科研費 - 玉腰 浩司
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日本人女性の妊娠期の栄養指導プログラム継世代的観点からの構築
研究課題/研究課題番号:22K10940 2022年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
田辺 圭子, 玉腰 浩司, 室月 淳, 高橋 由紀
担当区分:研究分担者
妊娠期の栄養は母体の健康の維持や胎児を健やかに育てるために必要不可欠であり,胎内環境が次世代の長期にわたる健康に寄与することは明らかである。多くの女性は,妊娠をきっかけにして医療機関と初めて継続的にかかわる。この機会をとらえて,妊婦自身がこれまでの食生活習慣を見直し,セルフケア行動の獲得や向上を図ることは,次世代の生涯にわたる健康を守るうえできわめて重要なことである。
今回,次世代の健康の確保,増進という視点に立ち,妊婦の食ライフスタイルを尊重したうえで,十分な栄養素等摂取を主とする妊娠期の栄養指導(適正な体重増加の推進)へとシフトしていくことが必要であると考え,本研究に取り組むこととした。 -
コロナ禍での持病悪化要因と持病有無が就労関連要因の心血管発症リスクに及ぼす影響
研究課題/研究課題番号:22H03349 2022年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
八谷 寛, 平川 仁尚, 大塚 礼, 李 媛英, 江 啓発, 玉腰 浩司, 太田 充彦, 山田 宏哉, 松永 眞章, 中野 嘉久
担当区分:研究分担者
本研究は申請者らが長期間追跡調査を実施している愛知職域コホート研究において、糖尿病や高血圧等の持病の有無により、就労に関わる要因と心血管疾患等発症リスクの関連がどの程度異なるのかを明らかにすること、また追跡調査と生活習慣等の追加調査を同コホート研究で実施し、新型コロナウイルス感染拡大下に、持病を有する労働者の健康状態の悪化が、特にコロナ禍前より把握している職場ストレスなどの就労関連要因により異なるかを検討すること、さらにこれらの目的に即したデータ統合型研究を計画するとともに既存のデータベースを用いた統計解析を行おうとするものである。
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虚血性心疾患患者における生活習慣改善に向けた睡眠への看護介入指標の確立
研究課題/研究課題番号:22K10837 2022年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
森脇 佳美, 中山 奈津紀, 玉腰 浩司, 本田 育美, 大島 千佳, 柴山 健三
担当区分:研究分担者
本研究は、虚血性心疾患(IHD)患者の睡眠がQOLおよび予後に与える影響を明らかにし、睡眠への看護介入指標を得ることを目的としている。具体的には、IHD患者においてポリソムノグラフィー検査とアクチグラフィによる客観的な睡眠とピッツバーグ睡眠質問票による主観的な睡眠の量と質を調査し、IHD患者における、
①睡眠が健康関連QOLに与える影響を明らかにする。
②睡眠が予後に与える影響を、動脈硬化の進展および冠動脈狭窄を心臓CT、冠動脈造影、血液生化検査、自律神経活動指標により定量的に追跡調査し明らかにする。
③睡眠と生活習慣の関連性を明らかにし、生活習慣改善に向けた「睡眠」への看護介入指標の確立を目指す。 -
経時データを用いたDOHaD仮説に基づく生活習慣病の疫学的病態解明
研究課題/研究課題番号:20K10496 2020年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
玉腰 浩司
担当区分:研究代表者
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究は、経時的なデータを用いて、出生時体重を胎内環境の指標としてその後の疾患発症との関連について生活習慣、DNAのメチル化等様々な視点から分析する。DOHaDの病態、即ち「発達期の環境の変化に対応した不可逆的な反応が生じると、発達が完了した時期の環境と合えば健康な生活ができ、そうでなければ成人期の様々な疾患の源になる」を疫学的に解明することは、母子から小児、成人、老年と続く生涯保健の向上に寄与する。
平成9年から「生活習慣病とそれに続く心血管事故の予防を目的としたコホート研究」を行っており、平成25 年の調査時には1804名のDNAを同意の下保存した。また、同時に出生時体重や生活習慣病の既往歴を含む生活習慣アンケートを実施した。本研究では、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常のいずれの既往歴も持たない517名(男性412名、女性105名、35歳から59歳、平均50.7±6.5歳)のDNAメチル化を測定した。ターゲットとした分子はATP-binding cassette protein G1(ABCG1)であり、この分子はHDLコレステロールの生成過程で重要な役割を果たしていることが知られている。また、ABCG1遺伝子のDNAメチル化が、心血管アテローム性動脈硬化症の早期徴候である頚動脈内膜中膜肥厚と関連するとの報告がある。2021年度は、胎内環境の指標である出生時体重とABCG1遺伝子のDNAメチル化率との関連を検討した。ABCG1遺伝子のDNAメチル化率(%)は、最小値50.9、25パーセンタイル値65.5、中央値68.3、75パーセンタイル値70.6、最大値83.3、平均値68.0、標準偏差3.9であった。出生時体重を2500グラム未満、2500グラム以上3000グラム未満、3000グラム以上に分けると、メチル化率の平均(標準偏差)は順に68.7(3.5)、67.7(4.1)、68.2(3.8)であった(一次の傾向性p値=0.849、二次の傾向性p値=0.093)。
並行して、平成9年度からのデータの整理に努めた。
保存したDNAを使って、生活習慣病に関連する遺伝子のメチル化について解析を進めている。2020年度はATP-binding cassette protein G1(ABCG1)に関して分析し、従来から研究を進めている出生時体重との関連を検討した。その結果、出生時体重が2500グラム未満の成人(35歳から59歳)では、DNAのメチル化率が高い傾向がみられた。
引き続き、保存したDNAを使って、生活習慣病に関連する遺伝子のメチル化について解析を進めていく。2020年度はATP-binding cassette protein G1(ABCG1)に関して分析したが、さらに他の遺伝子のメチル化についても解析を進めていく。また、平成9年から「生活習慣病とそれに続く心血管事故の予防を目的としたコホート研究」において、集積しているデータを整理し、経時データとして分析できるデータセットの作成に努める。 -
研究課題/研究課題番号:19K11030 2019年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
高橋 由紀, 玉腰 浩司, 奈良間 美保
担当区分:研究分担者
妊娠・出産は,女性にとって人生における喜ばしいライフイベントの1つであるが,産科合併症の増加や子育てのしにくさや抑うつ傾向を示す母親が増加している.国内においては,産後うつ病自己評価票を用いた早期スクリーニングが標準化した一方で,早期発見だけでは対応にも限界がある.わが国の産後ケアの特徴として,産後48時間以内に退院する諸外国と比較すれば長い入院期間がある.この時間的な利点を活かし,周産期ケアのあり方と産後の母親の身体的回復が母親役割の自信や育児ストレスにどのように関連しているのかについて検討し,具体的な産後の母親の役割適応を促進する助産実践につながる重要なエビデンスを提示したい.
2020年度は、データ収集期間として位置付け、2020年1月より研究協力施設において妊婦に対する研究参加依頼および研究同意の確認、データ収集に着手した。しかし、新型コロナウイルス流行にともない、病院におけるデータ収集は4月に中断となり、その後研究再開には至らなかった。次年度以降の調査再開については不明な状態である。したがって、2020年度に収集できた件数は、研究参加同意者数97名、うち初産53名、経産婦44名である。そのうち、産後1か月時の追跡調査ができた対象者は90名、産後4か月の追跡調査ができた対象者は49名であった。
これまでの研究成果の公表は以下の学会においておこなった。1.2020.3.22. 第34回日本助産学会学術集会(新潟)「褥婦が自覚する身体部痛と日常生活の支障感の産後1か月までの推移」2.2020.6.9. WAIMH 17th World Congress(BRISBANE)“Difficulties with daily life activities during early postpartum: relationship with postnatal depression at 1 month postpartum”3.2020.6.9. WAIMH 17th World Congress(BRISBANE)”Usage of mobile device during the first mother-infant interactions immediately after birth-a case report”国際学会については、新型コロナウイルス流行に伴い、学会開催が延期となり2021年6月にオンラインにポスター発表が決定している。
新型コロナウイルス流行にともない、データ収集が中断し、再開の目途がたたないため、当初に予定していたデータ数の確保が難しいことが理由である。
研究再開への努力を続けることと、現在データ収集が終了しているデータを用いて、解析を行い、成果の公表を行う。 -
退職公務員におけるフレイルと社会参加に関する在職時からのライフコース疫学研究
研究課題/研究課題番号:18H03057 2018年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
八谷 寛, 平川 仁尚, 李 媛英, 江 啓発, 市野 直浩, 太田 充彦, 山田 宏哉, 大塚 礼, 玉腰 浩司, 吉岡 健太郎, 内藤 久雄, 青山 温子, 上村 真由
担当区分:研究分担者
本研究は、若年成人期・中年期の生活習慣や健康状態(健診成績)と高齢期の健康状態との関連を調べることを目的としており、2018年に退職者に対して、フレイルや認知機能の評価、腹部超音波、社会参加の状況の調査等を含む包括的な調査を実施した。2002年の血糖値と16年後の認知機能が負に関連することを見出した結果をJournal of Epidemiologyに原著論文として公表した。また、発症スクリーニングのための病歴自己申告調査と合わせて実施したJST版活動能力指標及び精神的健康に関する質問紙調査の2,289名の有効回答のデータベース化を今年度は完成し、退職後の生活習慣とともに統計解析を開始した。
具体的な結果は以下の通りである。調査時60歳以上であった回答者2,215名のうち、1,893名(85%)が男性で、平均年齢は69.3(中央値70歳、範囲:60-83歳)、7.8%が独居、51.8%が二人世帯であった。JST版活動能力指標の新機器利用3点以上、情報収集4点以上、生活マネジメント4点以上、社会参加2点以上(JST版活動能力指標利用マニュアル第2版による100人中上位50位のカットオフ値)の割合は68.2%、38.1%、26.5%、70.8%であった。
本研究では、研究ベースとなっている愛知職域コホート研究の在職者の生活習慣等の継続的な調査及び対象者の追跡調査を、継続して実施しており、在職者を対象に、病歴スクリーニング調査を実施した。これらの結果に基づき、糖尿病、急性冠血管疾患、脳卒中に関連する要因についての検討を継続して行った。
本研究で具体的に実施する事項と計画した在職者調査と退職者調査をそれぞれ実施し、データベース化が完了した。また血液及びDNAの保存も計画通り実施できている。また本研究で明らかにすることを目的とした、若年成人期・中年期の生活習慣や危険因子の状況と退職後の健康状態との関連については、統計解析を継続して実施しているが、軽度認知障害発現リスクについて論文公表できた。また、退職公務員の生活の特徴ならびに在職中の要因との関連性についても統計解析を実施しており、概ね計画通りと考える。
計画最終年度であり、研究計画において具体的に実施するとした各事項について、統計解析・論文公表を行っていく。また2020年度に実施した在職者に対する病歴スクリーニング調査結果に基づき、主治医に対する詳細な調査を実施する。さらに退職者に対する定期的な病歴自己申告調査を実施するとともに、生活習慣の変化についても確認する。 -
日本女性の妊娠期から産褥期の栄養が胎児期から新生児期・母乳に与える経世代的影響
研究課題/研究課題番号:17K12325 2017年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
田辺 圭子, 玉腰 浩司, 室月 淳, 高橋 由紀, 谷 純子
担当区分:研究分担者
妊娠期の栄養は母体の健康を維持し,胎児を健やかに育てるために必要不可欠であり,この時期の胎内環境がのちの疾病や健康を決めるといっても過言ではない。特に,妊娠初期の栄養は正常な胎児発育において重要な役割を担っており,次世代の長期にわたる健康に寄与する。本研究は,成人病胎児期起源説の観点から,胎児期から新生児期にかけての栄養調査を実施した。昨年度,データ収集を終え,助産学会等で発表した。
今年度も妊娠期の栄養を主として,つわりの影響の有無による比較(第61日本母性衛生学会学術集会「つわりの有無による妊娠期の女性の栄養摂取と食生活習慣」),BMI3群での比較(同学術集会「体型別にみる妊娠期の女性の栄養摂取と食生活習慣」)を発表した(ただし,コロナ禍のためオンライン)。現在,つわりの影響として発表したものを「つわりの程度にみる日本人女性の妊娠初期の栄養素等摂取状況」として母性衛生誌に投稿したところである。今回の解析より,本研究対象者はつわりの程度にかかわらず妊娠初期の食事摂取基準を充たしていない栄養素が多いことがわかった。そのため,妊娠初期の栄養指導は,つわりの影響に配慮しつつも次世代の健康に影響することを念頭に,従来からの栄養指導を見直し,妊娠初期から十分な栄養素等の摂取を促していく栄養指導への転換が必要であると考えられた。
また,2020年度,延期となったICM学会が今年度はバーチャルによる開催が決定した。一昨年採択されたポスター発表(「Association between nutrition status and morning sickness in Japanese pregnant women」)がようやく実現することなり,再解析し,ポスターを作成している。
今後、体型別による比較を論文化していく予定である。
データセットが完了し,現在、一部の分析が進み,学会発表や論文投稿が可能となっているため。ただし,まだ妊娠期の栄養も食品群までの詳細な解析に至っていないこと,妊娠経過や分娩経過との関連まで進んでいないため,おおむね順調と判断した。
現在,ようやく,妊娠初期の特徴がつかめてきたところである。これから,妊娠食・中期・末期,産褥期とどのように栄養素等摂取状況が変化していくのか,体型別にみた場合の特徴など把握していきたい。本研究の目的は、胎内環境や母乳成分への妊娠期の栄養がどのように関連するのか,さらに,それらを踏まえて妊娠期の適切な栄養指導を考えることである。妊娠期はこれまでの食事内容や食生活行動を見直すきっかけとなる時期である。低栄養による母児の低体重化を予防することは、世代間連鎖を断ち切るだけでなく、成人期までの望ましい食生活習慣獲得に寄与すると考える。 -
研究課題/研究課題番号:16H05563 2016年4月 - 2020年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
藤本 悦子, 中西 啓介, 間脇 彩奈, 竹野 ゆかり, 玉腰 浩司, 有田 広美, 大島 千佳, 安藤 詳子, 菊森 豊根, 永谷 幸子
担当区分:研究分担者
糖尿病患者のリンパ浮腫(乳がん手術時のリンパ節郭清による)のケアプログラムの構築を試みた。複合的療法をベースに様々な観点から検討した。
MR画像からで、前腕の側に水分貯留が多いことが明らかになった。ドレナージはこの部位を念頭に実施すること、血糖との関係から血圧変動の安定している食後120分に実施することが推奨された。浮腫の状況を把握するには、従来の巻き尺や自覚症状による判定では不十分であることが分かり、MR画像や超音波画像診断画像の必要性が示唆された。セルフケアでは患者をエンカレッジするためにケアの効果を視覚的に捉えることが重要である。このために3Dスキャナーを使用することが考えられた。
乳がん、糖尿病が急増していることを鑑みると、糖尿病をもつリンパ浮腫患者のケアが看護として益々重要になってくると考えられる。本研究結果は、ケアを実践する場合に、これまで戸惑っていたこと(今まで通りの画一的な方法でよいのか、いつどのように実施すればよいか、具体的な方法は?といったこと)について回答することにつながり、患者の利益に貢献すると思われる。なお、この「戸惑い」については、第14 回日本看護技術学会(2015)で交流セッションを開催し、臨床看護師を含む様々な立場の参加者と共に抽出、あるいは確認したものである。 -
エピジェネティクス理論に基づいて生活習慣病の起源を疫学的に探究する
2015年4月 - 現在
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究代表者
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エピジェネティクス理論に基づいて生活習慣病の起源を疫学的に探究する
研究課題/研究課題番号:15K08802 2015年4月 - 2020年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
玉腰 浩司
担当区分:研究代表者
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
エピジェネティクス理論に基づく生活習慣病の疫学的病態解明を目的として、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常のいずれの既往歴も持たない男性421名(平均50.7±6.1歳)を対象に、出生時体重とHDLコレステロールの生成過程で重要なATP-binding cassette protein A1(ABCA1)遺伝子のメチル化との関連を検討した。DNAのメチル化率は、50歳以上では、2500g未満群は2500g以上群に比して有意にDNAのメチル化率が高かった。50歳未満では両群間に有意な差はみられなかった。良好でない胎内環境が成人期後半のABCA1遺伝子のDNAメチル化率を促進する可能性が示唆された。
これまでの生活習慣病予防対策は、出生以後の生活習慣・環境を良くすることであったが、胎内環境に着目した。胎内環境が高血圧などの生活習慣病の発症に関連することが報告されている。この関連を説明する仕組みの一つとして、胎内環境が遺伝子配列の変化を伴わず、遺伝子の発現のみに変化を与えることが分かっており、その本態は遺伝子のメチル化である。本研究ではHDLコレステロールの生成過程で重要な役割を果たすABCA1遺伝子を取り上げ、良好でない胎内環境が成人期後半における同遺伝子のメチル化率を促進する可能性を明らかにした。公衆衛生的な視点で解釈すると、本研究結果は周産期医療、母子保健の重要性を謳うものである。 -
ベトナムにおける妊産婦管理および婦人科rare tumorの学際的研究
研究課題/研究課題番号:15H02660 2015年4月 - 2020年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
吉川 史隆, 梶山 広明, 山本 英子, 新美 薫, 玉腰 浩司, 炭竈 誠二, 小谷 友美, 青山 温子, 柴田 清住
担当区分:研究分担者
ベトナムの産婦人科医療の発展のみならず、わが国へのフィードバック可能な医学的財産の構築および共同研究による世界に通用するエビデンスの創生を目的とし、ベトナムの複数施設における妊産婦管理および婦人科の稀少腫瘍について調査を実施した。血小板減少が問題となるデング熱合併妊娠の管理、帝王切開率の増加に伴う帝切創部妊娠の管理、胎児発育不全の児の超音波検査による心機能の評価など、母児の予後改善につながる知見を得た。稀少腫瘍として、胞状奇胎後の続発率が高いこと、それを改善するための予防法についての知見を得た。
デング熱は日本においても散発例が報告されており(妊婦発症は未)、グローバル化が進む現在、これらの知見は将来日本で診療が必要となった際に貴重な情報となる可能性がある。また、日本においては妊婦の重症例に対する集学的医療が進められているが、一方で高コストや侵襲性が高いなどの問題点もある。今回の帝切創部妊娠の内科的治療の検討は症例によっては考慮されることが明らかとなった。 -
研究課題/研究課題番号:26293153 2014年4月 - 2018年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
八谷 寛, 青山 温子, 玉腰 浩司, 平川 仁尚, 上村 真由, 太田 充彦, 内藤 久雄, 山田 宏哉, 李 媛英, 大塚 礼, 村田 千代栄, 埴淵 知哉, Esayas Hilawe, 柿崎 真沙子, 埴淵 知哉, 豊嶋 英明, 江 啓発, 山下 健太郎, 王 超辰, 張 燕, 金子 佳世, , , 何 宇鵬, 鈴木 康司, , 加藤 善士, 藤澤 明子, 松永 眞章,
担当区分:研究分担者
居住地が身体活動、食生活、心理的ストレス、あるいは未知の経路を介して健康状態に影響する可能性が指摘されている。地理情報システム(Geographic Information System: GIS)を活用して、近隣の土地開発の多様性や歩行可能な道との近接性といった居住地の特徴(社会地区類型)を定義し、個人的要因をマルチレベル分析等の手法で調整して健康状態や健康行動との関連を統計的に解析した。その結果、自宅近隣のwalkabilityと余暇の散歩・早歩き習慣有無を含む運動習慣には関連があることが示された。また、自宅から職場までの距離と生活活動上の徒歩時間にも正の関連が示唆された。
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過重労働に関わる新しい心血管マルチバイオマーカーの探索およびその検証的縦断研究
研究課題/研究課題番号:25460795 2013年4月 - 2018年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
平井 真理, 玉腰 浩司
担当区分:研究分担者
長時間労働に関する心血管バイオマーカーの検索で、small-dense (SD)-LDL等が有用である可能性を既に報告した。今回は、これらを、企業体の2回(1年間隔)の健診時に測定し、同時に喫煙歴・食事嗜好・時間外労働時間等を調査した。本研究において、2回の測定の比較で、喫煙者でかつ時間外労働を有する群では、LDLに有意差を認めずSD-LDLとSD-LDL/LDLに有意な増加を認めた。また、非喫煙者で時間外労働を有する群では、SD-LDL/LDLについてのみ有意な増加が認められた。これらの所見から、時間外労働はSD-LDL/LDLが増加することで動脈硬化巣形成を促進する可能性が示唆された。
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胎児期起源仮説に基づく生活習慣病予防―実践に向けてのエビデンス創生―
2008年
科学研究費補助金 基盤研究(C),課題番号:20590641
玉腰 浩司
担当区分:研究代表者
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癌の転移・浸潤抑制物質の同定およびクローニング
1996年 - 1997年
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究代表者
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婦人科癌転移阻止剤開発へのアプローチ
1995年
科学研究費補助金 奨励研究(A)
担当区分:研究代表者
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シスプラチン耐性に関与する蛋白、遺伝子の同定及びクローニング
1994年 - 1996年
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究分担者
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悪性卵巣腫瘍の再発防止による長期生存率改善の研究
1994年 - 1996年
科学研究費補助金 基盤研究(B)
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非免疫系抗腫瘍性因子による新たな卵巣癌治療法開発への基礎的検討に関する研究
1994年 - 1995年
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究分担者