科研費 - 犬飼 義明
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根系形態の遺伝的改良を通した節水栽培下におけるイネの安定生産体制の確立 国際共著
研究課題/研究課題番号:24KK0121 2024年9月 - 2030年3月
科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(海外連携研究)
犬飼 義明
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:20800000円 ( 直接経費:16000000円 、 間接経費:4800000円 )
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側根発育の分子機構と補償生長反応の理解を通したイネ根系形態の改良
研究課題/研究課題番号:24K01729 2024年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
犬飼 義明, 兒島 孝明
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:18460000円 ( 直接経費:14200000円 、 間接経費:4260000円 )
イネの耐乾性を高める上では、側根と呼ばれる分枝根の発育を促すことが有効であるが、その分子機構の解明や育種利用を可能にする遺伝子座の同定は進んでいない。これに関して我々は、乾燥ストレスの有無による側根形態の違いがOUR1/OsbZIP1やOsWOX10転写因子によってもたらされることを見出した。そこで本研究では、これら転写因子の標的遺伝子の同定、発現・機能解析を行うことにより、乾燥下での根域拡大の可塑性をもたらす分子機構の解明を目指す。さらに、イネ科の畑作物に見られる冠根形成能の抑制戦略を同一個体にあわせて導入することにより、これまでにない優れた根系形態を有するイネ系統の作出に挑戦する。
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研究課題/研究課題番号:23K23576 2022年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
土井 一行, 犬飼 義明, 西内 俊策, 杉浦 大輔, 槇原 大悟
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
これまでに、ジャポニカ品種T65と比較してインディカ(aus)品種であるDV85は出穂時に茎葉部NSC含量が高く、出穂後にNSCおよび茎葉部乾物重が急速に減少し、穂重は急速に増加するという登熟様式を示すことを明らかにし、関与するQTLとしてqNSC1、qNSC2、qSWTR11を見出した。また、T65と高収量品種の北陸193号(H193)の交雑後代によるQTL解析では、H193の高いバイオマス生産性に関与するQTLとしてqPW1を、二次枝梗の種子稔性に関与するQTLとしてqPF_SB10を見出した。これらのQTLを多面的に評価して登熟能・実際の収量との関連を解析する。
ジャポニカ品種T65とインディカ品種DV85では、登熟時の茎葉重の変化や茎葉部に蓄積される非構造正炭水化物(NSC)の動態が大きく異なる。これまでに、これらの形質に関与する量的形質遺伝子座(QTL)を両系統の交雑に由来する組換え自殖系統で検出した(Phung et al. 2019)。本研究はこれらのQTLをT65の均一な遺伝的背景をもつ染色体部分置換系統(TD-CSSL)で評価し、QTLの原因遺伝子単離を目指している。
2021年、2022年のTD-CSSLの形質評価の結果をまとめた結果、シンク容量は収量の最も大きな決定要因であり遺伝率が高いこと、充てん率は遺伝率が低く年度間の相関が低いこと、そしてT65の背景をもつTD-CSSLsでは出穂後のバイオマス生産が収量と高い相関を示すことが明らかとなった。
TD-CSSLのNSCに関しては、qNSC2(Phung et al. 2019)をもつ系統では登熟期間中の茎葉部のNSC減少量が大きいことを確認した。また、qSWTR11は登熟期慣中の茎葉部バイオマスの減少に関与するQTLとして検出されたが、このQTLのDV85アリルが導入されたTD-CSSL(1741)では茎葉部バイオマス減少はT65と差がない一方で、出穂時の茎葉部NSC含量が高く、収穫期の茎葉部NSC量が低くなっていることを2年間にわたって確認した。また1741では青未熟粒が多発しており、原因QTLが染色体8にあることを明らかにした。
材料の育成では、TD-CSSLからQTLのピラミディング系統の作出を継続し、2系統のTD-CSSLsのF1にさらに3系統目を交配した。
【形質評価】TD-CSSLs系統についてほぼ完了し、2023年度は特徴的な形質を示したTD-CSSLsとT65の交雑に由来するF2によるQTLの連鎖解析を試みた。酷暑およびカメムシ被害により収量の評価はできなかった。qNSC2をターゲットとする集団では染色体2のDNAマーカーと出穂時の茎葉部NSC量に有意な連鎖を確認できなかった。qSWTR11をターゲットとする集団ではNSC量に関するマッピングを試みたが、こちらも連鎖するDNAマーカーを見つけられなかった。qSWTR11をターゲットとする集団を用いて青未熟粒に関するQTLを染色体8に検出した。
【新規系統の作出と評価】DV85由来のqSWTR11、qNSC1、qNSC2をターゲットとしている。2022年に交配して得たTD-CSSLどうしの交雑のF1にさらに3系統目を交配した。有用アレル導入系統の作出では、申請者らが育成したNERICA背景の超穂重型系統(Reyes et al. 2021)にDV85やH193由来のアレルを導入した材料にNERICA1による戻し交雑を継続した。
【登熟関連形質の評価】TD-CSSLについては穂重(収量)・充てん率・茎葉重、登熟期間中の茎葉重・穂重の変化・NSC動態・一次枝梗・二次枝梗ごとの種子稔性などの形質評価を完了し、出版した。T65と北陸193号の交雑に由来するRHLに対して継続する。NSC定量では粉砕法を改善しスピードアップを達成した。
【マップベースクローニング】高精度連鎖解析:既知QTLの高精度連鎖解析は開始できなかった。
これまでに得られた知見から、充てん率に関する遺伝解析は困難であることが示された。また、T65の背景をもつTD-CSSLsでは出穂後のバイオマス生産が収量と高い相関を示すことが明らかとなったため、出穂後のバイオマス生産について遺伝解析を開始する。そこで、以下について研究を進める。
1.TD-CSSL1741の青未熟粒形質および茎葉部NSC量の高精度連鎖解析:染色体8に青未熟粒を引き起こすQTLが存在することが明らかとなった。TD-CSSLsは出穂時の茎葉部NSC量がTD-CSSLsの中で最も高く、登熟に有利であるはずだが収量は高くなっていなかった。その一因と考えられる青未熟粒の原因遺伝子の高精度連鎖解析をおこなう。また、同じ集団を用いてNSCに関与するQTLを探索する。qNSC2に関しては存在はほぼ確実であると考えられるものの連鎖解析が困難であるため小規模の分離集団による解析を継続する。H193由来の集団についても小規模な解析を継続する。
2.登熟期間中のバイオマス生産に着目した遺伝解析:登熟期間中にT65よりも高いバイオマス生産を示したTD-CSSLsを選抜した。これらのTD-CSSLsについて収量や充てん率の他に時間を追って穂重・茎葉重・SPAD値・茎葉部NSC量などを計測し、多収に貢献し、遺伝解析しやすい形質を絞り込む。また、これらのTD-CSSLsに由来するF2集団で原因QTLを探索する。また、UAVによるNDVI測定やセンサーによる葉面積測定を時系列で行うことができる方法を導入し、そのフィージビリティを評価する。 -
イネ側根原基形成の自律周期とその変調を基盤とした発生原理の解明
研究課題/研究課題番号:22H04715 2022年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
犬飼 義明
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:6110000円 ( 直接経費:4700000円 、 間接経費:1410000円 )
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タンパク質分解により誘起されるイネ根系の可塑的反応機構の解明とその育種利用
研究課題/研究課題番号:21H02164 2021年4月 - 2024年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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水管理により誘導される出穂遅延機構の解析とその冷害回避育種への応用 国際共著
研究課題/研究課題番号:21F20404 2021年4月 - 2023年3月
科学研究費補助金 外国人特別研究員奨励費
担当区分:その他 資金種別:競争的資金
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出穂期の人為制御による熱帯アジアで多発するイネ高温不稔障害の回避 国際共著
研究課題/研究課題番号:20KK0138 2020年10月 - 2024年3月
科学研究費補助金 国際共同研究強化(B)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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イネの標的形質のみを改変できるシス配列探索法の開発
研究課題/研究課題番号:19K22306 2019年7月 - 2021年3月
科学研究費補助金 挑戦的研究(萌芽)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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イネの根系改良を目指したゲノム編集ノックイン改変
研究課題/研究課題番号:19K05970 2019年4月 - 2022年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
島谷 善平
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
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オリザ・ロンギスタミナータに由来するイネの環境ストレス耐性機構の解明と遺伝解析
研究課題/研究課題番号:18H02187 2018年4月 - 2021年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
槇原大悟
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
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細胞壁ダイナミクスが誘起するイネ根系形態の可塑的反応機構の解明
研究課題/研究課題番号:18H02174 2018年4月 - 2021年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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イネにおけるQTL×水ストレス×栽培技術相互作用評価に基づく理想型根系の提案 国際共著
2015年4月 - 2020年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A・海外学術)
山内 章
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
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乾燥回避に寄与するイネ根系の表現型可塑性をもたらすエピジェネティック制御
2015年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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異形根性に注目した作物根系水吸収・輸送構造の解明
2014年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
山内 章
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
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人工制限酵素の外部投与によるイネ標的遺伝子破壊への挑戦
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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アジアの洪水常襲地に適した持続的作物栽培体系の開発 国際共著
2012年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B・海外学術)
坂上潤一
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
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イネの耐乾性に寄与する側根形成遺伝子の機能とネットワークの解明
2012年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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浸透圧ストレス条件下での根系可塑性発現過程についての多面的・網羅的解析
2012年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
小川敦史
担当区分:研究分担者
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イネの種子根および冠根メリステムの形成・維持機構
2011年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 特定領域研究(公募研究)
担当区分:研究代表者
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天水田イネ・陸稲における土壌ストレス要因と根系関連QTLの相互関係 国際共著
2010年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B・海外学術)
山内 章
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
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根系の可塑的応答能力強化によるイネの土壌水分変動ストレス耐性の確立
2010年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B・一般)
山内 章
担当区分:研究分担者
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イネ根端メリステムの発生と異形根性の制御機構
2009年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 特定領域研究(公募研究)21027015
犬飼義明
担当区分:研究代表者
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浸透圧ストレス条件下における側根形成に関する遺伝子発現および作物生理学的解析
2008年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B・一般)
小川敦史
担当区分:研究分担者
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根端メリステムの発生と異形根性の制御機構
2008年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金 特定領域研究(継続領域・公募研究)20061014
犬飼義明
担当区分:研究代表者
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土壌水分変動条件に対するイネの適応反応に関わる形質の同定
2007年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B・一般):研究課題番号 19380011
山内 章
担当区分:研究分担者
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イネの冠根形成を支配する遺伝子の単離と機能解析
2006年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金 若手研究(B),課題番号:18780002
犬飼 義明
担当区分:研究代表者
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作物の耐旱性に関わる根系の生理・機能的形質とその遺伝機構
2004年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B・一般):研究課題番号 16380015
山内 章
担当区分:研究分担者
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イネにおける農業上重要形質を支配するQTLの同定と単離
2002年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金 特別研究員奨励費(COE)
犬飼義明
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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イネの突然変異体を用いた根系の機能および形質発現機構の解析
1998年4月 - 2001年3月
科学研究費補助金 特別研究員奨励費(DC1)
犬飼義明
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金