科研費 - 富田 英生
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レーザーフィラメンテーションを高速流動制御に応用した同位体分析の高度化
研究課題/研究課題番号:24K01401 2024年4月 - 2028年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
桑原 彬, 富田 英生, 水嶋 祐基
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
原子力分野の同位体分析では、被ばくリスクを大幅に低減しながら、多元素・多核種を含む固体サンプルを直接分析できる共鳴イオン化質量分析の研究が進められている。しかし、従来のイオン銃による二酸化ウランUO2等の原子化では、U原子収率が極めて低く、微量サンプルの分析には限界があった。申請者はこれまでにナノ秒レーザーによるレーザーアブレーションの原子化を検討してきたが、高真空下での散逸、同位体識別能の劣化、イオン化スキーム外への励起が問題であった。そこで、本研究では、フェムト秒レーザーによるレーザーアブレーションとレーザーフィラメントにより、超音速プラズマ流の高度制御からRIMS諸問題の解決を目指す。
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原子核-多分子間相互作用の解明のための放射性分子の超精密分光と生体内動態解明 国際共著
研究課題/研究課題番号:22H05023 2022年5月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 学術変革領域研究(B)
富田 英生, 寺林 稜平, 園田 哲, 向井 もも
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:36140000円 ( 直接経費:27800000円 、 間接経費:8340000円 )
放射性核種より放出される高エネルギー光子対の量子もつれ検出に基づく原子核-多分子相互作用プローブを活用した診断治療学の創生のためには、放射性核種と生体内分子との相互作用の解明が不可欠である。そこで本研究では、1.放射性分子の超高感度・精密レーザー分光基盤の確立、2.放射性核種・安定同位体で多重置換された分子のレーザー分光による生体内薬物動態評価法の開発、を行う。新たな診断治療用核種を用いた放射性分子の設計・制御との連携を通じて、革新的な診断治療学の創生の一助となると期待される。
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研究課題/研究課題番号:22H05021 2022年5月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 学術変革領域研究(B)
島添 健次, 富田 英生, 佐藤 健, 重河 優大
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
光子対診断治療学の実現のため、域内計画研究の進捗と連携を相互把握し、研究方針策定・改善を継続的に実施する。A01診るB01測るC01創るD01解る班の円滑な運営を行う。 A01/C01班:原子分子評価、C01/D01班:理論/実験計画、A01/B01班:個体・細胞連携、B01/C01 班:分光精製等重点課題の課題管理・連携を推進するとともに、成果の発信を実施する。
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研究課題/研究課題番号:22H03869 2022年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
富田 英生, 植村 立, 阿部 理
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )
本研究では、光吸収強度の高い中赤外領域と光共振器で感度を飛躍的に向上させたレーザー光吸収分光法を用いて、存在比の極めて低い多重置換同位体分子の光吸収量を測定して同位体分子の存在比を直接分析する手法を開発する。二酸化炭素を第一の目標として、存在比がppmレベルの多重置換同位体CO2分子を、少量試料で高精度に分析できる手法の開発を目指す。本手法により、微量試料測定・連続モニタリング・その場分析などが可能となり、原子力工学のみならず、エネルギー工学、薬学、地球惑星科学、歴史学などへの展開も考えられ、多重置換同位体分子の超高感度分析を基盤とした新たな学術の創生につながると期待できる。
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研究課題/研究課題番号:22H03878 2022年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
園田 哲, 富田 英生, 羽場 宏光
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
近年、核医学治療の応用へ期待されるアルファ線核種211Atは、加速器を利用して生成されその分離・精製過程において現状、化学的な手法を利用して製造されている。本研究は化学的な手法を利用しない代わりにRIビームとして211Atを生成しビーム生成に関わる物理的な分離・精製過程において製造する。本研究手法は、化学的な手法では到底実現不可能な同位体間同士の分離を質量数の違いからビーム光学的に分離可能あるが、さらにレーザー共鳴イオン化法を用いることで同位体シフトの違いより分離できる。本研究手法の実用可能性が示されれば211アスタチンに限らず225アクチニウムなど他の医療用RIへも応用していく。
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非平衡プラズマと触媒による協奏的原子化プロセスと精密ウラン同位体分析の実現
研究課題/研究課題番号:21H01858 2021年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
桑原 彬, 富田 英生, 澤田 佳代
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
原子力分野の同位体分析では、前処理なしで固体サンプルを直接分析できるレーザー共鳴イオン化質量分析法が開発されてきた。しかし、ウラン同位体分析では、酸化物の原子化において、①酸化物が高融点、②酸化物の収率が支配的、であることからウラン原子収率が他元素に比べ極めて低く、ナノグラム級の分析は困難であった。そこで、本研究では、スパッタリング等の従来法ではなく、非平衡プラズマと触媒を応用した新しいアプローチで、ウラン原子収率を10倍向上させる。さらに、イオン化にプラズマジェット技術を応用し、ガス温度を100K以下に冷却することで、フェムトグラム級のマイナー核種を検出できる精密分析を実現する。
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非平衡プラズマと触媒による協奏的原子化プロセスと精密ウラン同位体分析の実現
研究課題/研究課題番号:23K21087 2021年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
桑原 彬, 富田 英生, 澤田 佳代
担当区分:研究分担者
原子力分野の同位体分析では、前処理なしで固体サンプルを直接分析できるレーザー共鳴イオン化質量分析法が開発されてきた。しかし、ウラン同位体分析では、酸化物の原子化において、①酸化物が高融点、②酸化物の収率が支配的、であることからウラン原子収率が他元素に比べ極めて低く、ナノグラム級の分析は困難であった。そこで、本研究では、スパッタリング等の従来法ではなく、非平衡プラズマと触媒を応用した新しいアプローチで、ウラン原子収率を10倍向上させる。さらに、イオン化にプラズマジェット技術を応用し、ガス温度を100K以下に冷却することで、フェムトグラム級のマイナー核種を検出できる精密分析を実現する。
2022年度は、①誘電体バリアー放電(DBD)プラズマ装置のジェット長定量・安定作動、②アブレーションプラズマの分光測定、③ウラン分析環境の構築を実施した。
①アルゴンガスを用いたジェット型のDBDプラズマ装置について、安定作動可能な円筒型の電極間距離が9mmであることを確認した。また、大気圧下で動作させCCDカメラによるジェット長の定量を行った。その結果、アルゴン流量3L/min(流速3m/s)で最大の40mmであることが確認された。また、浮遊電位の金属をジェット中に設置することで、電子密度の向上が見込めることが示されたものの、出口近傍ではプローブによる攪乱が生じることでダブルプローブによる電子密度の計測が困難であることが確認された。
②及び③では、最終目標である二酸化ウランを模擬サンプルとして適用できる環境を整備することができた。次に、ナノ秒パルスレーザーのアブレーションで発生するウラン原子の伝播挙動とスペクトル形状の時空間情報の計測を実施した。主な成果として、重元素であるウラン原子は、2021年度の成果であるアルミニウム原子よりも遅い速度で真空中を伝播すること、通常真空中では見られない2つのプルーム層に層分離してしまうこと、スペクトル分裂(ドップラー分裂)が観測されないこと、に関する重要な結果を得ている。これらの実験は、ウラン原子の基底準位からの吸収線(394.382nm)を用いて実施されたが、低励起準位からの吸収線である(404.268nm)についても光学的Time-of-Flight計測から伝播速度を計測することに成功した。
誘電体バリア放電プラズマの電源の不具合により実験の遅れが生じたものの、レーザーアブレーションに関する研究及びウラン分析環境の構築については、想定を上回る成果が得られており、全体として概ね順調に進展していると評価できる。特に、2021年度末時点で投稿中だったアブレーションに関する成果については、2022年度に追加実験等を経て学術雑誌(Q1ジャーナル)に掲載されており、RIMS応用における重要な知見を既に得ている他、ウラン原子の分光計測では、これまでに報告されていない興味深い結果が確認されており、想定を上回る成果と言える。
2023年度は、誘電体バリア放電プラズマのエンハンスメント現象の誘起と真空下でのジェット化を実施する予定である。これまでは片方の電極を接地させていたが、浮遊電極としてジェット中に設置電極を設け、出口下流で柱状プラズマ(グロー放電)の生成を試みる計画である。また、電子密度については、発光分光計測又はレーザー吸収分光計測により定量する。次に、レーザーアブレーションについては、ウラン原子の新たな現象の解明とRIMS応用の観点から考察を目指す。具体的には、ウラン原子の層分離の要因がペレットに含まれる少量の軽元素の影響を受けている可能性、スペクトル分裂はウラン原子の伝播速度が遅いことで出現していない可能性を検討する。 -
磁場と核偏極とガンマ線を用いた新たな医用イメージングの開拓と原理検証
研究課題/研究課題番号:20K20488 2019年6月 - 2023年3月
科学研究費補助金 開拓
代表 島添健次
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
これまで悪性腫瘍の検出などの核医学診断はPET (Positron Emission Tomography)やSPECT などに限られてきたが、空間分解能の点で限界がある。一方でMRIは高分解能な形態診断が可能であるが感度の点で限界がある。また分子間相互作用の全身イメージングは困難であ った。本研究では新たに磁場と核偏極とガンマ線を利用した医用イメージング診断装置の 開拓と原理検証試験を行う。これによりPETの感度とMRIの空間分解能を両立できる技術の確立を目指す。
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全方位3次元測距とガンマイメージングを融合した俯瞰画像下線源可視化・定量法の開発
研究課題/研究課題番号:19H00881 2019年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
島添 健次, 高田 英治, 石田 文彦, 富田 英生, 田村 雄介, 武田 彩希, 鎌田 圭, 禹 ハンウル
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
本研究の目的は、医用診断、環境モニタリング、宇宙ガンマ線、核セキュリティ等の幅広い領域で必要とされるガンマ線定量可視化技術の理論的、実験的な手法の確立である。本研究においては、3 次元全方向に等方的感度を有する 自己位置推定型の TOFガンマ線カメラの開発を行い、線量の定量化イメージングを目指す。 具体的には、全方向に感度を有する新高速シンチレータを用いたスフィア型 TOF(Time Of Flight)ガンマカメラの開発、カメラの自己位置推定可能なロボット技術開発、配置された線源の定量イメージング実証試験、理論的な定量手法論を構築を行う。
本研究の目的は、医用診断、環境モニリング、宇宙ガンマ線、核セキュリティなどの幅広い領域で必要とされるガンマ線定量可視化技術の理論的、実験的な手法の確立である。本目的達成のため新たな 3次元等方TOF (Time Of Flight)構造を有する球型カメラGRASPを開発し、本手法の実験的理論的検証を行う。3次元全方向に等方的感度を有する自己位置推定型のTOFガンマ線カメラの開発を行い、線量の定量化イメージングを目指す。具体的には、全方向に感度を有する新高速シンチレータを用いたガンマカメラの開発を行い、カメラの自己位置推定可能なロボット技術を用いて、配置された線源の定量イメージング実証試験を実施する。また4π方向からの撮像試験を行うことで理論的な定量手法論を構築し可視光ガンマ線融合画像を作成する。本年度は4π方向に等法感度を有するコンプトンガンマカメラを用いた、移動体ロボットをもちいた線源撮像試験を実施し、点線源にたいして線量定量化イメージを得た。また多チャンネル信号処理を実現するための50psの応答速度を持つASICの開発をおこなうとともに、高速のシンチレーターアレイの製作をおこなった。加えて可視光画像およびガンマカメラ画像を融合する手法の検証および画像再構成手法の検討、シミュレーションでの実証を実施した。
本研究の目的は、医用診断、環境モニリング、宇宙ガンマ線、核セキュリティなどの幅広い領域で必要とされるガンマ線定量可視化技術の理論的、実験的な手法の確立である。本目的達成のため新たな 3次元等方TOF (Time Of Flight)構造を有する球型カメラGRASPを開発し、本手法の実験的理論的検証を行う。3次元全方向に等方的感度を有する自己位置推定型のTOFガンマ線カメラの開発を行い、線量の定量化イメージングを目指す。具体的には、全方向に感度を有する新高速シンチレータを用いたガンマカメラの開発を行い、カメラの自己位置推定可能なロボット技術を用いて、配置された線源の定量イメージング実証試験を実施する。また4π方向からの撮像試験を行うことで理論的な定量手法論を構築し可視光ガンマ線融合画像を作成する。本年度は4π方向に等法感度を有するコンプトンガンマカメラを用いた、移動体ロボットをもちいた線源撮像試験を実施し、点線源にたいして線量定量化イメージを得た。また多チャンネル信号処理を実現するための50psの応答速度を持つASICの開発をおこなうとともに、高速のシンチレーターアレイの製作をおこなった。加えて可視光画像およびガンマカメラ画像を融合する手法の検証および画像再構成手法の検討、シミュレーションでの実証を実施した。以上により順調に進展している。
今後さらに4π等法感度を有するコンプトンカメラを用いた複雑な形状を有する線源のイメージングについても検証試験を実施していく予定である。さらに、可視光とガンマ線画像を融合するシステムを構築することでリアルタイムに近い画像再構成を目指す。球型カメラに関しては本年度開発をした高速のエネルギー、時間分解ASICおよびシンチレーターアレイを複数組み合わせたカメラのプロトタイプ開発を開始する。これによりTime Of Flight性能を用いた原理検証試験を実施する。 -
生体内代謝物解析のためのレーザー分光に基づく放射性炭素同位体分析法の開発
研究課題/研究課題番号:18H03469 2018年4月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
富田 英生, 古川 高子, 山本 誠一, 寺林 稜平, SONNENSCH Volker
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
A. ヒトホット試験および代謝物分析に向けたキャビティーリングダウン分光法(CRDS)に基づく放射性炭素(C-14)分析法の高感度化と代謝物分析法の開発
CRDSに基づくC-14分析法の感度を向上させる手法として、二酸化炭素の光吸収過程における飽和効果を利用した飽和吸収CRDSがある。そこで、飽和吸収CRDSを行う実験系を構築し、信号取得に成功した。しかし、現装置では、飽和効果が低く、共振器内光強度を高める必要があることが明らかとなったため、その改善法について検討した。代謝物分析の候補化合物であるメチオニンを対象として、移動相の有機溶媒による持ち込み炭素の影響を評価し、前処理・試料導入部にて十分に低減できることが確認できた。これにより、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)とCRDSシステムをカップリングして、HPLC分画試料中のC-14分析が実現できる見通しが得られた。
B. 代謝イメージングのための2重同位体標識薬剤の開発
炭素同位体標識薬剤の候補化合物としてメチオニンを用いることとし、細胞を用いた代謝物解析の基礎的検討に取り掛かった。。また、マウスに経口投与したC-14標識化合物の体内位置をC-14より放出されるβ線起因の制動X線によってイメージングすることに成功した。さらに、トリチウムからβ線に起因する制動X線イメージングも実現した。
ヒトホット試験および代謝物分析に向けた14C-CRDSの高感度化に向けた見通しが得られており、計画通り進捗している。一方、代謝物分析に関しては、分析のスループット向上にむけた試料導入法の研究を優先し、年度末にHPLC分画試料を測定する計画としていたため、一連の分画試料を測定するには至らなかったため、若干の遅れが生じた。
マウスを用いた実験を実施し、C-14標識化合物の体内位置を体外からイメージングできることが実証されており、代謝分析に向けて順調に進捗している。薬物代謝物分析についても検討は、細胞を用いた評価などの準備が進められており、若干の遅れが見られるものの、期間内に予定している研究を進められる状況と考えている。
14C-CRDSの高感度化につながるいくつかの方策を組み合わせることで、最適化を進める。また、代謝物分析のために要素技術の開発を進め、本手法によるHPLC分画試料測定性能の評価を行う。これらの結果をもとに、炭素同位体標識薬剤の候補化合物について、代謝物分析・イメージングの適用性を評価する予定である。 -
狭帯域パルスレーザーによる極微量核種高分解能共鳴イオン化分光・分析法の開発
研究課題/研究課題番号:26420868 2014年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
富田英生
担当区分:研究代表者
配分額:5070000円 ( 直接経費:3900000円 、 間接経費:1170000円 )
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研究課題/研究課題番号:23760825 2011年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
富田英生
担当区分:研究代表者
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
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同位体選択的レーザー光脱離を用いたコンパクト化汎用加速器質量分析法の開発
研究課題/研究課題番号:21246144 2009年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
代表 井口哲夫
担当区分:研究分担者
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研究課題/研究課題番号:20760592 2008年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
富田 英生
担当区分:研究代表者
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )