科研費 - 白武 勝裕
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ゲノム情報と新規質量分析技術を活用したマタタビ属植物のイリドイド合成機構の解明
研究課題/研究課題番号:24K01745 2024年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
白武 勝裕, 赤木 剛士
担当区分:研究代表者
配分額:18590000円 ( 直接経費:14300000円 、 間接経費:4290000円 )
本研究では“ネコのマタタビ反応”の原因成分であり,新奇な機能性や害虫忌避性などの効果が期待できるイリドイド「ネペタラクトール」に着目し,①未解明なネペタラクトールの生合経路の解明,②マタタビ属植物の中でなぜマタタビだけが大量にネペタラクトールを合成・蓄積できるのかの謎の解明,そして,③ネペタラクトールがどのような分子形態で植物体内に蓄積し,どのように放出されるのかの分子機構の解明を目指し,マタタビ属植物の比較ゲノム,比較トランスクリプトーム解析,メタボローム解析,そして,それらデータの共発現解析を含む統合解析を実施し,ネペタラクトール生合成の制御機構を明らかにする.
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コロナ放電イオン化法を用いた新規質量分析による植物の揮発性代謝物分析法の確立
研究課題/研究課題番号:21K19111 2021年7月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
白武 勝裕, 関本 奏子, 花田 俊男
担当区分:研究代表者
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
コロナ放電イオン化質量分析とは,大気中の化合物をコロナ放電によりイオン化して質量分析を行う技術であり,秒オーダーの分析/リアルタイム分析が可能である.本研究では,果実の香りに関わるVOCs,植物病原菌感染マーカーとなるVOCs,環境刺激によりトマト植物から発生するVOCsを,コロナ放電イオン化質量分析により測定し,コロナ放電イオン化質量分析の植物科学や作物研究における有効性を明らかにする.
簡便,迅速,非破壊,リアルタイム分析が可能な新規質量分析技術「コロナ放電イオン化質量分析」が,植物が発生する揮発性有機化合物(VOCs)の分析に有効であるかの検証を行った.果実の香りに関わるVOCsをコロナ放電イオン化-質量分析で捉えられるかを検証するために,リンゴのVOCsを分析したところ,従来法GC-MSと同等,あるいは化合物によってはGC-MSより高感度でVOCsを捉えることができた.また,コロナ放電イオン化質量分析により,果実が病原菌に感染した時に発生するマーカー化合物を同定し,さらに,マタタビの葉が傷害を受けた時に発生するVOCsをリアルタイムで分析することにも成功した.
従来の揮発性有機化合物(VOCs)の分析には,GC-MSが用いられることが多かったが,GC-MSではVOCsの捕集/注入やクロマトグラフィーによる分離など,手間や時間のかかるステップが必要であった.本研究で用いた「コロナ放電イオン化-質量分析」は,植物が発生するVOCsを直接コロナ放電によりイオン化して質量分析装置に導くため,簡便,迅速,非破壊,リアルタイム分析が可能である.本研究では,リンゴのVOCs分析などから,コロナ放電イオン化-質量分析が植物のVOCs分析に有効あり,植物科学や農作物の成分分析に威力を発揮する技術であることを明らかにした. -
園芸作物の繁殖や分子育種に寄与する新奇生理活性物質の探索とケミカルバイオロジー
研究課題/研究課題番号:21H02184 2021年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
白武 勝裕, 佐藤 綾人
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )
形質転換作物の作出やゲノム編集作物の作出時に問題となっているカルス化,シュート形成,発根を誘導する化合物,また,果樹・花き・果菜類の苗生産において問題となっている挿し木の発根不良を解決する化合物を,ケミカルライブラリーからハイスループットin vitroスクリーニング法によりスクリーニングする.
そして,その化合物が植物に対してどのような作用機作でカルス化,シュート形成,発根を誘導したのかを,生理活性の鍵となる分子構造の決定と化合物の標的タンパク質の特定,化合物を処理した時のトランスクリプトーム変化とメタボローム変化の統合解析による生体内変化から明らかにする. -
新規質量分析PESI/MS/MSによる簡便・迅速な作物のメタボローム解析法の開発
研究課題/研究課題番号:20K20372 2018年6月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)
白武 勝裕, 財津 桂, 林 由美
担当区分:研究代表者
配分額:26000000円 ( 直接経費:20000000円 、 間接経費:6000000円 )
本研究は,生物の代謝物を,生きたまま,非破壊で,抽出や前処理などの操作一切無しに,1検体わずか数秒で解析できる新しい質量分析装置「探針エレクトロスプレー/タンデム質量分析装置(PESI/MS/MS)」を,植物のメタボローム解析(代謝物の一斉解析)に初めて導入し,植物学研究,農作物研究,農業関連産業において有効な分析装置であることを示し,その実証例を提示することを目的としている.
植物の色素成分であるアントシアニンをモデル代謝物として,新しい質量分析技術PESI/MS/MS(Probe Electrospray Ionization-Tandem Mass Spectrometry)が,従来法に比べて圧倒的に簡便・迅速に植物の代謝物を分析できる装置であることを示した.また,この方法が,針を試料に刺すだけで秒オーダーで分析ができ,しかも組織・細胞レベルの局所分析やイメージング分析が可能であることを示した.さらに,130化合物以上を5分以内に分析できるメソッドと,多変量解析や箱ひげ図の作成などを1 分以内に全自動で完了できるプラットフォームの作成にも成功した.
人類は植物の代謝物を食料や栄養源として,また医薬品や工業原料,エネルギー原料として活用してきた.近年では,植物の代謝物を質量分析装置で分析することが多いが,その分析には多くの手間と時間を必要とする.本研究では,微細な針を試料に刺すだけで,秒オーダーで代謝物分析できる,新しい質量分析技術PESI/MS/MS(Probe Electrospray Ionization-Tandem Mass Spectrometry)が,植物の代謝物解析に有効であることを世界で初めて明らかにした. -
ケミカルスクリーニングによる接ぎ木調節化合物の探索と接ぎ木メカニズムの解明
研究課題/研究課題番号:18H03950 2018年4月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
白武 勝裕, 野田口 理孝, 青木 考
担当区分:研究代表者
配分額:44070000円 ( 直接経費:33900000円 、 間接経費:10170000円 )
ハイスループットな組織接着の評価系in vitro grafting(IVG)法を開発し,3,000化合物のスクリーニングと植物ホルモン,類縁体,合成・作用阻害剤の評価を行い,接ぎ木を顕著に促進する新奇化合物を特定すると共に,オーキシンが接ぎ木を促進することを確認した.そして,遺伝子の網羅解析により,新奇化合物の作用点は「細胞壁の再構築」,オーキシンの作用点は「細胞分裂」で,両者の作用点が異なることを示唆した.一方,寄生植物の吸器培養を用いた評価系を開発し,植物ホルモン,類縁体,合成・作用阻害剤の評価を行い,植物ホルモンが道管要素への分化を促進あるいは抑制することを明らかにした.
接ぎ木は日本が誇る農業技術であり,果菜類や果樹など園芸作物の繁殖や栽培に欠かせない技術である.この接ぎ木という日本が誇る農業技術を改良し,さらに発展させるには,接ぎ木が成立する過程のイベントを,組織・細胞・分子レベルで理解することが不可欠であるが,これまでにそのような研究はほとんど行われてこなかった.ケミカルスクリーニングにより新奇な接ぎ木調節化合物を見出し,接ぎ木が成立する過程のイベントの詳細を明らかにすることで,接ぎ木を広範囲の作物種や,これまでに用いられてこなかった組み合わせで用いるための基礎的な知見を得ることに,本研究の学術的意義や社会的意義がある. -
MYB3R転写因子をゲノム編集で機能破壊することで果実を大型化できる可能性の検討
研究課題/研究課題番号:16K14850 2016年4月 - 2018年3月
科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
白武 勝裕, 伊藤 正樹
担当区分:研究代表者
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
トマトで細胞分裂の制御に関わるMYB3Rのゲノムワイド解析を行ったところ,4種類(SlMYB3R1~4)のMYB3Rの存在が明らかになった.分子系統樹からの機能推定と遺伝子の発現解析の結果から,SlMYB3R1およびSlMYB3R2は細胞分裂期の果実における細胞分裂の促進に,SlMYB3R3は細胞分裂停止期の果実における細胞分裂の停止に,SlMYB3R4は果実成熟期のエンドリデュプリケーション(核内倍加)の誘導に関わる可能性が示唆された.SlMYB3R3のゲノム編集トマトを作出したところ,果実サイズは原品種と変わらなかったが,果実の長さが長くなり,時にはピーナッツ型のくびれた果実が形成された.
本研究において,トマトで細胞分裂の制御に関わる4種類のMYB3R(SlMYB3R1~4)の存在を明らかにし, SlMYB3R1とSlMYB3R2が果実の細胞分裂に,SlMYB3R3が果実の細胞分裂の停止に,SlMYB3R4が果実成熟期のエンドリデュプリケーション(核内倍化)の誘導に関わる可能性を示したことは,植物生理学上の学術的意義が大きい.また,SlMYB3R3のゲノム編集トマトの作出により,トマトの果実の形を変えることに成功したことは,園芸作物の育種の観点から社会的意義が大きい. -
花弁緑色化と花持ち性向上を目的とした花きの分子育種技術の開発とその分子機構の解明
研究課題/研究課題番号:15H04449 2015年4月 - 2018年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
白武 勝裕
担当区分:研究代表者
配分額:16510000円 ( 直接経費:12700000円 、 間接経費:3810000円 )
アサガオ由来花弁特的InMYB1プロモーターは,茎頂分裂組織の花弁を発生する位置情報whole2を認識するのではなく,花弁のidentityを細胞レベルで認識して作動することを明らかにした.また,InMYB1上流332-121 bに花弁特異性を規定する領域が存在することを明らかにし,この領域を3連結した改良型発現ベクターを開発した.一方,イネ由来のGPP遺伝子を用い,シロイヌナズナ,アサガオ,ペチュニアの花弁を緑色化し,花弁の形態を変化できること,前者2つの植物では花弁の老化を遅延できることを示し,これが花弁が葉のidentityを持つことによって起きることを明らかにした.
本研究において,アサガオ由来花弁特的InMYB1プロモーターが,花弁のidentityを細胞レベルで認識して作動すること,InMYB1上流332-121 bに花弁特異性を規定する領域が存在することを明らかにしたことは,植物生理学的における学術的意義が大きい.また,このInMYB1プロモーターベースとし,花弁特異的な遺伝子発現を誘導する形質転換ベクターを開発し,アサガオやペチュニアの花を緑色化すると共に,花弁の老化を遅延できることを示したことは,花きの分子育種の発展に大きく貢献するものであり,その社会的意義は大きい. -
トマトのイントログレッション系統を用いたホルムアルデヒド無毒化
2014年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
白武勝裕
担当区分:研究代表者
挑戦的萌芽研究
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統合オミクス解析によるブドウの二次代謝産物蓄積機構のプロファイルと応用展開
2012年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
白武勝裕
担当区分:研究代表者
基盤研究(B)
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花色と花弁の質感の改変を目指した転写因子と花弁特異的プロモーターを用いた分子育種
2011年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
白武勝裕
担当区分:研究代表者
挑戦的萌芽研究
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花弁特異的プロモーターと液胞膜輸送体遺伝子を利用した花色改変分子育種
2009年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
白武勝裕
担当区分:研究代表者
挑戦的萌芽研究
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糖輸送体の網羅的解析をベースとした果実への糖蓄積機構の解明とその応用
2008年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
白武勝裕
担当区分:研究代表者
基盤研究(B)
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ゲノム・ポストゲノムリソースを利用したトマトの二次代謝産物トランスポーターの解析
2006年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金
白武 勝裕
担当区分:研究代表者
萌芽研究
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バラ科果樹におけるソルビトールの合成・転流機構の解明とその機能の他植物への付与
2005年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 若手研究(A)
白武勝裕
担当区分:研究代表者
若手研究(A)
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バラ科果樹における糖シグナルとしてのソルビトールによる糖代謝及び遺伝子発現の制御
2003年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
鈴木康生
担当区分:研究分担者
基盤研究(C)
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園芸作物の生長・生育諸過程における水チャンネルの機能
2001年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
白武勝裕
担当区分:研究代表者
基盤研究(B)
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果菜類の単為結果及び結実に特異的に発現する遺伝子のクローニングと結実の安定化
2001年4月 - 2003年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
山木昭平
担当区分:研究分担者
基盤研究(B)
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果実の生長および貯蔵時における液胞膜と原形質膜の水チャンネルの役割
1999年4月 - 2001年3月
科学研究費補助金 奨励研究
白武勝裕
担当区分:研究代表者
奨励研究
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植物生活環の中での液胞膜輸送ネットワークの機能調節
1998年4月 - 2003年3月
科学研究費補助金 特定領域研究
山木昭平
担当区分:研究分担者
特定領域研究
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バラ科果樹のシンク・ソース機能の向上のための分子生物学的アプローチ
1998年4月 - 2001年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
山木昭平
担当区分:研究分担者
基盤研究(A)