診療ネットワークの構築

経歴 14

  1. 名古屋大学   医学部附属病院神経線維腫症総合医療センター   センター長

    2024年3月 - 現在

  2. 名古屋大学   医学部附属病院希少がんセンター   副センター長

    2021年10月 - 現在

  3. 名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科・病院教授

    2018年7月 - 現在

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    国名:日本国

  4. 名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション部・病院教授

    2018年5月 - 2018年6月

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    国名:日本国

  5. 名古屋大学   大学院医学系研究科   特命教授

    2013年4月 - 2018年4月

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学歴 2

  1. 名古屋大学   医学系研究科

    1989年4月 - 1993年3月

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    国名: 日本国

  2. 名古屋大学   医学部

    1982年4月 - 1988年3月

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    国名: 日本国

所属学協会 28

  1. Orthopaedic Research Society

  2. American Academy of Orthopaedic Surgeons

  3. International Society of Limb Salvage

  4. 日本整形外科学会   代議員

    2013年4月 - 現在

  5. 日本整形外科学会   軟部腫瘍診断ガイドライン改訂委員会委員

    2008年4月 - 2013年3月

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委員歴 7

  1. 日本整形外科学会   骨・軟部腫瘍委員会委員長  

    2019年5月 - 2023年5月   

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    団体区分:学協会

  2. 日本整形外科学会   悪性軟部腫瘍取扱い規約改訂第4版作成委員長  

    2021年5月 - 2023年3月   

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    団体区分:学協会

  3. 厚生労働省難治性疾患政策研究事業   多中心性細網組織球症の疫学および治療法に関する調査研究班班長  

    2019年4月 - 2021年3月   

  4. 日本学術振興会科学研究費委員会   専門委員  

    2016年 - 現在   

  5. 日本レックリングハウゼン病学会   叢状神経線維腫-悪性末梢神経鞘腫瘍診療ガイドライン策定委員長  

    2022年4月 - 2024年6月   

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受賞 8

  1. 愛知県難病研究者表彰

    2023年3月   愛知県特定疾患研究協議会   神経線維腫症1型に発生する叢状神経線維腫、悪性末梢神経鞘腫瘍に関する研究

    西田佳弘

  2. 第52回日本癌治療学会優秀演題賞

    2014年8月   日本癌治療学会  

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    受賞国:日本国

    日本人骨巨細胞腫患者を対象とした抗RANKL抗体デノスマブの第II相臨床試験

  3. 第2回日本レックリングハウゼン病学会学会賞・Riccardi賞

    2011年11月   日本レックリングハウゼン病学会  

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    受賞国:日本国

  4. 平成21年度骨軟部肉腫治療研究会奨励賞

    2009年   骨軟部肉腫治療研究会  

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    受賞国:日本国

    Osteosarcoma in The Elderly Over 60 Years: A Multicenter Study by The Japanese Musculoskeletal Oncology Group.Nishida Y, Isu K, Ueda T, Nishimoto Y, Tsuchiya H, Wada T, Sato K, Tsukushi S, Sugiura H. J Surg Oncol. 100:48-54, 2009

  5. JOA-AOA Traveling Fellow

    2005年   日本整形外科学会  

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    受賞国:日本国

    平成17年1月29日―3月2日 Mayo Clinic, Memorial Sloan Kettering Cancer Center, MD Anderson Cancer Centerなどを訪問,講演,交流

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論文 528

  1. 希少疾患患者へのリハビリテーション診療は必須である 査読有り

    西田 佳弘

      61 巻 ( 12 ) 頁: 1128 - 1128   2024年12月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:公益社団法人 日本リハビリテーション医学会  

    DOI: 10.2490/jjrmc.61.1128

    CiNii Research

  2. 新理事のご挨拶 査読有り

    大高 洋平, 尾﨑 敏文, 酒井 良忠, 西田 佳弘, 西村 行秀, 藤原 俊之, 宮本 健史

      61 巻 ( 11 ) 頁: 1120 - 1122   2024年11月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:公益社団法人 日本リハビリテーション医学会  

    DOI: 10.2490/jjrmc.61.1120

    CiNii Research

  3. 区域麻酔と理学療法の併用が奏効した難治性複合性局所疼痛症候群の1例

    菱田 愛加, 安藤 貴宏, 山口 英敏, 西脇 公俊, 西田 佳弘

      60 巻 ( 12 ) 頁: 1105 - 1110   2023年12月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:公益社団法人 日本リハビリテーション医学会  

    DOI: 10.2490/jjrmc.23008

    CiNii Research

  4. 特集 脊髄および末梢神経鞘腫瘍のすべて -神経鞘腫瘍の手術:末梢神経鞘腫瘍-悪性末梢神経鞘腫瘍 査読有り

    西田 佳弘, 浦川 浩, 生田 国大, 酒井 智久, 小池 宏, 藤戸 健雄

    脊椎脊髄ジャーナル   36 巻 ( 5 ) 頁: 351 - 355   2023年6月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:三輪書店  

    DOI: 10.11477/mf.5002202087

    CiNii Research

  5. 膝関節に発生した樹枝状脂肪腫に対して人工関節置換術を施行した1症例 査読有り

    髙橋 裕, 藤林 孝義, 柘植 峻, 大倉 俊昭, 西田 佳弘

    中部日本整形外科災害外科学会雑誌   66 巻 ( 3 ) 頁: 475 - 476   2023年5月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:中部日本整形外科災害外科学会  

    DOI: 10.11359/chubu.2023.475

    CiNii Research

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書籍等出版物 23

  1. がん 最新の薬物療法2025-2026 Ⅰ章 近年承認された抗がん薬 3.セルメチニブ(コセルゴⓇ) 査読有り

    西田佳弘( 担当: 単著)

    南江堂  2025年3月 

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    担当ページ:60-62   記述言語:日本語 著書種別:学術書

  2. 新OS NEXUS No.8 股関節の再建手術 査読有り

    西田佳弘( 担当: 単著 ,  範囲: 基本的手術手技  股関節内腫瘍性病変 滑膜性軟骨腫症、腱滑膜巨細胞腫、軟骨芽細胞腫など)

    メジカルビュー社  2023年11月 

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    総ページ数:216   担当ページ:184-188   記述言語:日本語 著書種別:学術書

  3. 四肢切断術のすべて III腫瘍による切断 下肢の切断術の実際 査読有り

    西田佳弘

    メジカルビュー社  2023年3月 

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    担当ページ:147-157   記述言語:日本語 著書種別:学術書

  4. 標準リハビリテーション医学 第10章 骨・関節疾患 D手関節・手 査読有り

    西田佳弘( 担当: 単著)

    医学書院  2023年3月 

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    担当ページ:306-308   記述言語:日本語 著書種別:学術書

  5. OS NEXUS 上肢の人工関節手術 I肩関節 上腕骨近位骨軟部腫瘍に対する切除と人工骨頭置換/リバース型人工肩関節置換術 査読有り

    西田佳弘

    メジカルビュー社  2023年2月 

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    担当ページ:15-22   記述言語:日本語 著書種別:学術書

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MISC 26

  1. 希少疾患である骨・軟部腫瘍のリハビリテーション診療 査読有り

    西田佳弘  

    日本整形外科学会雑誌97 巻 ( 10 ) 頁: 880 - 887   2023年10月

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    担当区分:責任著者   記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)  

  2. 各種難病の最新治療情報 神経線維腫症1型の最新治療情報 査読有り

    西田佳弘  

    月刊 難病と在宅ケア Vol.29 No.4   頁: 33 - 36   2023年7月

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    担当区分:責任著者   記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)  

  3. 【脊髄および末梢神経鞘腫瘍のすべて】神経症腫瘍の手術:末梢神経鞘腫瘍 悪性末梢神経鞘腫瘍 査読有り

    西田 佳弘, 浦川 浩, 生田 国大, 酒井 智久, 小池 宏, 藤戸 健雄  

    脊椎脊髄ジャーナル36 巻 ( 5 ) 頁: 351 - 355   2023年6月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)  

  4. 骨軟部 良性軟部腫瘍・デスモイド型線維腫症の診断・治療指針 査読有り

    西田佳弘  

    最新主要文献とガイドラインでみる整形外科学レビュー 2023-’24 第1版   頁: 255 - 260   2023年4月

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    担当区分:責任著者   記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)  

  5. 誌説 Competitionとcooperation 査読有り

    西田佳弘  

    整形外科74 巻 ( 2 ) 頁: 106 - 106   2023年2月

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    担当区分:責任著者   記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)  

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講演・口頭発表等 270

  1. 【主題】神経線維腫症1型診療を変革させるセルメチニブの処方に関する提言

    西田 佳弘, 川島 寛之, 日本レックリングハウゼン病学会

    第57回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会  2024年7月12日 

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    開催年月日: 2024年7月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:福井   国名:日本国  

  2. 教育研修講演7 骨・軟部腫瘍領域における保険診療の現状と課題

    西田 佳弘

    第57回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会  2024年7月12日 

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    開催年月日: 2024年7月

    記述言語:日本語   会議種別:公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等  

    開催地:福井   国名:日本国  

  3. ランチョンセミナー 骨・軟部腫瘍医による神経線維腫症1型診療の勘所

    西田 佳弘

    第57回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会  2024年7月12日 

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    開催年月日: 2024年7月

    記述言語:日本語   会議種別:公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等  

    開催地:福井   国名:日本国  

  4. シンポジウム 診療科を超えて肉腫治療を考える-その実際と課題- 多科による肉腫診療・研究の展開:整形外科腫瘍医の寂寞と高揚

    西田 佳弘、杉浦 英志、浦川 浩、生田 国大、酒井 智久、小池 宏、藤戸 健雄、今釜 史郎

    第57回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会  2024年7月11日 

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    開催年月日: 2024年7月

    記述言語:日本語   会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)  

    開催地:福井   国名:日本国  

  5. 【主題】デスモイド腫瘍難治症例の検討:単一施設におけるリアルワールド

    西田 佳弘, 酒井 智久, 濱田 俊介, 伊藤 鑑, 清水 光樹, 浦川 浩, 生田 国大, 小池 宏, 藤戸 健雄, 今釜 史郎

    第57回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会  2024年7月11日 

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    開催年月日: 2024年7月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:福井   国名:日本国  

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Works(作品等) 2

  1. 整形外科・病理 悪性骨腫瘍取扱い規約 第4版

    2013年10月
    -
    現在

  2. 軟部腫瘍診療ガイドライン2012

    2008年4月
    -
    2013年3月

共同研究・競争的資金等の研究課題 12

  1. 波長を限定したLED機器による新規骨粗鬆症治療法

    2017年

    橋渡し研究戦略的推進プログラム シーズA 

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    資金種別:競争的資金

  2. 腹腔外発生デスモイド型線維腫症患者の診断基準、重症度分類および診療ガイドライン確立に向けた研究

    2016年4月 - 2018年3月

    科学技術振興調整費 

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    資金種別:競争的資金

  3. アクテムラ点滴静注用副作用詳細調査

    2015年2月 - 2015年12月

    企業からの受託研究 

  4. ランマーク皮下注120mg特定使用成績調査(骨巨細胞腫患者を対象とした特定使用成績調査)

    2014年9月 - 2024年5月

    企業からの受託研究 

  5. 腹腔外発生デスモイド腫瘍患者の実態把握および診療ガイドライン確立に向けた研究

    2014年4月 - 2016年3月

    科学技術振興調整費 

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    資金種別:競争的資金

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科研費 19

  1. 遺伝性腫瘍である叢状神経線維腫の病態解明と微小環境に着目した新規治療法開発

    研究課題/研究課題番号:24K02322  2024年4月 - 2029年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    西田 佳弘, 奥野 友介, 下山 芳江, 寺部 健哉, 小池 宏

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:16900000円 ( 直接経費:13000000円 、 間接経費:3900000円 )

    遺伝性腫瘍症候群であるNF1患者ではADL/QOLを低下させるpNFが高率に発症する。本研究では、pNFがECMを豊富有することに着目し、HAとその受容体を制御することで腫瘍増殖を抑制する新規治療法開発をめざす。pNF組織を用いた網羅的遺伝子解析、空間トランスクリプトーム解析により、HAを中心としたECMの病態を明らかにする。HAの蓄積、CD44との結合を阻害する薬剤を用いて、in vitro, in vivoにおける抗腫瘍効果を解析する。またdrug repositioningにより、ヒアルロニダーゼ活性を上げる薬剤を同定し、その効果をin vitro, in vivoで明らかにする。

  2. デスモイド型線維腫症の病態に基づく診断、新規治療開発への学際的・国際的共同研究

    研究課題/研究課題番号:17H01585  2017年4月 - 2021年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    西田 佳弘, 莚田 泰誠, 酒井 智久, 青木 正博, 松田 浩一, 新井 英介, 濱田 俊介

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:37440000円 ( 直接経費:28800000円 、 間接経費:8640000円 )

    デスモイドのドライバー遺伝子はCTNNB1が中心であることが確認され、診断におけるβカテニンの免疫染色の限界、CTNNB1変異解析の有用性、また手術治療成績にCTNNB1変異型が影響を及ぼし、薬物治療成績には影響しないことを明らかにした。
    希少疾患であるデスモイドに対する診療ガイドラインを国内、世界的に策定した。各種薬物治療、手術治療成績を明らかにしたことで次回ガイドライン改訂版の基盤データとなった。デスモイドの新規治療薬候補を見いだし、今後新たな薬剤となる可能性を示した。国際共同研究としてデスモイドに対する患者立脚型アウトカム評価の日本語版を作成し、今後世界共通の評価尺度として使用可能とした。
    デスモイドの発症に関与する遺伝子変異を解明し、薬物治療・手術治療の臨床成績を明らかにし、国内・国際診療ガイドラインを策定したことで、デスモイド患者・家族、医療担当者の疾患と診療手順に関する理解を深めることができた。また、適切な診療方法について情報を発信することができた。デスモイドに対する新たな薬剤開発の実施、および国際共同研究基盤を構築したことで、デスモイドの診療水準の向上に寄与した。

  3. 骨軟部腫瘍における診断マーカーの同定と腫瘍概念の再構築を目指した融合遺伝子の探索

    研究課題/研究課題番号:16H02676  2016年4月 - 2021年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    松田 浩一, 中村 卓郎, 中山 タラントロバート, 竹中 聡, 高阪 真路, 松本 嘉寛, 植田 幸嗣, 穴澤 卯圭, 比留間 徹, 河野 博隆, 阿江 啓介, 小林 寛, 堀内 圭輔, 河本 旭哉, 平賀 博明, 土屋 弘行, 坂本 昭夫, 朴木 寛弥, 秋山 達, 片山 琴絵, 大隈 知威, 元井 亨, 西田 佳弘, 中川 英刀, 平田 真, 米本 司, 馬場 一郎, 小田 義直, 末原 義之, 國定 俊之, 山田 聡, 相羽 久輝, 松原 大祐, 川井 章, 筑紫 聡, 山口 類, 綿貫 宗則, 王谷 英達, 吉川 秀樹, 中 紀文, 岡本 健, 五嶋 孝博, 岩田 慎太郎

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    担当区分:研究分担者 

    本課題では、骨軟部腫瘍の多様性の分子メカニズムの解明と新規治療方法の開発を目的として、骨軟部腫瘍のゲノム解析・機能解析を進めた。国内28医療機関、14研究機関からなる骨軟部腫瘍ゲノムコンソーシアムのネットワークを通じて、腫瘍、正常検体の収集と対象20疾患(脱分化型脂肪肉腫、腱滑膜巨細胞腫、類上皮肉腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫など)について400例を超えるゲノム解析を実施した。その結果、疾患特異的な融合遺伝子として、CTDSP1/2-DNM3OS fusion(脱分化型脂肪肉腫)などを同定した。また腱滑膜巨細胞腫における高頻度のCBL変異やDesmoid腫瘍の有用な予後マーカーを同定した。
    本研究課題では28医療機関、14研究機関からなるオールジャパンの共同研究体制を通じて、希少がんである骨軟部腫瘍に対する試料・臨床情報収集、ゲノム解析の実施体制が構築された。20の組織型を対象に400例を超える検体を用いた大規模ゲノム解析の成果として、新規の疾患融合遺伝子が腱滑膜巨細胞腫や脱分化型脂肪肉腫で同定された。さらにデスモイド腫瘍や粘液型脂肪肉腫においては複数の予後マーカーが同定され、また骨肉腫に対する治療候補分子も同定された。これらの一連の成果は、希少がんである骨軟部腫瘍の発症メカニズムの解明だけでなく、診断・予後マーカーや新規治療法の開発などの臨床応用につながると期待される。

  4. 合併症軽減をめざした新規破骨細胞分化抑制薬の開発

    研究課題/研究課題番号:21K19561  2021年7月 - 2025年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  挑戦的研究(萌芽)

    西田 佳弘, 小池 宏, 伊藤 鑑, 藤戸 健雄

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )

    骨巨細胞腫を初めとする破骨細胞増殖性疾患に対して、従来の薬剤とは異なり、副作用少なく効果が認められる治療薬を開発することを目的とする。原発巣再発および多発転移を有する骨巨細胞腫患者において、支持療法として使用した薬剤Xに著明な抗腫瘍効果を認めた。15年以上にわたって腫瘍縮小を維持し、長期の継続使用で副作用を認めていない。また、in vitro実験で薬剤Xが破骨細胞分化を抑制する結果を得た。本研究では、薬剤Xの濃度、分子量、投与頻度による効果の違い、PDXマウスモデルでの非臨床POCの取得、従来の薬剤で重大な副作用のある患者への臨床研究としての薬剤Xの効果を検証し、薬剤Xの保険適用をめざす。
    (1)薬剤Xの濃度、分子量、塩の違い(NaとCa)によるin vitroにおける破骨細胞分化抑制効果の違い:RAW264.7(マウス腹水由来の単球マクロファージ)細胞株を単層培養し、RANKL刺激により破骨細胞分化を評価できる。分子量については低分子(4,500程度)と未分画(6,000-20,000)製剤を用いた。未分画製剤については塩の違い(NaとCa)による効果の違いを評価した。令和4年度の実験の条件(試薬濃度、時間)を細分化し、より詳細な分子量の違いおよび塩の違いによる破骨細胞分化抑制効果を明らかにした。
    (2)Patient Derived Xenograft (PDX)モデルによるin vivo実験:近藤正先生(国立がん研究センター)は3種のヒト骨巨細胞腫株を樹立した。これらの細胞株を用いた安定した単層培養系は確立されており、またspheroid形成は認められるため、薬剤Xの骨巨細胞腫単核細胞への影響を解析する実験計画を作成しているが、まだ実施にはいたっていない。
    (3)特許出願:発明の名称を「破骨細胞増殖性疾患の予防又は治療剤」として特許出願申請済み(出願番号:2020-213717)。特許出願に基づいて、臨床開発に興味がある企業との交渉を行っている。
    (4)薬剤Xによる臨床研究:薬剤Xが著効している骨巨細胞腫の患者Aは、骨巨細胞とは関連のない悪性腫瘍を発症し、抗癌剤治療を開始している。そのため、薬剤Xによる治療を中断し、骨巨細胞腫に薬効のあるデノスマブの使用を開始した。現在のところ、デノスマブは薬剤Xと同様に骨巨細胞腫の増大を抑制している。当院の先端医療・臨床研究支援センターと薬剤Xを用いての特定臨床研究の立案を進めている。
    非臨床POCの実験において薬剤Xの効果を確認し、分子量の違い、塩の違い、濃度の違いによる薬効の差を確認している。したがって、臨床試験に移行する準備は整っていると考えられる。特許出願を終え、薬剤Xを販売している企業、あるいは新規開発に興味のある企業と順次面談を行い、共同研究開発の提案を行っている。しかし、薬剤Xの特許が切れているため、薬価が低く、現在のところ研究開発に興味を示す薬剤メーカーが出てきていない。
    実臨床で薬剤Xを使用している骨巨細胞腫患者Aについては、薬効は継続して認められていた。骨巨細胞腫とは関連のない悪性腫瘍が発症したため、薬剤Xの投与を中止し、保険で承認されているデノスマブの投与を開始した。薬剤Xとデノスマブは同等の効果と考えられ、今後論文化を予定している。
    薬剤Xを用いて、デノスマブでは副作用が出ている骨巨細胞腫患者を対象に医師主導の臨床研究を考えているが、特定臨床研究としての研究計画書作成が遅れている。
    薬剤Xを使用し、著明な効果の認められている難治性骨巨細胞腫患者Aに関して英語論文を作成し、投稿予定である。In vitroにおいて薬剤Xの分子量、塩、濃度の差による破骨細胞分化抑制程度が異なる実験についても論文化を予定している。
    切除不能な骨巨細胞腫を有し、デノスマブを継続投与している経過中に顎骨壊死などの有害事象を生じ、デノスマブの投与を中止する必要がある患者に対して、薬剤Xを用いた特定臨床研究を実施する。

  5. 患者由来組織を用いた神経線維腫に対する新規治療開発:神経線維腫症1型の進行予防

    研究課題/研究課題番号:21K09321  2021年4月 - 2025年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    生田 国大, 西田 佳弘, 酒井 智久, 小池 宏, 伊藤 鑑, 藤戸 健雄

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    担当区分:研究分担者 

    NF1は多発する神経線維腫を特徴とする遺伝性腫瘍症候群である。神経線維腫は疼痛、機能障害、醜状をきたし患者QOLの低下につながるが、保険診療による薬物治療は現状ない。本邦の患者数は4万人であり、神経線維腫に対する薬物治療、予防治療の開発へのニーズは高い。本研究では、NF1患者の神経線維腫に対する実現可能な新規治療法の基盤データの構築を目指す。経年的に増大、増加する全身の神経線維腫に対して、drug repositioning法により既存薬剤から腫瘍抑制効果を有する候補薬剤を同定し、神経線維腫培養細胞における薬効メカニズムの確認とpreclinical modelにおける抗腫瘍効果の評価・検討をおこなう。
    神経線維腫症1型は遺伝性腫瘍症候群であり、多発性の良性である神経線維腫が疼痛、醜状、機能障害を引き起こすことが特徴である。多彩な形態や性質を有する神経線維腫が全身に発生し、数・大きさが成長とともに経時的に増加する。しかし、悪性腫瘍ではないため研究開発の対象としてはあまり注目されておらず、MEK阻害剤以外の薬物治療が保険診療内では存在しないアンメットニーズの領域となっている。日本には4万人以上の患者が存在し、治療法の開発が非常に求められている。
    本研究は、神経線維腫症1型患者に発生する神経線維腫に対する新規治療法の基盤データを構築することを目的とした。2021-2022年度にかけて、神経線維腫の切除術を受けた患者から腫瘍組織を収集し、細胞株の樹立とPDXマウスモデルを作製することに注力した。しかし、良性腫瘍である神経線維腫は増殖速度が遅く生着率が低いため、PDXモデル確立には至っていない。さらに、神経線維腫細胞の継代が安定することが必要であるが、良性であるがゆえに細胞老化や膨大が早期に生じてしまい細胞株の樹立は困難であった。神経線維腫の組織片をトリプシンとコラゲナーゼで処理しているが、神経線維腫はシュワン細胞だけではなく線維芽細胞や肥満細胞など数種の細胞を含んでいるため、シュワン細胞のみを単培養することが難しい。ATCCから購入できるヒト叢状神経線維腫由来の細胞株を購入する方針に切り替え、順次計画していた実験系を今後進めていく。一方、引き続き患者検体からのPDXモデルの作製にも取り組み、近年明らかになってきた組織亜型に応じて「叢状神経線維腫」、「atypical neurofibromatous neoplasia with uncertain biological potential:ANNUBP]といった亜型による腫瘍原性の違いについても明らかにしたいと考えている。
    神経線維腫症1型患者の手術切除検体から細胞培養を継続してきた。培養が生着した後にANNUBPや悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)と診断され、悪性のポテンシャルを含む腫瘍として対象外であることが続いた。我々の計画書では「良性」としての神経線維腫が研究対象であり、同様に保険承認されたMEK阻害剤についてもANNUBPとMPNSTは適応症としていない。腫瘍が経時的に神経線維腫→atypical neurofibroma→ANNUBPとそのentityが変化していくことが知られている。これら変化にはエピジェネティックな遺伝子変異が関連する。したがって、研究内容を改変し、ANNUBPまでを研究の対象として症例数を確保していく。PDXモデルの確立については、ヌードマウスでの生着が困難であり見込めないため、SCIDマウスでの手技を検討する。細胞培養でも悪性腫瘍と比べて増殖が緩徐であり難渋している。継代数を重ねると老化・膨化してしまい実験の再現性が得られなくなっている。継代数の少ない細胞で実験している制限もあり、in vitro実験は遅れている。アッセイの結果を踏まえて、候補薬剤を同定して購入した細胞株を用いてin vivoへ応用していく。最終年度になるが、各実験の結果をまとめ評価し、論文作成へつなげていく。
    前述したように、市販されている神経線維腫細胞株を購入して、体系的なin vitro実験を実施できるよう務める。ATCCからは複数の系統が購入可能であり、NF1患者の叢状神経線維腫由来のものを用いる。申請時の目的である、神経線維腫に効果的な既存薬の同定をメインストリームとしながら、良性である神経線維腫と「前がん状態」として認識されているANNUBPやatypical neurofibromaにおける共通点、相違点を探る。これらの細胞実験結果を充実し、リスト化・プロファイル化する。研究進捗として遅れているため、研究助手の一時雇用やデータと統計計算を管理する人員の雇用も視野に入れ、人件費の支払いに研究費を拠出する選択肢も検討される。患者検体の受領は受動的要因となるため、PDX作製に関してはSCIDマウスへの移植を試みて生着率の向上を図る。良性腫瘍の異種移植であり、in vino実験に関してはnf1遺伝子改変マウスを利用する実験系しか成立しない可能性も考えられるが、神経線維腫のPDXマウス樹立は困難という陰性結果も関係者や関連学会において重要な知見と報告できる。組織採取や細胞継代で得られた知見は次年度の学会で発表していくつもりである。

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産業財産権 5

  1. 治療器

    浅野英樹,西田佳弘,森田大悟,樋口善俊

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    出願人:国立大学法人名古屋大学、日機装株式会社

    出願番号:特願2013-128021  出願日:2016年5月

    出願国:国内  

  2. 発熱による骨を新生させるシステム

    西田佳弘

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    出願人:国立大学法人名古屋大学

    出願番号:PCT/JP2014/064920  出願日:2014年6月

    出願国:国内  

  3. 骨新生用組成物及び骨新生システム

    西田佳弘,生田国大,本多浩之,加藤竜司,小林猛

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    出願人:国立大学法人名古屋大学

    出願番号:特願2013-128021  出願日:2013年6月

    出願国:国内  

  4. 炎症性関節疾患治療薬

    西田佳弘,吉岡裕,石黒直樹

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    出願人:国立大学法人名古屋大学

    出願番号:特願2012-112588  出願日:2012年5月

    公開番号:特許公開2013-237649  公開日:2013年11月

    出願国:国内  

  5. がん骨転移治療薬

    西田佳弘、浦川浩、新井英介、二村尚久、石黒直樹

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    出願人:国立大学法人名古屋大学

    出願番号:特願2010-001065  出願日:2010年1月

    公開番号:特許公開2011-140450  公開日:2011年7月

    特許番号/登録番号:特許第5610336号  登録日:2014年9月 

    出願国:国内  

 

担当経験のある科目 (本学) 28

  1. 骨軟部腫瘍

    2024

  2. リハビリテーション

    2024

  3. 骨軟部腫瘍

    2023

  4. リハビリテーション

    2023

  5. 骨軟部腫瘍

    2022

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社会貢献活動 3

  1. 市民公開講座開催

    役割:出演, 司会, 講師, 企画, 運営参加・支援

    NPO鶴舞骨軟部腫瘍研究会  2012年6月 - 2019年7月

  2. 特定非営利活動法人鶴舞骨軟部腫瘍研究会 理事長

    2011年4月 - 現在

  3. 特定非営利活動法人鶴舞骨軟部腫瘍研究会 理事長

    2011年4月 - 現在