科研費 - 村瀬 潤
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ガス体炭素基質ーCO2, CH4の微生物利用が水田土壌の物質動態に果たす機能の解明
研究課題/研究課題番号:24K01654 2024年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
村瀬 潤, アシルオグル ムハンメットラシット, 渡邉 彰, 渡邉 健史, 沢田 こずえ
担当区分:研究代表者
配分額:17810000円 ( 直接経費:13700000円 、 間接経費:4110000円 )
水田は温室効果ガスであるメタンの重要な発生源の1つであるが、土壌の表層ではメタンの酸化が活発であり、大気への放出を抑制している。また水田土壌の表面では土壌藻類の光合成による二酸化炭素の吸収も活発である。メタンの酸化と二酸化炭素の吸収は、水田土壌表層で隣接して起こる微生物反応であり、相互に影響しながら炭素を中心とする土壌の物質循環や他の微生物活動に影響を与えていると想定される。本研究では、水田表層土壌における2つの温室効果ガスの微生物利用の実態と水田土壌生態系における意義を明らかにする。
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水稲に連作障害が生じない本当の理由は何か:根圏で土壌病原菌を抑止する機作の探索
研究課題/研究課題番号:22K19132 2022年6月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
浅川 晋, 村瀬 潤, 渡邉 健史
担当区分:研究分担者
湛水下で栽培されるイネ(水稲)には土壌病原菌による連作障害が起きない。従来,湛水で生じる土壌の還元・嫌気状態により好気性の土壌病原菌の活動が抑制されることがその原因とされてきたが,イネと同様に湛水下で栽培されるレンコンやクワイにはフザリウム等の好気性糸状菌による連作障害が起きるため,他に原因があると思われる。イネの根圏では地上部より送られる酸素が根から漏出し酸化的となる。このようなイネの根圏で活発化する(1)原生生物の捕食作用,(2)根周囲の酸化還元境界層における二価鉄の酸化反応によるラジカル生成,(3)非病原性の細菌・糸状菌群集の増殖が土壌病原菌を抑止していると想定し,その機作を探る。
湛水下で栽培されるイネ(水稲)には土壌病原菌による連作障害が起きない。従来,湛水で生じる土壌の還元・嫌気状態により好気性の土壌病原菌の活動が抑制されることがその原因とされてきたが,水稲と同様に湛水下で栽培されるレンコン,クワイにはフザリウム等による連作障害が起きるため,他に原因があると思われる。本研究では,地上部より送られる酸素が根から漏出し,酸化的となるイネの根圏で活発化する微生物活動と生化学反応が土壌病原菌に対する抑止性に関与していると想定する。水稲根圏において,優占して生息する原生生物の捕食作用,根周囲の酸化還元境界層の鉄酸化反応,根からの酸素と有機物で増殖する細菌・糸状菌群集に注目し,水稲が土壌病原菌に対し抑止性を発揮している機作を探ることを目的とする。
まず、実験に供試する病原菌の選定を行った。本研究ではフザリウム属菌を対象として用いることを想定している。これまで、レンコンやクワイに対して病原性を示すことが知られていたFusarium communeの菌株がイネ(インディカ種)に対しても根腐れや地上部の萎凋を引き起こすことを2021年にマレーシアの研究者が報告した。そこで、日本の水田土壌等より分離されたF. commune菌株を国内の微生物保存機関およびフザリウムの研究を行っている研究室から分譲あるいは譲受し、ジャポニカ種の日本晴の実生苗に接種し、病原性を示すかどうか確認した。供試した6菌株の全てについて、根の伸長抑制と褐変が生じることが確認でき、いずれの菌株もイネに対し病徴を示した。また、病原性の程度には菌株間で差が見られた。以上より、これらのF. commune株を水稲根に病徴を起こす病原菌として今後の実験に供試できることが明らかになった。
本研究ではフザリウム属菌を水稲に対する病原菌として用いることを想定していた。これまでイネの根に明確な病徴を生じるフザリウム属菌は国内では知られていなかった。さらに、国内で最も多くのフザリウム属菌が寄託されている微生物保存機関のそれぞれの菌株の記載を調査したが、根に対する病原性を明記している寄託株はなかった。このような状況下で、レンコンやクワイに対して病原性を示すことが知られていたFusarium communeの菌株がイネ(インディカ種)に対しても根腐れや地上部の萎凋を引き起こすことが報告された。そこで、微生物保存機関に寄託されているフザリウム菌株の記載を再度チェックし、日本の水田土壌より分離されたF. commune菌株を選抜した。これまでの研究により、F. communeの菌株がジャポニカ種のイネの根に病徴を生じることを明らかにでき、供試する菌株候補の準備を整えることができた。以上より、おおむね順調に研究が進展していると考えている。
水稲が土壌病原菌に対し抑止性を発揮している機作を探るため、今回得られた研究結果に基づき、イネの根に対する病原性の程度が異なる複数のF. communeの菌株を用いて以下の3つの観点から解析を進める予定である。原生生物による捕食作用については、イネ根圏より分離された原生生物株がF. commune株を捕食するかを調査する。根圏での鉄酸化反応による病原菌の抑止作用については、化学的および生物的鉄酸化反応に伴うヒドロキシラジカルの発生の確認とF. commune株に対する生育抑制作用を調査する。根圏に生息する微生物(細菌・糸状菌)による抑止作用については、圃場において湛水水田条件および落水畑条件でイネを栽培し、それぞれのイネから調製した根圏土壌試料について、フザリウム共培養法を用いてF. commune株に対する抑止作用の調査を行う。 -
研究課題/研究課題番号:22H05720 2022年6月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
村瀬 潤
担当区分:研究代表者
配分額:9490000円 ( 直接経費:7300000円 、 間接経費:2190000円 )
土壌における炭素貯留のもとは植物が起源であり、それ以外の起源についてはこれまで想定されてこなかった。本研究は、環境中の炭素サイクルの中で分解者として認識される土壌マイクロバイオームによる直接的なCO2の吸収機能に注目し、その役割を明らかにしようとする試みである。フィールドにおける利用形態の異なる土壌のCO2フラックス測定、室内培養実験による土壌のCO2固定活性とそれに及ぼす各種環境要因の解析、CO2固定微生物の特定とその特性解析、微生物によって固定された有機炭素の化学構造の特徴と土壌における動態など、異なるスケールおよび方法論をつないだ総合アプローチにより課題解決を目指す。
水田、畑地、草地、林地から採取した土壌を光照射下で培養しCO2吸収活性を比較した。水田、畑地の土壌を用いてガスクロバイアル内に土壌カラムを作成し、土壌表面と気相とのCO2交換に及ぼす光の影響を解析した。畑地、草地土壌は水田土壌と同程度のCO2吸収活性を有していると推定された。CO2吸収速度は光強度に依存的であり、設定した最弱光強度(9 micromol m-2 s-1)でもCO2吸収活性が認められた。土壌カラムから放出されるCO2量は光照射により著しく減少し、気相のCO2濃度は大気レベルを下回ったため、土壌から放出されるCO2の一部は土壌表面で再吸収されるばかりでなく、大気レベルのCO2を吸収する高い基質親和性が示された。
植物育成用LEDライトを取り付けた土壌呼吸測定用チャンバーを作成し,野外における水田、畑地の土壌CO2フラックスを測定した。土壌CO2フラックスは暗条件に比べて明条件で低く、本研究で作成したライト付きチャンバーの有用性が示された。土壌表面での推定CO2吸収速度には時空間的な違いがあったことから、土壌のCO2吸収には光以外の因子も関与すると考えられた。
rRNAを発現する水田土壌の原核微生物・真核微生物群集に及ぼす光の影響を解析した。また、13C標識CO2を用いた安定同位体プロービング法により、光照射によりCO2由来の炭素を利用する土壌微生物群集の探索を行った。原核微生物群集では藍藻が最も優占であった。真核微生物群集では、緑藻・珪藻の優占度が大幅に上昇した。安定同位体プロービング実験では明条件でのみCO2に由来する13CのDNAへの取り込みが確認され、原核微生物では藍藻の他、多様な細菌が13Cを取り込んでいることが示された。真核微生物では、緑藻、珪藻が圧倒的に優占した他、糸状菌、アメーバ、Cercozoa鞭毛虫が13Cを取り込んでいることが明らかとなった。
室内培養実験では、土地利用の異なる農地土壌(水田、畑、草地)で光照射に伴う活発なCO2吸収を示すことができた。最近示された中国の農地における同様の実験結果に比べてその活性は非常に高く、今後理由を明らかにする必要はあるが、本研究の成果はこれまで認識されていない土壌藻類の高いCO2固定ポテンシャルを示している可能性がある。また、水田土壌では晴天時の100分の1以下の弱光条件でもCO2の吸収は認められ、植生下、曇天、また朝晩など、野外において光強度が十分でない場合でも土壌がCO2を吸収することが示唆された。
本研究課題で新たに作成した植物育成用LEDライトを取り付けた土壌呼吸測定用チャンバーは、今後さらに改良を重ね、安定的な測定手法の確立を行う必要はあるが、圃場におけるCO2フラックスに及ぼす光の影響を解析する有効な手段であることが示された。
安定同位体プロービング法とアンプリコンシークエンスを用いた解析では水田土壌で光照射によってCO2を固定する光合成真核・原核微生物を直接的に明らかにすることに成功した。また、光合成微生物以外にもCO2を利用する微生物の存在が示され、光合成微生物によって固定されたCO2が土壌微生物生態系を駆動する炭素源となることが示唆された。また、固定されたCO2由来の炭素の土壌中の化学形態の解析も実施している。
以上のように、本年度は本研究課題の主目的「土壌マイクロバイオームのCO2吸収機能の役割を明らかにする」に対し、物質循環およびそれに関わる微生物の生態について異なるアプローチで先駆的知見を得られたと考えている。
これまでの研究はおおむね当初計画に沿って進んでおり、今後さらに研究を深化させる予定である。
本年度は開発したLEDライト付き土壌呼吸測定用チャンバーを用いて、異なる土地利用下の圃場レベルでの土壌のCO2吸収速度の時空間変動を明らかにする。土壌温度や水分をはじめとする環境要因の測定も合わせて行い、環境パラメータとCO2吸収速度との関係を解析する。また、土壌コアを用いた室内でのCO2吸収測定の手法を開発し、より多くの土壌試料のデータを収集するとともに、給水や乾燥、施肥などの操作実験を行い、土壌のCO2吸収速度を推定するモデルの構築を試みる。土壌に同化された13CO2由来炭素のバイオマス、非バイオマスへの分配や化学形態を明らかにする。また、同化された炭素の代謝回転時間を推定する。
13C標識CO2を用いた安定同位体プロービング法を水田以外の土壌にも適用し、光照射によってCO2由来の炭素を利用する微生物群の比較を行う。土壌から光合成微生物を分離し、形態観察、生化学試験、ゲノム解析をもとに分類同定する。また、CO2固定に関する生化学的特性や環境条件への応答を明らかにし、応用利用の可能性を探る基盤的知見を得る。 -
研究課題/研究課題番号:21KK0114 2021年10月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
EPRON Daniel, 東 若菜, 村瀬 潤
担当区分:研究分担者
The project aims at characterising the effect of fertilisation on atmospheric methane by the soil, by testing two hypotheses: (1) fertilisation increases tree water use, reducing soil water content thus increasing the diffusion and the consumption of atmospheric; and (2) fertilization increases inorganic nitrogen and available phosphorus in the soil. Mineral nitrogen is known to inhibit methanotrophic activity when concentrations become high, while phosphorus may amplify or alleviate nitrogen inhibition.
The proposal has been adopted in November 2021. Due to the Covid 19 and border restrictions, the first trip in Thailand for research activity was initially scheduled in March 2022 but postponed to September 2022. However, the project is progressing smoothly and the initial delay had no impact on it owing to the good preparation and coordination between the teams in Japan and Thailand. The motivation and engagement of our Thai partner is really impressive, and the organization of field trip and field work is awesome.
Two trips were organized this year, one in September 2022 to initiate the long-term measurements (methane flux, sap flow: 2 persons) and one in February 2023 for intensive measurements and samplings (microbiology, nitrogen cycling, soil nutrient capture: 4 persons).
The first 6 months of methane flux measurements showed a very clear effect of fertilization on the soil CH4 budget of this rubber plantation, not only reducing aerobic oxidation as we hypothesized but also increasing methane production in deeper soil layers.
Our Thai partners have successfully applied for a large “Reinventing KU” program which includes our JSPS project and through which two of us could be invited Professors in this new fiscal year.
The project is progressing very smoothly compared to initially plan and despite the 6 months delay due to the Covid 19 situation.
We have installed an electric line to supply electricity to the experimental site in June. We have also asked our Thai colleagues to sample wood for us for anatomical studies that are now on going.
In September 2022, Wakana Azuma and Daniel Epron travelled to Thailand for two weeks to initiate methane flux measurement and train our Thai colleagues to perform the measurements every two weeks, which has been well done until now. We also installed 16 sap flow sensors and two data loggers to evaluate tree water use.
In February 2023, Wakana Azuma, Jun Murase and Makoto Shibata travelled to Thailand for 10 days, and Daniel Epron for an additional week (17 days). We performed intensive measurements of methane flux, maintain the sap flow sensors and add protection against thunderstorms and lightning, installed resin bags for capturing soil nutrients, perform nitrogen isotope labelling to estimate gross fluxes of nitrification, extract DNA for studying soil microbial communities (including the quantification of the abundances of the genes of the particulate CH4 monooxygenase methanotrophic bacteria and of the ammonia monooxygenase gene of the ammonia oxidizing bacteria and archaea) and collect soil samples for incubation to determine the potential of soil methane oxidation.
These two field trips were preceded by two online meetings between the Japanese and the Thai teams to prepare the field and laboratory work.
Two one-week short travels to Thailand have been planned for this fiscal year for the PI, mainly devoted to the management of the resin bags installed for capturing soil nutrients (ammonium, nitrate, phosphate and potassium mainly) at the time fertilizers are applied to the site.
In August 2023, four of us (Wakana Azuma, Jun Murase, Makoto Shibata and Daniel Epron) will travel for at least 10 days to perform intensive field studies, including the estimation of gross fluxes of nitrification using nitrogen isotope labelling, extraction DNA for studying soil microbial communities and collection soil samples for incubation to determine the potential of soil methane oxidation. It will be similar to what we did last year in February during the dry season but this time it will be during the wet season.
A fourth trip is planned in February 2024 to complete the measurements of soil methane flux, uninstall the sap flow sensors and data loggers. Between each of these trips, the Thai partner will continue to measure soil methane flux every two weeks and to take care about the sap flow sensors.
From September 2023, we will have the results of one-year measurement of soil methane flux and tree water use as well as the results of gross fluxes of nitrification and soil microbial communities at two contrasting seasons. We will be able to start writing papers and presenting results in conferences. We will also elaborate plan with our Thai partners for the continuation of this collaborative effort. -
根圏マイクロバイオームを活用した持続型農業を実現するイネ遺伝子の探索と育種利用
研究課題/研究課題番号:21K18221 2021年7月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)
中園 幹生, 村瀬 潤, 藤原 徹
担当区分:研究分担者
低投入持続型農業を実現するには、少ない施肥でも収量を維持し安定した作物生産が可能となる品種の開発が有望視されており、そのためには少肥栽培時の作物の成長と収量の維持に寄与する遺伝子の単離とその育種利用が重要である。本研究では、イネを材料に用いて、無施肥条件下での成長・収量関連形質と根圏微生物との関係性を解明し、少肥栽培時の成長を支える根圏微生物との共生に関わるイネ遺伝子を同定することで、これらを遺伝子資源として育種利用することを目指す。
低投入持続型農業を実現するには、少ない施肥でも収量を維持し安定した作物生産が可能となる品種の開発が有望視されており、そのためには少肥栽培時の作物の成長と収量の維持に寄与する遺伝子の単離とその育種利用が重要である。本研究では、イネを材料に用いて、無施肥条件下での成長・収量関連形質と根圏微生物との関係性を解明し、少肥栽培時の成長を支える根圏微生物との共生に関わるイネ遺伝子を同定することで、これらを遺伝子資源として育種利用することを目指す。
令和4年度は、日本の栽培イネ品種 120 系統の多様性に着目し、イオノーム解析を行い、施肥応答に関連のあるイネの元素動態特性の解明を試みた。施肥圃場と無施肥圃場で生育させたイネの葉のイオン含量について分析したところ、施肥の効果が多くの元素で有意な差として検出された。主成分分析の結果、第一主成分に高い寄与率を示した元素は、葉における蓄積量が経時的に変化する元素、すなわち生育初期(栄養成長期)に植物が必要とする元素と、水田土壌の還元化に伴い生育後期にかけて相対的に吸収量が増加していく元素であった。主成分分析の結果より選抜した元素イオンデータを用いて品種の階層的クラスタリングを行ったところ、5つのクラスターに分類することができた。また、イネ120品種の根圏微生物叢データを用いて、上記のクラスターごとに栄養成長期の根圏微生物存在比率を比較したところ、施肥と無施肥の条件間で大きく異なっていた。さらに、分類したクラスターごとに異なる微生物種が高い存在比率を示した。これらの結果より、イネの葉のイオノーム情報が、根圏に共生する微生物叢の情報を反映していることが示唆された。また、前年度のGWAS解析によって同定した地上部形質や根圏微生物の群構造決定に関わる候補責任遺伝子の機能解析をするために、CRISPR/Cas9によるノックアウト系統の作出を開始した。
概ね計画通りに進んでおり、日本の栽培イネ品種120系統の多様性に着目し、イオノーム解析を行い、施肥応答に関連のあるイネの元素動態特性を調査した。施肥と無施肥の違いが多くの元素で有意な差として検出され、選抜した元素イオンデータを用いて品種の階層的クラスタリングを行って分類したところ、5つのクラスターに分けることができた。また、イオノームデータと根圏微生物叢データの比較解析によって、イネの葉のイオノーム情報が、根圏に共生する微生物叢の情報を反映していることが示唆された。イネのノックアウト系統の作出も開始しており、概ね順調に本研究が進行している。
今後の研究の推進方策は以下の通りである。
GWASにより同定された無施肥区の根圏微生物叢の構成に関与する可能性がある候補遺伝子について、CRISPR/Cas9によるノックアウト系統を作出し、既にT1系統の種子を得ている。このT1系統を、標準栄養条件、貧栄養条件で栽培し、表現型解析を行う。特にこれまでの圃場実験での解析では、根系形態の解析は行なっていないため、ノックアウト系統については根系発達についても詳細に解析を行う予定である。また、根圏微生物叢についても調査することで、今回見出した候補遺伝子が実際に根圏微生物叢に影響を及ぼすかどうかを解析する。さらに、今回同定された遺伝子は遺伝子型の違いで微生物叢を変化させていたが、一部の地上部表現型においてもハプロタイプごとに有意な差があった。興味深いことに、今回の遺伝子は地上部形質のGWASでは同定されなかった。そこで今後、本遺伝子のハプロタイプに着目した圃場試験を行う予定である。 -
トウモロコシ属植物の耐湿性獲得機構の全容解明と分子育種への応用
研究課題/研究課題番号:21H04724 2021年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
中園 幹生, 間野 吉郎, 村瀬 潤, 高橋 秀和
担当区分:研究分担者
本研究課題では、耐湿性の高いトウモロコシ属植物Zea nicaraguensis(ニカラグアテオシント)を遺伝資源として育種利用することで、トウモロコシの耐湿性の改善を目指す。まずは、ニカラグアテオシントの酸素漏出(ROL)バリア形成、地表根形成、還元耐性に関わる遺伝子に着目し、ROLバリア形成と地表根形成の制御機構の解明、還元耐性形質の責任遺伝子の同定と機能解明、還元耐性に寄与する根圏微生物叢の探索等を推進することによって、ニカラグアテオシントの耐湿性獲得機構の全容を明らかにする。さらに、これらの耐湿性遺伝子を全て集積した系統を作出し、耐湿性を強化したトウモロコシの品種育成を推進する。
本研究では、耐湿性の高いZea nicaraguensis(ニカラグアテオシント)の持つ酸素漏出(ROL)バリア形成と地表根形成の制御機構を解明するとともに、還元耐性に寄与する責任遺伝子の同定と根圏微生物叢との関係性の解析を行うことで、ニカラグアテオシントの耐湿性獲得機構の全容を明らかにする。さらに、これらの耐湿性遺伝子を全て集積した系統を作出し、耐湿性を強化したトウモロコシの品種育成を推進することを本研究の目的とする。令和4年度までに、ROLバリア形成制御遺伝子であるRBF1/Qarf3.04によるROLバリア形成制御機構と地表根形成制御機構を解明するために、RBF1/Qarf3.04を導入した準同質遺伝子系統と対照系統のROLバリア形成部位である根の外層、または根端部をレーザーマイクロダイセクション(LM)で単離し、RNA抽出後、RNA-Seqを実施する計画であった。また、ニカラグアテオシントの第9染色体短腕に見出された還元耐性に関するQTL(Qft-rd9.01-9.04)の領域で組換えを起こした系統のシリーズを用いて、トウモロコシSNPタイピング解析を行い、Qft-rd9.01-9.04のマッピングを行った。一方で、ニカラグアテオシントの還元耐性遺伝子を導入したトウモロコシ系統とその対照系統、ニカラグアテオシント、トウモロコシを材料に用いて、根の表面付近に分布している根圏微生物叢を調査した。その結果、還元耐性の高い系統に共通して存在する根圏微生物叢を特定できた。さらに、5つの耐湿性遺伝子を交雑により集積した高耐湿性のトウモロコシ系統を作出するための材料を養成した。
当初の研究計画通り、RBF1/Qarf3.04を導入した準同質遺伝子系統と対照系統の根の外層をLMで単離し、RNA-Seqを実施した結果、多くのリグニン生合成関連遺伝子やスベリン生合成関連遺伝子が同定された。このことからROLバリアの構成成分としてこれらのポリマーが関与していることが示唆された。また、本RNA-Seq解析によって、多くのRBF1/Qarf3.04のターゲット遺伝子候補が同定できた。一方で、令和4年度中に根端部のLM単離はできなかったため、令和5年度に実施予定である。
第9染色体短腕のQft-rd9.01-9.04の詳細マッピングについては、QTL近傍の約2300のSNPs情報を取得した。候補領域で組換えを起こした系統のシリーズの耐湿性データとSNPs情報より、Qft-rd9.01-9.04はbin9.03の約20Mbの領域に座乗すると考えられた。令和5年度は候補領域で組換えが起こっている系統数を増やしてQft-rd9.01-9.04のファインマッピングを進める。
ニカラグアテオシントの還元耐性遺伝子を導入したトウモロコシ系統およびニカラグアテオシント、トウモロコシの根微生物叢のアンプリコンシークエンスの結果をもとに、根微生物叢の潜在的な機能についての系統間の比較を試みた。
5つの耐湿性遺伝子を集積した系統の作出については、第1、第4,および第5染色体の3つの耐湿性遺伝子を持つ系統「#162-181」と第9染色体の耐湿性遺伝子を持つ「IL#39」を交配したF1を作成し、さらに第7染色体の耐湿性遺伝子を持つ「IL#32」と前述のF1を交配した雑種(「IL#32」×(「#162-181」×「IL#39」))を自殖させてF2集団を養成した。次に、F2集団187個体についてマーカー選抜を行い、3つのQTLがテオシントホモに固定しており、他の2つの領域がヘテロである7系統を得た。令和5年度はこの7系統を材料に、5つのQTL領域全てがテオシントホモに固定した系統を作出する。
本年度は、以下の研究を実施する。
(1)RBF1/Qarf3.04のターゲット遺伝子を同定するために、RBF1/Qarf3.04遺伝子を導入した形質転換トウモロコシと対照系統を材料に用いて、根の表層組織、または根端部組織を単離し、RNA-Seq解析を実施する。さらに、ChIP-Seq解析を行い、RBF1/Qarf3.04が直接結合するターゲット遺伝子を同定する。これらのRBF1/Qarf3.04のターゲット遺伝子の中から、ROLバリア形成に関わる遺伝子、あるいは根角度の制御に関わる遺伝子を同定する。また、形質転換トウモロコシの根の角度の調査を実施して、RBF1/Qarf3.04による根角度の制御機構を明らかにする。
(2)第9染色体短腕に見出された還元耐性に関するQTL(Qft-rd9.01-9.04)の領域で組換えを起こした系統のシリーズをさらに拡充させ、候補領域近傍の約2300のSNPs情報を利用して、引き続きQft-rd9.01-9.04のファインマッピングを行う。
(3)前年度までに得られた根圏微生物叢のシークエンスデータをさらに解析し、耐湿性遺伝子の導入と関連を示す微生物群の特定を試みる。新たなトウモロコシ系統が得られれば、その根圏微生物叢の解析を行う。
(4)5つの耐湿性遺伝子(QTL)を交雑により集積した高耐湿性のトウモロコシ系統を作出するために、前年度得られた3つのQTLを持つ系統「#162-181」に第7染色体と第9染色体の2つのQTLを付与したF2集団から、5つのQTLをホモに持つ個体をマーカー選抜し固定・採種する。 -
研究課題/研究課題番号:20H02887 2020年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
村瀬 潤, 中園 幹生, 土井 一行, 西内 俊策
担当区分:研究代表者
配分額:17940000円 ( 直接経費:13800000円 、 間接経費:4140000円 )
根圏は植物と土壌微生物の相互作用のホットスポットである。植物根が土壌微生物に特徴的な生育環境を提供する一方、植物の良好で健全な生長は根圏微生物群集の構成やはたらきと深い関係にある。原生生物による捕食作用は、細菌・糸状菌の群集構造や活性に影響を与える重要なファクターであると認識されているが、根圏での原生生物のはたらきが他の微生物および植物の生育に与える影響はほとんど明らかにされていない。本研究では、水稲根圏における微生物食物連鎖の構造とその機能を解析し、イネの品種と根圏微生物との連関を明らかにする。
植物根に生息する微生物群集のハイスループット分子分析のための核酸抽出および精製方法を開発した。 施肥条件および無施肥条件で栽培した水稲120品種の根微生物群集の組成と微生物食物連鎖の構造を明らかにした。根微生物群集と、施肥条件によって支配されるイネの遺伝子型および表現型との関係を分析した。GWAS解析により根微生物群集を制御するイネ候補遺伝子を抽出した。根微生物群集の構成に及ぼすイネの遺伝子型、表現型、土壌型の重要性を比較解析した。 根微生物の窒素固定活性と窒素固定遺伝子を定量し、施肥効率の高いイネ品種は施肥にともなう窒素固定活性や特定の窒素固定遺伝子の低下の程度が少ないことを明らかにした。
本研究では、遺伝情報が明らかとなっているイネ120品種を対象に根に生息する微生物(細菌、古細菌、真核微生物)群集の網羅的解析を行い、イネの遺伝型、表現型との関係を初めて明らかにした。根微生物群集の構成は施肥の影響を大きく受けること、施肥の影響はイネの遺伝型によって異なること、さらに土壌タイプが根微生物群集を規定する重要な因子であることが示され、イネと根圏微生物の相互作用に関する基盤的な知見を提供するができた。また、本研究により得られた根に生息する窒素固定微生物の生態に関する知見は、将来のイネ育種を含め、土壌微生物の機能を活かした低施肥農業、持続的農業に資するものである。 -
田畑輪換圃場の微生物群集動態を長期継続調査し水田土壌微生物群集の安定性を解明する
研究課題/研究課題番号:18H02114 2018年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
浅川 晋, 村瀬 潤, 渡邉 健史
担当区分:研究分担者
水田では1年の間で湛水と落水が繰り返されるが、土壌中の微生物は安定で頑健な群集を形成している。そのメカニズムを解明するため、3年間隔で畑転換と水田復元が繰り返される田畑輪換圃場の土壌微生物群集の動態を11年間に亘り調査・解析した。好気性・嫌気性のどちらの微生物でも転換畑作期間に存在量が低下し、水田復元期間に徐々に存在量が増加する傾向を示した菌群が多かった。転換畑作期間の群集構成は対照の連年水田と大きく異なったが、水田復元期間が1-3年と増すにつれ連年水田の群集構成に近づく傾向が認められた。水田特有の安定で頑健な群集は、水田を毎年湛水し水稲を栽培することにより形成され維持されていると考えられた。
田畑輪換試験圃場を対象にした長期間の調査により、水田土壌中の安定で頑健な微生物群集が畑転換により大きな影響を受け、水田に復元するとその影響が徐々に緩和されることを初めて明らかにした。水田の高い持続性と生産性に寄与していると考えられる土壌微生物群集の高い恒常性・適応性の維持に、毎年湛水し水稲を栽培することが重要であることを示し、作物生産や環境保全に水田土壌微生物の機能を有効利用する際に有用な基盤的知見を提供した。 -
熱帯畑作地における有機物の「質・量」統合的生態系管理による劣化土壌修復技術の創出
研究課題/研究課題番号:18H02315 2018年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
小崎 隆, 村瀬 潤, 杉原 創, 沢田 こずえ
担当区分:研究分担者
熱帯地域では土壌劣化が引き起こす貧困と飢餓の負のスパイラルが深刻化している。本研究では、従来の量的な有機物管理に加えて、土壌微生物が持つ質的な管理も視野に入れることで、効果的な劣化土壌の修復・保全が可能になる、という着想に基づき、フィールド実験をタンザニア及びインドで行った。異なる土地利用下で、有機物の分解/同化に関与した土壌微生物群集を炭素同化能/分解能と関連付けて比較・解析した。その結果、1)土地利用に伴う土壌微生物の炭素利用効率の違いは、主に糸状菌群集の差異に起因すること、2)堆肥多量施用区で土壌微生物の炭素分解能は向上し、施用有機物が土壌に効率的に蓄積すること、などが判った。
『持続可能な開発目標(SDGs)』の最優先課題「貧困と飢餓の撲滅」は農学が解決すべき究極の目標であり、劣化土壌の修復は喫緊の課題である。本研究では、熱帯畑作地における土地利用が土壌微生物群集やその機能に与える影響について、SIP法などの先端技術を駆使することで解明した結果、従来想定されていた細菌群集に加えて、畑地の炭素循環への貢献度が不明瞭であった糸状菌群集の果たす役割が大きいことを明らかにした。また熱帯畑作地における土壌壌微生物の機能改善に必要な堆肥施用技術に関する新規知見も得られた。今後これらの知見を融合・発展することで、熱帯地域における劣化土壌修復技術の社会実装が可能になる。 -
Cryo-TOF-SIMS/SEMによる根圏効果のサブミリスケールの可視化
研究課題/研究課題番号:16K15075 2016年4月 - 2020年3月
村瀬 潤
担当区分:研究代表者
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
水稲根圏の化学環境をサブミリスケールで可視化することを試みた。軟寒天培地のミニ根箱で栽培した水稲幼苗を寒天ごと切り出して瞬間凍結し、最近開発された、飛行時間二次イオン質量分析/走査電子顕微鏡(Cryo-TOF-SIMS/SEM)システム用いて根および周辺のイオン濃度分布を数100マイクロメータの範囲で可視化することに成功した。原生生物の空間分布からも水稲根圏の微視的な環境勾配について明らかにした。また、水稲根圏の細菌群集に原生生物の捕食作用が重要な役割を果たすことを明らかにした。
植物根からの浸出物の供給による根圏効果は広く知られた事実であるが、周辺微小生態系への影響についての空間的情報はほとんど得られていなかった。根圏の化学環境をサブミリスケールで解析した本研究の成果は、植物と土壌微生物の相互作用のホットスポットである根圏環境の研究の新たなアプローチ、またCryo-TOF-SIMS/MSのポテンシャルを提示するものである。また、本研究で開発したガラス製ミニ根箱は、化学環境と微生物環境の同時可視化を実現した。 -
酸化還元境界層のゆらぎが微生物の動態とガス代謝に及ぼす影響
研究課題/研究課題番号:16H05056 2016年4月 - 2019年3月
村瀬 潤
担当区分:研究代表者
配分額:17680000円 ( 直接経費:13600000円 、 間接経費:4080000円 )
水田土壌に焦点を当てて、酸化還元境界層のゆらぎの実態と微生物群集の応答を解析した。水田土壌表層は過飽和から完全な無酸素状態まで、溶存酸素濃度が極めて大きな変動を示した。水稲根圏でもイネの生育に応じて酸化還元電位が劇的に変動した。水田土壌に生息する原生生物は、好適な酸素濃度あるいは酸化還元電位を持つグループや広範囲の酸素濃度に適応するグループが存在し、酸化還元境界層で捕食者として重要な役割を果たすと考えられた。メタン酸化細菌はメタン酸化に酸素を必須とするものの、嫌気状態に置かれても長期間活性を維持することが可能であった。また、微好気性鉄酸化細菌が表層で活動することが明らかとなった。
酸化還元境界層は、多くの重要な微生物代謝が進行するホットスポットであるが、厚さ数ミリの酸化還元境界層の中での劇的な化学的濃度勾配に応じた微生物の群集や活性の空間分布の詳細はほとんど分かっていなかった。本研究では、酸化還元境界層が大きなゆらぎを有していることを実証するとともに、境界層で微生物がサブミリスケールの住み分けを行なっている実態を明らかにした。また物質循環の鍵を担う微生物群集の境界層のゆらぎに対する応答を検証した。本研究の成果から、酸化還元境界層における環境変動が微生物の生態や温室効果ガスであるメタンの動態に及ぼす影響を微生物サイズの視点に立ったスケールで解析することの重要性が示された。 -
北東シベリア永久凍土地帯のガス代謝と微生物群集の環境変動に対する応答
研究課題/研究課題番号:16H05618 2016年4月 - 2019年3月
村瀬 潤
担当区分:研究代表者
配分額:16250000円 ( 直接経費:12500000円 、 間接経費:3750000円 )
北東シベリア永久凍土湿地帯の温室効果ガスメタンの代謝とそれに関与する微生物群集の実態と環境変動に対する応答を調査した。メタン放出の鍵となるメタン酸化ポテンシャルは他の環北極域の湿地土壌よりも高いことが明らかとなる一方で、メタン放出に対しての抑止力としての機能は弱いことが示された。また、土壌微生物群集の構成についても他の環北極域の土壌との違いが明らかとなり、本地域の独自性が明らかとなった。
本研究では、地球環境変動の影響が最も懸念される環北極域のなかでも調査が進んでいない北東シベリアを対象に、ガス代謝と微生物叢の解析を同時に行い、永久凍土湿地土壌の物質循環とそれに関わる微生物群集を明らかにした。メタン酸化に対する温度条件の影響やメタン酸化に関わる微生物叢の知見は、温暖化に対する永久凍土帯のガス代謝の応答と将来予測に資する生物的パラメータを提供するものと期待される。 -
小川原湖における異臭味原因物質の発生要因の解明
研究課題/研究課題番号:15K07532 2015年4月 - 2018年3月
眞家 永光
担当区分:研究分担者
小川原湖水の物理環境と,冬の大風や台風などの極端な気象が物理環境に与える影響を明らかにした。湖水体積の13%を占める15~21mの層に全窒素の22-63%,全リンの38-79%が存在した。これらは経時的に大きく変動することより,浅層の窒素・リンの重要な供給源になっていると考えられた。また,小川原湖は,植物プランクトン組成の異なる3つの水域に類別された。ラン藻類が優占する秋季に鉄濃度が上昇したことから,糸状藍藻類の増殖に鉄が関与している可能性が示唆された。異臭味物質(2-MIB)産生菌として考えられている糸状藍藻類15株(うち2-MIB産生遺伝子を持つもの5株)を単離培養することに成功した。
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土壌生態系の解剖学的解析ツールとしての人工土壌の開発
2013年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
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水稲根圏におけるメタンの動態に関わる微生物食物連鎖の構造と機能の解析
2013年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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メタン酸化をめぐる微生物食物連鎖の機能解析
2008年
科学研究費補助金 基盤研究(C),課題番号:20580061
村瀬 潤
担当区分:研究代表者
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湿地土壌における原生生物の多様性と機能
2003年10月 - 2008年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
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微生物還元性鉄・マンガンの化学的定量法の確立と環境動態解析への応用
2001年7月 - 2003年1月
科学研究費補助金 奨励研究(A)
担当区分:研究代表者
科研費
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湖沼におけるガス交換
1999年7月 - 2002年1月
科学研究費補助金 特定領域研究(B)(2)(計画)
担当区分:研究分担者
科研費
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21世紀の環境構造変化に対応できる「琵琶湖標準モデル」の開発
1998年7月 - 2000年1月
科学研究費補助金 基盤研究(A)(2)(一般)
担当区分:研究分担者
科研費