科研費 - 中野 正樹
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最新弾塑性地盤力学に基づく圧縮/伸長/横ずれ場にある表層地盤の地形変動過程の再現
研究課題/研究課題番号:22H01586 2022年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
野田 利弘, 淺岡 顕, 中野 正樹, 山田 正太郎, 中井 健太郎, 吉川 高広, 豊田 智大
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:100000円 ( 直接経費:100000円 )
本研究では,変動地形学・構造地質学分野において分類・整理されてきた種々の浅部地質構造,とくに種々の変形(伸張・圧縮・横ずれ)場で生じる様々な浅部地質構造(listric断層,imbrication,Riedelせん断等)の発生機構を弾塑性数値地盤力学の立場から解明することを目的とする.これを達成するために,以下に示す項目を順次実行する.
1)三主応力試験および断層模型実験の実施,2)大規模三次元解析の実現に向けた解析手法の高度化・高速化,3)横ずれ場・伸張場・圧縮場においては発達する地質構造の数値シミュレーション -
液状化中の誘導異方性の変化を考慮した再液状化被害予測手法の開発と対策効果の検証
研究課題/研究課題番号:19H02402 2019年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
山田 正太郎, 京谷 孝史, 中野 正樹, 淺岡 顕, 野田 利弘
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:130000円 ( 直接経費:100000円 、 間接経費:30000円 )
本研究では,再液状化現象を含む液状化被害予測を高度に実現する技術を開発するとともに,開発した液状化・再液状化対策手法の有効性を検証し,より効果的な地盤改良法を提案することを目的とする.
これらの目的を研究機関内に実現するために,以下に示す項目を順次実行する.
1) 多様な土試料の液状化・再液状化特性の実験的把握と数理モデルの高度化・検証, 2) 数理モデルの水~土連成解析コードへの実装と模型実験を用いた精度検証, 3) 実地盤を対象とした液状化・再液状化現象のシミュレーション, 4) 液状化・再液状化リスクの評価スキームの構築, 5) 各種液状化対策効果の検証 -
巨大地震・豪雨のマルチハザードに対する飽和/不飽和土構造物の安定性評価と強化対策
研究課題/研究課題番号:17H01289 2017年4月 - 2021年3月
野田 利弘
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:39000円 ( 直接経費:30000円 、 間接経費:9000円 )
① 不飽和土三軸供試体の吸水破壊メカニズムの解明 : 降雨による斜面や盛土の変形・破壊メカニズムの解明を見据えて、不飽和土三軸供試体の吸水破壊試験とその数値シミュレーションを行った。実験では、不飽和シルト供試体に対して三軸圧縮過程中に荷重一定条件下で間隙圧を上昇させる吸水試験を行い、供試体が吸水時に軟化して、軸変位が急激に生じて破壊に至ることを示した。その数値シミュレーションにおいては、慣性力を考慮可能な不飽和土対応の有限変形解析コードにより、供試体が吸水軟化により加速度を伴って破壊に至る挙動の再現に成功するとともに、「塑性圧縮を伴う軟化」と「塑性膨張を伴う軟化」の二つの吸水破壊メカニズムがあることを明らかにした。
② Full formulationに基づく解析コードの妥当性検証 : 透水性が極めて高い土の動的変形問題を解くために開発したfull formulationに基づく解析コードの妥当性検証を、一次元動的弾性変形問題を例題として行った。この問題の理論解と解析解が良く整合するとともに、支配方程式が減衰波動方程式に帰着され、理論解が固有値に応じて性質の異なるモード(過減衰~減衰振動)の重ね合わせで表現されることを明らかにした。
③ 解析コードの高速化・大容量化 : 解析コードをOpenMPとMPIのハイブリッド並列化により高速化・大容量化を進め、その解析コードを用いて、横ずれ断層に関する大規模な3次元弾塑性有限変形解析を行った。具体的には、横ずれ断層の形状をランダムに変えた複数ケースに対して表層地盤の変形を解いた結果、ひずみの局所的増大が「断層線の傾きが最大の拘束性屈曲」において優先的に発生することが示された。この結果は、地下の主断層線の形状が特定された際に、その変位により生じる副次断層の変位がどこで卓越するかを予測する際の手がかりになり得ると考えられる。
前述①について、不飽和土の吸水破壊メカニズムに関する実験事実を蓄積することができた。また、その数値シミュレーションにおいて、土供試体が吸水軟化により加速度を伴って破壊に至る挙動の再現に成功したことは、降雨による斜面や盛土等の変形・破壊メカニズムの解明に大きく近づいたと考えられる。前述②について、u-p formulationでは計算不可能な超高透水性土の変形メカニズムの解明が進んだ。前述③について、解析コードの高速化・大容量化が着実に進み、これまでは困難であった大規模計算を数多く実施できるようになってきた。
以上のように、各研究課題に対して、研究計画に従って一定の成果を得られているため、おおむね順調に進んでいると自己評価した。
前述①の研究成果を受け、降雨および地震と降雨の複合外力に対して、斜面や盛土等の実地盤・土構造物の変形・破壊挙動の評価、さらにはその対策工法の検討を進める。また、前述②のFull formulationに基づく変形解析コードを用いた研究課題を推進するために、引き続き常勤の研究員を雇用する。当研究員は前述③の並列化による解析手法の高速化・大容量化も併せて進める。 -
二重硬化弾塑性構成式の提案とそれに基づく地盤材料力学の体系化
研究課題/研究課題番号:16H04408 2016年4月 - 2019年3月
中野 正樹
担当区分:研究代表者
配分額:18590000円 ( 直接経費:14300000円 、 間接経費:4290000円 )
独立に存在し得る二つの弾塑性構成式(自然堆積粘土の力学挙動の記述に優れたSYS Cam-clay modelと砂の非排水せん断挙動の再現に多用されてきた非関連Drucker-Prager model)が単一のモデルとして機能する新たな弾塑性構成式の枠組みを提案した.このモデルによって,様々な地盤材料の力学挙動が統一的に記述可能になった.同構成式を慣性力を考慮した水~土連成解析コードに実装し,実問題への応用を可能にした.
地盤工学分野では,長年の間,粘土と砂の構成式は別々に扱われてきたが,これらを統合可能な数理モデルが開発されたことによって,地盤材料力学の体系化に大きな前進があった.また,同モデルを実装した水~土連成解析コードによって,地震時の液状化現象や軟弱粘土地盤の荷重載荷による変形・破壊問題など,地盤災害の予測やそれを回避するための対策効果の検討が単一の理論体系の下で実施できるようになった. -
スレーキング現象の弾塑性力学に基づく解釈と泥岩盛土の地震時に有効な対策工の提案
研究課題/研究課題番号:16K18147 2016年4月 - 2018年3月
酒井 崇之
担当区分:連携研究者
乾湿繰返し圧縮試験機を用いて、実際の盛土を想定した上載荷重を与えながら、乾湿を与えて三軸試験用の供試体を作製した。三軸試験を実施すると乾湿を与えたことにより、強度が低下した。試験後の供試体の粒度は乾湿を与えても変化しなかったが、粒は軟化した。粒の軟化により強度が低下したと考えられる。
盛土形状により、効果的な耐震対策工法は異なる。しかし、のり面保護工はいずれの形状に対しても、効果的な補強工法であった。対策していない場合と比較すると、地震による変位は約30%まで軽減することができた。ただし、補強部材の多くは、降伏してしまうこともわかった。 -
木片の混入率・腐朽性を考慮した災害津波堆積物の地盤材料としての有効利用の提案
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金
中野正樹
担当区分:研究代表者
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海溝型連発大地震も視野に入れた我が国沿岸域の耐震性再評価と地盤強化技術の検討
2009年 - 2014年
科学研究費補助金 基盤研究(S),
野田利弘
担当区分:研究分担者
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セメント改良した浚渫土,建設発生土の力学挙動の把握と弾塑性モデルによる挙動の再現
2009年 - 2011年
科学研究費補助金 基盤研究(C),課題番号:21560519
中野正樹
担当区分:研究代表者
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破砕・拡散混合により瞬時・大量に改良された微粒珪砂キラの地盤材料への有効利用
2006年 - 2008年
科学研究費補助金 基盤研究(C)(一般),課題番号:18560483
中野 正樹
担当区分:研究代表者
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自然堆積および人工地盤の構造・過圧密・異方性を含む弾塑性地盤性状の確定
2006年 - 2008年
科学研究費補助金 基盤研究(B)(2),
浅岡顕
担当区分:研究分担者
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建設廃材としての第3紀泥岩岩砕のスレ-キング対策と盛土等の有効利用の開発
2004年
科学研究費補助金
松尾稔
担当区分:研究分担者
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飽和した超過圧密粘土/密な砂の水~土連成場での進行性破壊の機構の解明とその応用
2000年
Grant-in-Aid for Scientific Research
担当区分:研究分担者