科研費 - 石川 健治
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研究課題/研究課題番号:24H02254 2024年4月 - 2029年3月
科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
石川 健治, 田中 宏昌, 伊藤 昌文, 原 宏和, 近藤 伸一
担当区分:研究代表者
配分額:122720000円 ( 直接経費:94400000円 、 間接経費:28320000円 )
プラズマから短寿命な活性種が高フラックスに輸送供給される特異な反応場での幅広いns~sの時間領域で,複数の活性種が複数の現象を同時に発生させ複雑な複合反応は,プラズマが瞬時過渡応答を与える駆動系(トリガー)として見られる.本研究では,複数の活性種を複合定量的に計測する世界初の試みに挑戦し,種子内細胞質に生じる生化学反応の動態を解析することで新たな生化学の学理を構築する.プラズマ駆動に特徴的な,農薬では見られない,未だ発見されていない生物の環境応答現象や,それらの法則の発見を目指し,プラズマ学と生化学の発展を促す,瞬時過渡応答の活性種動態について新しい『プラズマ駆動生化学』の学理を構築する.
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研究課題/研究課題番号:24H02246 2024年4月 - 2029年3月
科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
古閑 一憲, 金子 俊郎, 小野 亮, 杤久保 文嘉, 伊藤 篤史, 國枝 正, 魚住 信之, 石川 健治, 石橋 勇志, 江原 宏, 新田 洋司, 村上 朝之, 谷口 和成, 栂根 一夫
担当区分:研究分担者
プラズマは、環境負荷の少ない植物成長促進法として注目を集めている。中でも種子へのプラズマ照射は、低コストな成長促進だけでなく、DNA修飾変動などを示す。種子へのプラズマ照射からDNA修飾変動に至る分子機構解明のためには、プラズマから種子内細胞までの分子機構がプラズマによりどのように変動を受けるのかを統合した学理の構築が必要である。本総括研究では、5年間の研究期間において、プラズマ科学と種子科学を中心に、様々な分野における研究者が一同に会して議論しプラズマ種子科学領域を創成する。
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低温プラズマ加工の理論-計算-計測の連携環境構築による一原子一分子制御工学の創成
研究課題/研究課題番号:21H01073 2021年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
関根 誠, 堤 隆嘉, 石川 健治
担当区分:研究分担者
次代電子情報ナノシステムの作製において,微細加工・プラズマエッチングの1原子1分子レベルの反応プロセス制御『アトミックスケールエンジニアリング』が要求される.プラズマエッチングの反応過程をⅠ)気相中反応,Ⅱ)活性種輸送,Ⅲ)表面反応の3段階に階層化し,理論-計算-実験を統合した研究基盤を構築するアプローチを探索しながら,プラズマと表面の相互作用の『アトミックスケールエンジニアリング』を学問体系化し,次代イノベーション電子情報デバイスの創出に貢献する基盤技術を開拓する.
本研究では,この解明を達成する為,反応過程をⅠ)気相中反応,Ⅱ)活性種輸送,Ⅲ)表面反応の3段階に階層化し,階層的に解析スキームを構築することを目指す.それぞれ,原理的な理論構築から計算科学を活用したシミュレーション予測,反応を素過程に細分化した実証・検証実験,さらに大量生産に対応できるエッチング装置での実験,プラズマと表面の相互作用の進展を動力学解析等で実施し,理論-計算-実験を統合した研究基盤を構築するアプローチを探索しながら,プラズマと表面の相互作用の『アトミックスケールエンジニアリング』を学問体系化し,次代イノベーション電子情報デバイスの創出に貢献する基盤技術を開拓できた.
人類及び地球の繁栄のための持続的な開発を推進する上で,電子情報ナノシステムの発展は欠かせない.システムを構成する集積回路・センサ・アクチュエータなどの素子の作製は,微細加工・プラズマエッチングが基盤技術となり,現在1原子1分子レベルの反応プロセス制御『アトミックスケールエンジニアリング』が要求されるにもかかわらず,プラズマエッチング技術の開発には,試行錯誤が繰り返され,理論に基づく予測や原理に則した革新的な技術が創出されているとは言い難い.このような背景から,エッチング反応の原理的な解明が必要である. -
研究課題/研究課題番号:21H04451 2021年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
石川 健治, 田中 宏昌, 古閑 一憲
担当区分:研究代表者
配分額:43030000円 ( 直接経費:33100000円 、 間接経費:9930000円 )
放電プラズマによる抗腫瘍作用などのプラズマと生体との相互作用に関する新奇現象においては,プラズマが生成するラジカルが起点となり,逐次連鎖反応により次々と別のラジカルが生じ,それらの作用で細胞内代謝に変動が生じている.本研究は「プラズマ生成ラジカルが誘起する逐次連鎖反応はどのように進んでいるか?」に焦点を絞い,プラズマ生成ラジカルを起点とする逐次連鎖反応で生成する複数のラジカルをμs・mmの時空間分解能で検出・解析する.得られた結果を総括し,プラズマが誘起する液相に生じる非平衡反応場内のラジカルの反応と,逐次連鎖的に進行するラジカル誘起反応について体系的にまとめる.
本研究では「プラズマ生成ラジカルが誘起する逐次連鎖反応はどのように進んでいるか?」との問いに焦点を絞り,プラズマが溶液内に生成したラジカルを起点とする逐次連鎖反応で生じる複数の『プラズマ誘起活性種』の検出・解析を遂行してきた.液相ラジカルの反応は有機分子の合成・修飾・分解,Ⅰ)官能基の置換,Ⅱ)C3(炭素原子が三つの化合物)からC4, C5への付加,Ⅲ)C2,C1への分解,に大別され,これらの液相ラジカルの反応は,非熱的に連鎖してラジカル発生する.この非平衡に進む化学反応について計測科学の粋を集めることによって,液相ラジカルの反応の解明した.
プラズマバイオ研究において,大気圧低温プラズマが生体に与える作用の学理が探究されており,核心をなす学術的な問いに「プラズマによって細胞内代謝に変動が及ぼされる要因とその作用機構」が投げかけられている.がん細胞死滅などの新奇に及ぼす生体作用の根幹には,プラズマが照射された液相中に生成するラジカルを起因とし,特異に高い濃度でラジカル群によって細胞内代謝変動などに発展する.この未知の機序を解明することによって,プラズマが生成する液相ラジカルの役割を逆手に,その逐次連鎖的に生じる反応の解析から,それらの作用を意図的に引き起こし,細胞内化学反応(代謝)の変動を制御することが可能となった. -
プラズマ中光捕捉微粒子を用いたシース電場の時空間構造揺らぎ形成機構の解明
研究課題/研究課題番号:20H00142 2020年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
白谷 正治, 小林 達哉, 布村 正太, 石川 健治, 鎌滝 晋礼, 富田 健太郎
担当区分:研究分担者
プラズマプロセスで形成するナノ構造揺らぎの抑制が、3次元集積回路の超高層化における最重要課題である。本研究では、超高層3次元集積回路の実現に最も重要なエッチング形状揺らぎとプラズマ揺らぎの関係に焦点を当てる。高アスペクト比エッチングでは、イオンの指向性揺らぎが問題である。イオンの運動エネルギーの異方性に関係する微弱な電場揺らぎは従来の電場計測法では検知できない。本研究では、光捕捉微粒子を用いた超高感電場計測法を用いて、シース電場構造の時空間揺らぎの形成機構を解明する。プラズマ・基板間のシース電場の時空間構造揺らぎを実測するとともに、その発生原因を同定する。
集積回路構造の更なる超高層化及び複雑化が進む中、高アスペクト比構造などにおけるプラズマエッチング及び成膜技術への要求レベルが高まっている。課題解決のために,プラズマプロセス中のマイクロ・ナノメールオーダーの微小空間での電場空間分布の解明とその揺動成分の制御が重要なファクターの一つとなっている。本研究では、光ピンセット法により捕捉されたプラズマ中の微粒子をプローブとして、マイクロメートルオーダーの高い空間分解能を持つ電場強度及びその揺動成分の計測方法の開発、計測精度向上のための微粒子の帯電量の新規実験的導出法の開発及び高アスペクト比構造を用いた入射イオンの振る舞いについて研究解明を行った。
本研究によって開発及び精度向上された光ピンセットによる微粒子にかかる力計測を応用したプラズマの高精度電場計測法は、シース電場の時空間構造及び電場揺動を明らかにすることができることは学術的意義があり、また、半導体製造前工程におけるプラズマエッチングや成膜過程における膜質の微小な不均一性や加工揺らぎとそれらのプラズマ電場の微小な構造の揺らぎとの関係を解明することで、より高精度なプラズマプロセスを実現できることから社会的意義も大きくある。 -
プラズマで生成されたフリーラジカルの生物化学作用のメタボロミクスによる解析
研究課題/研究課題番号:17H02805 2017年4月 - 2020年3月
基盤研究(B)
石川 健治
担当区分:研究代表者
配分額:18460000円 ( 直接経費:14200000円 、 間接経費:4260000円 )
プラズマ活性溶液で培養された細胞内代謝物の変動を観察し,脳腫瘍細胞(U251SP)は1.細胞培養液ではグルコース摂取から異化作用により生体エネルギーとバイオマスの産生,2.プラズマ活性培養液では酸化ストレスにより糖代謝酵素の活性が減弱して生体エネルギーが不足し,3.乳酸含有溶液では細胞内は還元状態を維持しながら乳酸摂取等の同化作用が亢進,4.プラズマ活性乳酸溶液(PAL)ではグルタミン同化や脂肪代謝に,プラズマ活性有機物が阻害要因として働くことを明らかにした.特に,PALではプラズマが活性化した有機物を起因とした細胞内代謝が変動され,プラズマ誘起細胞死に至ることを発見した.
大気圧下でガス温度の上昇を伴わない非平衡(低温)プラズマの生成が制御されて可能となり,液体や生体をはじめとする様々な対象にプラズマの照射効果が見いだされていた中,本研究は,プラズマ活性溶液中で培養された細胞内のメタボローム解析を世界で初めて実施した,研究開始当初はプラズマが生成するRONSの影響が生体作用の主要な因子であるといった見解から,溶液中の有機物の変性をプラズマが液体に作用した結果に生じており、その溶液中に産生された成分が細胞の恒常的応答を変動させ、代謝産物における明瞭な違いを世界で初めて明らかにした. -
研究課題/研究課題番号:15H02588 2015年4月 - 2019年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
加藤 昌志, 石川 健治, 大神 信孝, 矢嶋 伊知朗
担当区分:研究分担者
アジアを中心に飲用井戸水の元素汚染が原因で数千万人以上の多種多様が発生している。本研究では、飲用水元素汚染に関する国際環境問題を迅速に解決することを目的として、以下に示す包括的環境研究を実施した。まず、アフガンニスタン等の情報の乏しい地域も含めて、飲用井戸水元素汚染の現状を把握した。次に、細胞・動物・ヒトの知見を組み合わせた多角的健康リスク評価システムにより、発癌及び感覚器(皮膚・耳)の疾患(黒皮症・難聴等)を誘発する可能性のある有害元素(ヒ素・バリウム・鉄・マンガン等)を選別し、井戸水から浄化すべき元素を特定した。最後に、有害元素を飲用井戸水からの除去できる新規の浄化技術の開発に成功した。
学術的意義:慢性ヒ素中毒の指標の1つとなるヒ素性黒皮症のモデルマウスを作製することに初めて成功した。さらに、黒皮症の発症にエンドセリンが関与している可能性を細胞生物学実験で示した。また、内耳蝸牛に着目し、ヒ素・マンガン等の元素が、難聴を誘発する機序を一部解明した。
社会的意義:アフガニスタンのカブールの飲用井戸水がヒ素やウランに汚染されていることを示した。さらに、有害元素(ヒ素・バリウム・鉄・マンガン)の曝露によって誘発されるヒトの難聴または黒皮症に対するリスクが、毛髪・爪・尿等の元素濃度を指標として評価できることを示した。また、ウラン・バリウム・モリブデン等を吸着できる浄化材候補を提案した。 -
カーボンナノウォールシートエッジエレクトロニクスの創成と単一細胞の分化誘導制御
研究課題/研究課題番号:15H02032 2015年4月 - 2018年3月
堀 勝
担当区分:連携研究者
カーボンナノウォール(CNW)のシートナノエッジから発現する電子物性と細胞との相互作用の体系化な解明による、細胞の接着、形態と分化誘導制御が可能なバイオデバイスとプラズマバイオエレクトロニクスの開拓を目的に、CNW足場上での電気刺激重畳が骨芽細胞の増殖・分化(骨化)に及ぼす効果を解明した。周波数10 Hzの電気刺激を重畳した場合においてのみ、特異的に増殖促進と骨化の抑制が確認された。更に壁密度に対する依存性や、骨化を伴わない細胞塊の形成も見出された。これらはCNW表面のシートエッジと電気刺激とのシナジーによる細胞増殖と分化の変化を示唆し、多様な再生医療での新しい細胞制御技術の確立が期待される。
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プラズマで生成された生体内フリーラジカルの実時間計測とプラズマ滅菌処理の研究
2014年4月 - 2017年3月
基盤研究(B) 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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実時間その場電子スピン共鳴分析によるプラズマの生体に及ぼす作用に関する研究
2012年4月 - 2014年3月
挑戦的萌芽
担当区分:研究代表者