科研費 - 長谷川 泰久
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研究課題/研究課題番号:22H03451 2022年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
栗本 秀, 下田 真吾, 竹内 大, 佐伯 総太, 建部 将広, 長谷川 泰久, 平田 仁, 山本 美知郎, 岩月 克之, 徳武 克浩, 浅見 雄太
担当区分:研究分担者
末梢神経内神経幹細胞移植により麻痺筋近傍で脊髄様構造を有する神経節を誘導し、再生した複数の横紋筋を多チャンネル埋め込み型電気刺激装置により制御することで、自立した生活が可能なレベルの機能回復を実現するサイバネティクス技術を開発している。より正確な運動制御を行うため、末梢神経内感覚ニューロン移植により、失われた感覚情報も同時に再建し、体性感覚フィードバックを有した高度な運動制御を可能とする新規麻痺治療技術の開発を目指す。
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身体化されたロボットアームへのAIによる運動介入時の操作者適応支援技術
研究課題/研究課題番号:20H05468 2020年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
長谷川 泰久
担当区分:研究代表者
配分額:6110000円 ( 直接経費:4700000円 、 間接経費:1410000円 )
本提案課題では、人と機械(知能機械)が身体表現の更新により神経生理的に融合させ、更にフィードバック情報を加工・操作し人の適応・認知を誘導することで、その作業能力の限界を拡張する。この人と知能機械の完全な融合を促進する操作インタフェース技術は、人支援機器の実用性を大きく左右する基幹技術であり、医療・福祉・介護のみならず、建設現場や工場における重作業支援、トレーニング、スポーツ、アミューズメントなどその活用範囲は広い。
本年度は,異なる聴覚フィードバック状況下でアーム速度を維持・変更する操作介入を導入し,自己主体感に及ぼす影響を実験により調査した.健常な20代男性7名を被験者とし,HSRのアーム先端位置を奥行き方向のみ遠隔操作可能な状態で実施した.アーム初期位置から25cm離れた位置に設置したポールを把持可能な位置まで3秒間でアームを移動させるタスクを設定し,補正なし条件で練習後,補正あり/なし条件をランダムに変更して実験した.各条件5回,計10回を1セットとし,1条件あたり2セット実施した.比較のため,各聴覚フィードバック条件で速度変化率を7段階変更して繰り返し実験した.
アーム操作に対する自己主体感,補正への気づきの有無を評価指標とし,補正あり/なしでの比較をした.自己主体感に関しては,各試行後に「自身の操作がロボットアームの動きに反映されていたか」という問いに対して5段階のリッカート尺度で評価を求めた.
聴覚フィードバック無しの条件において,弱い操作介入による自己主体感への影響が小さかったのに対し,BeepまたはSurround条件は,操作介入の影響を受けやすく,強い介入条件で自己主体感が大きく低下した.これは,視覚のみでは変化に気が付きにくく,ロボットや自身の動きに対応した音によって視覚とのずれが強調されたためと考えられる.
BeepおよびSurroundがある条件では,弱い介入では他条件よりも自己主体感の低下が大きいが,強い介入条件で最も自己主体感の低下を抑制した.この結果は,視覚刺激-聴覚刺激の同期と運動-聴覚刺激の同期が自己主体感を低下させる基準を曖昧にする可能性を示唆した.
実験結果から,ロボットアームの動作音やコントローラ操作音の提示は,強い介入による自己主体感の低下を抑制せず,両者を同時提示する場合に強い介入による影響を低減する可能性が示された.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。 -
スマートAIと人の身体化能力の融合技術開拓と遠隔操作情報の相互伝達問題解決への応用
2020年 - 2023年
科学技術振興機構 戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 CREST
長谷川 泰久
本研究は、スマートAIと人の身体化能力の融合技術開拓に取り組み、遅延やフィードバック感覚の欠如といったロボット遠隔操作における相互伝達問題の解決し、高齢者や要介助者を含む誰もが直感的にロボットを遠隔操作できることを目指すものです。この研究では、日独仏それぞれのグループが持つ世界トップレベルの専門知識・コア技術をベースに進めます。仏国側が提供するコンピュータビジョンと機械学習による作業環境を理解するためのAIと独国側が提供する触覚計測や強化学習を基盤としたロボット制御AIを用いたスマートAIを整備し、日本国側が提供する人の身体機能を拡張するロボット身体化能力とスマートAIの融合化技術の開拓に日独仏の研究グループが協力して取り組み、高齢者や要介助者によるロボット遠隔操作への応用を試みます。
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機能的な運動を再建する埋込型筋再支配神経ネットワーク制御デバイスを創製
研究課題/研究課題番号:19K21944 2019年6月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
長谷川 泰久, 竹内 大, 青山 忠義
担当区分:研究代表者
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
事故などにより末梢神経を損傷した際、損傷の部位や程度によって治療が困難となり、運動機能や感覚能力が低下または喪失する。運動神経系前駆細胞の末梢神経内移植による麻痺筋の神経ネットワーク再支配技術は、不随となった筋の機能低下を抑制でき、新たな運動麻痺の治療法として注目されている。本研究では、神経ネットワーク再支配を行ったラットによる動物実験にて、後肢脛骨及び腓骨神経に接続したマイクロデバイスが無線給電により6ヶ月以上稼働し、神経への電気刺激による筋収縮力の制御を実現することを目指す。
本研究では、神経が切断された筋組織に対して、運動ニューロンを注入し電気刺激を行うことで不随となった筋収縮を誘発し、他の健常部位の運動と連動して機能的な運動を再建することを目的とした、埋込型筋再支配神経ネットワーク制御デバイスについて研究を行った。作製した神経刺激デバイスを用いてラット後脚の底背屈運動制御を実施し、ビジュアルフィードバック制御を用いた底背屈運動のリアルタイム制御を実現した。さらに、生体適合性材料を用いたフレキシブルカフ電極を作製し、末梢神経と神経刺激装置との安定した接続による神経への機能的電気刺激を実現した。
事故などにより末梢神経を損傷した際、損傷の部位や程度によって治療が困難となり、運動機能や感覚能力が低下または喪失する。本研究では、研究協力者の平田らが有する麻痺した骨格筋への神経ネットワーク再支配技術を用いて、末梢神経を人工的に電気刺激することによる機能的な運動の再建を行っている。本手法では、神経刺激による筋運動の生成を行うことで、低い刺激強度によって複数の筋活動を選択的かつ精密に制御することが可能である点に学術的意義がある。また、本研究は従来有効な治療法がなかった下位運動ニューロン障害に対する新たな治療法を提案するものであり、その実現には社会的にも大きな意義を有する。 -
研究課題/研究課題番号:18H04063 2018年4月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
平田 仁, 高須 正規, 下田 真吾, 岡田 洋平, 林部 充宏, 建部 将広, 長谷川 泰久, 栗本 秀, 大山 慎太郎, 山本 美知郎, 岩月 克之
担当区分:研究分担者
脊髄損傷や筋萎縮性側索硬化症などの外傷・疾患では脳機能が正常に維持される中で広範な神経原性筋萎縮が進行し、生命維持が困難な高度な障害へと発展していく。本研究は、このような難治性麻痺状況に対して、(1)末梢神経幹内神経幹細胞移植による麻痺筋近傍での脊髄様構造の神経節誘導、(2)新たに開発をする複数制御可能な埋め込み型電気刺激装置、(3)脳の制御信号を予測し、暗黙知による制御を可能とする人工知能、という独自に開発した3つの基盤技術を適用して、自立した生活が可能なレベルの機能回復を実現するサイバネティクス技術を開発している。
神経障害や加齢により低下した身体能力を、人工的センサーやアクチュエーターによる代償ではなく、再生医療技術により患者自らの神経・筋機能を復活・増強して機能回復させる。そのため、情報処理と制御系のみを工学技術に依存するためエネルギーの大半が摂取する食物から得られる。さらにこの技術は、歩行や把持動作などの運動機能を回復させるだけでなく、嚥下や呼吸、腸の蠕動運動といった自律神経系の支配が強く、生命維持の根幹に関わる機能を回復させることもできる。 -
筋再支配神経ネットワークを駆動するフレキシブルマイクロデバイスの創製
研究課題/研究課題番号:17K20101 2017年6月 - 2019年3月
挑戦的研究(萌芽)
長谷川 泰久
担当区分:研究代表者
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
本研究では、末梢神経に対し電気刺激を行うことで筋収縮を誘発し、機能的な運動を制御可能とする生体内完全埋込フレキシブルマイクロデバイスの創製を目的として研究を行った。その結果、脛骨・腓骨神経の選択的刺激によるラット足関節の底背屈運動を実現し、刺激強度の調整による足関節角度制御を実現した。
さらに、神経組織の瘢痕化を防ぎ長期間安定した神経電気刺激の実現のため、電極細径化を行った。ポリイミドフィルムを用いた幅500ミクロンの2極電極、及びフォトレジストSU-8を用いた厚さ20ミクロン、幅50ミクロンの2極電極、の2つのフレキシブル電極を作製し、どちらも脛骨・腓骨神経への挿入に成功した。
事故などにより末梢神経を損傷した際、運動機能や感覚能力の重篤な低下や完全な喪失が生じる。本研究では、研究協力者の平田らが有する麻痺筋の神経ネットワーク再支配技術を用いて、末梢神経を人工的に刺激することによる機能的な運動の再建を行っている。この手法では、筋を直接刺激するのではなく神経を介することで、低い刺激強度によって複数の筋活動を選択的に制御できた点に学術的意義がある。
また、本研究で実現した完全埋込型無線給電デバイスによる複数神経の電気刺激は、神経再接続手術による運動機能回復が困難である患者に対し機能的な運動の回復を実現できる新たな治療法としての可能性を示しており、大きな社会的な意義を有する。 -
恒常的身体拡張を目的とした親和性向上技術と、遠隔操作および運動支援への応用
研究課題/研究課題番号:17H03205 2017年4月 - 2020年3月
長谷川 泰久
担当区分:研究代表者
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
本研究では、道具が身体の一部として認知される道具身体化の原理を、装着型運動支援機器やマスタースレーブシステムへ適応可能なレベルへ拡張し、運動機器の身体化を促進する脳・神経生理的親和性向上技術の研究開発を行い、物理的に限界にある機器の軽量化・小型化・応答性・配置を、認知・知覚の観点から進め、健常者および障がい者の恒常的身体拡張を実現する技術開発を行った。具体的には、感覚の代替技術、運動補正技術などについて、1)外骨格型歩行支援ロボットの操作インタフェース、2)移動ロボットの遠隔操作インタフェース、3)外骨格型走行支援デバイスの開発を通じて研究を推進した。
人と機械の完全な融合を促進する脳・神経生理的親和性は装着型支援機器の実用性を大きく左右する基幹技術であり、医療・福祉・介護のみならず、建設現場や工場における重作業支援、トレーニング、スポーツ、アミューズメントなどその活用範囲は広く、今後の装着型支援機器の標準化技術となりえるものである。 -
駆動関節を有する人工肢の身体化過程における身体表現変容因子の同定
研究課題/研究課題番号:17H05906 2017年4月 - 2019年3月
新学術領域研究(研究領域提案型)
長谷川 泰久
担当区分:研究代表者
配分額:9880000円 ( 直接経費:7600000円 、 間接経費:2280000円 )
本研究では,ロボット身体化において重要となる身体表現の更新を促進する要因を解明すると共に,より良いロボット操作インタフェースを開発することを目標としている.今年度は,身体表現を持たない後耳介筋を用いてロボット指を操作するための操作学習実験を行なった.まず,耳を動かすことができない被験者3名に対し,後耳介筋の随意収縮能力を獲得することを目的としたトレーニングを実施した.その結果,被検者 Aはトレーニング開始直後に左耳を動かすことが可能となったが,右耳を動かすことはできなかった.被検者Bはトレーニングを通じて向上はなかった.被検者Cはトレーニングの3セット目から右耳側の筋電位に向上が確認された.その後,左右の後耳介筋を独立して十分に動かすことができる被験者 1名に対し,後耳介筋を用いたロボット指の操作実験を行った.振動刺激を呈示した場合において,より少ない到達作業失敗回数となった(p<0.1).また,実験終了後に被検者から,振動刺激によってロボット指の位置を知覚できたとの報告が得られた.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。 -
駆動関節を有する人工肢の運動学習過程における身体表現変容因子の同定
2015年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
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運動支援および感覚刺激による高次運動早期獲得技術の実現
2014年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
担当区分:研究代表者
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神経生理的親和性向上技術による恒常的身体拡張技術に関する研究開発
2013年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者