科研費 - 清井 仁
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分子標的薬による急性骨髄性白血病クローンの選択・耐性に関わる分子異常の解明と克服
研究課題/研究課題番号:23H02933 2023年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
清井 仁, 石川 裕一
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:18850000円 ( 直接経費:14500000円 、 間接経費:4350000円 )
本研究は、我々が樹立したシングルセルバーコードラベル化細胞株やPDX治療モデルおよび標的薬治療後再発症例の経時的臨床検体を用いたマルチオミクス解析を実施することにより、急性骨髄性白血病耐性クローンの選択から増幅に関わる分子病態の変化過程を明らかにし、標的薬治療のアルゴリズム構築と耐性克服に繋がる治療標的となりうる分子基盤の解明を目指すものである。
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分子標的薬による急性骨髄性白血病クローンの選択・耐性に関わる分子異常の解明と克服
研究課題/研究課題番号:23K27624 2023年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
清井 仁, 石川 裕一
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:18850000円 ( 直接経費:14500000円 、 間接経費:4350000円 )
急性骨髄性白血病(AML)に対する分子標的薬の導入は治療成績の向上をもたらしているが、耐性クローンの存在は依然重要な臨床的課題であり、耐性克服のみならず、耐性出現前にAML細胞の根絶を得るための至適併用療法の確立が必要である。本研究は、我々が樹立したシングルセルバーコードラベル化細胞株やPDX治療モデルおよび標的薬治療後再発症例の経時的臨床検体を用いたマルチオミクス解析を実施することにより、耐性クローンの選択から増幅に関わる分子病態の変化過程を明らかにし、標的薬治療のアルゴリズム構築と耐性克服に繋がる治療標的となりうる分子基盤の解明を目指すものである。
難治性急性前骨髄球性白血病(APL)クローンの分子病態解明を目的として、JALSG APL212試験再発例、APL-PDXモデルにおける移植細胞、生着細胞の全エクソン解析、トランスクリプトーム解析を実施し、難治性APL細胞における分子異常の特徴を検討した。8例の初診時検体、3例の再発時検体から従来樹立が困難といわれていたAPL-PDXモデルを樹立した。このうち、継代が可能であった4例は、全例再発を来し、PML::RARA short-form、FLT3-ITD変異を有していた。また、初診/再発時ペア検体とAPL-PDXモデルでの解析により、再発時に認められた遺伝子変異を有するクローンが、APL-PDXモデルにおいて選択的に生着、増殖することが確認された。
様々な分子病型を有する難治性AML-PDXモデルを樹立し、抗がん剤、分子標的薬(FLT3阻害薬、Azacitidine、Venetoclax)の投与後に骨髄中に残存する治療抵抗性細胞を分離した。FLT3阻害剤長期投与後残存細胞におけるシングルセルRNA-Seq解析により、複数のFLT3阻害剤に共通して細胞接着分子とそのリガンド複合体の高発現が認められ、分子標的薬治療後の臨床検体においても同様の所見が得られたことから、治療抵抗性に関わる分子病態であることが強く示唆され、その分子メカニズムについて検討を進めている。 また樹立したPDX細胞にシングルセルバーコードを導入し、これまでに7例のDNAバーコード導入PDXモデルを樹立した。更に、RNAバーコード導入PDXモデルの樹立を進めている。
初診時/再発時ペアAPL臨床検体とPDX生着APL細胞による解析から、APL-PDXモデルにおいても、他のAMLと同様に再発/難治性クローンに認められる遺伝子異常を有するクローンが選択的に生着、増殖することを証明し、APLの難治性クローンの進展過程を解析する上での本モデルの有用性を確認した。この結果に基づき、シングルセルバーコードラベル化APL-PDXモデルに対して分子標的薬剤投与後の残存APL細胞の解析を行うことにより、難治性APLクローンの選択・進化過程を追跡する実験系の妥当性が証明された。
FLT3変異陽性AML-PDXモデルに対するFLT3阻害剤長期投与後に残存する治療抵抗性クローンにおけるシングルセルRNA-Seq解析の結果、複数のFLT3阻害剤に共通して発現亢進している分子を同定し、臨床的にFLT3阻害剤投与後再発を来したペア検体においても同様の所見が得られたことから、FLT3阻害剤耐性に関わる分子を同定できたと考えられる。現在、耐性機構に関わる分子機構を検証しており、耐性克服に向けた機構解明に繋がる成果が期待できる。
種々の分子異常を有するAML検体を用いたPDXモデルの作成を継続的に実施しており、それらAML-PDXモデルに対しBCL2阻害剤、脱メチル化剤などの投与後残存細胞の取得を進めると共に、シングルセルバーコードラベル化AML-PDXモデルの樹立も順調に進んでおり、当初予定の計画に沿って順調に進捗を認めている。
APLにおけるクローン選択の解明
これまでに樹立したAPL-PDX細胞(PML-RARAにおけるATRA耐性変異が有るものと無いもの)について、シングルセルバーコードラベル化を行い、上記薬剤に加えて、ATRA、AM80、ATO 、IDR、CA、AZA、VENの投与を行い、投与後骨髄中に残存および再増殖を来したAPL細胞のクローン解析を細胞株と同様に行う。細胞株、PDXモデルでのATRA、AM80、ATO投与後の残存細胞の検討においては、分化誘導の有無を区別して解析するために、CD11bの発現を指標にソーティングを行った上で解析を進める。
FLT3遺伝子変異陽性AMLにおけるクローン選択の解明
シングルセルバーコードラベル化した変異FLT3発現32D細胞株を同型マウスC3Hに移植し、白血病を発症させたモデルに対し、FLT3阻害剤、VEN、DNR、CA、AZAを単独または併用投与を行い、残存および再増殖を来すクローンの分子病態をscRNA-Seqなどを用いて網羅的かつ経時的に解析する。本モデルでは、髄外腫瘤も形成されることが確認できているため、骨髄で増幅する難治性クローンと髄外腫瘤形成クローンとの比較解析も行う。移植モデルと同様の解析をシングルセルバーコードラベル化FLT3変異陽性AML-PDXを用いて解析する。初診時AML細胞由来PDXに加えて臨床的にGilteritinib耐性となったAML細胞由来のPDXモデルも樹立しており、これらを比較検討して解析を行う。
APL、FLT3変異陽性AML以外のAMLにおけるクローン選択の解明
樹立されているAML-PDXモデルに対し、VEN単独、およびAZA、CA、IDR、DNRとの併用投与後に残存する治療抵抗性AML細胞の解析を継続して進める。 -
新規FLT3阻害剤の有用性と選択根拠となる分子病態の解明
研究課題/研究課題番号:17K09921 2017年4月 - 2020年3月
清井 仁
担当区分:研究代表者
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
FLT3遺伝子変異陽性AML細胞によるPDXモデルをを用いて、quizartinib, gilteritinibによる治療後に残存するAML細胞の分子病態を解析し、正常FLT3分子の高発現を認めるAMLクローンが選択的に残存することを明らかにした。
正常FLT3分子の発現量に依存して阻害効果の減弱が認められ、これはFLによる正常FLT3分子の活性化機序に依ることを明らかにした。
各種変異FLT3を導入した32D細胞を対象としてFLT3阻害剤耐性化モデルを作成し、FLT3のキナーゼ領域の新規変異を複数同定するとともに、他のFLT3阻害剤との交叉耐性の存在を明らかにした。
現在、複数のFLT3阻害剤が実用化あるいは臨床開発されている中で、個々のFLT3阻害剤の治療効果を最大限に活用するための薬剤選択・治療アルゴリズムの構築が求められている。
本研究では、白血病細胞における正常FLT3分子の発現量が阻害剤の抗腫瘍効果に相関すると共に、リガンド依存性の正常FLT3分子の活性化に対する阻害剤の感受性によっても治療効果が規定されることを明らかにした。この成果は、実臨床において、阻害薬の特性を見極め、白血病細胞の分子特性を考慮することによって阻害薬の治療効果を高めることにつながる有意義なものである。 -
全例登録を基盤とした高リスク骨髄異形成症候群に対する標準治療の確立および予後マーカー探索の研究
2013年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 厚生労働科学研究費補助金・がん臨床研究事業
担当区分:研究分担者
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創薬に向けた白血病のトランスレーショナルリサーチ
2013年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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成人難治性白血病におけるバイオマーカーに基づく層別化治療法の確立
2013年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金 厚生労働科学研究費補助金・がん臨床研究事業
担当区分:研究分担者
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難治性白血病に対する標準的治療法の確立に関する研究
2013年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金 国立がん研究センター運営費交付金研究開発費
担当区分:研究分担者
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高齢者造血器障害における層別化治療を目指した分子疫学的研究
2013年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金 長寿医療研究開発費
担当区分:研究分担者
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リガンド依存性受容体型チロシンキナーゼ阻害剤耐性機構の解明と克服
2012年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究代表者
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高齢者造血障害に関する分子疫学的検討のための基盤整備
2010年7月 - 2011年3月
科学研究費補助金 平成22年度長寿医療研究開発費
勝見 章
担当区分:研究分担者
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FLT3分子の糖鎖修飾と細胞内局在に基づく標的阻害効果増強法の検討
2009年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 科学研究費補助金(基盤研究(C))・21591198
清井 仁
担当区分:研究代表者
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キナーゼ阻害剤感受性パネルに基づく白血病の層別化
2008年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 特定領域研究,課題番号:20014008
清井 仁
担当区分:研究代表者
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多施設共同研究に登録された白血病の検体収集と中央保存システムの確立
2007年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 厚生労働科学研究費補助金(創薬基盤推進研究事業:生物資源研究)
直江知樹
担当区分:研究分担者
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成人難治性白血病の分子生物学的特徴に基づく治療法に関する研究
2007年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金 厚労省がん研究助成金
朝長万左男
担当区分:研究分担者
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白血病の発症、進展に及ぼすNucleophosmin遺伝子変異の分子機構の解析
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
清井 仁
担当区分:研究代表者
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チロシンキナーゼ阻害剤の至適併用療法を予測するサロゲートマーカーの確立
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 特定領域研究、18014010
清井 仁
担当区分:研究代表者
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白血病細胞の分化を抑制する転写抑制因子複合体の解析と新規分化誘導療法の開発
2005年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金 文部科学省 基盤研究(C)
冨田章裕
担当区分:研究分担者
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チロシンキナーゼ阻害剤の感受性を予測するサロゲートマーカーの確立
2005年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金 特定領域研究,課題番号:17015021
清井 仁
担当区分:研究代表者
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造血器腫瘍における異常シグナル伝達の解析と治療法の開発
2004年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金 文部科学省 基盤研究(B)
直江知樹
担当区分:研究分担者
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新規FLT3キナーゼ阻害剤の臨床応用へ向けた基盤的研究と評価モデルマウスの作製
2004年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C),課題番号:16590932
清井 仁
担当区分:研究代表者